名大生ボイス

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大学生活全般

2021.02.24

  • 大学生活全般

コロナ禍で変化したこと

はじめに

皆さんこんにちは、工学部2年の塚本育美です。今、私は春休みの真っ只中で、最初に詰め込んでいた予定も落ち着き、ゆとりが出来てきた頃です。そこで、今回はこの1年を振り返りながら、「大学生活に関わって、コロナ禍で変化した身の回りのこと」について書いていこうと思います。

 

大学のオンライン化で今までと生活も変わり、最初は戸惑いましたが、今では上手くこの環境に馴染んで、この状況を使いこなせるようになったと思います。これから入学してくる新入生の方々や、名古屋大学を受験しようとしている中高生の方々が、大学生活を送る上で少しでも参考になれば嬉しいです。

 

授業のオンライン化

私は工学部の機械・航空宇宙工学科に所属していて、春学期・秋学期共に16~19コマほどでした。一年を通して授業のほとんどがオンラインで、対面で授業があったのは、制作の授業で2回、対面のテストを実施する授業で3回ほど、本当に年に数回でした。学科や学年によってはガッツリ対面のところもあったそうで、他学部の友達に聞いたところ、実習や実験は対面が多い印象ですが、先生や授業内容によってはそうでない授業も対面で行うことがあるそうです。

 

授業の形態は先生によって様々で、特にオンライン授業が導入されてからは、先生がITに詳しいか、詳しくないかで授業そのものの質が大きく左右されている様な気がします。去年プログラミングの授業を担当していて、自分で動画編集してオープニングを作っていた先生は、オンライン化が決まった4月から、かなりの量の動画をアップロードされていて、ツールの使い方や授業の進め方などが綺麗にサイトにまとまっていて、実習の授業であったにもかかわらず、なんの不便もなく授業を終えることができました。私の学科は機械系ということもあり、先生方がオンライン化に対応するのが他学部と比べて比較的早かったと思います。オンラインでも対面のクオリティを損なわない物がほとんどでした。それどころか、授業の資料や動画がデータとしてあるため、板書を写す時間をメモを取ったり課題を進める時間に当てられたり、自分の理解度に合わせたペースで進められるため好都合でした。また、本来は大学のパソコンで扱うはずのソフトがリモートで作業できるように、それぞれに配布されることもありました。いつでも作業ができるようになっただけではなく、本来高額なソフトで、学校でしか扱えない物がもらえるというのは本当に凄いと思います。

 

しかし他学部では、オンライン授業と対面授業が交互になって授業が受けにくくなったり、授業という授業がほとんど行われなかったために、わけもわからず成績がついたところもあるそうです。特にパソコンに詳しくない先生が多い文系の学部だと、授業の質が下がったという話はよく聞きました。

また、名古屋大学の授業で使うNUCTというサイトがまだ整っていないために、テストの日にはアクセスが集中してサーバが落ちてテストが出せなくなってしまったり、課題やお知らせなどの重要な情報がある場所が授業によってまちまちで、大事なお知らせや課題を見逃してしまったり、ということもあります。私の取っていた授業の中には、いつでも受けられて、課題だけ毎週提出するという物が多くあり、取っていたコマ数は多いにもかかわらず、結構予定に融通がきいたので、生活に必要な時間や、課外活動の時間が十分とれました。また、ほとんどオンラインだったので、毎日身支度にかけていた時間や、通学にかけていた時間がなくなりました。特に毎日1、2時間も通って学校に来る人などは、交通費にかけていた費用が浮いたり、通学のストレスがなくなったりしたかと思います。

しかし、授業がオンデマンドになることで、時間への意識がなくなって生活リズムが崩れたり、課題提出日や課題そのものを忘れてしまったりといったこともあります。時間の縛りがないため、課題の締め切り前日に夜更かしをしたまま生活が昼夜逆転してしまったり、曜日感覚がなくなって課題の提出日を忘れてしまったりということもあります。対面なら、授業があることでそういえばと思い出したり、友達と昼ごはんを食べることで思い出すはずです。ただ、時間を全て自分で管理しなくてはいけないがために、一人一人の時間管理能力の違いが浮き彫りになっていると感じます。

