名大生ボイス

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大学生活全般

2022.04.28

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春から就活生の皆さんへ~自己分析~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。春から就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になったことは分かっていても、何をすれば良いのか分からず漠然とした不安に襲われている人も少なくないはずです。私も就活生になりたての頃は、片っ端からいろんなことを試してみて、それでも正解が分からず困ったことがあります。そこで、今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

20220428_伊藤1.jpg就活には自己分析が大事だよ、とよく言われますが、具体的に自己分析って何やれば良いの?どうやればいいの?と疑問に思っている方がいると思います。私も始めはそうでした。自己分析と一口に言っても、何か本を買ってそれに沿ってやるのか、フォーマットが与えられてそれを埋める形で行うのか、はたまた他己分析のようなことをしてGoogle formのアンケートに答えてもらえばいいのか、やり方はいくらでもありますが、だからこそ結局どうすれば良いのか分からないという方のために、少しでも参考になる体験談を書ければと思います。

 

自己分析って何のためにするの?

まず始めに、自己分析がどうして就職活動において必要なのか、その目的について話したいと思います。あくまで私の持論ですが、自己分析の意義は主に二つあります。一つ目は、自分の行きたい業界・企業・職種がある程度絞られるからです。二つ目は、面接などで自然体の自分をアピールすることに役立つからです。

 

一つ目について詳しくお話しします。自己分析をすることで過去に自分がどんなことに興味を持って取り組んできたのか、どんなところにモチベーションを感じて頑張れていたのか、ということが分かります。そうすることで、自分が将来働く姿を想像したときに、日頃から顧客と密接にコミュニケーションを取れる方が自分はやりがいを感じやすいなあ、や、規模感が大きく責任感のある仕事の方が最後まで完遂できるなあ、ということが分かります。今挙げたのはほんの一例で、自己分析を突き詰めていく過程で、こういうケースの場合は、自分はこうで、こういう課題に直面している場合はこうだろうな、などと、細かく場合分けして自分の適性を定められるようになります。自己分析では、あくまで、自分の興味のある業界・企業・職種を”ある程度”絞ることができる、というのに注意です。向いている、と、やりたい、はもちろん違いますし、福利厚生や地理的条件など、企業を選ぶうえでの判断基準は他にたくさんあります。ただ、自己分析をする中で、こういう業界は自分に絶対に向いていないな、とか、こういう職種は自分はやりがいを感じにくいだろうな、という、消去法ができます。数ある業界・企業の中で自分の第一志望を見つけることが、そもそも就職活動において最初に直面する課題だと私は思っています。ですので、この自己分析の過程で選択肢をある程度絞ることは、効率的に就職活動を行ううえで重要だと思います。もちろん、はじめの頃は幅広く業界を見て、「知る」ということも重要ですが、最終的には絞らないといけないので、”ある程度”は絞っておくことをおすすめします。そのために、自己分析は欠かせません。

 

二つ目の、面接などで自然体の自分をアピールすることに役立つ、について詳しくお話しします。面接は自分の強みをアピールする場だと、私は最初は思っていました。でも、就職活動を行う過程で、面接は自分の性格や特性、将来こう生きたい、というのを企業の方に知ってもらい、それがその企業と合っているか判断してもらう場なのではないか、と思うようになりました。自己分析が十分に行えていないと、自分の先天的な長所や、どうしても克服できない短所、仕事に対する価値観などについて、「良い子」を振る舞おうとしてしまいます。これをしてしまうと、本当の自分が相手に伝わらない、といったことが起こってしまいます。私は就活生側しか経験していないので、すべて憶測にはなってしまいますが、何十回も面接を行う中で到達した結論です。幼少期から今、そして数十年後の未来を考えたときに、自分の中に一貫して存在するポリシーや考え方があるはずです。それを特定するまでに私の場合は何ヶ月もかかりましたが、自己分析をし続けて、それが確立できたからこそ、面接の突飛な質問に対しても自分の中の軸をぶれさせることなく、答えることができました。自己分析を行い、自分とこれでもかという程向き合い、自分について知り尽くした人が、面接を制すといっても過言ではありません。

