名大生ボイス

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大学生活全般

2019.04.03

  • 大学生活全般

名古屋大学は最高!

受験生の皆さん、小川高広です。新しい元号が発表され、新しい時代到来という感じがしますが、皆さんの勉強は進んでいますか。もしかすると、どこの大学を目指せばいいのか、悩んでいる受験生もいると思います。けれども、悩む必要はありません。大学への進学を考えているならば、私は迷わず「名古屋大学」を目指そう!と言いたいと思います。私は、名古屋大学で学び、研究してきましたが、本当にいろいろな経験ができました。これはやはり、名古屋大学だったから経験できたのだと思います。自分を大きく成長させてくれたのも名古屋大学だと思います。そして、多くの仲間にも恵まれました。今回は私の大学での経験や思い出について触れたいと思います。皆さんには頑張って名古屋大学に入ってもらい、たくさんの経験をし、自分を成長させて欲しいと思います。

 

名古屋大学でまず大変だったことは、定期試験です。高校で言う期末試験のような感じでしょうか、大学でもちゃんと試験があります。先生によって試験の内容は様々ですが、基本的には自分の考えを述べる記述式の問題が多いように思います。自分の考えを文章として書くのが難しかったです。また、「課題」としてレポート提出もあります。これは宿題です。様々な資料を参考にしながら、パソコンで作成し提出します。文書作成やプレゼンテーションのための、スライド作りもしました(もちろん、みんなの前で発表もあります。しかも英語で、、、英語を使ってプレゼンテーションする講義があり、大変でしたが勉強になりました)。高校ではパソコンの授業があると思います。大学でもパソコン操作は重要ですので、しっかりと勉強しておいてください。私は最初は苦手で苦戦しました。今では慣れましたが。

 

印象深かった講義は、体験型講義です。名古屋大学には体験型講義が多くあります。これはアクティブラーニングとも言われ、教える側である教員と、教わる側の学生の双方向でやり取りをしながら、学びを深めていく講義のことです。最近では高校で積極的に取り入れられていますが、大学でも行われています。一般的な講義は先生の話を聞いているだけ、というスタイルが典型的ですが、アクティブラーニングは双方向の講義なので、一方的に先生が話すということはありません。先生と学生、学生同士でディスカッションをし、グループでプレゼンテーションスライドを作り、みんなの前で発表する共同作業もあります。これら主体的な活動を通じ、学習が深まっていくのです。私はこの体験型講義が好きで、「リーダーシップ」という科目名の講義を受けました、リーダーシップ???それが講義名になっているのです。名古屋大学の卒業生の中には、役所や企業など組織の中で、運営など重要な役割を担うことがあります。組織をマネージメントし、チームを作り、リーダーシップを発揮し、組織の発展に努める必要があります。しかし、その能力を身に付けることは容易ではありません。書店に行くと関係のノウハウ本がたくさん積まれていることからもわかるように、みんなどうすればいいのか試行錯誤を続けています。このため、この講義では様々なケースを想定し、学べるようになっています。またこれに関連し、マネージメントやチームビルディングという科目もあり、こちらも大変勉強になりました。大学では勉強しようと思えば様々なチャンスに恵まれています。いろいろな分野が用意されているので、皆さんも積極的に受講してみてください。

 

そして、国際交流の場としても、名古屋大学はとてもいい環境です。たくさんの国際的な講義やプログラムがあります。ある講義では、次世代のリーダー育成を目的としたプログラムを履修する学生や留学生など、60名以上が集い、異文化コミュニケーションや男女共同参画などについて話し合う機会がありました。この留学生たちは約1年間のプログラムを通じ、主に我が国の医療・行政制度について学ぶために来日していました。モンゴル、ラオス、アフガニスタン、カザフスタンなどから来ており、母国で政府機関などに勤務する地位の高い官僚や医師など様々でした。留学後は学んだことを活用し、政策の立案などを通じて、母国の医療や行政の発展に貢献される方々で、国をよくしたいという熱意あふれる姿に刺激されました。また、留学生の出身国についてあまり知らなかったので、興味深い話を耳にすることが出来ました。加えて、日本人同士ならば暗黙の了解で通じることでも、相手が外国人留学生となると全く通じないため、本当に議論は苦戦しました。けれども、文化的背景を超え、様々な考え方に触れることができました。これは貴重な経験でした。

 

また、私が所属していた農学では、農業分野に関わる人材を育成するカンボジアの農業大学について研究していました。皆さんはカンボジアについてどのようなイメージがありますか。もしかするとあまりイメージがないかもしれません。アンコールワットがある国と言えばわかるでしょうか。世界中から多くの観光客がアンコールワットをはじめ、カンボジアに多数存在する遺跡を目当てに訪問しています。この国は、内戦や虐殺、地雷など負の側面もよく知られています。実は、日本とカンボジアは昔から交流してきました。政情がまだ不安定だった1990年代にカンボジアの安定を推進する国連の活動がスタートし、その責任者は日本人でした。また、自衛隊が初めて国連の平和維持活動(PKO)で活動したのがカンボジアでした。現地のインフラを修復することなどを任務に派遣されました。現在でも、国際協力機構(JICA)を通じてカンボジアを支援しており、特に橋や道路の建設、水道などのインフラの整備を始め、人材育成のために大学などへの教育支援を行っています。カンボジアには日本の支援で建設された「友好橋」や「きずな橋」と名付けられた橋もあります。そして、名古屋大学はカンボジアで唯一の農業単科大学である王立農業大学と深い関係を構築しています。名古屋大学農学部では、農業大学と共に両大学の学部生の交流事業を毎年行っています。カンボジアの農業振興のためのプロジェクトサポートや、名古屋大学が海外に設立しているサテライトキャンパスもこの大学内にあります。多くの留学生が名古屋大学で学び、卒業生がカンボジアで活躍しています。もちろん農学だけではなく、法学分野などでも支援しており、名古屋大学の存在はカンボジアにとって、とても大きいといえると思います。

