名大生ボイス

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大学生活全般

2022.05.13

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春から就活生の皆さんへ~OBOG訪問~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。春から就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になったことは分かっていても、何をすれば良いのか分からず漠然とした不安に襲われている人も少なくないはずです。私も就活生になりたての頃は、片っ端からいろんなことを試してみて、それでも正解が分からず困ったことがあります。そこで、今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

就職活動をしていく中で、OBOG訪問という言葉を聞くことがあると思います。これは、直接選考に関係のある場合が少ないので、全くやらずに就活を終える就活生も中にはいるかもしれません。しかし、個人的にはOBOG訪問が自身の志望を定めるきっかけになったり、業界・企業理解につながることがあると思います。やった方がいいことであることは分かっていても、何から始めたら良いか分からなくて出来ない...となりがちNo.1のOBOG訪問について、私の体験談をお話しできればなと思います。

 

OBOG訪問とは

伊藤220513.jpgまず初めに、OBOG訪問とはどのようなものなのかについて説明したいと思います。一般的には、「自分の大学出身で、自分の志望企業に就職して社員として働いている方に連絡を取り、企業についてやその方について、質問をする機会を設けてもらうこと。」だと考えます。ただし、「OBOG」訪問という名前がついていても、出身大学の全く異なる社員の方とお話しすることもあります。そういう場合は社員訪問と呼ぶのがふさわしいとは思うのですが、所属大学が出身大学ではなくても、お話をうかがう機会をつくって下さる社会人の方もいるので、所属・出身大学に関わらず、まとめてOBOG訪問ということが多いと思います。
コロナ前は、対面で行われることが多かったそうですが、私の代の就職活動では、ほとんどがオンライン上でのOBOG訪問でした。対面ですと、名刺を渡されたりして、ビジネスマナーを身に着けていないと失礼にあたったり、訪問場所であるカフェなどの精算を経費で落としてもらうのにどこまで遠慮するかなど、気を遣うことが多いイメージがあります。オンライン上でのOBOG訪問では、そういった面倒はなくても、オンラインだからこそ生じるタスクもあるので、私の経験ベースでそういった形でのOBOG訪問についていかに記そうと思います。

 

OBOG訪問の目的

ここで、OBOG訪問の目的を先に確認します。私は個人的にOBOG訪問の目的は二つあると思っています。一つ目は、業界・企業の理解を深めるためです。二つ目は、志望理由を明確に定めるためです。

 

一つ目について、OBOG訪問では、その場で社員さんに質問できるため、四季報や企業ホームページからだけでは得ることのできない情報を得るチャンスになります。その業界だからこそ感じられるやりがいや、その企業が、現在何に一番課題を感じて、何に一番注力しているのか、まで聞くことができれば、かなり深い理解ができますよね。受験と同じで就活も情報戦だと私は思います。調べたら出てくる程度の情報だけでは他の就活生と差をつけられません。自分自身の手でつかんだ情報を選考に活かすなら、その手段としてOBOG訪問はかなり有益だと思います。

 

二つ目の、志望理由を明確に定めるためについてですが、これはかなり一つ目の目的に関連してくると思います。業界・企業理解を深めることは、志望動機を考えるのにかなり助けになるので、業界・企業理解がOBOG訪問の目的になるなら、必然的に志望動機を考えることもOBOG訪問の目的になります。また、「貴社では、近年〇〇に注力しているということから、自身の〇〇を達成したいという願いを叶えることができると考えました。」や、「〇〇さんの~~というお話から、御社の〇〇のような社風を感じました。」など、OBOG訪問で伺った内容自体が志望動機になりうる場合もあります。
他にも、ES添削や模擬面接をしてもらうことを目的にOBOG訪問してもらう就活生もいます。絶対にこうしなければならないというルールは公式にはないので、きちんと目的を相手に伝えた上で、了承をもらえたのならば問題ないと思います。

 