 

以上から、自己分析の大切さについて少し感じていただけたでしょうか。何度も言いますが、これはあくまで私の主観であり、自己分析をほとんど行わずに自分の行きたい企業に内定をもらった人もいると思います。ただ、私は、やはり自己分析が就職活動においてかなり重要な過程のように感じます。

 

具体的に何をすれば良いのか

それでは、自己分析は、具体的にどのようなことをすれば良いのか、についてここで私の実践していたことを三つ紹介します。

 

まず一つ目は、エンカレッジの担当メンターさんが用意してくださったスプレッドシートのフォーマットに沿って埋めるものです。自分の価値観や得意なこと、将来成し遂げたいことについて、その当時どう思っていたのかを幼少期から時系列に沿って埋めていくものでした。幼少期に自分がどんなことを考えていたかなんて、日常生活ではほとんど思い出す機会はないので、一度自分について振り返るとても良い機会になりました。また、自分の埋めたフォーマットに対して、赤字でフィードバックもくださったので、どういうところにフォーカスして文字起こしすれば良いのか、どういう視点で考えれば良いのかを知ることができました。自己分析のさわりとして、かなり良い練習になったと思います。実際の自己分析は、このフォーマットを埋める数十分で終えるものではないので、何ヶ月もかけて習慣的に行うのですが、何から始めれば良いか分からない人は、就活サポートの面談などでフォーマットやシートをもらうことをおすすめします。

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二つ目は、自己分析が行える書籍を一冊自分で購入し、それを完成させることです。これは、すべて行うのにかなり時間がかかるので、長期的に自己分析を行うのにおすすめです。ポイントは、何冊か買うのではなく、一冊をきちんと最後までやり遂げることです。私は、自分についての1000の質問が掲載されているメモの取り方についての書籍を購入しました。巻末に記載されている1000の質問に対して単純に文章で答えるのではなく、具体的な事象で答えた後にそれを自分で抽象化して、さらにどんなことに応用できるのかを転用する、という作業をしました。ですので、一つの質問に答えるだけでも時間を要します。それを1000個答えるので、日常的にコツコツ行っても3ヶ月以上かかりました。笑
しかし、ここまで細かく自分の価値観を探ることはしたことがなかったので、こうやって言葉にすると確かに自分ってこういう風に考える人間だな、とか、自分の周りにいた人の特性から、こういう人と相性が良いんだなというのがよく分かり、とても楽しかったです。幼少期の考え方と今の考え方で共通している部分にマーカーを引いたり、3ヶ月自己分析を行う過程で変化した考え方を赤ペンで修正したり、仲の良い友達に読んでもらって感想を書き込んでもらったりと自分なりの工夫もしました。その結果、友達と比べた自分の価値観をもう一度見直すことができたり、何がきっかけで自分のモチベーションが変化するかなどについても考え直すことができました。ノートを丸々二冊埋める形でこの1000の質問をやりきり、終わる頃には自分についてのどんな質問に対しても、一貫性を持って答えられるようになりました。今の時期から就活を終えるその瞬間まで、習慣的に行う自己分析としておすすめなのがこの書籍購入です。是非、ここまで突き詰めてみてください。

 