 

コミュニケーションの機会

そして、授業がオンライン化したことによって、今最も課題となっているのは人とのコミュニケーションだと思いますが、私自身はあまり課題として感じていません。というのも、同じ学科の友達やインターン先の仲間とdiscordというツールを使って、仮想教室・オフィスのようなものを作ってコミュニケーションを取ったり、SNSでちょこちょこと連絡したりしているので、情報交換もなんとかできています。

空きコマに特にやることもなくたむろして時間を浪費したり、課題するためだけに誰かの家に集まっていたのを考えると、随分とコミュニケーションが効率的になりました。かといって疎外感を感じるでもなく、むしろ日ごろ会わないからこそ、会話のネタが溜まって、より深いコミュニケーションを取れるようになったと感じます。

好きな時に、必要な人だけににコミュニケーションが取れるようになったので、コミュニケーションによるストレスも少なくなったと思います。

 

ただ、もちろんデメリットを感じることもあって、授業で一つのソフトを共有して共同で作業するような時には、単純に作業が複雑になったり、時間が合わなかったりで、対面の方が便利だなと感じることもあります。また、私は1年生の時はまだ対面だったからこそ、様々なイベントや普段の教室での交流を通して友達の輪が広がったり、親密な関係を築くことができたりしたものの、それがない今の新入生にとっては厳しい状況だろうと感じます。深い関係を築くにはやはり、対面のコミュニケーションに勝るものはないと思います。

 

自分の時間

授業をはじめとする様々なものがオンライン化することで、時間に余裕が生まれ、自分の時間が増えたように感じます。授業もオンデマンド、インターンもフレックスタイム、飲食のバイトも少なく、付き合いで呑んだり遊んだりすることもない、と元々大学になって少し自由が生まれたのが、さらに時間に縛られないようになりました。

私はその時間を、部屋を片付けてアレンジしてみたり、自炊やお菓子作りに挑戦したり、ウクレレ を買ってみたり、走ってみたり、いろんなことをして過ごしました。時間があまりあるほど増えたので、自分の趣味を広げるために使えました。しかし、自由が生まれた分、自分で時間を管理しなければいけないという側面もあります。趣味やインターンにのめり込むあまり、寝る時間や起きる時間もまちまちで、体調を壊したり学校に支障をきたしたり、うまくいかない事もたくさんありました。しかし、この一年で時間管理術の本や記事を読んだり、反省を次に生かせるように手帳やパソコンに記録を残したりしてトライアンドエラーを繰り返していく事で、今ではやっと健康的に、かつ毎日ゆとりを持って自分の勉強や趣味に取り組めています。よく寝た日の朝はすごく気持ちがいいし、早起きすると空気が美味しくてそれだけで1日が楽しくなります。何より、自分で時間をコントロールしている感覚があると、何かに追われているという感覚もなくなり、焦りや不安がぐんと少なくなりました。時間を使うのが上手くなるとこんなにも1日1日が楽しいのかと思いました。

 

一人暮らし

一人暮らしの生活にも大きく変化が生まれました。外出自粛で家にいる時間が長いので、より楽しく快適に過ごせるように部屋を整えました。私の部屋はちょうど引っ越したばかりで、4月の頃はいろんな荷物が散乱していました。ネットで収納術を調べたり、100均(栄のダイソーがおすすめです笑)に通ってもののしまいかたを試行錯誤しました。また、見栄えにも拘って、レンジフードの下をレンガ調にしたり、ポストカードをおしゃれに飾ったりと工夫を凝らしました。収納を色々試し始めた頃はものの居場所が分からなくなったり、かえって収納が邪魔になったりと、上手くいきませんでした。しかし、生活するときによく使うものや使いやすい場所を考えて試行錯誤していくと、そもそも使わないものが多いことに気づきました。そこでいらない服やメイク用品、ゲーム機器などを片っ端から断捨離していくと物もスッキリして、収納にゆとりが生まれました。生活のしやすさから配置を決めているので、より快適に生活を送れるようになりました。