OBOG訪問のメリット

次に、OBOG訪問のメリットについてお話しします。ガクチカの作成や面接対策に比べると、ハードルが高い上にどれだけ意味があるのか分からなくて踏み出せない...となりがちなOBOG訪問ですが、きちんとメリットを理解すれば、OBOG訪問の重要性が分かると思います。ここでは、OBOG訪問のメリットについて、主に三つご紹介します。

 

メリット①

一つ目は、実際に働く社員さんからの生の言葉をいただくことができるので、志望理由などに説得力を持たせられることです。OBOG訪問でお話を伺うことで、ホームページに記載されている企業理念やインターンシップでの講義が、どれだけ実際の職場で反映されているのか、また、自身の成し遂げたいことがその会社でどのように達成できるのか、具体的なイメージを持つことができます。エントリーシートでも面接でも、その会社で働く自身の姿が明確にイメージできていればいるほど、説得力が増しますし、人事の方も同じようにその就活生が自分たちの会社に貢献するイメージを持つことができます。社員さんの一日の仕事の流れや、配属の希望の通りやすさや、縦と横のつながりの度合い、その職場の平均年齢、転勤の有無、頻度など、聞けることは山ほどあります。志望理由はよく、「〇〇のような規模の大きな仕事がしたい。」や、「〇〇をして多くの人の生活を豊かにしたい。」と抽象的な表現をする人が多いですが、抽象的であればあるほどイメージすることが難しくなります。説得力のある表現というのは、抽象と具体の使い分けがうまいことが前提条件だと個人的には思っています。普段の業務の様子や、一つ一つのタスク(具体)を詳細に知ることで、そういった仕事がどう自身の成し遂げたいこと(抽象)につながるのかが分かります。「御社の日ごろの~~といった業務から、自身の夢である〇〇を成し遂げられると考えました。」のように、具体的な業務を通して抽象的で大きな目標を、このように達成したいと述べられると、より説得力が増します。OBOG訪問のメリットは、この具体的な部分をより詰められることだと思います。

 

メリット②

二つ目は、公には公開されないような“ぶっちゃけ話”を手に入れられることだと思います。新卒採用のホームページや、説明会では公式に伝えられない情報でもOBOG訪問などの閉鎖的な場面では教えてくれる情報があります。先ほども言いましたが、受験は情報戦です。このような場所で得る情報が、後の選考にかなり有利になる場合も少なくありません。私が実際に得た情報で後々良かったものを具体的に紹介します。

 

まず最初は、早期選考の案内の有無です。公にされている情報では、選考フローは通常の就活解禁からエントリーシートと面接を突破して、合格をいただくものになっていました。しかし、インターンシップ参加者の優秀者にのみ案内が来る、早期選考に乗ることができれば、一般の人が通常の選考フローに進む前に、合格をいただけることがあります。早期選考に乗るためには、もちろん企業によりますが、インターンシップで積極的な姿勢を示したり、その企業に対する興味をほんのりアピールしたりする必要があります。早期選考があるという情報を知っていれば、志望度の高い企業であれば尚更、事前に座談会での質問リストを作成したり、その業界についての専門知識をインプットしておくなどの対策を取ることができますよね。このように、表には出ていない選考フローの有無について知れることはかなり得です。

 

次に特殊な面接の存在です。ホームページやメールでの案内では、通常の面接となんら変わりない内容であるかのように案内されるが、実際は、デザイン思考に近いワークを行ったり、逆質問の時間がかなり長く設定されていたりすることがあります。〇次面接では、ケース面接に近いワークが行われることがあるよ、と実際に知っていれば、対策を取ることができます。OBOG訪問でお話を伺った社員さんの時と同じ形態の面接とは限りませんが、どのような雰囲気で行われる面接で、就活生のどこを見極める面接なのかが予め分かっていれば、かなり有利になりますよね。選考フローが特殊な場合に、OBOG訪問で得た情報はかなり貴重なものだと思います。


