2025.05.01
- 大学生活全般
サークル、入りすぎたかも......新歓ラッシュ後に悩む新入生へ
はじめに
こんにちは!名古屋大学大学院創薬科学研究科 修士1年の小林です。5月に入り新入生のみなさんは、キャンパスにも少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。そして、今まさに「新歓ラッシュ」の真っ最中か、そろそろ一段落した頃かもしれません。SNS、ビラ、授業後の声かけ、合同新歓……。ありとあらゆる方法で話しかけられ、魅力的なサークルが次々と紹介されて、「全部楽しそう!でもちょっと疲れてきた」、「何個も掛け持ちしていいの?」、「なんとなく断れなくて入っちゃったけど、大丈夫かな」と悩んでいませんか?
今回は、そんな「サークルどうしよう期」に入ったあなたへ向けて、先輩として伝えたいことをまとめてみました。
① サークルの“情報過多”に疲れてない?
大学に入学したばかりの頃は、「新しい友達がほしい」、「大学生活、ちゃんと楽しみたい」という気持ちから、いろんなサークルに顔を出す人が多いと思います。私もそうでした。でも、2週間くらい経つとだんだん「今日はどこに顔出せばいいんだろう」、「全部魅力的すぎて決められない」と、疲れてくるんですよね。
しかも、どのサークルも「来てくれてありがとう!入ってくれると嬉しい!」という優しさで接してくれるから、なんだか断るのが申し訳ない気持ちにもなってしまう。でも、それで無理して何個も加入してしまうと、あとでしんどくなることもあります。だからまずは、疲れてきた自分の気持ちに正直になることが大切です。
② サークルはゆっくり選んでいい
サークルって、入学後すぐに決めなきゃいけないような雰囲気がありますよね。特に最初の1〜2週間は「今入らなきゃ出遅れる!」と焦ってしまう人も多いですが、実はそんなことないんです。名大の多くのサークルは、5月以降も参加を受け入れてくれますし、中には「夏に入ってきた人が一番続いてる」なんて話も聞いたことがあります。私自身、4月中に5つくらいのサークルに顔を出したものの、5月に入ってから「ここが一番落ち着くな」と思った団体に絞って入りました。今でもそのサークルの仲間とは連絡を取り合うし、あのとき「ちょっと時間を置いて決めた」のは正解だったと思っています。
③ 入りすぎたと感じたら、いったん整理してみよう
勢いでたくさん入ってしまった。そんな人も大丈夫です。いったん落ち着いて、自分の今の生活と照らし合わせてみましょう。
・毎週何曜日に活動がある?
・自分のバイト・授業・課題と両立できる?
・心から楽しいと思える時間がある?
この3つを考えてみると、「あ、今の自分にはこことここで十分かも」と整理がついてきます。「一度入ったら絶対に抜けてはいけない」なんてルールはないので、合わないと思ったら辞めても全然OKです。むしろ、自分をすり減らしてまで続ける必要はありません。
④ 私や友達のリアルエピソード
友達で、新歓シーズンに8つのサークルにエントリーしていた人がいます。最初の1ヶ月はほぼ毎日予定が入っていて、「大学生活ってこんなに忙しいの?」と嘆いていました。でも彼は6月頃に、「週に3日は空けておきたいな」と思い、4つのサークルを思い切ってやめました。最初は「辞めるのが申し訳ない」と悩んでいましたが、辞めてからはすごくスッキリした表情で、「今はちゃんと楽しめてる」と話していました。私自身も、途中に入ったスポーツ系サークルが肌に合わず、1ヶ月で辞めたことがあります。自分とは合わないかもという直感を信じて辞めれば、後悔はありませんでした。
⑤ 自分に合ったサークルってどう見つける?
