名大生ボイス

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大学生活全般

2026.10.27

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理系大学生はどれくらいプログラミングを使う?

こんにちは。今回は、理系大学生が大学生活や研究の中でどれくらいプログラミングを使うのかについて紹介します。「理系に進むなら、高校生のうちからプログラミングができないと困るのでは?」と思う人もいるかもしれません。

 

私自身、大学に入るまで本格的にプログラミングをした経験はほとんどありませんでした。それでも授業や研究を通して少しずつ使えるようになり、現在では研究に欠かせない道具の一つになっています。今回は、物理学科で学び、天文学の研究をしている私の場合を例に紹介します。

 

 

入学前はほぼ未経験

大学入学前のプログラミング経験は、ほとんどありませんでした。高校の授業でPythonに少し触れた程度で、自分でプログラムを作ったり、日常的にコードを書いたりした経験はありませんでした。

 

そのため、「大学に入る前からプログラミングが得意だった」というわけではありません。理系というと、パソコンに詳しい人や高校生の頃からコードを書いている人が多いイメージがあるかもしれませんが、少なくとも私の場合はそうではありませんでした。

 

 

大学の授業で少しずつ触れる

大学では、まず授業の中でプログラミングに触れました。1年後期の「データ科学基礎」や、2年後期の「情報科学概論」などで、PythonやC言語を使いました。

 

最初は、変数や条件分岐、繰り返し処理といった基本的な内容から学びます。授業で課題に取り組みながら、「こう書けばコンピュータにこの処理をさせられる」という感覚を少しずつ身につけていきました。

 

ただ、この頃はプログラミングそのものを学ぶことが中心で、現在のように毎日の研究で使うほどではありませんでした。授業で習ったことをすべて覚えていたわけでもなく、研究室に入ってから改めて調べ直したことも多くあります。

 

 

研究室に入ると一気に使う機会が増える

私の場合、プログラミングを本格的に使うようになったのは、4年生で研究室に配属されてからです。現在、最もよく使っている言語はPythonです。

 

私が研究している電波天文学では、望遠鏡で観測した大量のデータをコンピュータで解析します。例えば、電波望遠鏡で得られたデータを読み込み、宇宙空間にあるガスを速度ごとに分けて調べたり、異なる種類の観測データを比較したりします。

 

また、解析した結果をグラフにしたり、ガスが宇宙空間のどこに分布しているのかを画像として表示したりするのにもプログラムを使います。同じ処理を大量のデータに対して行う場合、人の手で一つずつ処理するのは現実的ではありません。そこで、プログラムを書いて一度に処理してもらいます。

 

研究内容によっては、1日のうち4〜5時間ほどパソコンに向かい、コードを書いたり解析結果を確認したりしていることもあります。高校生の頃に想像していた天文学は「望遠鏡で宇宙を見る」というイメージが強かったので、実際にはこれほど長い時間パソコンを使うことになるのは意外でした。

 プログラミング1.pngのサムネイル画像

 

最初から思い通りに書けるわけではない

研究でプログラムを書き始めた頃は、エラーが出ても原因が分からなかったり、動いたと思ったコードから想定とは違う結果が出たりすることがよくありました。

 

特に難しかったのは、単にコードを書くことよりも、「自分がやりたい解析を、どのような処理の組み合わせにすれば実現できるか」を考えることです。

 

研究では、授業の課題のように完成形があらかじめ示されているとは限りません。「このデータとこのデータを同じ条件で比較したい」「特定の速度だけを取り出して地図を作りたい」といった目的に合わせ、自分で処理の手順を考える必要があります。

 

うまく動かなければエラーの内容を調べたり、先輩のコードを参考にしたり、少しずつ書き換えて結果を確認したりします。こうした試行錯誤を繰り返しているうちに、少しずつ自分でできることが増えていきました。

 

 

全部暗記して書いているわけではない

今でも、何も見ずにすべてのコードを書いているわけではありません。むしろ、分からないことがあれば頻繁に検索します。以前に自分で書いたコードを見返したり、公式のドキュメントや解説を調べたりすることも多くあります。

 

最近では、AIも大いに活用しています。例えば、エラーの原因を考えるときや、やりたい処理を実現する方法を調べるときに利用しています。

 

ただし、AIが出したコードが必ず正しいとは限りません。特に研究では、処理の意味を理解しないまま使うと、コード自体は動いていても間違った結果を出してしまう可能性があります。そのため、「このコードが何をしているのか」「この解析方法で本当に問題ないのか」を自分で確認することが重要です。

 

プログラミングでは、すべての書き方を暗記することよりも、自分が何をしたいのかを整理し、そのために必要な方法を調べながら組み立てていく力の方が大切だと感じています。

 

プログラミング2.pngのサムネイル画像 

高校生のうちから勉強した方がいい?

では、理系を目指す高校生は、大学に入る前からプログラミングを勉強しておくべきなのでしょうか。私自身の経験から言えば、そこまで心配する必要はないと思います。

 

もちろん、興味があればPythonなどに触れておくことは役立ちます。しかし、大学では授業で基礎から学ぶ機会がありますし、研究室に入ってから必要に応じて覚えていくこともできます。私自身も、ほぼ未経験の状態から始めました。

 

それよりも高校生の段階では、数学や物理など、大学で専門分野を学ぶための基礎をしっかり身につけることの方が重要だと思います。まずは高校で学ぶ内容を理解し、大学受験の勉強にしっかり取り組めば十分です。

 

 

最後に

物理学科でも、研究分野によってプログラミングを使う量は大きく異なります。ただ、私のように観測データを扱う研究では、プログラミングは研究を進めるための重要な道具です。

 

大学入学前にできなくても、必要になったときに学びながら使えるようになります。プログラミングそのものを目的として考えるのではなく、「自分が知りたいことを調べるための道具の一つ」と考えると、少し身近に感じられるかもしれません。

 

Profile

所属:理学研究科 理学専攻 物理科学領域 修士1年

出身地:岐阜県

出身校:岐阜県立大垣北高等学校