そして福利厚生や給与などの情報です。説明会やインターンシップでは、タブーとされがちな福利厚生や給与の情報は、OBOG訪問では手に入れられることがあります。もちろん、年次が上の方や人事の方だとしないほうがいいこともありますが、出身大学が同じで、NG質問なしだからなんでも聞いて!とフランクに対応してくれる方には、こっそり聞けちゃいます。住宅補助はかなり手厚いよ、とか、30代で年収1,000万円は絶対に達成できるよ、など、人によってはかなり具体的に教えてくれます。
以上のような、ぶっちゃけ話を聞けることも、OBOG訪問のメリットだと思います。

 

メリット③

三つ目は、他の業界や、同じ業界の競合他社との差別化ポイントが分かることです。インターンシップの講義で、その企業の強みや、取り組み課題について知っても、割とどの企業でも同じことを言っています。また、業界によっては業務形態や業務内容にほとんど差異がないものもあるので、企業の差別化が就職活動において大きな課題になることが多いです。このような課題を解決するのにかなり助けになったのがOBOG訪問でした。自社製品のない無形商材を扱う業界ですと、同じ無形商材との差別化が人になる場合が多いです。たしかに人は差別化の一番大きなポイントですが、それだけでは他の就活生と差がつきにくいです。実際に現場で働く社員さんに話を聞く中で、業界によってやりがいを感じる場面が違ったり、クライアントとの距離感や仕事の規模感が違ったりすることが分かると思います。また、志望業界・企業だけではなく、そこと比較されがちな業界・企業の方にもOBOG訪問することでよりその差別化ポイントが分ったりもします。どうしてこの仕事がやりたいの?どうして競合他社の会社じゃなくてうちがいいの?聞かれた時に、より説得力のある理由を言えるように、企業ごとの差別化はきちんと理解しておくと良いと思います。そのために、かなりこのOBOG訪問は有効だと言えます。

 

OBOG訪問の具体的な方法

では、具体的なOBOG訪問の方法について、ここでいくつかご紹介します。方法はいくらでもありますが、私が個人的に実践していた方法を五つご紹介します。

 

【1】大学が限定された就活アプリ「B」

一つ目に紹介するのは、登録されている特定の大学の就活生のみ利用可能なアプリで、自分の大学出身の社員さんを探すのにとても便利です。名古屋大学の皆さんは利用できるので、自分の志望業界・企業に就職した先輩がいるか探してみてください。やはり、自分の出身大学の後輩の力になりたいと考える社会人は多いです。自身も就職活動の大変さを、身をもって実感したからこそ、当時同じように社会人である先輩にお世話になったからこそ、還元したいという気持ちがあるのだと思います。勝手な予想ですが、少なくとも私はかなり就職活動がつらいと感じていたので、その分自分にできることは、後輩に少しでも還元出来たら嬉しいなあ、と思っています。自分の個人情報を載せて、気になる企業をお気に入りに入れておくとよいと思います。実際のやりとりも、アプリ上のビデオ電話で出来ますし、知らない人とオンライン上でやり取りする際に、必要以上に自分の情報を明かしたくないという人は、安心して利用できるアプリだと思います。このアプリは登録されている大学も企業も限られている分、信頼度は高いですが、より多くの人とOBOG訪問をしたいと考えている人には少し不便だと感じるかもしれません。しかし、OBOG訪問というのは、芋づる式に社員さんを繋いでもらうのが、かなり効率的でおすすめなので、一人でも繋がれば大丈夫です。OBOG訪問したタイミングで、その人の同期で違う部署の方や、その人が尊敬する先輩に繋いでもらうのもかなりアリです。二人目以降の方になると、一回目に訪問した社員さんという共通の話題もできます。その方とどういう話をしたかについても盛り上がりますし、おすすめです。

 

【2】誰でも利用可能な就活アプリ「M」

二つ目のアプリは【1】で紹介したものとは異なり誰でも利用できるので、自分の志望業界・企業の社員の方が探しやすいです。大手企業に関わらず、マイナーなベンチャー企業もあるので、同じ業界でも、どうしてベンチャーじゃなくて大手企業なのか、その逆ももちろんありますが、比較ができることは説得力のある志望理由を述べるのにかなり有利になります。比較対象が多いということは、それだけ情報を得るのにも適しているので、どちらかというと私はこちらを多く利用していました。出身大学に関わらず、なるべく多くの人から様々な価値観や就活の体験談について知りたかったので、話を聞きたいと思った人に片っ端から連絡していました。OBOG訪問の依頼の定型文などを保存して、コピーできる機能もついているので、私のようにとにかく沢山OBOG訪問したいという人におすすめです。

