名大生ボイス

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大学生活全般

2024.02.19

  • 大学生活全般

自身が活用している視点から、奨学金制度の紹介

はじめに

20240219_k.jpgみなさん、こんにちは。名古屋大学工学部2年生の小林です。今回は奨学金制度についての記事を執筆していきます。民間の給付型奨学金をいただいている身として自身の経験を交えつつ、名大学部生にとってはもちろん、新入生やこれから高校3年生になる方にとっても有益な情報にしていきたいと思います。民間奨学金の募集は3~5月に集中するので、2月中の事前登録が推奨されているため、今の時期は学部生にとっては特に重要で、今奨学金の情報を入手することはみなさんにとって必ずタメになります。この記事を通して奨学金制度についてより理解を深め、上手く活用できるようになりましょう!

 

奨学金制度の概要

大学生の奨学金制度は、教育機会の平等性を高め、財政的負担を軽減するために設けられた制度です。これは、学生の学業成績や財政的状況に応じて教育費用を補助するものであり、大学進学を支援する重要な仕組みで、多くの学生にとって救済の手段となっています。特に財政的に恵まれない学生や、特定の才能を持つ学生にとっては、大学へのアクセスを実現するための重要な手段です。奨学金制度のおかげで大学進学を果たすことができ、個々の能力や意欲に応じた教育機会を享受できます。このような制度を理解し、もし自分に合ったものが見つかれば、自身の成長と活動の幅を広げるために是非活用していきましょう!

 

――奨学金の種類――

公的奨学金と民間奨学金

日本の奨学金には公的奨学金と民間奨学金の2種類があります。公的奨学金は、国や地方自治体が主体となって運営しているものです。公的奨学金で多くの学生が利用しているものは、国の独立行政法人である日本学生支援機構が運営している奨学金です。これはなんと、大学生の約3人に1人が利用しているようです。これに対し、民間奨学金は学校独自のもの、企業や個人、民間育英団体など様々な機関が運営母体となって制度を展開しています。

 

給付型と貸与型

奨学金には、主に給付型と貸与型の二種類があります。給付型奨学金は、受給者に対して支給される資金で、返済の必要がありません。受給者は一定の条件(学業成績、経済的状況など)を満たしている場合に奨学金を受け取ることができますが、一般に給付型では後で紹介する貸与型よりも条件が厳しいことが多いです。受給者は奨学金を受け取るための条件を満たし続ける限り、返済する必要はありませんが、条件を満たさなくなった場合、今までの分を返金しなければならないこともあるので注意が必要です。
次に、貸与型奨学金は受け取った奨学金を返済する必要があるものです。受給者は大学を卒業あるいは特定の条件を満たした後に、奨学金の全額または一部を返済する必要があります。返済期間や利子の有無は、奨学金プログラムや運営機関によって異なります。

これらのタイプは学生の経済的状況や学業成績、個々のニーズに応じて選択しましょう。給付型の条件が達成できていない場合でも、貸与型の条件は満たしている場合はそちらを選ぶのも一種の手です。
給付型は負担が少なくて済むため、特に経済的に困難な学生にとって有益です。一方、貸与型は将来の返済義務がありますが、大学進学を支援する手段として広く利用されています。私は給付型奨学金を利用していますが、応募時に比較的高い成績基準や独自のレポートの提出などを求められ、苦労して全身全霊で取り組んだ記憶があります。

さて、次に奨学金受給における基準についても解説しましょう。

 

――奨学金のさまざまな基準――

① 家計基準
家庭の経済状況や財政的ニーズに応じて奨学金を提供することは、多くの奨学金に当てはまります。この基準を設けることで、経済的に困難な状況にある学生も大学進学を実現できる可能性が高まるためです。そのような学生に、柔軟な支援が提供され、教育の機会へのアクセスが向上させることを目的としているので、自身の家計基準と合致している奨学金を探しましょう。

 

② 学力基準
優れた学業成績や特定の分野での才能を持つ学生に提供される奨学金もあります。この場合、家計基準が緩く、優れた成績を収めていれば比較的採用されやすいものもあります。学業成績や学術的な能力が評価され、それに基づいて支援が提供されることで、能力や努力に見合った支援を受け取ることを目的にしています。自分のGPAに自信がある方や、研究成果が素晴らしい方、さまざまな挑戦の実績がある方は、是非さらに成長するために自分に合った奨学金を探してみてください。

 

③ 奨学金の使用目的の基準
奨学金の使用目的に制限があるタイプの奨学金です。例えば留学費用にしか使えない留学支援型の奨学金が挙げられます。この場合では家計基準や成績基準が比較的緩いことも多いですので、是非利用を検討してみてください。

