名大生ボイス

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大学生活全般

2022.05.10

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春から就活生の皆さんへ~ガクチカの書き方~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。春から就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になったことは分かっていても、何をすれば良いのか分からず漠然とした不安に襲われている人も少なくないはずです。私も就活生になりたての頃は、片っ端からいろんなことを試してみて、それでも正解が分からず困ったことがあります。そこで、今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

皆さん、ガクチカは書いてみましたか。私は2年生の2月頃にエンカレッジのメンターさんに初回面談の案内をしてもらっていたので、そこから二ヶ月かけてゆっくりゆっくり形にしていって、4月頃に暫定版のガクチカを完成させました。ガクチカは長い就職活動の過程でどんどんブラッシュアップさせていくものなので、現時点で何もしていなくても全く問題ありません。ガクチカを形にするまでには、そもそもどのエピソードを取りあげるかを考えたりと、一筋縄ではいきません。エントリーシートで自分のどんな一面をアピールしたいかで吟味するので、ガクチカにしやすいエピソードやしにくいエピソードがあります。ここでは、そもそもガクチカとは何か、というところから立ち返って、実際に何をガクチカに書くべきか、私の体験談をお話しできればなと思います。参考までに読んでみてください。

 

ガクチカとは

そもそもガクチカとは何か知っていますか。ガクチカは、「学生時代に力を入れて取り組んだこと」の略称です。通常400字程度で言語化するものですが、300字の場合もあれば600字の場合もあり、企業によって様々といった感じです。ほとんどの企業で聞かれる設問なので、事前に用意して持っている就活生がほとんどだと思います。夏インターンのエントリー開始までには一つ形にしたものを持っておいて、それを保存してあるドキュメントからコピペすると良いと思います。余裕があれば、300字用と400字用と600字用で字数ごとにも複数用意しておくと便利です。字数が多い場合は、状況をより具体的に述べ、行った施策の例を2つから3つにするのが主流だと思います。以下に詳しく記述するので、是非見てみてください。

 

ガクチカに書く内容の選び方

ここでは、具体的にガクチカは何を書くのかについて、私の体験談をお話しできればと思います。私が用意していたガクチカが三つあるので、その中身について紹介します。

 

【1】webサイト作成

伊藤220510_2.jpgまず一つ目は、大学のサークルとは別に、プログラミングを学ぶ学生団体に所属して、プログラミングを学びwebサイトを作成した経験について書きました。これは、ざっくり言うと、個人でプログラミングという未知の分野に挑戦し、webサイトを作成し、店舗の売り上げ上昇に貢献したという内容です。
これをガクチカにした理由は二つあります。一つ目は、課題解決のための手段が分かりやすいからです。二つ目は、課題解決のために未知の分野への挑戦をいとわない好奇心をアピールできると考えたからです。

 

理由①

一つ目について、基本的に、学生時代に頑張ったことは何でも良いのですが、やはり読んだときの分かりやすさというのが大事だなと思い、店舗の広報手段不足という課題をwebサイトという手段を使って解決するために、プログラミングという未知の分野に挑戦した、という分かりやすい内容を選びました。自分が一つ目標を掲げて最後までやり遂げたことがあると、かなりガクチカの内容としては、他の学生との差別化もできて有利だと思います。

 

理由②

二つ目について、好奇心のアピールとはどういうことなのか詳しくお話します。ガクチカというのは基本的に面接で深掘りがされるのですが、ガクチカに対する質問として王道なのが、「どうしてそれをやろうと思ったのですか?」、や、「行う上で困難だったことはなんですか?」、です。経済学部でありながら、知識がゼロの状態からプログラミングを学ぶというのはかなりレアケースであり、それに挑戦しようと思った理由がそういったことに対する興味・関心というのが自身の強みを発揮できる、良いもって行き方だなと思っていました。自身の長所など他の角度で自分について聞かれたときに、ガクチカとの一貫性を持たせておくこともかなり重要だと思います。

 

【2】塾のチューターのアルバイト

次に、二つ目は、塾のチューターのアルバイトでの経験です。ガクチカの内容にアルバイトの経験を書く人はかなり多いともいます。大学生にとってアルバイトは生活の一部なので書きやすいことはもちろん、労働という観点では企業で働く上で必要な知識をアルバイトで学んだというのをアピールしやすいからです。
みんなが書きがちなアルバイトの内容をどうしてガクチカに選んだのかについて理由が二つあります。一つ目は、チームで成し遂げたことについてのアピールができると考えたからです。二つ目は、チューターの業務が、コンサルのような内容だったからです。

 