「雰囲気が良かった」、「知り合いがいた」、「活動内容が面白そうだった」などなど、サークルに惹かれるきっかけは人それぞれ。でも、「なんとなく入りやすかったから」という理由は、後から「なんか違ったかも」に変わることもあります。
私が思う“自分に合ったサークル”の見つけ方は、次の3つの視点で見てみることです。
1つ目は、“活動頻度”。
週に何回あるのか、毎回出なきゃいけない雰囲気なのか、それともゆるく自由参加なのか。大学生活とのバランスを取るうえで、これは意外と重要です。
2つ目は、“人”。
先輩や同期の雰囲気が、自分にとって安心できるかどうか。笑いのツボが合うか、緊張せず話せるか。こればかりは実際に会ってみないと分かりませんが、居心地の良さは本当に大切です。
3つ目は、“活動内容”。
その内容に自分がワクワクするか、自分の得意なことや好きなことに繋がっているか。そして、人に話したときにちょっと誇らしく思えるような活動かどうか、どれだけ人が良くても内容にそそられなかったら意味ないですよね。
全部を満たすサークルを見つけるのは難しいかもしれません。でも、この視点を持って選ぶだけで、「この場所、なんかいいな」と思える確率はグッと上がると思います。
⑥ 迷ったら“一旦入って“という選択肢も
決めきれないという人にこそ知っておいてほしいのが、“一旦入ってみる“は許されるということです。名大では、最初の数ヶ月だけ参加して、その後に継続するかどうかを決められるサークル・部活がたくさんあります。これは本当にありがたい制度で、「合わなかったら辞めればいい」という安心感の中で、じっくり自分に合った場所を見つけることができます。私も一年の時は「このサークルは楽しいけど、ちょっと忙しすぎるな」、「この団体の人たちは優しいけど、自分のやりたいこととは違うかも」など、いろんな気づきがありました。最初から完璧な場所を一発で当てようとせず、「まずはやってみて考える」というプロセスを大事にしてみてください。
⑦ サークルでの“人間関係の悩み”があったら
実は、サークルに入ったあとに一番多い悩みが「人間関係」です。「ちょっとノリが合わない」、「先輩が怖いかも」、「同期とあまり話せていない」など、ちょっとしたズレに悩む人は少なくありません。でもそんなときに「もっと頑張って合わせなきゃ」、「自分がおかしいのかも」と、自分を責める必要は全くないんです。人間関係には相性がありますし、時間をかけてゆっくり馴染んでいくタイプの人もいます。無理して距離を縮めようとするよりも、「今の自分が無理せずいられるか」を大切にしてください。もし、それでもしんどいなと感じたら、一度距離を置いて他のサークルに移るのも全然アリです。
⑧ サークルは大学生活のすべてじゃない
大学生活には、サークル以外にもさまざまな選択肢があります。学業、バイト、ボランティア、学生団体、イベント参加、留学、インターンなど、自分の可能性を広げる機会はたくさんあります。私の友人にも、サークルには入らずにアルバイトで接客力を磨いていた人、趣味のイラスト制作をSNSで発信している人、ひたすら勉強に打ち込んで海外大学院を目指している人など、さまざまな“大学生活の形”があります。「サークルに入っていない=何もしていない」なんてことは決してありません。あなたが「これ、やってみたいな」、「なんか好きかも」と思えることを一つずつ拾っていってください。
おわりに
サークルはあくまで“選べる場所”であって、絶対に所属しなければいけないものではありません。大学生活を彩るのは、授業だけでなく、趣味や仲間との時間だと思っていますが、サークルはそのきっかけのひとつにすぎません。自分に合わない場所を無理して続ける必要はまったくないし、気になる場所があれば後から入っても大丈夫です。「自分が心から楽しめる場所を見つけること」が、いちばん大切だと私は思います。
新歓シーズンは、たしかにちょっとしんどいです。でもそれは、「自分にぴったりの場所を見つけたい」という真剣な気持ちがあるからこそ。焦らず、疲れたらちょっと立ち止まって、自分の心に正直になってみてください。大学生活は、正解を探す旅ではありません。あなたのペースで、あなたらしい居場所が見つかることを願っています。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Profile
所属:創薬科学研究科博士前期課程1年生
出身地:愛知県
出身校:愛知県立岡崎高等学校