古典は英語、数学の次に時間を割いた科目です。古文も漢文も主語の把握を心がけました。古文なら敬語から主語を推定して文章中に主語を書き込んだり、漢文なら主語を○で囲み、主語が文中に書いていないときには寡人、臣、爾、大丈夫、百姓、左右、小子などの人称代名詞から主語を推定していました。漢文、古文ともに「之(これ)」、「其れ(それ)」や「さ」、「かの」などの指示語は動作を指しているのだろうか、それとも人物を指しているのだろうかと常に考えていました。二重否定、反語それから反実仮想の文章など一見して分かりにくい文章は、混乱しないように下記の例のように文章の横に意味を書き足したりして、文章の内容把握をしていました。加えて、読解では読解問題の前書きや語注、注が設問に深くかかわってくることも少なくないので、こういったものにも目を通していました。
例:1.燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや
→燕雀は鴻鵠の志を理解できない。
(実際の文章読解では文章の横にいちいち燕雀や鴻鵠などとは書かずに単純に「理解できない」、「知る由もない」といったことを横に書き足していました。)
2. 吾が矛の利きこと、物に於いて陥さざる無きなり
この場合、「陥さざる無きなり」が分かりにくい文章なので横に「突き通す」と書き足していました。
3. わが背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪のうれしからまし
(私の夫と2人で見るのでしたら、私にとってどんなにかこの雪が喜ばしいものでしょうに。)
→この和歌の作者は実際には雪を夫と見ているのではなく、1人で見ている。
→文章の横に「1人」と書き足す。
反実仮想の助動詞「まし」には「ためらいの意志」の意味もあるので気を付けましょう。
4. なげきつつ ひとりぬる夜のあくるまは いかに久しきものとかは知る
(あなた(作者の夫)が来ないことを嘆きながら1人で寝る夜の時間はどれほど長いものか知っていますか?)
→「いかに久しきものとかは知る」の「かは」は反語を表す。
→文章の横に「知るはずもない」と書き足す。
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所属:経済学部2年生
出身地:埼玉県