2025.03.31
- 大学生活全般
看護師のキャリアプランについて
〇はじめに
こんにちは!医学部保健学科看護学専攻の土方です。看護学専攻に進学しようと考えている高校生のみなさんの中には、「看護師になった後、どんな道があるんだろう?」と思う人もいるかもしれません。卒業後は看護師として病院で働くイメージが強いかもしれませんが、実はさまざまな進路があります。例えば、より高度な知識や技術を持つ認定看護師や専門看護師、看護学の研究者、病院内で指導的役割を担う看護師長や部長、美容クリニックで活躍する美容看護師、地域や学校で健康を支える保健師など、多岐にわたります。今回は、看護学部を卒業した後に目指せる職種について紹介していきます!
〇認定看護師とは?
認定看護師は、特定の看護分野において高い専門知識と技術を持つことを認められた看護師です。例えば、救急看護や感染管理、がん化学療法看護など、21の分野で認定されています。現場での実践能力を向上させ、他の看護師の指導や患者さんへの専門的ケアを行う役割を担います。
認定看護師になるには、一定の実務経験を積んだ後、認定看護師教育課程(約6か月間)を修了し、認定審査に合格する必要があります。現場の第一線で活躍しながら、より専門的な知識とスキルを身につけられるのが特徴です。
〇専門看護師とは?
専門看護師(CNS:Certified Nurse Specialist)は、特定の分野において高度な看護実践を行い、研究や教育、管理にも関わる役割を持つ看護師です。がん看護や精神看護、小児看護など13分野があり、患者やその家族へのケアはもちろん、医療チームの調整や政策提言にも関与します。
専門看護師になるには、大学院修士課程で専門分野の教育を受けた後、認定試験に合格する必要があります。より学術的な知識を活かしながら、現場の改善や後進育成にも携わるのが特徴です。
〇オペ室の看護師
オペ室(手術室)の看護師は、手術が円滑に進むように医師や他の医療スタッフと連携し、患者さんをサポートする重要な役割を担います。主に「器械出し」と「外回り」という役割があり、器械出しは手術中に医師へ必要な器具を適切なタイミングで渡し、スムーズな手術進行を支えます。一方、外回りは手術室全体の管理を行い、患者さんの安全を確保しながら、他のスタッフと調整を図る役割を担います。
オペ室の看護師は、手術に関する専門知識や高度な技術が求められるため、経験を積むことで専門性を高めていくことができます。また、心臓外科や脳神経外科などの高度な手術に関わる機会も多く、やりがいのある職種です。手術は患者さんの命に関わる場面が多いため、冷静な判断力やチームワークが求められると言われています。
〇病院内の役職者(看護師長・部長など)
病院で働く看護師は、経験を積むことで管理職への道も開けます。看護師長は病棟や診療科の責任者として、スタッフの指導や患者のケアの質向上を図る役割を担います。看護部長は、病院全体の看護部門を統括し、看護師の教育・人事管理・病院運営に関わります。管理職を目指すには、臨床経験を積みながら、リーダーシップやマネジメントのスキルを身につけることが重要です。
〇看護学の研究者としての道
看護の分野では、実践だけでなく研究も重要です。臨床をある程度経験した後、大学院に進学し、看護学の研究者として病院や大学、研究機関で働く道もあります。研究者は臨床現場の課題を解決するための研究を行ったり、新たな看護技術を開発したりします。
看護学の博士課程を修了すれば、大学の教員として看護学生の教育に携わることもできます。「現場の問題を理論的に解決したい」「看護の未来をより良いものにしたい」という思いがある人には、研究者の道も魅力的です。
〇美容看護師とは?
最近人気が高まっているのが、美容クリニックで働く美容看護師です。美容皮膚科や美容外科で、患者さんの施術補助や術後ケア、カウンセリングなどを担当します。一般的な病院勤務とは異なり夜勤がない場合が多く、比較的高収入が期待できるのも魅力のひとつです。ただし、美容看護の専門知識が求められるため、未経験からの転職には勉強が必要になることもあります。
〇保健師としてのキャリア
看護師資格を取得した後、さらに保健師の試験に合格すれば保健師として働くことも可能です。保健師は、地域住民の健康を守る役割を持ち、自治体や企業、学校などで活躍します。
主な職場としては、市町村の保健センター(母子保健・成人保健・高齢者支援)、企業の産業保健師(従業員の健康管理・メンタルヘルスケア)学校の養護教諭(生徒の健康管理・保健指導) などがあります。
看護師が「病気の人をケアする」仕事であるのに対し、保健師は「病気を予防し健康を守る」仕事であるのが大きな違いです。名大では保健師になるためには保健師コースに入る必要があり、希望する人は試験を受けなければなりません。
〇その他のキャリア
上記以外にも、フライトナース(ドクターヘリでの救急医療)、訪問看護師(在宅医療の提供)、国際看護師(海外での医療支援) など、看護の仕事は多岐にわたります。
〇おわりに
看護学を修めた後のキャリアは一つではありません。病院での看護師として働くだけでなく、紹介したようにさまざまな道があります。
これから看護学を目指すみなさんにとって、自分の目指したい将来像を考える参考になれば嬉しいです。自分に合ったキャリアを見つけ、看護の世界で活躍してくださいね!
Profile
所属:医学部保健学科看護学専攻3年生
出身地:愛知県
出身校:愛知高等学校