名大生ボイス

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大学生活全般

2022.06.07

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春から就活生の皆さんへ~グループディスカッション①~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。春から就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になっても、何をすれば良いのか分からない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

20220607伊藤1.jpg皆さん、就活の選考で一番苦手だな、対策の仕方が分からないな、というものはありますか。就活を始めたての頃は、私はとにかくグループディスカッションが怖かったです。初めて会う他の就活生とのコミュニケーションを見られるのも緊張しますし、アピールしなければならない場であることは分かっていても、アピールしすぎは良くないよなと思いつつ、正解が分からずなんとなくで選考に進み、他の人に圧倒されて落ち込む……ということがありがちNo.1な選考フローです。(笑) グループディスカッションのコツについての記事を書きたいのですが、ここでは特に、グループディスカッションまでの準備などの、事前にやるべきことについて書きたいと思います。

 

グループディスカッションとは

はじめに、就活の選考でのグループディスカッションについてお話しします。小学生の討論体験のような、何かと言われればなんとなく分かるけど、定義を言葉で説明して、といわれたら、その実態はいまいちわからないなあ、という人が多いのではないでしょうか。就活におけるグループディスカッションは、大体5~6人で、30分ほどの決められた時間内に、与えられたお題に沿って議論し、チームとしての結論を発表する場合がほとんどです。賛成派と反対派に分かれてというよりは、チーム全体としての意見を一つアウトプットとして提示することが多いように思います。

 

実際のグループディスカッション

20220607伊藤2.jpg上記で説明したグループディスカッションの概要は、かなりざっくりした説明だと思うので、私が今まで経験したグループディスカッションをざっくりタイプ別に分けてご紹介できたらと思います。これがすべてではないので、あくまで一例という形にはなりますが、参考までに読んでいただけると嬉しいです。

 

【1】ゆるめのお題

一つ目は、フォーマルな議論というよりは、答えのない主観的な要素も入ってしまうような議題です。これは、単純にアウトプットの質を見られているというより、グループディスカッションの流れに必要なアウトラインをきちんと踏んでいるかや、他の就活生とのコミュニケーションをどのように図っているかということを見られていると思います。
私が経験した実際の議題としては、
「チームで新規プロジェクトを立ち上げることになったが、それを成功させるためにチームに必要な能力はなんだと思うか、3つ挙げよ。」
「ペットとして飼われている猫と、野良猫のどちらが幸せだと思うか。」
「メッセージアプリケーションLをもっと便利なものにするためにどんな機能をつけたいか。」
というものがありました。
そもそも新規プロジェクトとは具体的に何か、幸せの定義とはなにか、物理的な環境の良さか精神的な安心かどちらのことを指すのか、など、言葉の定義確認が重要なお題が多いのが特徴だと個人的には感じます。正解がない分、どれだけ明確に状況設定をするのかが問われます。

 

【2】売り上げを上げる系

二つ目は、実際の企業の社員として、クライアントの経営状況を改善するような議題です。これは、いかにクライアントの課題を細かく設定して、それに対する有効なアプローチを取れるかを見られていると思います。定性的な目標だけではなく、定量的な目標も定めた方がいい場合もあるので、どれだけの粒度でアウトプットを出せばいいかを最初に話しておくといい議題の1つだと思います。

 

※定性的・・・物事が数値化できない要素のこと。抽象的な表現になる場合が多いが、感覚的に共通認識を持ちたい場合に便利。
※定量的・・・物事を数値や数量で表すことのできる要素のこと。具体的な数字を明示することでより現実的な目標を設定できる。

 

私が実際に経験したものとしては、
「弊社で新規プロジェクトを立ち上げることになり、このメンバーでチームを組むことになりました。企業全体の売り上げを上げるための施策を提案してください。」
「〇〇メーカーの経営課題を解決してください。」
「クライアントである株式会社〇〇のM&Aに関わることになりました。これが成功するためにはどんな企業を選ぶのが良いと思いますか。」
というものがありました。
【1】の場合と違って、議題によって自由度が様々だと思います。細かい資料が事前に共有されていて、クライアントの情報があらかじめ定義されているものもあれば、自分たちで状況の定義づけをして、それに沿ってワークを進めても良いものなど、様々でした。

 

【3】新製品開発

三つ目は、その企業の新製品開発の提案です。有形無形に関わらず、その企業がクライアントに売り出している商品・サービスを新たに提案するというものです。これは、ターゲットをきちんと設定した上で、彼らのニーズを特定し、それを満たす製品をどれだけ現実的に考えることができるのか、また、その企業の強みをそれだけ生かして他と差別化できる商品を提案できるのかが求められているように感じます。
私が実際に経験したものとしては、
「弊社(コンビニエンスストア)の新商品開発をしてください。誰のどんな課題を解決する商品なのかが分かるように教えてください。」や、
「弊社(教育業界)の新商品開発を企画してください。弊社は近年〇〇層の新規顧客獲得に力を入れています。」
というものがありました。

