名大生ボイス

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受験勉強法

2021.08.23

  • 受験勉強法

ここで差がつく!秋から本気出す受験勉強

はじめに

皆さんこんにちは、工学部3年の塚本です。受験生の皆さんは、夏休みもいよいよ終わりに近づき、もうじき2学期が始まるといった頃だと思います。皆さんはこの夏休みを有意義に使えたでしょうか。模試やオープンキャンパスに参加してモチベーションが上がった人、結局何をしていいか分からず右往左往してしまった人、塾の夏期講習や参考書などで苦手科目を満足に復習できた人、部活や学校の課題で手一杯で受験勉強らしいことが何もできなかった人、などなど様々だと思います。

ちなみに私は、夏休みが終わって、「あ、終わったな、、、。」という気持ちでした。部活の試合で夏休みは半分潰れ、模試の成績は相変わらずE判定、塾に行っている人は着々と成績をあげ、自分に合った対策を進めているのにも関わらず、なかなかこれといった勉強計画を組むことができず、かろうじて得意科目であった数学の二次対策をするものの急に上がる問題のレベルに完全に自信を失っていました。

 

そんな私ですが、2学期後半からぐんぐんと模試の成績をあげていきました。センターも夏前は600点台だったものが200点以上伸び、判定もだんだん上がってA判定にまで昇りました。私の周りの名大生に話を聞いてみると、案外私と同じ境遇だった人は多いように感じます。夏休みが終わる今この時期、ここからでも十分取り返せます。

今回は、特に夏休み終了〜11月末までの私の受験勉強について、特に成績向上につながったと感じるポイントを話していこうと思います。夏休みをうまく活用できず、このまま取り返せるか不安な受験生の方々には、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

※ここでは一次試験(共通テスト)をセンターと書いていますが、皆さんの場合共通テストに置き換えて参考にしてみてください。

 

私の受験期の流れ

まず、私の受験期の大まかな流れについてですが、進学校ではあるものの、特別偏差値の高い進学校というわけではないので、夏休みまではほぼ通常の授業を受け、夏休みは授業の復習程度の課題が出たのでそれと、数学の二次対策を少し進めていたくらいです。塾などには通っていなかったので、高校で開かれている補講や模試を利用していました。秋からは学校開催の模試を土日に受けました。特に9月・10月は毎週のように模試があり、定期考査の時期とも重なってかなり忙しかったです。国数英は夏休み前にほとんど範囲は終わっていましたが、理社に関しては、センター対策に入る直前の11月末までかかったのを覚えています。12月からの授業は全てセンターの過去問・類似問題を解く時間に当てられ、放課後の補講などで二次対策を行い、センターが終わってからは二次対策に集中という流れでした。

 

私自身、成績が伸びだしたのは10月末ごろで、12月~は過去問対策のみで成績自体は安定していました。そう考えると、夏・冬は他の受験生とやることに特に差分はなかったので、やるべきことが集中してしまう9~11月の秋の時期の過ごし方で差がついたように思います。この忙しい秋の時期をどう乗り切るかが2学期後半で飛躍的に点数を伸ばすポイントです。

 

優先順位をつけて取り組む

2学期からは普段の授業に加え、学校や塾などの受験対策がいよいよ本格化し、補講や模試が毎週のようにあるため模試対策や復習に追われ、苦手教科の復習や、二次試験対策など、個人の勉強に当てる時間を確保するのがとても難しいです。かといって、個人の勉強の時間が十分に確保できないと、模試で手応えを感じることができず、ますます状況は悪くなっていきます。そんな悪い循環にハマってしまわないために、まずは優先順位をつけて取り組みました。学校のレベル感や塾に通っているかどうかにもよると思いますが、私は、

 

①模試の復習 ②定期テスト対策(理社)③学校の課題 ④苦手強化の対策(特に古文や地理)⑤二次試験対策(特に数学・英語)

 