 

【3】名古屋大学のキャリアサポートセンター

三つ目は、大学のキャリアサポートセンターで、卒業生の就職先一覧を見て、話を聞きたいと思った先輩のメールアドレスをもらって自分で連絡するという方法です。先に紹介した2つのアプリとは異なり、自分のメールアドレスからOBOGの方のメールアドレスに直接連絡を取ります。メールというフォーマルなタスクをこなす技術を身に着けることもでき、OBOG訪問は選考に関係ないといえど、能動的に行動して社員さんと交流する姿勢は、その企業への志望度をアピールできることにもなります。

 

【4】メンターの方に繋いでもらう

四つ目は、エンカレッジなどの就活サポート団体のメンターさんに、志望業界・企業の内定者の方や社員さんに繋いでもらう方法です。就活サポート団体に所属している方たちは、様々な業界の方とのつながりも豊富ですし、就職活動に自身が力を入れてきた人たちが多いので、バックアップもかなり手厚いです。私も実際に、メンターの方の知り合いの方を何人か紹介してもらいました。エンカレッジの場合は自分より一つ上の世代の方がメンターをやっていたので、同級生ですと内定者にあたります。内定者の段階ではその企業の採用に何の決定権もないので、企業の目を気にせず聞きにくいことも気軽に聞くことができます。また、学生という立場からだからこそできるアドバイスや、実際に就職活動についての記憶が濃いうちにお話を聞けるので、就活についての情報をかなりゲットできると思います。内定者訪問になってくると、もはやOBOG訪問ではなくなってしまいますが、それこそ芋づる式に、その内定者の方が就活生の時にOBOG訪問した先輩や、その方のバイト先の先輩に繋いでもらうことができれば、結果的にかなりお話を伺うことができます。自分でメールで依頼文を送るよりも手間が省けますし、メンターの方が社員の方に事前にこちらの情報をある程度伝えている場合もあり、話が早いです。OBOG訪問のハードルが高い理由の一つとして、エントリーシート推敲や面接対策など、他のことで忙しい就活生にとって、メール文を考えて質問シートを作成する時間がかなり負担になることがあげられます。事前にどういう方なのかを伺っておけば、話しやすさも分かりますし、経歴なども軽く知っていれば質問事項も考えやすいです。このように、メンターの方に繋いでもらうメリットは多いです。人脈を利用してどんどん繋げてもらうと良いと思います。

 

【5】バイト先やサークル、ゼミの先輩に繋いでもらう

五つ目は、自分が所属するコミュニティの先輩に紹介してもらうことです。メンターの方に紹介してもらうにかなり近いですが、就活に関係のないコミュニティでの繋がりはフランクになる場合が多く、メンターさんに紹介してもらうよりも気軽にOBOG訪問できるという利点があると思います。私も実際に、バイト先の先輩の先輩に志望企業の社員さんがいたので、紹介してもらいました。そのアルバイトという共通の話題があるので話しやすいですし、なにより自分の知り合いの知り合いというだけで信頼度があります。全く0からの関係構築をしなければならないOBOG訪問とは異なり、もともと少しでも繋がりがある人とのほうが気軽に質問できると思います。また、それは社員の方の側からしても同じだと思います。全く知らない就活生のOBOG訪問をするよりも、繋がりのある後輩の方が情は入りやすいですよね。そういった小さな感情やモチベーションの違いが、就活生側である私たちからするとかなり対応に差ができると思っています。相手が親身になって自分の就活について一緒に悩んでくれるのも、機械的に質問にこたえるだけなのも、意外にすべて分かります。ただでさえ緊張して気をつかって疲れるOBOG訪問なので、少しでも気軽に楽しくコミュニケーションを取れた方が良いですよね。お互いに気を許していた方が話の内容も濃くなりますし、より有益な情報を得ることができます。なるべくフランクなOBOG訪問を臨むなら、この形がかなりおすすめです。

