2026.05.14
- 大学生活全般
学部を越えたつながりは、どこで生まれるのか
みなさん、こんにちは。大学での人間関係というと、まずサークルや部活を思い浮かべる人は多いと思います。もちろん、同じ活動を継続する中で仲良くなれる場所として、サークルや部活はとても大切です。
一方で、大学のつながりはそれだけではありません。講義、学内イベント、研究紹介、国際交流の制度など、大学の中には学部や学年を越えて人と関わる入口がいくつもあります。最初から大きなコミュニティに入らなくても、授業中の短い会話や一度参加した企画から、思わぬ接点が生まれることがあります。
今回は、サークルや部活以外で、学部を越えたつながりがどこで生まれるのかについて、私自身の実感も交えながら整理してみたいと思います。
講義の中にも、出会いのきっかけはある
大学の講義は、一人で受けるものという印象があるかもしれません。確かに、大人数の講義では先生の話を聞き、ノートを取り、試験やレポートに向けて勉強する時間が中心になります。
ただ、英語や教養科目のように、ペアワークやグループワークが入る授業もあります。そうした授業では、たまたま隣に座った人と話したり、学部の違う学生と短い発表を準備したりすることがあります。
最初は少し緊張しますが、授業には話す目的があります。自己紹介から無理に盛り上げなくても、課題について相談する、発表の分担を決める、分からない点を確認するという形で会話が始まります。
私自身も、専門の違う学生と話す中で、自分の分野では当たり前だと思っていた考え方が、別の分野では違うと気づくことがありました。講義での出会いを、最初から深い人間関係にしようと考える必要はありません。まずは、授業の前後に一言話してみるくらいで十分だと思います。
学内イベントは、共通の関心で話しやすい
学内イベントも、学部を越えたつながりが生まれやすい場所です。大学祭、講演会、ワークショップ、学生企画のイベントなどでは、学部や学年よりも、何に興味があるかが会話の出発点になりやすいです。
たとえば名大祭では、模擬店や展示だけでなく、研究公開や参加型の企画もあります。謎解き制作サークルのリデルタのように、体験型の謎解き企画を行う団体もあります。謎解きでは、同じ問題を前にして、気づいたことを話したり、別の人の発想を聞いたりする場面が自然に生まれます。
こうした企画のよい点は、会話の内容を一から探さなくてよいことです。共通の対象があるので、初対面でも、ここが気になる、この考え方はありそうだ、と話し始めやすくなります。
イベントに参加するときは、友達を作らなければならないと構えすぎなくてよいと思います。自分が面白そうだと感じた企画に行き、そこで少し会話してみる。そのくらいの姿勢の方が、自然なつながりになりやすいです。
研究紹介は、進路を考える接点にもなる
大学では、研究室紹介、研究発表、オープンラボ、大学祭の研究公開など、研究に触れられる機会があります。研究という言葉は、高校生や学部1年生には少し遠く感じられるかもしれません。しかし、実際に見てみると、研究は特別な人だけのものではなく、学生が自分の問いに向き合う場でもあると分かります。
研究紹介の場では、同じ学部の先輩だけでなく、他学部や他研究科の学生、教員の話を聞くことがあります。実験をしている人、データを解析している人、社会課題に向き合っている人など、研究の形は一つではありません。
私自身、創薬科学の研究をしていると、自分の専門に意識が向きやすくなります。しかし、他分野の研究紹介を聞くと、同じデータという言葉でも、何を測り、何を明らかにしようとしているのかが大きく違うことに気づきます。
質問も難しく考えすぎる必要はありません。この研究は何を解決しようとしているのか、学部生のうちから関われるのか、自分の専攻とどこがつながるのか。そうした素朴な問いから、進路を考えるための会話が始まることがあります。
国際交流の制度は、役割があるから関わりやすい
大学には、留学生と関わるための制度もあります。名古屋大学にはNUPACEという交換留学生受け入れのプログラムがあり、NUPACEの学生はチューター学生から支援を受ける仕組みがあります。
チューターの活動では、来日後の手続き、大学施設の利用、講義や研究、科目選択、日本語会話、日本の文化や習慣の紹介などを支援することがあります。友人を作る場というより、相手の大学生活を支える役割を通して関係が生まれる場だと思います。
国際交流と聞くと、英語が得意な人だけが参加するものだと感じるかもしれません。しかし、募集情報を見ると、英語力は必須ではなく、英語が得意でない場合には中上級の日本語力を持つNUPACE学生を担当する場合もあるとされています。
大切なのは、完璧に話すことよりも、相手が困っていることを一緒に確認し、分かりやすく伝えようとする姿勢だと思います。制度を通じた交流は、最初から役割があるため、何を話せばよいか分からないという不安が少し小さくなるのではないでしょうか。
無理に広げるより、小さな接点を増やす
学部を越えたつながりは、多ければ多いほどよいというものではありません。無理に人間関係を広げようとすると、かえって疲れてしまうこともあります。
大事なのは、自分の関心が少し動いた場所に、一度足を運んでみることです。英語の授業で一言話してみる。名大祭で気になる企画に参加してみる。研究紹介に行ってみる。留学生支援の制度を調べてみる。どれも大きな決断ではありませんが、大学生活の見え方を少し変えるきっかけになります。
つながりは、最初から深い関係として始まるとは限りません。一度話しただけの人、同じ企画に参加した人、研究発表で質問した人と、後になって別の場面で再び関わることもあります。
おわりに
学部を越えたつながりは、サークルや部活だけで生まれるものではありません。講義でのペアワーク、学内イベントでの共同作業、研究紹介での質問、留学生チューターのような制度など、大学の中には自然に人と関わる場がいくつもあります。
すべてに参加する必要はありません。まずは、自分が少し興味を持てる場所を一つ選び、短く話してみることから始めれば十分です。
これから名古屋大学で学ぶかもしれない人、あるいは今の大学生活で人間関係の広がりに悩んでいる人は、サークルや部活以外の入口にも目を向けてみてください。大学のつながりは、思っているよりもいろいろな場所で生まれています。
拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Profile
所属:創薬科学研究科 修士2年
出身地:愛知県
出身校:愛知県立岡崎高等学校