 

以上が、私の経験したグループディスカッションの議題の内容です。他にも珍しいものはありましたが、大きく分類すると、この三つだったように思います。どういう議題にどういうアプローチが適切かなのかは、場数を踏んでいく中でなんとなく感覚的に自分で分かっていくものだと思うので、いろいろなパターンのグループディスカッションを経験してみてください。

 

グループディスカッションの対策

次に、実際に私が行っていたグループディスカッションの対策についてご紹介します。これは、”実践を積む”以外にありません。とにかく場数を踏んでください。ここでは、どうやって練習の場を設けるのかにフォーカスしてディスカッション対策をご紹介したいと思います。ここで行動できるかどうかでグループディスカッションへの苦手意識に違いが出てくると思うので、しっかり読んでいただけると嬉しいです。

 

【1】エンカレッジのグループディスカッションイベントに参加する

私はエンカレッジを利用していたので、エンカレッジが定期的に開催していたグループディスカッションイベントに参加していました。グループディスカッションに必要な行動フローを1から教えてくれるだけではなく、ロールプレイングのように、チームメンバーの中で役割をローテーションしていろいろな役割パターンを試したりもできます。初級レベルから練習したい人にはかなりオススメです。何からやれば良いか分からない人は、一旦こういったイベントに参加して、グループディスカッションってこんな感じで進めていくのか!と実感すると良いと思います。私も一番はじめはこういったイベントで感覚を掴んでいました。実際に評価されて選考に響く訳ではないので、いろいろな行動パターンを試したり、こういう人がいるときは自分はこういう役割に回った方がいいかな、や、こういう議題の時はこういう風に進めた方が時間内に良いアウトプットができるな、というのを知ることができます。
また、あくまで練習を目的としたイベントなので、ワーク後に監督者からフィードバックをもらえたり、他の参加者達との意見交換の場が設けられたりします。実際の選考では選考についての情報は一切開示してもらえないので、こういった場ならではの特典であると思います。エンカレッジ以外にも、様々な就活サポート団体が定期的にこういったイベントを開いています。ネットで検索すればすぐに出てくるので夏インターンの選考が本格的に始まる前にいくつか参加してみると良いと思います。

 

【2】実際の選考に参加する

二つ目は、実際の選考に参加することです。私は、エントリー前に、どんな選考フローがあるのかを確認し、その中にグループディスカッションがあるものを意識的に選んでエントリーしていました。実際に、本番を体験するというのはとても大事なことです。その場で議題が与えられて、限られた時間の中で初めて会った人たちと結論を出すという一連の流れは、口では簡単に言えても実際かなり難しいです。慣れるまではとにかく時間がないですし、他の就活生のグループディスカッションの経験値の差によっては、レベル感が高すぎたり低すぎたりして、自分の立ち回りがぶれたりもします。志望度の高い企業の選考でそのようなことが起こらないためにも、もう1回がない、1度きりのグループディスカッションを体験してみてください。練習と違って本番と言うだけでかなり緊張します。緊張に慣れるという意味でも、なるべく多く実際の選考を経験しておくことをオススメします。

 

【3】1dayインターンシップに参加する

三つ目は、1dayインターンシップに参加することです。インターンシップの内容は企業によって異なりますが、多くの場合、グループワークがあります。グループディスカッションと違って長い時間じっくり議論することが多いですが、その分1つの課題にじっくり向き合うことができるので、良いアウトプットを出すために必要な過程や、一人一人の能力を最大限引き出す方法などを感覚的につかむチャンスにもなります。与えられた課題に対してきちんとチームで結論を出す練習には、この1dayインターンシップはオススメです。その企業について知るためのインターンシップ参加以外にも、その先の選考のグループディスカッション対策として参加するというのも全然ありだと私は思います。

 

グループディスカッションまでの準備

次に、グループディスカッションまでの準備についてお話しできればと思います。基本的にグループディスカッションの準備は、どの企業でも共通してマストになるタスクはありません。その企業の選考によって事前準備が必要なものとそうでないものがあります。ここでは、上記で述べたグループディスカッションの対策に加えて、本番までに準備しておいた方が良いことがある場合を例に、3点ほどご紹介したいと思います。

 

【1】選考の様子を就活アプリの体験談からチェック

20220607伊藤3.jpg一つ目は、グループディスカッション選考の様子について過去の実例を把握することです。選考全体の時間や、選考に参加する就活生の数、どういう議題が多いのか、アイスブレイクの有無や議論前後の選考の雰囲気を把握しておきましょう。20分のグループディスカッションと40分のグループディスカッションでは、求められるアウトプットの質も違いますし、議論の進むスピードも違います。どこまで深ぼりして考えても良いのか、選考前にある程度見通しを立てておくだけでもだいぶ違います。また、就活生の数も、4人と6人では相当違います。4人の場合は、一人一人の役割分担がかなり大事になってきますし、きちんと分担して議論を進めないと、一人に負荷がかかって時間内に議論を収束できない可能性があります。また、6人だとチームメンバー全員の意見を集約することが難しく、意見を能動的に発信していかないと埋もれ、いわゆる“地蔵”になります。どのくらいの人数でどのくらいの長さで議論することになるのかを最初にイメージしておきましょう。