 

OBOG訪問の準備

OBOG訪問を取り付けたら、次にどのようなアクションを取ればよいかについてお話しします。依頼を承諾してもらった後も、当日までにやった方がよいことが盛りだくさんです。一度に複数人の人と並行してやり取りをしていると、連絡を忘れてしまったり、ダブルブッキングしたりしてしまう恐れがあるのがOBOG訪問の難関ポイントではあります。ただ、こういった準備段階のタスクを習慣化できれば、それほど苦ではなくなるので、ここで流れを説明したいと思います。基本的に、OBOG訪問の準備段階でやっておくべきことは二つあります。一つ目は、OBOG訪問用のドキュメントを事前に用意し、当日の質問事項などを記載した事前共有資料をメールで共有することです。二つ目は、当日のzoomリンクを共有することです。

 

一つ目の、ドキュメント作成について詳しくお話します。「株式会社〇〇 ~~さんご質問事項」と題名をつけたドキュメントに、

①自己紹介
②志望動機
③質問事項
 1.その方の就活体験談について
 2.その業界・企業について
 3.その方の働き方・キャリアプランについて

以上のような順番で書き込んでいました。事前にこちらの就活状況やガクチカとして提出しているものを開示することで、こちらがどういう人間なのか把握することができますし、質問したい内容を事前に文字で起こしておくことで、相手に答えを考える猶予を与えることができます。文字で視覚的に見えるようになっていると、質問者である私たち就活生はもちろん、答える側であるOBOGの方も頭の中を整理しながら答えることができ、より濃い内容の回答を得ることができると思います。このように、こちらの情報と、質問したい内容を文字にしてまとめたものを事前共有しようとして前もってメール添付して送信していました。

伊藤220513_4.jpg

 

二つ目の、zoomリンク共有についてですが、これはコロナ禍によるオンライン就活ならではですよね。通常のOBOG訪問は対面でやることがメジャーだったそうですが、コロナ禍での就活は基本的にすべてオンライン上で行います。事前共有資料もドキュメントでデータとして共有してあるので、当日はzoomの画面共有機能を利用して、ドキュメントを画面共有しながらOBOG訪問を進めていました。zoomミーティングを自分で作成して、IDとパスワードをメールで送信します。OBOGの方が、訪問を承諾してくださるタイミングで作成してリンクを共有してくださることもあるのですが、基本的にはこちらでミーティングを設定して共有するのが理想です。こちらからお願いしたわけですし、相手方に仕事を増やさせないよう、すぐに行動した方が良いと思います。定期ミーティングの作成から日時と所要時間を設定すればできるので、慣れれば簡単です。もしzoomの使い方に不安がある人は友達と一緒にミーティングルーム作成について動作確認しておくとよいでしょう。

 

OBOG訪問のコツ

最後に、OBOG訪問を実際に行う際に気をつけると良いこと、コツについてお伝えできればと思います。私が意識的に実践していたOBOG訪問のコツは主に三つあります。一つ目は、OBOG訪問という機会を設けていただいたお礼を最初にすることです。二つ目は、基本的に就活生である私たちが主導でOBOG訪問を進めていくことです。三つ目は、機械的なインタビューにならないように、臨機応変に質問内容を変化させることです。

 

