名大生ボイス

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受験勉強法

2024.02.21

  • 受験勉強法

新高3生に向けて

はじめに

20240221_y.jpgみなさん、こんにちは。文学部2年の矢部です。国公立の2次試験が今週末ついに行われます。
それはつまり、みなさんには本番までに残された時間はあと1年しかないということです。もっと言えば、1月中旬の共通テストが多くの受験生にとっての本番の幕開けとなるので、さらに時間は短いことになります。多くの受験生が、高3の4月から心機一転と勉強に勤しみ始めますが、それでは遅いです。大半と同じタイミングで始めるということは、大半と差がつかないということです。僕も本格的に受験勉強に入ったのは共通テスト同日模試を受けてボコボコにされてからでした。結果が返ってしばらく現実逃避していたので、ちょうど今くらいの時期からです。今回は、「この科目はこうやって勉強するのがおすすめ」といった具体的な話ではなく、その前段階の受験生になるための準備についてお話ししたいと思います。

 

①自己分析と目標設定

まずみなさんがするべきことは、自己分析と目標設定です。
自己分析とは、自分の得意教科、苦手教科、少し掘り下げて得意分野、苦手分野を知り、自分がどういうミスをしやすいのかといった特徴や、性格的な特性を整理することです。
ここで参考にしてほしいのが、先月実施された共通テスト同日模試です。もし受けてないという人がいれば、直近の模試で構いません。得点率が悪いところを着目するのは言うまでもありませんが、取れていると思っていたところ、あるいは1ミスの大問などは注意してください。計算ミスのようなケアレスミスを、仕方ないと考える人は多いですが、よく調べてみると、「この分野の時計算ミスが多い」のように、ある程度パターンが見えてくるかもしれません。そうすれば「ミスをしないように」と漠然と考えている人に比べて格段にミスは減ります。成績表をなんとなく眺めるのではなく、メモを取るなどして必ず記録して、定期的に見返せるようにしておいてください。
自己分析が済んだら、次は目標を決めていきます。目標は、長期的なものと中期的、短期的なものを決めると一般的に言われていますが、正直ゴールまでのペースは人によって異なるので、とりあえず長期的な目標だけ決めて、自己分析を元に逆算して中期、短期的な目標を必要に応じて設定しましょう。受験における長期的目標とはずばり志望校の決定ですが、現状の自分では到底達成できないように思える目標でも構いません。やりたいこと、憧れ、なりたい自分をイメージして、それに1番合う志望校を決めてください。ただし、中期、短期の目標はより現実的なものにしましょう。多くの受験生は本番に近づくに連れ成長します。今から勉強をしたからといって4月に大きく成績が伸びることはないでしょう。細かい目標は成功体験を得ることが目的でもありますから、背伸びし過ぎず設定してみてください。

 

②志望校の過去問を解く

志望校が決まったら、その大学の過去問を1年分解いてみてください。最近の問題は勿体なく感じるかもしれませんが、古すぎると傾向が違い過ぎたりするので、3年前くらいの問題がいいと思います。「自分はまだ2次試験解けるレベルじゃないよ」と思うかもしれませんが、誰もそんな期待はしていません。今このタイミングで過去問を解くのは、合格点を取るためではなく、自分が1年後に求められるレベルを身をもって知り、今の自分との差を実感するためです。また英語や古典であれば、すでに習っている範囲で解けるはずの問題がいくつかあるはずです。もしそうした問題で得点できなければ、それは反省しなければいけないポイントです。ゴールがわかっている状態で1年勉強するのと、どれくらいのレベルに仕上げればいいのかわからない状態で1年勉強するのでは雲泥の差なので、必ず解いて、そしてボコボコにされてください。

 