理由①

伊藤220510.jpg一つ目について、チューターのアルバイトの業務の中でも、チューター主催のイベント運営のことについてガクチカで取りあげたため、チームで成し遂げたことについてアピールできると考えました。プログラミングの経験などはいわば、自分で設定した目標に対して粘り強く努力する、という感じなので、人同士のぶつかり合いや、それに対する対処法などを伝える術がありませんでした。そこで、チューター6人で主催したイベント運営のことを取りあげることで、その6人の中の自分の立ち回りや役割、結果的にそのイベントをどのように成功に導いたのかを書きました。企業に入って仕事をするのに、一人で行う人などいません。会社の仲間やクライアントとコミュニケーションをとって、一緒に働くことになるので、チームの中でどのように貢献するのかアピールできることはかなり有利になると考えました。

 

理由②

二つ目の、チューターの業務がコンサルのようなものだったから、についてです。チューターの業務は生徒への学習アドバイスがメインでしたので、需要と供給の一致したアドバイスを提供するなどの工夫が、社会でも必要とされる能力なのではないかと考えていました。ですので、生徒の真のニーズに応えたアドバイスやイベントの企画を意識していたということをアピールできるように、塾のチューターの仕事をガクチカの内容にしました。生徒をクライアントに置き換えて、自分がどう生徒と接しているのかを話しました。その上で、会社で自分のどのような強みを生かしてどうクライアントに価値提供できるのかが分かりやすい内容にしました。このようにお客様をクライアントに置き換えて自分の強みをアピールするのに適した内容だと思います。

 

【3】留学生をサポートするサークル


三つ目は、留学生をサポートするサークルでの経験です。ほとんどの大学生が部活かサークルに所属しており、それらが大学生活の中でもかなりの時間を占める活動になった人も多いと思います。サークルは、自分たちで運営していくことが多く、誰かしらきちんとした役職を与えられて主体的に何かを成し遂げたこととして伝えやすいので、選ばれやすいと思います。自分がどんなことに興味をもって取り組んでいたのか、自分の選好についても人事の人にやんわりとアピールできるので伝えられる情報も多いと思います。同世代の人たちとどういう関わり方をしていたのか、サークル内での立ち回りはもちろん、パフォーマンスや価値提供する相手のために何を意識して行っていたかについて、外部との関わり方も聞かれることが多いです。
私が、このサークルの活動をガクチカの内容にした理由が二つあります。一つ目は、少人数のサークルだったため、かなり主体的に活動を行ったことをアピールできると思ったからです。二つ目は、YouTube活動などメディア系の活動を行っていることが自分の志望業界・企業に有利に働くと思ったからです。

 

理由①

一つ目について、詳しくお話します。私が所属するサークルは、小規模団体のため、イベントの企画・運営や日常の業務について、与えられた役割をきちんとこなさないと回らないことがありました。自分がやらなければならないという責任感から、どのイベントにおいても能動的に働きます。かといってそれを強制するような雰囲気は全くないので、本当に自分がやりたくてやっている活動として書けることが個人的には嬉しかったです。私は特に、コロナ前の対面イベントの企画係兼司会としてイベント運営に携わった時のことを書きました。イベントに参加してくれる留学生がどうしたら楽しんでくれるのかを、例年の留学生の様子や、事前のフォームのアンケート結果から考えて、参加者”全員”に楽しんでもらえる企画というのを掲げて、全員を巻き込むゲームを行いました。実際に企画の段階から携わることができ、イベント実施後のアンケートからそのイベントの満足度を結果として書くことのできる構成にしたので、まとめやすかったです。主体的に何かを成し遂げたエピソードとして、サークル活動を使うのはかなりおすすめです。

 

理由②

二つ目の、メディア系の活動を行っていることを生かせたという点について詳しくお話します。留学生をサポートするサークルだったので、コロナの影響を強く受けました。留学生が日本に入国できないため、活動自体が減ってしまいました。そこで、YouTubeを通して、名古屋大学でのキャンパスライフを世界中の学生に発信しようという活動を行いました。企画考案から撮影、編集も自分たちで行ったため、かなり珍しい経験ができたと思います。このような活動が、情報やモノ・サービスの価値を、届けたい人にきちんと届け、届いた人の意志決定に何かしら影響を与える、という点で私の志望する業界の業務内容と似ていました。自身が学生時代に力を入れて頑張ったことによって、そこで学んだことを、企業でも活かすことができるというアピールの仕方は、かなり差別化できる内容だったのではないかと思います。その経験自体が、説得力のある根拠になるので、一貫性のある文章を書きやすいです。例えば、単なる施設の紹介や利用目的などを発信するだけでは、YouTubeという動画配信の意味がないですし、機械的で無機質なモノになってしまいます。そこで、名古屋大学への留学に興味を持ってもらえるように、四季を強く感じられる、紅葉がきれいなスポットを選んで撮影をしたり、名古屋大学周辺の観光スポットに実際に足を運んで、楽しむ様子を撮影したりするなどの工夫をしました。届けたい人たちのニーズに対して、適切な施策を打つことができたことを書き、入社後の実際の業務でも、ターゲットのニーズに刺さるコンテンツを提供したいということをアピールしました。

