名大生ボイス

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受験勉強法

2019.12.18

  • 受験勉強法

文学部推薦入試の対策法

1.はじめに

みなさんこんにちは。今回初めて記事を書きます、文学部人文学科1年の猿山綾乃です。今回は私が受験した文学部のセンター試験を課さない推薦入試についてお話ししようと思います。推薦入試って何をやるの?どんな対策が必要なの?と疑問を持つ人はきっと多いと思うので、そういった疑問に答えられたら幸いです。(注意:2019年度入試の時点での対策ですので、最新のものは大学の入試要項などでご確認ください。)最後に私なりの対策方法もまとめましたので、参考にしてくれたらうれしいです。

 

2.私の体験記

私は1年前の11月、文学部のセンター試験を課さない推薦入試を受験しました。文学部の推薦入試は名大で唯一、センター試験なしで受験ができる入試です。つまり、センター試験では測ることができない力が見られています。具体的には、志望理由書(600字の志望理由書と800字の読書感想文)、小論文、面接(プレゼンテーション含む)、任意提出書類で合否が決まります。これから1つ1つ詳しく説明していきます。

 

3.志望理由書と読書感想文

志望理由書は、なぜ名大文学部で学びたいのか、どんなことを学びたいのか、そしてそれが自身の将来とどのようにつながっているのかなどを600字程度で手書きします。文学部の特徴として、1年次は幅広く名大文学部にあるすべての専攻についての授業を受け、2年次以降は専攻に分かれそれぞれの専門を極めるといったことがあります。そのため、幅広く学べることと専門を極められること、どちらについて書いても大丈夫です。私は自分のしたい研究テーマを扱う専攻があったので、その専攻について、また1年次に幅広く人文学について学べる利点に関して詳しく書きました。

次に読書感想文についてです。提出書類の一覧には載っていないのですが、志望動機を書く紙を広げてみると読書感想文を書く欄があります。(折られている裏面が読書感想文を書く枠です。)読書感想文といっても、宿題として夏休みに書くような長いものではなく、800字程度で、自分の興味のある人文学に関する本について書きます。文学部は学科が1つしかなく(2年次以降の分属で分かれるのは学科ではなく専攻です)、あまり学科という意識はありませんが、正式には文学部人文学科なので、学科である人文学についての本を読み、それについて書く必要があります。文学部でよく言われるのは、純粋な文学だけでなく、人に関することを学ぶということです。なので、純文学を読まなくてはいけないというわけではないと思います。私の周りの推薦入試で合格した方々に聞いたところ、軽めの新書で書いた人、小説で書いた人や専門書で書いた人もいました。本の種類やジャンルではなく、どんな本を読んで、どんな感想を抱いたか、そしてこれらをきちんとまとめる文章構成力が見られていると思います。またこの選んだ本が、自分の進みたい専攻と直結している方が多かったです。

 

4.小論文

次に小論文についてです。小論文というと法学部の一般入試にもありますが、文学部推薦入試の小論文は少し違っています。文学部の場合、小論文の課題文が英語です。英語で書かれた文章を読み、日本語で要約や自分の意見論述をします。また英文和訳の問題もあるので、単純な小論文の対策だけでなく、英語力も高める必要があります。問題形式としては、私の受けた年は、英文和訳3問・100字要約1問・400字要約1問・800字意見論述でした。またこの小論文のテーマに関しても、文学部らしい哲学的なものから、世界規模の時事問題(移民や環境問題など)様々なものがあります。年によりトピックが変わるので、どんなテーマにでも対応できる英語力や語彙力、背景知識が必要です。

 

5.面接とプレゼンテーション

次に面接とプレゼンテーションについてです。面接時間は15分程度なのですが、そのうち5分は自分の書いた志望理由書に基づいたプレゼンテーションです。プレゼンテーションとは言っても、資料やポスターの持ち込みや、パワーポイントなどを利用することができないので、5分間何も見ずに自分が大学側に伝えたいこと、例えば名大文学部で学びたいこと、将来の目標などを話します。やってみると分かりますがこの5分は意外と長いです。最初のうちは2分程度しか話せませんでしたが、練習を重ねるごとにどんどん話せるようになりました。その後の10分間の質疑応答では、直前に行ったプレゼンテーションについてはもちろん、志望理由書、任意提出書類など幅広い内容から聞かれました。どんな質問にも答えられるような柔軟な対応力、自分の行きたい専攻についての知識、そしてきちんとした言葉で話す日本語力が求められています。

 

6.任意提出書類

続いて任意提出書類です。任意提出なので出す必要はないのですが、合格の助けになればよいと思い、私は28枚ほどの資料を提出しました。具体的には、高校時代に行った活動の実績証明書、英検やIELTSなど英語資格の証明書、高校時代に入賞した大会の表彰状などを出す人が多いと思います。それらに加えて、私は高校時代に1年間留学をしていたので留学先での成績証明書、留学中に行った活動などの証明書も送りました。これらの書類がどこまで合格の手助けになったのかはわかりませんが、出して損はないと思います。

