名大生ボイス

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大学生活全般

2024.05.14

  • 大学生活全般

大学生と五月病

はじめに

みなさん、こんにちは。名古屋大学工学部3年生の小林です。新しい学期が始まって早くも1ヶ月が経ちましたね。新しい環境や新しい友達、そして新しい学びにワクワクしている方も多いことでしょう。その一方で、何となく気分が沈んでしまい、学校に行くのが億劫になってしまう「五月病」に悩まされている方もいるかもしれません。今回はそんな大学生の皆さんに向けて、五月病との向き合い方についてお伝えしていきたいと思います。

 

五月病と大学生の関連性

五月病とは、新しい生活が始まってから約1ヶ月が経った頃である五月に、無気力や憂鬱な気分に陥る現象のことです。新しい環境や生活リズムに適応しようとする中で、心身ともに疲れが出やすい時期が五月であるため、俗称として五月病という名前がついています。大学生は自由度が高く、自分でスケジュールを管理する必要があるため、五月病に陥りやすいとも言えるでしょう。以下で五月病のメカニズムとその対策やメンタルの保ち方について触れていきますので是非参考にしてみてください。

 

五月病のメカニズム

20240513_k.jpg五月病の原因は様々ですが、その一つにゴールデンウィークが挙げられます。新学期で頑張ってきたところに訪れる長期休暇は、一時的にリラックスをもたらしますが、終わった後には急激にやる気が失せることがあります。加えて新生活に対するストレスや、自分自身への期待と現実とのギャップが原因となることもあります。今までとは違う生活リズム、環境、そして沢山の未知との遭遇……これらを楽しめる人は良いのですが、なかなか適応が難しく苦労する人は五月病にやられてしまうのかもしれません。大学生活は楽しいことばかりではなく、時には困難に直面することもあると、私も身をもって感じています。ただ、五月病になることは“自然なこと”であり、どんな人でも一度は経験するはずです。五月病のような状態になったとしても、それを恥じたり、気にしたりする必要は一切ないのです。五月病をどう対処してどう復帰するのか、どのようなマインドセットをするのか、というこの後の行動が一番大切です。一度も挫折をしたことが無い人よりも、挫折を経験して立ち直り復帰した人の方が、結果的に強くなると私は考えています。

 

どのような気持ちで大学に向かうべきか

それでは、まず気持ちの部分から考えてみましょう。大学が嫌だなあ、面倒くさいなあ、なんでこんなことをしなくてはいけないんだ、将来使わない勉強なんて無駄だ、などという思考になっている人もいると思います。しかし、大学は学びの場であり、将来に向けての準備期間とも言えます。確かに私たちに休む自由はありますが、それは責任を伴います。休める環境に甘んじてしまうと、大切な何かを見失ってしまうかもしれません。大学生活を有意義に過ごすためには、目的意識を持って毎日を過ごすことが一番大切です。自分がどんな大人になりたいのか、どんなことを学びたいのか、日々の学びを通じて見つめ直してみましょう。
そして、毎日朝早くから6限、7限目まで休みなく授業を受けていた高校生の頃を思い返してみてください。それと比べて大学生活はなんて自由で、楽なのかを今一度考えてみるべきです。大学生活が高校の頃よりも楽で自由であるのに、それでもやる気が出ないのは人間が楽な方、楽な方へと流されやすい性質があるからだと思います。しかし、その行き着く先はきっと悲惨でしょう。自分の現状を見直して、楽な方に流されすぎないように自戒をしつつ、大学生活を十分に活かせるように日々の授業、課題は最低限取り組む気持ちを整えましょう。
では次に、具体的にどのようにして五月病を克服していくのか、ということと今の時期に取り組むと良いことを述べていきます。マインドだけでなく、身体の面からもアプローチすることで気分が乗らない状況を改善できるかもしれません。

 

<五月病を克服する方法と取り組むべきこと>

① ストレス解消
例えば、アロマを焚いてリラックスする、家の近所などを散歩するなどが効果的です。心と身体は連動しているので、無理矢理にでも少し身体を動かすと、心が活性化される時があります。五月病になる理由は新学期のストレスに由来すると思いますが、そのストレスを軽減できるような工夫ができると学校に行く元気も出てくるはずです。

 

② 睡眠の質を改善する
朝の光を浴びて体内時計をリセットし、一日を活動的に過ごすためのエネルギーを得ましょう。まずは規則正しい生活を心がけ、質の良い睡眠を取ることが大切です。この当たり前が当たり前にできていない人がほとんどだと思います(私も含めてではありますが)。今、多くの人がゴールデンウィークの影響で昼夜逆転など生活リズムが乱れていると思います。大学に行きたくない気持ちは、その乱れからやってきている可能性が少なくないです。まず、この生活リズムを改善し、十分な睡眠を取ってみましょう。案外気持ちがさっぱりして大学に行く気持ちが出るかもしれません。

