・初めに

みなさんこんにちは！名古屋大学理学部１年生の佐々木です。理学部とはどういう学部なのか、ということが気になっている人が多いのではないでしょうか？今回は、理学部についてお話していこうと思います！

 

・高校と大学での授業選択の違い

まずは、どの学部でもいえることですが、大学での授業選択は高校とは全く異なります。名大生は、普通科や理数科など普通科に値する高校出身者が大半を占めていると思います。みなさんはその高校生活の中で、“授業選択”や“科目選択”をしたことがあるでしょうか？例えば、「文系と理系、どちらに進むか決める」、「社会の選択科目をどれにするか決める」、「理科の選択科目をどれにするか決める」と様々な場面で選択をしてきたと思います。しかし、高校では「社会の授業を受けない」とか「理科の授業を受けない」という選択肢はほぼなく、同じ授業が週に２回以上あったり、年間で時間割が変わらない、とういことがあったと思います。大学では高校とは違い「空きコマをつくる」、「数学は受けるけど生物は受けない」という自由な選択をすることが可能となります。

 

・名大理学部の特徴

名古屋大学の理学部は、他大の理学部とは大きく異なった特徴があります。それは、一年生の終わりに学科分属をする、ということです。一般的な理学部は、入試の時に学部を決めて入学しますが、名大理学部は理学部という枠組みで入り、学科分属は入ってから行われます。メリットは、「入ってから自分の興味のあることを選んで学科選択ができる」、「理科や化学の勉強を１年生で広く勉強できる」などがあります。デメリットとしては「１年生では広く勉強するため、専門性に欠けることがある」などがあります。

 

・名大理学部の学科紹介

名古屋大学理学部では、１年生の終わりに次の５つの学科のいずれかに配属されます。

 

（１） 数理学科
数理学科では、数学を専門的に学んでいきます。高校数学までは計算が中心でしたが、大学での数学は大きく変わり、定理の証明など、より理論的なことをやっていきます。４年生では卒業研究をやりますが、教員のサポートなどをもとに、学生が自分でテキストや論文などを読み、理解した内容を参加者全員の前で発表し、それに関する質疑応答や討論などを行います。主に、微分積分学、線形代数学、複素関数論、集合と位相、代数学、幾何学、解析学を学びます。

 

（２）物理学科
物理学科では、自然界の中にあるさまざまなモノの法則を解き明かす、物理を学んでいきます。物理学の最先端にふれる講義・演習が充実しており、４年生では実験コースと理論コースに分かれ、興味や関心に応じてコース、科目選択を行います。主に、力学、電磁気学、数理物理学、量子力学、統計物理学などを学びます。

 

（３）化学科
化学科では、物質の構造、性質、反応を対象として研究する化学を学んでいきます。4年生になると、10研究室、グループのいずれかに配属され、卒業研究を1年間行います。未知の研究課題について習得した知識や技術に基づいて研究をします。主に、分析化学、無機化学、有機化学、生物化学、物理化学、量子化学などを勉強します。

 

（４）生命理学科
生命理学科では、生物を専門的に学んでいきます。3年生後半から4年生の1年半にいずれかの研究室に配属され、卒業研究を行います。主に、分子遺伝学、生物物理学、生命化学、発生学、脳科学などを学んでいきます。

 

（５）地球惑星科学科
地球惑星科学科では、諸惑星との比較から地球を捉え、過去・現在・未来の状態を解明する地学を勉強していきます。4年生で1年間かけて卒業研究を行っていきます。主に、地球惑星物理学、地球化学、地質・地球生物学、大気水圏科学、生態学などを学んでいきます。

 

・理学部の進路

「理学部は就職先がない」と言われ、マイナスなイメージがありますが、そんなことは全然ありません！数理学科では、約4割が大学院進学、約4割が就職をします。数理学科以外の学科では、約7割～９割が大学院進学します。学部を卒業して一般企業に就職したり、教員になったりします！また、大学院で２年間学んでから就職するという人もいます！

 

・さいごに

理学部について、少しでも知ることができたでしょうか？自然界の基礎や本質、法則を扱う学問を勉強することはとても楽しいです！知的探求心のある方は、ぜひ理学部も視野に入れてみてください！

 

参考：名大理学部パンフレット
パンフレット | 入試情報 | 名古屋大学理学部 大学院 理学研究科/多元数理科学研究科 (nagoya-u.ac.jp)

Profile

所属：理学部1年生

出身地：岐阜県

出身校：岐阜県立岐阜総合学園高等学校