 

ガクチカを作るコツ

上記では、実際に私が用意したガクチカを3パターンほど紹介しました。ここでは、実際にどのようにガクチカを形にしていけば良いのかについてお話しします。ガクチカの書き方については一切正解がないので、推敲や添削を重ねていく中で、一番自分らしさを表現できる書き方を確立すると良いと思います。あくまで参考程度に見ていただけると嬉しいです。ここでは、私がガクチカを書く上で実践していたことを二つほど紹介します。

 

まず一つ目は、である調で書くことです。限られた文字数の中でなるべく密度の濃いガクチカを書くにあたって、語尾を「である調」にすることを私は決めていました。「ですます調」で書いている友達もいましたし、これがどちらかによって人事の人の印象が変わることは全くないですし、選考には影響しません。しかし、少しでも具体的に且つ詳細に、読み手がイメージしやすいガクチカを書くために、文字の節約はした方が良いと思います。これはかなり好みが分かれるので、自分がどちらで書くかは自分で決めてください。一つのエントリーシート内できちんと統一されていればどちらでも構いません。私は断然、「である調」を推します。

 

二つ目は、要素分解して、構成を分かりやすくすることです。
ガクチカの構成としては、
①結論(何をしたのかを一言で簡潔に。)
②課題/目的(何がゴールだったのかを明確にする。)
③行動(課題解決/目標達成のために具体的にどんなアクションを起こしたのか。)
④結果(定性的なものではなく、定量的なものが好ましい。)
⑤学んだこと
これらの順番で書くことが好ましいと個人的には思います。
時系列に沿って物語調に書く人も多いですが、主観的な文章になる危険性があると思ったので、事実ベースで必要な情報を的確に読み手に届けるために私はこの構成を意識して書きました。目的達成のために何をして、その行動が結果どう良い影響を与えることになったのかを、誰が見ても理解出来るように書くのは最初はなかなか難しいです。そこで、書きたいと思った文章を頭から書いていくのではなくて、始めにこれらの要素を別個で分けて書いておいて、後から自然な流れに繋がるように推敲するといった感じで書くのがオススメです。どの要素にどれだけ字数を使うのが良いか、全体が見えてバランスのとれたガクチカを書くことができます。以下のようにGoogleドキュメントに書き込んでいました。


【結論】〇〇サークルの会長として、メンバーの〇〇という課題を解決し、サークル内の意識改革に努めたことである。
【課題】このサークルでは、~~ということが原因で、メンバーが〇〇であるという課題があった。
【施策】そこで、次の二つの施策を行った。一つ目は、メンバー一人一人の〇〇を統一するため、~~を設置したことだ。(具体的な説明)。二つ目は、サークル活動日を〜する工夫をしたことだ。(詳しい説明)。
【結果】その結果、メンバーが〇〇できるようになり、~~になった。また、サークルの退会率を〇〇%減少させることに成功し、サークル内の環境改善に貢献できた。
【学び】以上の経験から、〇〇の場合には~~する大切さを学ぶことができた。

 

以上のように要素分解して、最後に繋げます。ガクチカの文章のどの部分がどの要素にあたるのかがハッキリすると、初めて読む人の読みやすさが全然違うと個人的には思います。最初から闇雲に書き始めるのではなく、このように全体の構成を決めてから書き始めてみてください。

 

まとめ

ここでは、ガクチカの書き方について私の体験談を踏まえて書きました。就職活動において必須のフローであるエントリーシートに、ほとんどの場合組み込まれているガクチカの設問は、面接でも深掘りされることが多いです。自分の中で納得のいくガクチカを本選考解禁までに完成させるために、今のうちから何パターンか用意しておき、夏インターンなどの数々の選考を通して何度もブラッシュアップしていきましょう。とりあえず、6月1日の夏インターン情報解禁までに一つ形になったガクチカを用意しておくと良いと思います。

 

おまけ

今回のおまけでは、ガクチカの添削のしてもらい方について私の体験談を交えてご紹介したいと思います。添削してもらうと一口に言っても様々な方法があります。その中でも私は特にドキュメントを利用していました。誰でも編集可能な設定にしたドキュメントを、メンターさんや友達に共有してコメントを残してもらうといった形です。LINEのテキスト上では、添削する側が、文章を編集するのにやりづらく、さらに添削後の文章を推敲し直すのもやりづらいです。そこで、ドキュメントを利用することで、自分の書いた文章のどの部分に対してどう思うのかコメントを残してもらえたり、日本語に違和感がある箇所を赤字で訂正してもらえたりします。URLを送信した人たちが共同で編集できるようにもなっているので、様々なフィードバックを一度に見ることができます。実際のドキュメントの画像を残すので、是非参考にしてみてください。

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Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校