コツ①

一つ目の、機会を設けていただいたことに対するお礼の仕方について詳しくお話します。基本的には、OBOG訪問が始まった一番初めに、自己紹介プラスαで、「この度はOBOG訪問を承諾してくださって、誠にありがとうございます。」や、「このような貴重なお時間を設けていただき、本当にありがとうございます。」とお礼を述べましょう。OBOGの方は、自分の仕事をする貴重な時間を割いて、無償で私たち就活生にアドバイスをしてくださるわけですから、それに対してきちんとお礼ができることが基本ですよね。そういった感謝の気持ちを持っておくことが、自然と訪問前の準備や当日の質問内容にもやる気として現れてくると私は思います。当日の最初の挨拶の他にも、OBOG訪問を承諾していただいたタイミングでメールでお礼を言ったり、OBOG訪問が終わってからのお礼メールでもきちんとお礼は述べるようにしましょう。お礼メールの書き方については、また別で記事を書こうと思っています。

 

コツ②

二つ目の、OBOG訪問は就活生である私たち主導で行うべきであるということについて詳しくお話しします。OBOG訪問でお話を伺う社員さんには本当にいろいろな方がいらっしゃるので、OBOG訪問の形態は無限にあります。おしゃべりが好きで得意な方は、こちらが頑張って質問せずとも、欲しい情報を次から次へとしゃべり続けてくださる人もいます。しかし、基本的にこちらから依頼して承諾していただいて設けた機会にはなるので、向こうが特に何も準備をしていなくても、こちらが主導で進めていけるような準備はしましょう。主導で進めていくと言っても具体的にどうすれば良いか分からない人のために、簡単にOBOG訪問の流れについてお話します。

基本的には以下のような順番で進めていくと良いと思います。

 

①挨拶・自己紹介
②お礼の言葉
③目的の共有
④質問の仕方についての確認
⑤質問

 

①についてですが、とにかく重要なのは一番初めに声を出すことです。お互いのマイクとカメラがオンになった段階で、必ずこちらが第一声を発し、「こんにちは、名古屋大学の伊藤舞です。よろしくお願い致します。」とご挨拶しましょう。
②についてですが、はじめに、コツ①でも書いたようにOBOG訪問承諾のお礼を述べましょう。
③についてですが、OBOG訪問の目的を伝えましょう、ということです。①のようにこちらが先に挨拶をしたら、向こうも自然と自己紹介してくれると思います。その後で、その日の30分から1時間のOBOG訪問を通して、主に、その方に何をお聞きしたいのか、目的を伝えましょう。
④については、ここからどのように進めていくのか具体的に説明しましょう。基本的には、事前に共有した質問事項に沿って、上から順に質問させていただいてもよろしいでしょうか、と聞きましょう。たいていの場合は、「それで大丈夫です。よろしくお願いします。」といわれるので、事前に共有したドキュメントに、赤字で書き込むような形でメモするようにしましょう。
⑤で質問していく段階で、相手の返答に対して共感したり、何か付け足して復唱したり、聞いている意志を示すと良いと思います。オンラインだと特に意思疎通が図りにくいので、こちらがした質問に対して、きちんと答えになっている答えが帰ってきましたよ、ありがとうございますという気持ちを込めて、いつもより大げさに反応すると良いと思います。私はかなり大きくうなずいていました。笑 また、事前に用意した質問を読み上げて答えをメモするだけでは、ドキュメントのテキスト上でのやりとりだけでも事足りてしまうと思わせてしまうため、相手の回答によってその場で生じた疑問を投げかけたり、プラスαで前の質問で答えていただいた内容の質問は省略したりと、場合に応じて臨機応変に対応しましょう。

 

コツ③

三つ目は、機械的なインタビューにならないように臨機応変に質問することです。コツ②の最後の、質問の流れのところにもさらっと記載しましたが、臨機応変な対応がやはりOBOGのウケも良いと思います。用意した質問を機械のように投げかけて、単調に答えをメモするだけでは、会話も盛り上がりませんし、OBOGの方の素も引き出せません。相手がこちらに心を開いたときこそ、本音で話してくれると思うので、有益な情報を得るためにはなおさら、相手の方と仲良くなる必要があると思います。ですので、相手の回答に応じて、その場で自分が疑問に思ったことを尋ねたり、業界・企業のことから多少逸脱してしまったりしても、その方の就活体験記や将来のキャリアプラン、仕事に対する価値観などについて深掘るような質問をしても良いと思います。臨機応変な対応というとハードルが高いかもしれませんが、真面目すぎる質問ばかりする必要はないよ、ということを心にとめておくだけでも違うと思います。選考に直接関係する面接とは異なるので、社員と就活生、という関係ではなく、就活の先輩と後輩、のような関係でフランクに話せるとお互いにとってより良い時間になりそうですよね。私はここが、インターンシップの座談会や説明会の質疑応答とは違う、OBOG訪問の良さだと思います。