 

③ 栄養バランスの良い食事
五月病に効きそうな特におすすめの食品を挙げておきます。
・抗うつ効果があるとされているオメガ3脂肪酸を含む食品
(サーモンやマグロなどの魚、チアシードなど)
・神経系の機能を正常に保ち、ストレス耐性を高めるビタミンB群を含む食品
(豆類、肉類、卵、乳製品など)
・気分を改善するとされているビタミンDを含む食品
(サーモンやマグロなどの魚類、卵黄など)
・ストレスへの耐性を高め、リラックス効果があるマグネシウムを含む食品
(ほうれん草、ナッツ類、バナナなど)
・幸せホルモンであるセロトニンの前駆体であり、気分を安定させるのに役立つとされるトリプトファンを含む食品
(乳製品、鶏肉、魚、大豆製品、ナッツ類など)
を意識的に取るようにすると五月病改善に役に立つかもしれません。ただし私は栄養の専門家ではないので参考程度にしてくださいね。

 

④ 友人や家族とのコミュニケーション
悩みを一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族と話し合うことで、心の負担を軽減できます。また、他人の意見を聞くことで、自分自身の問題に対して新たな視点を得られるかもしれません。あまり話しやすい話題ではないですが「五月病で全然やる気が出ないんだよね」みたいな話を友達と話すと、自分では思ってもいなかった解決の糸口が見えるかもしれません。自分の周りにいる人も五月病で苦しんだことがあるかもしれません。どうやってやる気を取り戻しているのかを聞いて教えてもらうのも良いと思います!

 

⑤ 目標を見直し、“小さな”目標を設定する
大学生活における大きな目標を見直し、それを達成するための小さな目標を設定することが効果的です。五月病の後はいきなり大仕事をする気にはなりません。休みモードから学業モードへの移行はゆっくりしか出来ないので、なるべく小さな小さな目標を作って少しずつ学業モードへと移っていきましょう。例えば、今日は教科書を1ページだけでも読むとか、課題を半分だけ進める、などにように少しずつでも学業に取り組むようにしていくと良いです。課題でもなんでも、やらないのと1ページでもやったのでは全然違います。一切やらなければ一生前には進みませんが、1ページでも毎日やり続ければいつかは終わりますし、やり始めると案外筆が進むものです。一番重たいのは初めの一歩なので、最初の目標を小さくすることで、スタートダッシュを切りやすくしましょう。

 

⑥ 時間管理を工夫する
やる気がなくなる理由に時間管理が難しかったり下手だったりして、上手くタスクが進まないことが挙げられます。時間管理を工夫することで、勉強時間だけでなく余暇も確保しやすくなるので、タスク管理アプリがおすすめです。今、何の課題が残っているのか、課題の提出期限はいつなのか、それが把握できていないと頭の中がこんがらがって何もやりたくない、めんどくさいという悪循環に陥りやすいです。自分が抱えているタスクと期限を完全に把握することで、優先順位も決まり行動もしやすくなるはずです。

 

⑦ 入学当初の意気込みを振り返る
最後に一番やってほしいことを書きます。自分が大学に入った当初の目標を思い出し、モチベーションを高めましょう。今、だらけたい、やりたくないという気持ちが強いと思います。では、一ヶ月前、もしくは数年前の入学当初、自分はどのような志で大学に入ったのでしょうか。きっと入学式の頃、非常に爽やかな気持ちで、やる気に満ちて大学生活を謳歌しようと思っていたのではないでしょうか。その頃の新鮮な気持ちを思い出してください。そして現状と比較してください。もし、いま怠惰な状態なら、この姿を入学当初の自分に見せられるか考えてください。そうすると自然と今のままではダメだ、改善しないという気持ちになるはずです。入学の頃の気持ちを取り戻し、やる気を再充填してリスタートして行きましょう!

 

まとめ

今回は大学生が陥りやすい五月病とそのメカニズム、克服法について詳しく述べてきました。かく言う私も五月病気味で苦しんだ経験があります。その際に自分で調べてまとめた内容を、今回皆さんにお伝えしたのでお役に立てると嬉しいです。以上のことに気をつけ改善していくことによって、心と身体の両サイドから五月病を解決することが出来ます。なかなか一歩を踏み出し難い辛い時期ではありますが、何とかして大学生活を満喫できるように動き出しましょう。五月病を乗り越え、皆さんの大学生活がより良いものになることを願っております。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

Profile

所属:工学部化学生命工学科3年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立岡崎高等学校