 

④ 特定の条件を満たす学生向け奨学金
特定の条件を満たす学生、例えばマイノリティ、障がいを持つ学生、または特定の職業や産業への進学を目指す学生に提供される奨学金では、特定のニーズや挑戦に対処するための支援が提供されます。最近では理系の女子大学生限定の奨学金もよく見られます。自分に合ったものがあれば是非活用してください。

 

――奨学金利用のメリット――

ここからは奨学金を利用することによって享受できるメリットとデメリットについて見ていきましょう。私の体験も交えるので個人的な意見も含んでいることはご了承ください。

 

① 財政的負担の軽減と教育機会の拡大
奨学金を利用することで、学生や家族の財政的負担が軽減されます。これにより、多くの学生が大学教育を受ける機会を得ることができ、安心して学業に専念できる環境が整います。すなわち、優れた学業成績や才能を持つ学生が大学進学を実現できるようになります。また、奨学金を利用して留学をしたり、研究に勤しむことで、奨学金がない場合よりも主体的で深い学びを得ることが出来ます。私は名大の奨学金を利用して海外留学をした経験があります。このような奨学金プログラムの恩恵で、より安い費用で挑戦ができることは非常に素晴らしいことであり、より多くの人が活用して、自分のやりたいことへと羽ばたいて欲しいと思います。

 

② キャリアの支援や専門的成長の機会
奨学金プログラムの中には、キャリア支援や就職支援のプログラムが含まれることがあります。これによって、学生は卒業後のキャリアの準備をより効果的に行うことが出来る場合もあります。キャリアパスの相談、選択から実現までの支援が提供されることもあるようです。私の奨学金プログラムでは奨学生のOBOG交流会があり、就職活動についての相談や練習、指導という形の援助をしてもらえます。このようにキャリアの面で、奨学金制度が役に立つことも大いにあるのです。
また、特定の奨学金プログラムは、学生の専門的成長を促進するための機会を提供します。これには、研究、国際交流、インターンシップ、プレゼンテーション能力の向上などが含まれます。プログラムを通して学生は専門知識やスキルを深める機会を得られます。私は奨学生交流会で、商品の企画とプレゼンテーションを行うイベントに参加し、思考力、発想力、企画力、構成力、プレゼン力、質疑応答などの対応力といった幅広いスキルを磨くことができ、毎回非常に勉強になっています。

 

これらのように、奨学金利用のメリットは多岐にわたるので、利用するみなさんが自身の目標や状況に応じて、最適な利用方法を考えることが一番大切だと断言できます。

 

――奨学金利用のデメリット――

 

① 返済義務と利子
貸与型奨学金は、返済しなければならない貸付金です。将来の返済期間中は、収入から一定額を返済に充てる必要があります。返済期間が長期にわたる場合は、返済が負担となる可能性があります。さらに、奨学金には利子が発生する場合があります。利子により、返済額が増加し返済期間が延長される可能性があるため、返済総額が増加し将来の経済的負担が増えることがあります。利子の発生を考慮して、返済プランを慎重に計画する必要があります。

 

②学術的制約やプログラム参加の制約
奨学金によっては、一定の条件に従う必要があります。例えば、学業成績の維持や特定のプログラムへの参加が含まれます。これらの制約に従うことが、奨学金の利用者にとっての責任となります。また、制約に違反した場合、奨学金の支給が停止されることもあります。

 

以上のように、奨学金利用のデメリットも存在します。奨学金のメリットだけを見るのではなく、しっかりとデメリットも知ったうえで、自分の成長を手助けしてくれるものを吟味して活用するようにしましょう。

 

まとめ

ここまで奨学金制度について詳しくまとめてきました。奨学金制度は大学教育の費用負担を軽減し、教育機会を拡大する素晴らしい機会です。しかし、奨学金を利用する際には注意深く計画し、返済計画を立てることが必要不可欠になります。自身の状況や将来のキャリア目標に合わせて、最適な奨学金の選択と利用方法を考えることを第一にしてください。ただ、奨学金の活用は大学生という期間に、金銭的にも時間的にもゆとりを持たせてくれるはずです。この「ゆとり」をどのように使うかは自由ですが、私は折角のこの時間を、自身の成長と人生においてかけがえのない挑戦に使ってほしいと切に願います。大学生活は、人生でも稀有な挑戦が出来る場だと思っているので、このチャンスを是非掴み取ってください。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

Profile

所属:工学部化学生命工学科2年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立岡崎高等学校