名大生ボイス

名大生ボイス

大学生活全般

2023.09.26

  • 大学生活全般

第二外国語の選択基準

はじめに

20230926_矢部.jpgみなさん、こんにちは。文学部2年の矢部です。みなさんいつも勉強お疲れ様です。とりわけ受験生の方は、「受験の天王山」たる夏休みを乗り越え、迫る本番に向けて一層勉強に励んでいると思います。とはいえ、こうして記事を読みにきているということは、勉強漬けの生活に少しの休息を求めているのではないでしょうか。そこで受験に関する記事が多い僕ですが、今回は大学に入ってからの話をします。みなさんは第二外国語という言葉を聞いたことがあると思います。大学に入るとほとんどの学部の生徒が、英語はもちろんのことながら、新たに第二の言語を選択し学ぶことになります。今回はその選択基準を考えていきましょう。
(この記事では、いわゆる「第二外国語不要論」についてはあまり触れません。その理由は、その議論の行末がなんであれ、現時点では第二外国語を学習する必要がある仕組みだということ、また僕自身が外国語は単なるコミュニケーションの道具ではなく、その国の文化を理解する唯一の手段であり、英語圏に限らない多様な文化や考え方を若いうちに学ぶことが必要だと考えているためです。)

 

名古屋大学で学べる第二外国語

名古屋大学では、基本的に第二外国語は必修、すなわち単位を取得しなければ卒業することができません。そのためどの言語を選ぶかがみなさんの大学生活を大きく左右する要素になり得ます。名古屋大学で選択できる第二外国語は、次の6つです。
・スペイン語
・中国語
・朝鮮、韓国語
・ドイツ語
・フランス語
・ロシア語
また、随意科目(単位を取得しても卒業要件に含まれない)として、
・イタリア語
・ポルトガル語
がありますが、この2つを学ぶ意思がある人であれば、そこまで必修の選択に困る人はいないと思うので、今回はこれ以上言及しません。興味がある人はぜひ取ってみましょう。

 

選択基準

さて、それでは選び方についてですが、一般的にその基準は次の3つに分けられると思います。
①興味や関心に基づいて選択する
②言語自体の難易度や、単位の取りやすさに基づいて選択する
③将来性に基づいて選択する
順を追って説明していきたいと思います。

 

①興味や関心に基づいて選択する
これが1番最初に思いつく基準でしょう。
「子供の頃からフランス文学が好きだからフランス語にする」とか、
「韓国の文化に興味があるから韓国語を学びたい」といったような具合です。
この基準のいいところは、言語を学ぶモチベーションが続きやすいところです。下地として好きという気持ちや好奇心があることで、困難に直面しても乗り越えやすいでしょう。
ただその一方で、その動機付けが弱すぎると、
「好きだったはずなのに嫌いになった」り、
「こんなはずじゃなかった」と嘆くことになります。
そのためここでいう興味関心は長期的で力強いものでなければなりません。受験と同じで、スタートアップがいくら素晴らしくても、やり遂げなければ意味がないからです。

 

②言語自体の難易度や、単位の取りやすさに基づいて選択する
これは、自らの専攻に第二外国語の勉強が役立ちにくいため、第二外国語の勉強時間を極力減らしたい理系学生に多い特徴です。悪いように聞こえますが、僕は立派な考え方だと考えます。それだけ自らの専攻に真剣になり、向き合っている証拠です。
言語自体の難易度の指標として、日本語話者にとっての諸外国語の難易度表のようなものが出回っています。それらによると、朝鮮・韓国語が1番易しく、次に中国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ロシア語のように続いていくようです。ただその一方で、英語話者の視点に立つと、ロシア語が難しいのはそのままですが、他の言語の難易度はひっくり返ります。ヨーロッパ言語の多くは英語と文法や単語の面で共通点が多いためです。そのため、英語が得意な学生は場合によってはヨーロッパ言語の方が楽かもしれません。
また単位の取りやすさについては先輩の話やブログ、サイトを参照することで知ることができます。この選択基準の悪いところは①の逆です。すなわちモチベーションの維持が難しく、普段の授業やテスト勉強が苦痛に感じるでしょう。その対処法としては、その国の文化や歴史を知ることです。どんな理由で選択したにせよ、あなたはその言語を1年だか2年だか勉強しなくてはいけません。その時間を退屈で苦しい時間とするか、楽しく実りのある時間にするかはあなた次第です。もちろん、当初の目的である、専攻分野の学習時間の確保を行なった上で、ではありますが。

 

③将来性に基づいて選択する
ここでいう将来とは、近いものも遠いものも含みます。たとえば、
「言語をバイトに役立てたい」というものから、
「今後のビジネスにおける需要増加を想定して◯◯語を学ぶ」ようなものまで含んでいます。
この考え方はいわゆる拝金主義からくるものもあれば、①の考え方と密接に関わったものもあります。グローバル化が進み、英語は当然のことですが、最近急成長を続ける中国などを見れば、それらの国の言語の需要が高まるのは想像に難くありません。ただ一方で、冒頭で述べたような、AIの発展した現代において外国語を話せることが価値を持つのかというようなことは、今回の趣旨とは逸れるため割愛しますが、先ほどとは違って目標が長期的なものであるため大事な視座となります。この基準も、モチベーションの維持が課題です。短期的な目標だけ、長期的な目標だけではモチベは続きません。必ず両方を持つことが大切です。

 

選択の期限

これに対する回答は純粋に履修登録まで、ということになりますが、周りの人がいつ頃までに決めているかは学部によるでしょう。僕の所属する文学部は、第二外国語がそのまま専攻に結びついたり、研究するうえで必要になったりする人が多いこともあってか、入学前から決めていた人も多くいましたが、あまり焦る必要はありません。ただ総合的な面で考えると、①で選択した人が1番不便がないので、今のうちから自分が好きになれそうな国、言語を探しておくと良いかもしれません。少し残酷な話ですが、中国語やドイツ語のような人気の高い言語を選ぶつもりでいると、抽選落ちで他の言語に振り分けられるということも残念ながらあり得ます。そのため候補をいくつか持っておくと、なお良いでしょう。

 

おわりに

長くなってしまいましたが、息抜きになったでしょうか。目の前のことから少し目を逸らして、将来のことを考えてみるのは、モチベにつながり良いと思います。やりすぎは禁物ですが。しかしそろそろ現実に戻らなくてはいけません。今みなさんが学ぶべきは第二外国語ではなく第一外国語、すなわち英語です。受験生はもちろんのこと他の学年のみなさんもです。結局いつになっても英語から逃れることはできませんからね。
それではみなさんのご健闘をお祈りしています。また次回の記事でお会いしましょう。

Profile

所属:文学部2年生

出身地:神奈川県

出身校:攻玉社高等学校