名大生ボイス

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大学生活全般

2018.07.04

  • 大学生活全般

アフリカのイベントに参加してきました

受験生の皆さん、こんにちは。小川高広です。今日は、先日、名古屋大学東山キャンパスの豊田講堂で開催された、アフリカのイベントについてお伝えします。

 

このイベントは名古屋大学に留学しているアフリカ人学生の団体が主催しました。また、名古屋大学国際機構国際教育交流センターをはじめ、卒業生同士や卒業生と大学との交流を支援する名古屋大学全学同窓会が共催・後援として、今回のイベントを支援しました。受験生の皆さんには国際教育交流センターとは聞きなれない部署かもしれません。このセンターは、名古屋大学に来た留学生や、海外に留学したいと考えている日本人学生をサポートすることを主な仕事としています。例えば、留学生の生活上の困りごとの相談や、就職相談などを行っています。留学生にとっては日本という異国での生活について、その不安を解消してくれる強い味方となっています。また将来、海外への留学を考えている受験生の皆さんにとっても、強い味方になると思います。定期的に留学経験者による座談会や海外の大学に関する情報提供など、留学関連のイベントを行っています。これらの機会を通じ、留学経験者やスタッフから貴重な話をたくさん聞くことができます。名古屋大学では夏休みなどを利用した短期留学や一学期間、あるいは一年など長期の留学も出来ます。名古屋大学は世界中の大学と単位互換制度を結んでおり、留学しても4年間で卒業できるようになっています。このように海外留学にも手厚いサポートをしているので、興味のある受験生の皆さんは入学後、ぜひチャレンジしみてください。

 

さて、 今回のイベントではアフリカ各国の民族音楽の演奏やダンスの披露、現地で着用されている衣装の紹介、アフリカに関するクイズなどが行われました。アフリカの皆さんはリズミカルな音楽やダンスが大好きだそうです。多くの地域では、お祭りの時はもちろん、週末など時間のある時に家族や友人と一緒に踊ったりして、みんなで楽しい時間を過ごすそうです。今回も音楽の演奏やダンスの披露の時はとても盛り上がりました。しかし、クイズは難しかったです。受験生の皆さんはアフリカについてどれくらい知っているでしょうか。アフリカにある国の数、アフリカの人口などがクイズとして出されました(アフリカには60以上の国があるそうです。アフリカ全土の人口は10億人おり、若い世代が多いとのことでした)。知らないことが多く、まだまだ勉強不足だと感じました。

 

ところで、受験生の皆さんはアフリカについて、どのようなイメージを持っていますか。アフリカの留学生にアフリカについて、いろいろ話を聞いてみました。すると、その留学生はこのようなことを言っていました。「日本人はアフリカと聞くと、おそらく自然が豊か、野生動物がいるなど平和なイメージがあると思います。その一方で、戦争、独裁政治、貧困や飢餓などのイメージもあるかもしれません。しかし、アフリカと言っても広いので、一概にアフリカを表す言葉はないかもしれません。自然が豊かなところもあれば、都市化が進み、大都会のところもあります。戦争などで混乱している地域もありますが、平和な地域もたくさんあります。貧困や飢餓で苦しい環境下に置かれている地域もあれば、経済的に豊かなところもあります。国や地域によって、状況は大きく異なります。アフリカにもそれぞれの国や地域、宗教や民族によって、独自の文化や習慣があります。例えば宗教も様々です。日本の神道のような自然と関わりが深い宗教や、植民地支配の影響で広まったキリスト教、そしてイスラム教もあります。民族もいろいろです。日本人にはアフリカは馴染みがあまりないかもしれませんが、アフリカにまず、関心を持ってもらえれば嬉しいです」と、その留学生は言っていました。

 

アフリカは日本から離れているため、なかなか訪問する機会はありません。また、アジア諸国ほど、日頃の交流はあまりないかもしれません。しかし、日本とアフリカは様々な分野で結ばれています。日本にはアフリカ諸国で産出された鉱物資源やコーヒーなどの農作物が輸入されています。日本からは機械製品などが輸出されています。現地の人々の生活を向上させるために、日本政府が主導して、インフラや教育、医療などの支援を行う国際協力も盛んに行われています。

もちろん名古屋大学も様々な分野でアフリカと関わっています。例えば、農学の先生たちの中には、アフリカのケニアで稲の実験を行っている先生がいます。アフリカでは多くの場合、小麦やトウモロコシなどがよく主食として利用されます。しかし、これらの作物は収穫時に得られる量が少ないという課題があります。日本のように肥料や農薬などを適切に使える農家が少ないうえ、価格が高いためあまり使われていません。そのために、しっかりと育てることができないこともあるのです。その一方で、コメは収穫時に得られる量が多く、栄養価も高いのが特徴です。アフリカの多くの国々では、人口増加の問題や栄養問題といった社会の問題を抱えています。この状況を少しでも良くするために、コメの方がメリットが大きいのではないかと考えられています。もちろん日本とは気候風土が違うので、先生たちは現地の気候に適した品種を作るために、現地の大学や研究機関とともに日々尽力されています。また、環境学のある先生は、経済活動に伴う現地の大気汚染など環境問題の解決に取り組んでいます。別の先生はアフリカの教育をより良くするために、研究を通じた教育改善のプロジェクトを行っています。

日本とアフリカは離れているかもしれませんが、名古屋大学の先生方がアフリカでも活動されています。遠いとはいえ、名古屋大学とアフリカ、ちゃんと縁がありますね。先生方が培ってきたノウハウやプロジェクトなどの成果が、現地の人々の生活向上に役立つ日も近いと思います。

 

受験生の皆さんにとって、アフリカはあまり馴染みがなかったかもしれません。私も、アフリカのことを普段はあまり考えていませんでした。今回のイベントでのクイズや留学生との交流を通じて、アフリカについていろいろ学べました。様々な文化などが集まっているアフリカ。この多様性がアフリカの大きな魅力かもしれません。 名古屋大学にはアフリカはもちろん、様々な国々から留学生が来ています。そのため、様々な国や地域のことを知る機会がたくさんあります。自分の知らない世界を知ることは、新たな発見にもつながります。高校では先生や同級生、部活の先輩後輩、あるいは塾の先生など限られた人としか出会いません。大学は違います。今までよりも世界が広がり、いろいろな人たちと交流できます。名古屋大学には皆さんが新たな発見を得られるためのチャンスがたくさんあります。皆さんの今まで知らなかった未知の世界へ続く、その扉や鍵があります。受験生の皆さんが名古屋大学に無事に入学し、有意義な学生生活を送れることを願っています。(写真の説明 アフリカの国々の国旗、カラフルな民族衣装、ファッションショーの様子、会場の様子、演奏の様子)

Profile

所属:農学部科目履修生

出身地:兵庫県