 

7.私なりの対策

最後に私の行った対策について具体的にお話します。参考程度に見て頂ければ嬉しいです。まず志望動機に関しては、早いうちからの対策がいいと思います。直前から対策すると、言いたいことが抜けてしまったり、志望理由書とプレゼンテーションの内容のズレが生じたりするかもしれません。なので、情報収集だけでも早めにやりましょう。情報収集の方法として、大学のパンフレットを読んだり、オープンキャンパスに参加したり、実際に通っている名大生の話を聞いたりといった活動がおすすめです。

読書感想文に関しては、自分の学びたい専攻を決めて、それに関する本を何冊も読んでおくのが良いと思います。私自身も何冊も本を読み、それぞれで読書感想文を書きました。直前に読書感想文を書くとなると、本を何度も読み直したり、文章を何度も書き直したりとやることが多く焦ってしまうので、こちらもなるべく早い段階からの対策をお勧めします。私は何冊ものパターンで書いていましたが、直前になってどの本の感想文を提出するのかとても迷いました。志望理由書が推敲の段階で変わったときのためにもいくつかの本で準備するとよいのではないかと思います。

小論文については、英語の対策と小論文の書き方の対策、両方が必要です。英語力、特にリーディングや和訳、要約の力をつけておくと良いと思います。私はあまり和訳が得意でなかったので、推薦入試を決めた段階から和訳の問題に取り組んでいました。小論文に関しては、早い段階から書く練習をはじめ、小論文の書き方を身に付けました。高校の授業だけでは小論文に対応できないことが多いと思うので、自分できちんと進めていく必要があります。また一般入試との併願を考える場合、文学部では小論文は必要ないので、どの程度推薦入試に比重を置くかも考慮しなくてはなりません。11月がほとんど推薦入試でとられてしまうのは一般入試の際に苦労すると思うので、両方考える方はきちんと比重を考えながら対策しましょう。

面接とプレゼンテーションは私自身一番苦労したところです。まずプレゼンテーションで5分間何も見ずに話すというところから大変でした。なので最初は言いたいことのリストを作成し、それを見ながらひとりでぶつぶつ声に出しながら練習していました。面接に関しても、専門的な質問がされても答えられるように、本や論文を読むことで専門分野の知識をつけていきました。直前期にはプレゼンテーションと面接をたくさんの人に見てもらい、フィードバックをしてもらいました。自分だけでは気づかなかった点に気付いてもらえたり、細かいしぐさや言葉遣いなども見てもらえたりするので、有効だと思います。面接練習の様子を録画し、自分で振り返ってみるのも有効だと思います。また私は面接用のノートを作り、面接練習でいただいたアドバイスや、答えられなかった質問の回答を考え直したり、聞かれるであろう質問の回答を作ったりしました。直前に見直すこともできたので、とてもよかったと思います。

最後に任意提出書類についてです。これは1日2日で仕上がるものではありません。高校3年間を通してどのような活動をしてきたかをアピールする場なので、高校1年生の段階から部活動やボランティア活動、英検などの英語資格など、様々な活動に精力的に取り組んでおくと優位になると思います。私自身は高校1年次に留学を決め、実際に高校2年から1年間留学に行きました。推薦のために留学したわけではありませんが、私にとっては留学が受験において優位に働いたと思います。英語資格に関しても、英検やTEAP、IELTSを高校2年生から何度も受験し、一番良いスコアを提出できるようにしました。小さな積み重ねが大きな力になると思うので頑張ってください。

 

8.私からのアドバイス

最後に受験生へのアドバイスです。私は出身が栃木で、名古屋は栃木よりも南だから暖かいだろうと思い、軽装で(具体的にはコートなしで制服のみで)来てしまいました。しかし、実際到着すると名古屋は思ったより寒くて、試験にあまり集中できませんでした。特に面接前、ストーブはついていましたが、廊下で待つことになったためとても寒かったです。きちんと気温を確認して、適切な格好で来る、カイロなどの温めるグッズを持ってくることをお勧めします。また特に、遠くから受験に来る方に向けてになりますが、忘れ物はしないようにしましょう。私は受験当日ホテルに時計を忘れてきてしまい、とても焦りました。私のように時計など試験に必要なものを忘れてしまうと、受験当日にとても不安になってしまい、試験に集中できなくなることもあると思います。そのため忘れ物がないか、複数回確認することをお勧めします。(もし忘れてしまった場合、ものによっては学内で買うこともできますので、落ち着いて行動してくださいね。)

 

9.まとめ 

以上が私の推薦入試体験&アドバイスでした。今年の入試はもう終わってしまいましたが、来年以降文学部推薦入試を受験される方、また他学部の推薦入試を受験される方にも役立つところがあると思いますので、参考にしていただけたら幸いです。とても長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

Profile

所属:文学部1年生

出身地:栃木県

出身校:栃木県立佐野高等学校