 

また、家にいる時間を使って料理も自分でやるようになりました。今まで料理はなんとなく苦手で、人に作ってもらうことが多かったのですが、美味しいものを家でも食べたいという思いから自分で作るようになりました。最初のうちは火加減や量の感覚がわからず、作りすぎたり味がイマイチだったりしたのですが、作るうちにだんだんとコツを掴み、既存のレシピだけでなく、冷蔵庫にあるものやスーパーで安いもので適当に作る事なんかもできるようになりました。お菓子も自分で作った方が自分好みの味のものを好きなだけ食べられるし、なんとなく体にいい気がしていろんなレシピに挑戦しました。おかげで今では料理が特技と言えるまでになりました。

 

遊び

いらない出費が無くなったり、遊びの機会が減る事でお金や時間を浪費する事も少なくなり、コロナの前よりお金が溜まるようになりました。その分のお金や時間を私はひたすら趣味の開拓に注ぎ込みました。プロジェクターを買って映画の面白さにハマったり、ドリッパーを買ってコーヒーを自分で入れたり、自分好みの豆を探して周りを散歩していろんなお店があることに気づいたり、自分でいろんなカクテルを作ってみたり、興味のある分野の本を読んだり、色んな体験をすることで少し人生が豊かになったように思います。

 

また、友達と会う時も、少人数の集まりで久しぶりに会うことが多く、今までよりずっと深い話をしたり、話したい話が積もり積もって時間を忘れるほどのめり込んだりと、以前よりずっと濃い時間を過ごせるようになりました。

 

長期インターン

2年になる前は何かサークルや部活を新しく始めようと思っていたのですが、それもコロナでなかなか出来なくなり、何か打ち込めるものをと思い、自身のスキルアップのために長期インターンを始めました。毎日何かしらの仕事をやっていることが多く、対面で学校があったらできなかったなぁと感じています。ただ、この状況で時間を無碍にする人も多い中、本当にたくさんのものを吸収して、大きく成長出来た1年になりました。仕事上、全国の優秀な学生と関わる機会が多く、たくさん刺激を受けました。学年も経歴もバラバラで、学生でありながら個人事業主をしながら長期インターンに参加している人や、普通の大学生活を送ってきたと言いつつ、論理的に課題解決に向かう道筋が立てられ、同じワークに取り組んでも驚くほど圧倒的なアウトプットを出す人もいます。そんな人たちみたいになりたいと、その生き様や、技術、思考方法などをひたすら盗めるだけ盗みました。そんな経験もあって、今まで苦手だった読書が好きになったり、より色んな機会に積極的に飛び込むようになるなど、前よりずっと好奇心が高まり、活動的になりました。また、色んなものがオンライン化したことで、参加のハードルが低くなって、いろんな機会を拾えるようになったのもあります。ここ一年でグッとインターネットに情報が集約されるようになったと感じます。これからも積極的に情報をキャッチしていきたいなと思います。

 

まとめ

ここまでコロナ禍で変化したこと、授業がオンラインになって変化したことを色々綴ってきましたが、結論私は授業をはじめとする様々なものがオンラインになってよかったと思っています。

時間やお金にゆとりが生まれたからこそ、何に時間を使うべきかをよく考え、自分と向き合えた1年だったと思います。

ここ1年で急速に整えた制度をコロナが収まっても生かして、それぞれが一番能力を発揮できる時間の使い方ができ、大切にしたいものを決められるように、それぞれが、大学や仕事の在り方を見直して行けたらいいなぁと思います。

Profile

所属:工学部機械・航空宇宙工学科2年生

出身地:岐阜県

出身校:岐阜県立斐太高等学校