名大生ボイス

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大学生活全般

2022.06.10

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就活生の皆さんへ~長所・短所の書き方①~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になっても、何をすれば良いのか分からない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

今日は、長所と短所の書き方についてお話しできればなと思います。エントリーシートを書く中で、ガクチカは必須項目なので書きあがっていても、長所や短所については、コピペできる決まった文章を作れていない!という人は多いのではないでしょうか。私も、自己分析が十分にできていない段階では、自分の長所と短所についていまいち理解できていませんでした。また、どうしても、短所も言い方を変えれば長所になるような、人事の人のウケを狙った内容に寄せてしまったりもしていました。長所と短所は一貫性のある内容にしておいた方がいい、いくら短所でもこの内容は言わないほうがいい、など、様々な情報が錯綜して、結局どう書けば良いのか分からない……という人のために私の体験談をシェアできればなと思っています。

 

エントリーシートでの長所・短所の聞かれ方

エントリーシートでは、長所と短所について、様々な聞かれ方をするというのが私の印象です。ここでは、最初に、実際のエントリーシートで長所と短所がどのように聞かれるのかについてご紹介したいと思います。実際にあったのは、

 

「あなたの強みはなんですか。400字以内で教えてください。」
「あなたの強みと弱みを、それぞれ具体的なエピソードを交えて400字で書いてください。」
「あなたの長所と短所について、それぞれ200字ずつで教えてください。」
「あなたのセールスポイントを教えてください。(250文字以下)」
「自己PR(400字)」

 

などです。どの設問でも、長所と短所という言葉が使われるというわけでなく、強みと弱みという言い回しをしたり、セールスポイントや自己PRという言葉になったりします。言い回しによっては、少しニュアンスを変えて内容を適応させる人もいるとは思いますが、企業の独特な表現に惑わされて考えすぎることなく、相手の知りたい内容をピンポイントで伝えることが大事だと思います。ただ、「長所はなんですか。」と聞かれた場合は、「私の長所は、~~。」と答えたり、「自己PRしてください。」と聞かれた場合は、「私の強みは、~~。」と答えたり、使用するワードや語調を揃えることをオススメします。

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長所の書き方

早速、長所の書き方についてお話できればと思います。設問の内容が、「あなたの長所について教えて下さい。(400字)」だったとします。大まかな構成としては、

 

【結論】
私の長所は、〇〇だ。
【長所を象徴するエピソード①】
〇のアルバイトで、~~した経験がある。
【長所を発揮した内容】
そこで、〇〇を発揮し、結果~~することができた。
【長所を象徴するエピソード②】
また、〇のサークルで、~~した経験がある。
【長所を発揮した内容】
そこで、〇〇を発揮し、結果~~することができた。
【まとめ】
このように、〇〇することができるのが私の長所である。

 

上記のように、長所を象徴する具体的なエピソードを1つか2つ盛り込むのが正攻法です。基本的に自己PRや長所を述べる類いの設問は、ガクチカの内容を応用したものになりがちです。しかし、私は個人的に、それがだめということは決してないと思っています。むしろ、メインのガクチカに加えていくつかエピソードを用意しておけば引き出しが沢山できます。要素が分散することは良くないですが、引き出しが沢山あることはこの先の面接でも有利になるので、この書き方が結局便利です。具体的なエピソードを述べる際は、ガクチカのように細かく書くことはせずに、限られた文字数で自分の長所が象徴されていることが分かるように書くことを意識してみてください。

 

ここでは、私が実際に書いた、長所を問われた設問を挙げてご紹介します。個人情報保護のため、固有名詞は伏せてあるので文字数が本来より少なくなっています、ご了承ください。

 

あなたの長所を、エピソードを交えて教えて下さい
300文字以下
長所は、行動力とその速さである。〇〇店舗の広報手段不足という課題を解決するため、プログラミングを習得し、webサイトを作成した。未知の分野への挑戦であったが、友人から話を聞いたその日にwebサイトコースに申し込んだ。結果、3ヶ月以内にサイトをリリースでき、店舗の売り上げ向上に貢献した。また、〇〇団体で〇〇パーティーを企画した。参加者の凝った〇〇を〇〇〇〇形式で披露し、〇〇制にする企画を考案から2週間で実現した。初めての試みであったが、〇〇をレンタルし、参加者をGoogleフォームで募る工夫をした。結果、イベント満足度〇%を達成した。

 

