名大生ボイス

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受験勉強法

2021.06.10

  • 受験勉強法

大学院入試までの勉強法①

初めまして!多元数理科学研究科1年の金堂優哉(かなどうゆうや)です。

今年度、富山大学理学部数学科から多元数理に進学しました。名大では外部から進学する学生も少なからずおられるとのことで、そのような方々にも興味をもってもらえるような記事を書いていこうと思っています。

ところで、多元数理の博士前期課程入試まで2か月を切りましたね。大学院への進学を考えている方々は、日々勉強に勤しんでいることと思います。そこで今回は、私が行っていた大学院入試までの勉強法について記事にしていきます。まず初めに、多元数理における博士前期課程の入試で出題される問題の特徴について書きます。なお、今年の問題についても書くつもりでしたが、多元数理のHPにおいても公開されていないため、ここでは控えさせていただきます。

 

問題の特徴

例年、前半と後半に分かれており、それぞれ大問4つ、各大問に小問3つの計24問程度が出題されます。時間はどちらも3時間です。過去問は次のリンクにあります。

入学試験過去問題 - 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科 (nagoya-u.ac.jp)

それでは、前半、後半のそれぞれの傾向について解説していきます。

前半の部は線形代数と微分積分の基礎的知識を問う問題が多く、解き方も比較的単純です。時間配分に気を付けつつ落ち着いて取り組めば、7~8割程度は取れると思います。この前半の部で十分に点数が取れないのであれば、基礎知識が定着していない可能性があります。後半の部を含めても線形と微積は大部分を占めるので、教科書や参考書のすみずみまで確認しておくことをお勧めします。私が参考にした線形と微積の本は、数学科では有名な、某齋〇線形と杉〇解析入門です。この2冊でも敵わない問題も多少ありますが、合格するには十分な知識がつくと思います。

対して後半の部では、[1]線形代数、[2]微分積分 or 数列、[3]複素解析、[4]位相空間論 という傾向が見られます。特に[1]ではテクニカルな証明を要求されることが多く、運が悪ければ最初の小問で手が止まることもあると思います。入試まで残り少ないこともあり、そのような問題に出会うと心底焦りますが、一度飛ばして解ける問題から解いていきましょう。特に、最初の問でつまった場合は求められている証明方法を知らないこともあるため、後日先生や友人に訪ねてみると良いと思います。[2]、[3]、[4]は基礎知識を問う程度です。もちろん中には難しい問題もありますが、個人的には[1]ほどではありません。自分の得意な分野を把握したうえで、[1]に時間を回せるよう時間配分を考えておくと良いと思います。

 

3月~5月

来年の大学院入試の受験を考えている方は、これも参考にしていただければと思います。

この時期は、過去問には手を出さずひたすら基礎的な事項を確認していました。学部の授業で使用していた教科書を用いて友人とゼミを開き、自分の弱点の発見とその穴埋めに専念しました。一日8時間程度のゼミを週2回、それ以外の活動時間のほとんどはゼミ準備と復習に充てました。ここで重要なのが、ゼミでは自分の苦手な分野を担当することです。また苦手な分野では、非自明な細かい議論をうやむやにして通り過ぎることがよくあります。そのような"穴"を指摘してくれる相手の存在も大事です。

私の場合、『線形』『イプシロンデルタと解析』『位相空間』の3つを、3人でひとりひとつづつ担当していました。面白いことに、初めは全員が苦手な分野を担当したはずが、今では3人とも担当した分野の応用を専門としています。それほどまでに、この時期のゼミは大きな影響を与えました。

また、6月に入ると、願書や希望する研究室の先生とのコンタクトなどに思いのほか時間を割くことになるので、埋められる弱点はこの時期のうちに埋めておきましょう。本来、受験前のコンタクトはなくても良いはずですが、好む先生もおられるようです。所属している学部にも依ると思いますので、コンタクトするべきか否かは(学部の方であれば)4年次の担当教官に尋ねてみると良いかもしれません。

 

 

次の記事では、6、7月と入試直前の勉強法について書いていきます。

更新をお待ちください。

Profile

所属:多元数理科学研究科1年生

出身地:三重県

出身校:三重県立四日市南高等学校