という優先順位で取り組んでいました。

センター対策については、問題の解き方より、基礎知識の強化に当てたかったのと、学校の授業は12月中は過去問を解くのに当てられるので、センターの過去問は12月頭から解き始めることにしました。④苦手教科の対策・⑤二次試験対策は次に控える模試の種類によって優先順位は多少前後していました。学校で開かれる旧帝以上を目指す人向けの補講には予定に余裕があれば参加するようにしていました。

この優先順位を守るために、学校にいる間に課題を終わらせたり、模試の復習はなるべくそのまま学校で自己採点して土日のうちに終わらせる、など優先順位の高いものは気持ちが切れないうちに終わらせて、放課後は④⑤の個人の勉強をメインで取り組めるように意識していました。

実際は、この分類の中でも、教科や勉強の種類(暗記、演習など)によってさらに細かく優先順位をつけて取り組んでいきました。この後詳しく述べますが、この期間は主に模試の出来具合を元に決めていきました。

 

優先順位をつける際に特に気をつけていたのが、重要度と緊急度を分けて考えるということです。例えばセンターの過去問演習は重要度は高いですが、この秋の時期の緊急度は低いように思います。そういったものはやる時期を決めて先延ばしにします。

よくあるのが、緊急度が高く重要度の低いものに追われて、緊急度が低く重要度が高いものが際限なく先延ばしになって満足に行えないというケースだと思います。それを防ぐために、重要度が高いものは"取り組む期間を先に決めて"先延ばしにします。逆に、緊急度が高く重要度の低いものは「やらなくても困らない」のであれば積極的に切っていきました。

私自身の話で言えば、古文については語彙から怪しいレベルで模試も話にならなかったので、古文の語彙や文法を暗記するのは緊急度も優先度も高いと考え、補講にも最優先で行っていました。しかし、現文については、特に高くも低くもなく、模試の復習だけで十分だと考えて、学校の課題も補講も最小限の時間と労力で収まるように意識していました。

学校や塾の課題や補講も毎週のようにあってどうしてもそれを最優先と捉えてしまいがちですが、加えて自分自身の実力と比べて重要度の高さを考え、必要のないものを積極的に切っていく必要があります。私自身、身の回りの補講や課題を全てこなさなくては結果に繋がらないと言う意識がどうしても抜けませんでしたが、結果的に、重要度と緊急度を分けて、やらない事を決めていったことで、有意義に時間を使えるようになったと感じます。

 

模試を最優先で考える

この期間は毎週のように模試があり、本当に参ってしまいそうでしたが、模試を受けることで、受験で使う範囲を包括的に復習でき、自分に足りない部分が明確になりました。この模試をいかに有意義に活用できるかどうかで、点数の伸びが劇的に変わります。

まず模試の自己採点・復習は最優先で行うようにします。記憶のあるうちに、できればその日のうちに自己採点を行うことで精度が上がるだけでなく、どうやってその答えを出したのか、試験中の思考も追いやすくなって、間違えた理由が非常に明確になります。

私が行っていた自己採点・復習は至ってシンプルで、

①間違えた部分の解説を読み込む

②間違えた部分に関する分野の教科書を見て復習

③もう一度解き直す

といった手順で行いました。

①〜③の手順で、大学ノートに模試の自己採点や、復習箇所などをまとめた模試用のノートを作り、これを次の模試の直前に見返すことで同じ間違いを防ぎます。このノートはセンター直前の復習にも活用するなど、かなり役に立っていました。

 

ただ、これを全教科やると土日丸々潰れてしまうくらいかかってしまい、莫大な労力と時間を費やすことになります。しかし、それを承知の上で土日を丸々模試の復習に当てていました。何かテキストを新しく買ったり、教科書を一から見直すより、模試を起点に復習していった方が圧倒的に効率がよく、結果的にこの復習のおかげで模試の手応えが良くなっていったように思います。

 