そして最後の三つ目は、他己分析してもらうことです。自分については自分が一番知っていますが、他者から見た自分についても知ることがかなり重要です。実際に面接で人事の人が判断する自分は、他者から見た自分です。他の人から見て自分がどういう人間なのかを理解することがかなり自己分析を深めてくれます。具体的に私は、Google formのアンケートを自作し、URLを仲の良い友達や家族、バイト先の先輩、後輩に個人LINEで送りました。たまに、不特定多数向けにInstagramのストーリーで回答を募っている人がいますが、私は個人宛にしました。自分から見てどの立場の、どのくらいの距離感の人が答えた回答かが分かるように、宛先を指定することが重要だと思います。なので、より確実に回答を得るためにも、個人で送るのがおすすめです。項目の内容としては、長所・短所以外にも、第一印象や現時点の印象、私を表すキーワードをちりばめていくつか選択してもらうようにしました。私を一言で表すと?という項目も作り、面白い回答はそのまま面接の自己紹介で使用したりしました。また、自分が短所だと思っていたところを長所として書いてくれたり、自分が気づいていなかった短所にも気づくことができて、かなり新しい発見がありました。また、年上から見た自分と年下から見た自分の印象が異なるのも面白いなと感じました。自分が普段密接にコミュニケーションを取っているのはどちらだろうと考えた時に、兄弟構成や自分の今までの経験が関係しているのを感じると、さらにこれからどういう職場が自分に向いているのかも想像できました。
20220428_伊藤3.jpg自分自身も気づいていない自分について知ることができる、この他己分析は、ある程度自己分析を進めてみて、自分について知ってから行うと、より効果が高いと思います。想定していた回答と異なっていたときに、そこのギャップがどうして生まれるのかも考えると、また面白いです。

 

以上が、私が行っていた自己分析の方法です。自己分析の方法はいくらでもありますし、どれが良くてどれが悪い、というものもありません。その時期にどのくらいの粒度で言語化のアウトプットを出せば良いのかも違いますし、手書きの方が本音ベースで書けるという人もいれば、いつでも編集できるようにデータで残しておきたいという人もいます。どんな形でも、自分の知るための過程として文字で残るものであればいいです。自分について知り、それを言葉で他者に説明することができれば、それは自己分析の成果と言えると思います。自分の軸を確立し、どの方面からどんな質問をされても、その軸がぶれることなく自分のことが相手に伝わる面接ができれば、かなり有利になると思います。また、自分の将来やりたいことを理解することは、入社後の悪い意味でのギャップを防ぐことにも繋がります。一石二鳥どころではないので、自己分析は就活を行う上でマストであると個人的には考えます。

 

まとめ

最後に一つ言えるのが、自己分析を行う上で一番大事なのは、とにかく楽しむこと、です。自己分析は就職活動において、やらなければならないタスクとして捉えられることが多いですが、自分と向き合うタイミングとしてはかなり良いタイミングだと思います。ここまで自分について考えることはこの先ほとんどないでしょうし、自分の知らない自分との出会いという意味でかなり新鮮です。めんどくさいもの、として片付けずに、自分について興味を持ち、また人との対話やコミュニケーションを楽しみながら行うと良いと思います。何度も言いますが、これらはすべて私の持論なので、あくまで参考に、自分のペースで就活を頑張ってください。

 

おまけ

自己分析をするときに意識すると良いことをここで書いておきます。自己分析に少しでも行き詰まったなと感じるときは人と話してください。自分についてはもちろん自分が一番よく知っているのですが、それでも自分自身でも気づいていない自分がいるはずです。人と話す、の人とは、必ずしも自分をよく知る仲の良い人でなくても構いません。一度しか会うことのない就活アドバイザーの方でも良いですし、そこまで話したことのないサークルの後輩とかでも良いです。初対面の人に自分の第一印象を聞いたり、自分とは年次が違う人たちからどう見られているのか、というのも知ると、かなり深掘りすることができると思います。もちろん、自分と仲の良い友達と話していくうちに、素の自分が引き出されて、自分ってこんなこと考えていたんだ、と気づくことがあります。
このように、自己分析は人との対話の中で生まれるので、日常的に自分の考えや価値観を言語化して人に伝えたり、また、相手の考えや価値観を聞いて理解することで他者との比較ができ、自分について、より深く知ることもできます。自己分析に行き詰まったときは、ぜひ人と話してみてください。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校