③理想の環境を作る

それらが終わったら環境作りです。まず勉強の拠点を決めましょう。代表的な場所は、自習室、図書館、学校の空き教室、カフェ、自宅などですね。どれか一つに絞ってもいいですが、自分の特性や用途に合わせて使い分けるのがいいと思います。僕の場合は、
自習室→本番形式の演習時に使用
図書館→本好きで集中できないので基本的には使用せず
空き教室→メイン
カフェ→隙間時間に勉強したい時や友達と勉強したいときに
自宅→直前期を除き勉強はせず、息抜きのみに使う
としていました。
次に友達を選んでください。打算的で良くない印象を持たれるかもしれませんが、付き合う友達次第であなたの受験結果は全然違います。常に高め合える友達か、お互いの足を引っ張り合う友達か、どちらが目標達成に繋がるかは明白です。僕の場合は過去の記事でも紹介しましたが、志望校や得意教科は異なるものの、全体的な得点や偏差値が同じくらいの同級生2人と特に親しくしていました。バランスが異なる友達がいると、補完し合えて良い関係が築けるのでおすすめです。
そして塾、予備校とどう付き合っていくかも考えます。僕が後悔しているのは、上記のような手順を踏まずに、特に何も考えずに入塾してしまったことです。塾が悪いというわけではありませんが、自己分析や目標設定なしに塾や予備校の授業を受けても時間の無駄です。塾に入ったらといって必ず成績が上がるわけではありません。しかも個別指導塾ならまだしも、集団塾や映像授業ではみなさんに100%合った勉強は享受できないでしょう。もちろん塾に入るメリットはたくさんあります。環境作りという面では、高い志を持った友達に出会えたり、自習室も利用できるようになったり、勉強のアドバイスや添削を受けられます。大切なことは主体性を持つこと、自分の受験は自分がするものだという意識を持つことです。容易く聞こえるかもしれませんが、行うは難しです。まずは自分と向き合って、それから入塾するべきなのか、どの講座を取るべきか決めましょう。

 

④少しずつ勉強習慣、時間を強化していく

ここまで自分と向き合うことができたら、いよいよ勉強を始めていくわけですが、いきなりギアをあげ過ぎないでください。休日2時間しか勉強していなかった人が突然10時間やるなんて無茶です。絶対に続かないのでやめてください。継続することが何よりも重要なので、2時間半とか3時間やるようにして、少しずつ慣れていく。そうしたら4月には5時間とか6時間コンスタントに勉強できるようになっているはずです。4月から始める人たちに十分差をつけられます。また勉強の質だけでなく息抜きの質も高めましょう。息抜きは重要ですが、だらだらとするのではなく、より少ない時間でリフレッシュできるようにしたり、息抜きの時間を固定して習慣化するなどの工夫をしたりして、勉強のサポートになるように設定しましょう。僕の場合は、毎日21:30ごろから始まるとあるゲーム実況者の配信が中学生の頃から大好きで欠かさず見ていたので、それ以外の息抜きを削って毎日21:30までは勉強を頑張るようにしていました。

 

⑤4月までに何か武器を作っておく

さて、大半の受験生が4月に勉強をし始めると再三話してきましたが、みなさんにはその4月までに①~④を実行してもらうだけでなく、何かしら武器になるものを作って欲しいと思います。それは、得意教科を作るのでもいいですし、数学の何かの分野をマスターするとか、社会や理科を先取りするとか、今後の受験生活において心の拠り所となるものを身につけて欲しいと思っています。滝修行をして強靭なメンタルを手に入れてもいいかもしれません。(笑)
僕はこの時期は共通テストの英語の対策をひたすらやっていました。いずれ記事にしようと思いますが、同日→4月の模試でリーディングを79→97まで伸ばすことができ、大きな自信につながりました。

 

おわりに

長くなってしまいましたが、今回お話ししたことでみなさんが危機感を持ち、当事者意識を持って受験に臨んでくれることを期待しています。まずは4月まで、頑張ってみてください。応援しています。

Profile

所属:文学部2年生

出身地:神奈川県

出身校:攻玉社高等学校