 

最後に、一番印象に残っている活動は、名古屋大学のプログラムで参加したタイ・ミャンマーでの研修です。皆さんはタイやミャンマーに行ったことがありますか?タイもミャンマーもASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国で、いずれも仏教国として有名です。私はタイには観光で行ったことがありますが、ミャンマーは今回初めての訪問でした。そもそもなぜ、タイ・ミャンマー?受験生の皆さんは疑問に思ったかもしれません。実は、先ほどのカンボジア同様に名古屋大学とタイやミャンマーにある大学との間では盛んな交流が行われています。名大のパンフレットにも紹介されていますが、名古屋大学では東南アジアの国々・大学との交流に力を入れています。留学生の受け入れや学生の研修や研究活動に協力し合うなど、名古屋大学は東南アジアの大学との関係を長年構築し、今回私が参加したような交流が積極的に行われています。

もちろん東南アジア以外の地域、ヨーロッパ、オセアニア、北米、中南米など世界中の大学とも提携しているため、交流は世界中で行われています。日本から現地大学への留学や留学生の受け入れもしやすい環境にあります。

さて、今回訪問した場所のいくつか紹介しましょう。今回の研修では自分のフィールド(私の場合は農学)とは異なるものに目を向け、新しい視点の育成を目的に開催されました。そのため、訪問した場所の多くは「公衆衛生」に関する施設でした。東南アジアでは今、公衆衛生が大きな問題となっています。公衆衛生といっても皆さんには馴染みがないかもしれません。簡単に言うと、医療制度や感染症(伝染病)の予防、上下水道の整備や公害対策など健康に関する分野だと考えるとわかりやすいと思います。急激な経済発展により、公害や医療・保健などの問題が発生しています。あまり日本では知られていませんが、タイの平均寿命は上昇し、約75歳となり、これから老いていく人々の医療や年金の問題が大きなテーマとなっています。またミャンマーでは上下水道の整備がまだ不十分で、環境汚染と関連して健康についてが問題となっています(もちろんミャンマーだけではなく、カンボジアなどでも同様の問題があります)。この研修では、タイの医療関連施設(病院や農村部の保健所)、ミャンマーのJICAやWHO、教育施設などの訪問を通じ、現地の現状に触れました。本当に貴重な経験でした。現地の現状は、日本ではほとんど報道されない話ばかりです。インターネットにもあまり出てきません。実際に自分で現地に行き、現地の人々と話し、様々な資料に触れ、ようやくその国について知ることができると思いました。加えて、この研修では先生方が献身的にサポートしてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。経験は一生の宝であり、今後生かしたいと思います。

 

今、受験生の皆さんは試験勉強で忙しいかと思いますが、名古屋大学に入ったら、留学生や様々な研修・プログラムに参加して欲しいと思います。名古屋大学だからこそ、提供できることがたくさん用意されていると思います。また、今から皆さんにやって欲しいことは、新聞やテレビのニュースに触れることです。その際、最低でも二社以上の新聞に触れ、テレビのニュースも異なるテレビ局のニュースを見て欲しいと思います。なぜなら、それぞれのマスメディアによって、同じ事件や出来事でも全く記事の書き方やニュースの伝え方が異なるからです。二社を比べてみると、新しい発見ができると思います。そうすれば、広い視野が身に付くことにつながりますし、多くの知識を得られます。知識が多ければ、正しい判断を下すことができる材料が増えますので、皆さんが社会人になった時に役立ちます。インターネット上の情報もそうですが、新聞やテレビのニュースが必ずしも正確だとは限らないことも知っておくべきだと思います。もちろん、大学入試では時事ネタが出題されることもありますので、社会情勢を知っておいて損はありません。脱線しましたが、物事を正しく判断できるよう広い視野を持って欲しいと思います。これは大学で学ぶ目的の一つです。世界は広いです。日本も広いです。日本にいても日本の文化や社会について、知らないこともあります。今私は林業について研究していますが、日本の林業は衰退の危機にあります。しかし、日本の森林資源は世界有数の規模です。資源がないと日本は言われますが、実はあるのです。ただ、それをどう生かすか、まだまだ考える余地があります。世界に、日本に目を向け、学び、社会に生かす。大学のみならず、将来皆さんの社会での活躍を願っています。名古屋大学には最高のステージが用意されています。今日で私のNU Cheers!執筆は終わりますが、最後に一言「名古屋大学は最高です!」

Profile

所属:農学部科目履修生

出身地:兵庫県