名大生ボイス

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大学生活全般

2023.04.21

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文学部の分属の決め方について

はじめに

20230421yabe.jpegみなさん、こんにちは。文学部2年の矢部です。名古屋大学文学部では、2年次から22の分野・専門から1つに属し、専門の授業が始まります。1年の後期に希望調査がなされ、希望者多数の場合は選抜が行われます。これを分属といいます。今回の記事では、まだどの専門に進むか決まっていない新入生や、文学部の受験を考えている受験生に向けて、どのように分属を決めればいいのかを僕なりにみなさんにお伝えしたいと思います。

 

22の分野・専門とは

文学部は5つの学繁のもとに8つの教育プログラムを設置しており、そのなかに22の分野・専門があります。何を言っているのかよくわからないとは思いますが、22の専門はそれぞれ独立したものではなく、いくつかの枠組みから枝分かれしたものであるということです。詳しくは以下のリンクから名古屋大学のパンフレットを参照してください。
https://www.nagoya-u.ac.jp/admissions/exam/upload/guideto_2023.pdf
さて、22の分野・専門を列挙すると、

 

・言語学           ・日本語学


・英語学           ・英米文学


・ドイツ語ドイツ文学     ・ドイツ圏文化学
・フランス語フランス文学   ・日本文学
・中国語中国文学       ・哲学
・西洋古典学         ・中国哲学
・インド哲学


・日本史学          ・東洋史学
・西洋史学          ・美学美術史学
・考古学           ・文化人類学


・社会学           ・心理学
・地理学

 

となります。
非常に多いですね。興味のある分野・専門はあるでしょうか。

 

どう分属を決定するか

もちろんみなさんの中にはすでに大学で勉強したいことが決まっている人もいるでしょう。僕の体感では7割の人が入学時点で自分の分属を決めている印象です。逆に言えば、3割の人は1年間で(秋に希望調査があるので実質半年で)、分属を決めなければなりません。自分も3割の方の人間でした。僕がどのように分属を決定したかを今からお話ししたいと思います。

 

①人文学入門を受講する
名古屋大学文学部では、分属が決まっていない、迷っている学生のために「人文学入門」という授業が1年の春学期に開講されます。これはそれぞれの専門の教授が、オムニバス形式でその専門の入り口を紹介する授業で、進級要件でもあるのでほとんどの学生が受講します。この授業を通して、惹かれる専門とそうでないものを自分の中で整理します。仮に分属を決めている学生であっても、すべての授業に参加することをお勧めします。思わぬ発見があったり、自分のやりたい分野とのつながりを発見できる可能性があるためです。また名前だけ見てつまらないと思っていた分野が、蓋を開けてみたら面白かったということもよくあることです。

 

②普段の授業、生活から自分のしたいことを発見する
「人文学入門」に限らず、授業を通して自分の興味・関心に気づくことがあります。また普段の生活、趣味を通して気づくこともあります。大切なのは好奇心を常に持つことと、機会はそこらじゅうにあると考えることです。

 

③実際に研究室を訪れ話を聞いたり、雰囲気を確かめたりする。
ある程度自分の中で候補を絞れたら、実際にその専門の教授に会ったり、先輩に話を聞いたりしてみましょう。ほとんどの先生はアポイントメントを取ればいつでも会えますし、親身に話を聞いてくださると思います。受験生や学外関係者に向けて説明会を実施している場合もありますので、ぜひ訪れてみてください。そして大事なのが、その研究室の雰囲気です。最低でも3年間属する場所ですから、いくら興味があっても雰囲気に馴染めなければ厳しいです。各自が自由に研究する場所なのか、それとも集団で研究する色が強いのか、緩いのか厳しいのか。
僕が所属することにしたフランス語フランス文学(以降、仏語仏文学)は、教授を含めて20人に満たない非常に少数の研究室ですが、そのおかげでひとりひとりの結びつきが強いです。一緒にお茶会をし、研究室全体で旅行に行くこともあるそうです。大人数を抱える研究室ではなかなか難しいでしょう。仮に自分が行くと決めていた専門の空気が自分に合わなかった場合、他の専門から自分の興味・関心にアプローチできないか考えてみてはいかがでしょうか。たとえば仏語仏文学では「文学」とありますが、実際はフランスの美術、社会について学ぶことができます。言葉は見かけ通りとは限らないので、視野を広く持つことが大切です。

 

あまり不安にならず、ゆっくり考えよう

特に受験生のみなさんはまず、試験を突破することに集中しましょう。入ってからいくらでも考える機会、時間はあります。新入生のみなさんは、先ほどの①②③を参考にして、ゆっくり考えてみてください。まだ新生活にも慣れていないと思いますので。大事なのは繰り返しになりますが、常に好奇心を持つことと、溢れている機会を見逃さないことです。もう分属を決めていて、すでに専門的な勉強を始めている友達なんかを見ると焦りますよね。自分もそうでした。けれど、意外とまだ決まっていない人はいるよ、というのは安心して欲しいなと思っています。

 

おわりに

少し長くなってしまいましたが、分属で迷っている人の参考になれば幸いです。
迷うのは当然ですから、焦らないでくださいね。

Profile

所属:文学部2年生

出身地:神奈川県

出身校:攻玉社高等学校