 

【2】事前共有資料がある場合は読み込む

二つ目は、事前共有資料に目を通すことです。事前資料が配付されない選考が正直ほとんどだとは思いますが、稀に議論で使用するクライアントの詳細情報や、状況設定の説明がPDFで配布されている場合があります。この場合、事前に共有しなければならないほど情報量が膨大であるということなので、どこまで読み込めば良いかを理解することが鍵になります。与えられた情報をすべて使用することが目的ではなくて、自分達の議論のアウトプットに必要な情報を取捨選択して利用することがゴールです。選考本番の議論がどのような形で進むのかは当日にならないと分からないですが、事前にクライアントの経営課題や強み、ターゲットのニーズについては言語化できるように読み込んでおくと良いと思います。すべて暗記する必要はありませんが、その事前に共有された資料から何が分かるのか、ぐらいは人に説明できるようにしておくべきです。ここの情報が頭に入っているかいないかで、議論中の意見の説得力や質の高さに差が出ると個人的には思います。時間に余裕がなければ30分と時間を設けて前日の夜などに、目を通しましょう。

 

【3】ドキュメントの白紙を用意しておく

三つ目は、Googleドキュメントの白紙をすぐに開ける状態にしておくことです。稀に指定されたツールを使用するように指示される場合もありますが、グループディスカッション中の議事録はドキュメントでとることがほとんどでした。グループディスカッションの立ち回りとして書記の人がいる場合は、その人がサッと議事録を用意してくれるかもしれませんが、もし誰も動く人がいなかった場合に、もたついてチーム全体でマイナス評価をもらわないように用意はしておきましょう。こういう時にサッと行動できる人はチームにとってプラスです。オンラインでの選考が多い場合はzoomで画面共有できるのでこのドキュメントはかなり便利です。また、ドキュメントは共同編集が可能なので、複数人で同時に各自の意見を書き込む時間が取れれば意見の発散の時間短縮にもなりますよね。共同編集の仕方については、別の記事で紹介できたらと思います。また、具体的にドキュメントでどのように議事録をとれば良いのかも、別の記事で紹介できたらと考えていますが、今回は参考までに実際に使用したドキュメントの画像を添付しておこうと思います。議論のアウトプットまでのアウトラインは、議論の過程でチームメンバーと協力して決めるべきではありますが、どの議論でも必須事項になるような、前提確認や課題、原因、解決策などは事前に書き込んでおいても良いかもしれません。

20220607伊藤4.jpg

 

まとめ

以上が、グループディスカッション選考に向けて事前に準備しておいた方がよいことの行動フローになります。選考対策の仕方や、事前準備について、何をすれば良いのか少しでも参考になれば嬉しいです。何度も言いますが、就活のやり方に正解はないので、自分にとって一番しっくりくるやり方を試行錯誤する中で確立していってください。最初からベストな形で対策できる人はいません。様々な遠回りをして、失敗をして、恥をかいて、落ちこんで、その過程で一番効率的な対策方法を見いだせるのだと私は考えています。一番憂鬱な選考フローになりがちなグループディスカッションですが、得意になればかなり有利です。3年生の新学期から嫌でもグループディスカッション選考対策をしていた私は、夏インターンから本選考にかけてのすべての選考フローで、グループディスカッション通過率100%でした。これは、能力ではありません。どれだけ対策をしたかです。人間性や対人力、コミュニケーション力を見られる選考においては、自分の出し方と慣れ、どれだけ自然体でいられるかが重要なのです。

 

おまけ

ここでは、紹介したグループディスカッション選考対策以外に、私の友人が実践していた方法について軽くご紹介します。グループディスカッションの練習には、とにかく実践を積むことが有効であるとお話しましたが、グループディスカッション選考対策イベントに参加したり、実際に選考を経験する以外にも、自分たちで人を集めてグループディスカッションしてみる、という方法があります。サークルや部活の同期を集めて、自分たちで議題を設定してグループディスカッションしたり、ストーリーでよっ友レベルの知り合いを募って、グループディスカッション対策会を企画したりする、といった感じです。就活サポート団体が開催する日時とスケジュールが合わない場合や、来週の選考に向けてどうしても今週中に対策をしたいという場合に、ゲリラ的に自分たちで企画してしまう、というのはかなり有効な手段だと私は思います。友達とグループディスカッションするのは気まずいですが、その気まずさを乗り越えた先に、自分が参考にできる友達の良さが見えたり、信頼できる相手だからこそフィードバックを素直に受け止められたりします。面接対策とは異なり4人以上人を集める必要があるので人によっては難しいですが、できる人は積極的に行動してみても良いかもしれないですね。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校