2026.11.04
- 大学生活全般
看護学×データ分析 大学で広がった学びの可能性
大学に入る前は、大学で学ぶ内容は入学した学部や学科の専門分野が中心になると思っていました。もちろん、専門を深く学ぶことは大学での大きな目的の一つです。一方で、実際に大学生活を送ってみると、授業をきっかけに興味が広がり、もともとの専門と別の分野を組み合わせて学ぶこともできると気づきました。
私は学部では看護学を学んでいましたが、大学での授業をきっかけに、統計学やデータ分析、プログラミングにも興味を持つようになりました。現在は大学院で、医療に関わるデータを扱う研究に取り組んでいます。今回は、看護学を学んでいた私が、なぜデータ分析に興味を持ったのか、そして専門以外の分野を学んで感じたことを紹介します。
授業をきっかけにデータ分析に興味を持った
データ分析に興味を持ったきっかけの一つは、学部で受けた授業でした。
看護学の研究には、さまざまな方法があります。例えば、患者さんへのインタビューなどから体験や思いを丁寧に捉える質的研究や、質問票や測定値などを数値として扱い、傾向や関連を調べる量的研究があります。学部でこうした研究に触れる中で、看護学でもデータを使って仮説を考えたり、患者さんの特徴や課題を明らかにしたりすることを知りました。
さらに授業では、統計学だけでなく、医療と統計を組み合わせた医療統計学について学ぶ機会もありました。患者さんの情報や検査データなどをどのように分析し、その結果を医療や予防に生かしていくのかを知り、統計学が単独で存在する学問というより、医療の課題を考えるための方法として活用されていることに面白さを感じました。
また、心理学や社会学を学ぶ友人から話を聞く中で、データ分析は医療だけで使われているものではなく、心理や社会など幅広い分野でも活用されていることを知りました。扱うテーマは違っていても、集めた情報から傾向を捉え、問いに答えていくために統計やデータ分析が使われています。
この経験から、大学で学ぶ内容は一つの分野の中だけで完結しているわけではなく、複数の分野を掛け合わせながら活用されていくものも多いのだと気づきました。看護学と統計学、医療とデータ分析というように、異なる分野がつながることで新しい見方が生まれることに興味を持ち、もっとデータを扱う方法を知りたいと思うようになりました。それが現在の研究にもつながっています。その広がり自体が、大学で学ぶ面白さの一つだと感じています。
データから予防を考えられることが面白い
私がデータ分析に特に面白さを感じたのは、病気になってから治療するだけではなく、病気になる前の予防にもつなげられる可能性があるところです。
医療では治療方法が進歩し続けていますが、それと同時に、どのような人が病気になりやすいのか、どのような要因がリスクに関係しているのかを明らかにし、予防につなげることも重要です。
多くの人から得られたデータを分析することで、ある病気になりやすい人の特徴や、健康に影響する可能性のある要因について考えることができます。その結果が将来、予防方法を考えたり、一人ひとりに合った医療を検討したりする材料になるかもしれません。
もちろん、データだけですべてが分かるわけではありません。しかし、目の前の患者さんを見る視点と、多くの人のデータから傾向を捉える視点の両方を持つことで、医療について違った角度から考えられるようになったと感じています。
専門と別の分野を掛け合わせる
大学でデータ分析を学んで感じたのは、自分の専門を捨てて新しい分野へ移る必要はないということです。
私の場合、看護学を学んできたからこそ、医療や患者さんについて考える視点があります。そこに統計学やデータ分析という方法を組み合わせることで、看護学だけ、データ分析だけでは思いつかなかった考え方ができるようになりました。
大学院で研究をするようになった現在も、自分の専門とデータ分析の掛け算を意識しています。何か一つだけを極める方法もありますが、異なる分野を組み合わせることで、自分なりの発想や得意分野を作ることもできると思います。
この経験は、将来について考えるうえでも視野を広げてくれました。大学入学時に考えていた進路だけではなく、研究やデータを扱う仕事など、以前は知らなかった選択肢にも興味を持つようになりました。専門が一つ増えたというよりも、自分がもともと持っていた看護学の視点に、新しい道具が加わった感覚に近いです。
大学では興味を広げてもいい
高校生の頃は、学部や学科を選ぶことが、その後の進路を大きく決めるように感じることもあると思います。私も大学に入る前は、看護学を選んだら看護学だけを学んでいくものだと考えていました。
しかし実際には、大学には自分の専門以外の分野に触れる機会もあります。授業で偶然知ったことや、友人との会話から知った別分野の考え方が、その後の研究や将来の選択肢につながることもあります。
私にとって、それが統計学やデータ分析、プログラミングでした。看護学を学んできた経験があったからこそ、データを医療にどう役立てられるのかを考えることができています。
大学に入ったら、最初に選んだ専門を大切にしながら、少し気になったことにもぜひ触れてみてほしいと思います。自分の専門と新しく興味を持った分野を掛け合わせることで、自分だけの学び方や将来の選択肢が見つかるかもしれません。
Profile
所属:医学系研究科 修士1年
出身地:愛知県
出身校:愛知高等学校