 

まとめ

以上のように、OBOG訪問とは?というところから、実際のOBOG訪問の流れについて、一通り説明しました。正解はないので、ここに書いた流れとは全く異なるやり方でOBOG訪問を行っている就活生も沢山いると思います。ただ、イメージがつきにくく行動に移しにくいタスクの代表のようなOBOG訪問について、少しでも知ってもらうことは皆さんの行動のきっかけになるのではないかと思い、今回体験談を交えてご紹介しました。何からすればよいか分からない、と感じていた人は、とりあえずOBOG訪問アプリのプロフィールを埋めるところから始めてみてはどうでしょうか。OBOG訪問は、一人目がかなり緊張すると言うだけであって、一人やってしまえば、二人以降はすぐに実行できると思います。むしろ、いろんな人から社会人の話を聞けるのが面白いと感じるようにまでなると思います。早い時期からOBOG訪問に慣れておくことは、社会人とのコミュニケーションの練習の場にもなり今後の選考でもかなり有利に働くのではないかなと思います。是非真似してみてください。

 

おまけ

伊藤220513_5.jpg私が今まで経験したOBOG訪問の中で、印象に残っているものをご紹介します。教育系の企業の先輩にOBOG訪問したときのことです。最初はサークルの先輩の先輩に繋いでもらい、その後に同期の方に複数名、いわゆる芋づる式でOBOG訪問をお願いしました。そのとき私は、広告業界も一緒に見ていたので、自分の進路について定まらず、漠然とした不安に駆られていたのですが、それを正直に打ち明けた際に、とても親身になって相談に乗っていただきました。OBOG訪問というと、こちらが業界や企業について質問して理解を深めるという印象が強いですが、就職活動の中で自分が迷子になったときに、OBOGの方との対話を通して、モヤモヤを解決するカウンセリングの場としても有効だと私は考えています。そのときは、そもそもどうして教育業界に興味を持ち始めたの?というOBOGの方の単純な疑問から始まったのですが、自分自身でもそこまで遡って考えたことがなかったので、そこで始めて言語化しました。その場で言語化したのでつたない文章ではあったと思うのですが、私の教育への想いに、心から共感してもらって、そのOBOGの方の教育への熱い想いや熱意についても知ることができました。同じように、ここまで教育に興味を持っている方がこの企業にはいて、こうやって同じ温度感で盛り上がることができるのは本当に幸せなことだなと感じました。OBOG訪問の終わりに、「今回伊藤さんとの面談を通して、私自身も教育に興味をもったきっかけを原点から考えることができたし、明日からの仕事のモチベーションにも繋がりました。本当にありがとう。」とわざわざ言葉にして伝えてくださって、感動で涙が出そうでした。笑 同じように思ってもらえていたことも嬉しかったですし、そうやって伝えてくださる先輩の人柄にも感激しました。他の二人の社員の方も同じように、教育に対する想いや、就活生である私に対する対応も本当に素晴らしかったので、その企業への志望度が爆上がりしました。笑 このように、就職活動を有利にするためのタスクとしてではなく、就職活動が終わってからも、思い出して自分のこれからの社会人としてのモチベーションになるような出会いとして考えると、楽しんで取り組めると思います。最終的に選んだのは広告の道でしたが、就職活動が終わった段階ですぐに報告したいと思ったのも、この企業の方達です。最後まで親身に私の話を聞いてくださり、選考の対策もしてくださったので感謝してもしきれません。尊敬できる社会人の先輩に出会えたことがなにより良かったと思っています。というのが私の個人的なOBOG訪問の思い出です。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校