字数の制約が300字だったので、まとめの部分が省略されていますが、本来ならエピソードを1つに絞って、結論をもう一度最後に述べるべきだと思います。このときの私は、行動力とその速さがどの場面でも発揮できていることをアピールしたくてエピソードを盛り込みました。結果、このエントリーシートは通過したのですが、エントリーシートの内容は常に試行錯誤してアップデートするものなので、今の私が納得するものかと言われればそうではありません。ですが、このように、どういう意図で書いたのかをきちんと自分の中で持っておくことが大切です。
この例で着目して欲しいことがいくつかあるのでご説明します。一つ目は、結論の簡潔さです。長所は、〇〇のときに~~できることです、と文章で書くよりも、〇〇力です、と単語でスパッと述べるのが理想です。ただ、単語にすることで、短い言葉でどのようなところが長所なのかが伝わるようにすることが難しいです。画一的な言葉にしてしまうと、他の就活生との差別化ができなかったり、逆に自分の言葉で作ってしまうとうまく内容が伝わりづらくなったりします。その単語一つでどこまで自分のアピールしたい長所が伝わるのかは、いろんな人に読んでもらってフィードバックをもらってください。
また、この例で着目して欲しい二つ目のポイントは、構成です。はじめに述べた大まかな構成通りにこの長所項目が書かれていることが分かっていただけたら嬉しいです。この文章を通して何を伝えたいのかが、読み手が一発で理解出来るようにするためには、きれいな構成で簡潔に書けることが重要です。とにかく結論ファーストであるここと、具体的なエピソードをどれだけ自然に組み込んで、抽象的な部分と整合性をとれるかどうかというのがポイントになります。

 

短所の書き方

次に、短所の書き方についてお話します。設問の内容が、「あなたの短所について教えて下さい。(400字)」だったとします。大まかな構成としては、

 

【結論】
私の短所は、〇〇だ。
【短所が現れてしまったエピソード】
〇〇のアルバイトで、~~した経験がある。
【失敗を生かして工夫していること①】
そこで、主に二つの工夫をすることにした。一つ目は、〇〇の時に~するようにしたことだ。
【失敗を生かして工夫していること②】
二つ目は、〇〇の時に~するようにしたことだ。
【結果/まとめ】
結果、~~できるようになり、〇〇した。

 

上記のように、短所とそれを象徴するエピソードの他に、その失敗体験を生かして工夫していることについて述べるのが基本的な短所の書き方だと私は思っています。その短所を直すというよりかは、その短所による周りや自分への悪い影響を、どう工夫することによって軽減できているか、というのをアピールすることが大切です。また、短所の内容についてですが、長所の裏返しになってしまうようなものを選ぶと一貫性があって自分の人間性を伝えやすいと思っていました。先ほど述べた長所と合わせて私が用意していた短所があるので、それも例としてご紹介しようと思います。

 

あなたの短所を、エピソードを交えて教えて下さい
300文字以下
短所は、一度に自分の容量以上の仕事を請け負ってしまうことである。サイト作成に加えて、〇〇のアルバイトでのイベント運営や、〇〇サークルでのYouTube配信も行っていた。同時期に複数のプロジェクトを追っていたため、スケジュール管理ができずに体調を崩したことがあった。そこで、主に二つの工夫をするようにした。一つ目は、やるべきことを締め切り日別に洗い出して、優先順位をつけたことだ。二つ目は、イベントメンバーに仕事を割り振る際に、個人の強みを生かせるものを選択し、最も効率的な配分にしたことだ。その結果、自身が目の前のタスクに集中できるようになり、すべての業務を効率的に行うことができた。

 

短所に対する工夫点が本当に有効なものなのかは置いておいて、短所として書く内容に着目して欲しいです。行動力があり、その行動にスピード感があるという自分の長所から、どんなことにも果敢に挑戦することができるという人柄をアピールする方向性だったので、抱え込みすぎてたまにパンクしてしまうという内容を短所に持ってきました。マルチタスクをこなすことが苦手、という内容のものを短所にしていた時期もあったのですが、行動派の自分はむしろ、基本マルチタスクをこなすことは得意で、それよりも自分の能力以上に仕事を抱え込みすぎてしまい、いっぱいいっぱいになってしまうことの方が問題なのではないか、と分析をして、この短所にしました。
また、長所の時と同様、構成に着目して欲しいのですが、短所とそれが現れた失敗エピソード、そこから工夫するようになったことを二つほど述べるという流れはざっくり頭に入れておくと良いと思います。こういったガクチカの設問は、もちろん内容を見られてはいるのですが、構成のわかりやすさと読みやすさが大前提です。書いた文章の構成と、その意図を自分で人に説明できるくらい意味のある文章を書きたいところです。

 

まとめ

ここでは、長所と短所の書き方について、実際に私が作成したエントリーシートをご紹介して説明しました。設問の聞かれ方によっては、「私の強みは、~~」とはじめた方が適切だったり、短所の書き方については人の好みがあったりします。しかし、何度もいいますが就職活動に正解はないので、自分の強みと弱みが伝わるように書けさえすれば良いのです。それに対して、ふわっとしていてこれからの行動の道筋が見えなかったり、何をすれば良いか分からなくてモチベーションに繋がらない、という人に向けて、大まかな構成をお伝えしました。こういった構成で書けば良いんだなというのがざっくりと分かるだけでも、動機づけになるので参考にしていただけると幸いです。
次回は、長所と短所に一貫性を持たせた方が良いのかについてもう少し詳しく述べたり、エントリーシート上ではなく面接で聞かれたときの答え方について、長所と短所の書き方②として書きたいと思います。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校