さらにこの自己採点・復習を踏まえて、次週からの勉強計画を立てていきます。模試の結果を元に、弱点となる分野をカバーするための勉強計画を立てていきます。私は、模試の冊子のアドバイスを参考にしました。

この時、月ごと、週ごと、その日ごとの目標・スケジュールを立てると進捗が測りやすかったです。例えば、私の場合、週ごとに模試があったので、そこでの点数を指標に、

 

・月ごと

10月までには全体で8割取りたいから

・週ごと

今週は比較的点数の低い国語・地理に注力しよう。特に国語では古文漢文を8割以上取るために、語彙や文法の知識を復習しよう。地理では地形の分野で毎回落としているので教科書とワークで復習しよう。

・日ごと

この日は古文の文法書のここまで覚える、この日は地理の教科書のこのページを読み込む。

 

といった目標を立てていきました。このように、長期的な目標と短期的な細かい目標を立てた方が進捗が測りやすく、修正もしやすいと感じます。

 

また、秋の期間は特に、やることに追われ、平日は計画できる余裕がないので、毎日補習や授業で疲れていてもすぐに勉強できるように、何も考えなくても勉強を始められるくらいまで計画を立てておくことが大事だと思います。このくらい細かく計画しておくことで、計画がどの程度遅れているのか目に見えてわかるという利点もあります。さらに、ざっくりとでいいので理想ラインと普通ラインと最低ラインを決めておくと、計画が狂っても修正しやすかったり、より現実的な計画が立てられると思います。

 

計画を立て、1週間勉強した後は、次の模試の結果と比べて効果的な勉強ができたか計画を評価し、次の週の計画を立てるのに生かします。現実的で効果的な計画が立てられているのか、計画そのものを見直し改善していくことで時間をもっと有意義に使えます。

 

学校の定期テスト期間はテスト範囲のみに全集中(特に理社)

私の学校は特に進みが早いわけではなかったので、夏休みが終わっても学校の授業範囲が終わっていないことが多々ありました。特に理科・社会は12月のセンター対策期間前ギリギリまで終わらなかった記憶があります。しかし、物理の電磁気や、化学の無機化学・有機化学などは3年の後期に駆け足で終わらせるにもかかわらず、問題のパターンが少なく、しっかりとポイントを抑えれば逆に得点源ともなる部分でもあります。そういうわけで、復習する時間がないこれらの分野については、学校の定期テストで受験レベルまでいかに知識を詰め込めるかが、本番の理社の点数を左右するといっても過言ではありません。

 

秋まで終わっていない範囲がある教科は特に、定期テストが直接受験勉強に繋がるため、他の対策を一時的に削ってでもテスト範囲に集中した方がコスパは良いと思います。実際私も定期テスト期間は苦手教科の復習や二次対策を削っていました。

 

自分の生活・勉強スタイルを確立する

ここまで述べてきた内容を踏まえて、自分に合う勉強法を試行錯誤していったら、今度は自分の勉強スタイルを過去問演習が始まる前、11月末ごろまでに完成させるように意識していくといいと思います。過去問演習の時期に入った12月くらいから、先生や友達との関わりがなんとなく薄くなっていくように感じました。ちょうど12月ごろというのは、集団で模試を受けたり、友達と補講を受け一緒に勉強したり、いわゆる集団戦だったものが、各自の大学に合わせた対策の割合が増え、個人戦に切り替わる時期だと思います。その個人戦に入る前に、今まで周りが引き出してくれていた自分のやる気を、自分自身の力だけで引き出せるようになっておく必要があります。

 

過去問をひたすら解いていくこの期間は、個人個人の勉強体力の違いがモロに出るため、秋までに培った勉強体力・勉強法が発揮される時期でもあります。ここで自分自身をうまくコントロールできるようになっておくと、過去問演習が捗り、一気に点数に直結していきます。

 

勉強スタイルを確立させるための一つの手段として、自分の集中パターンを知っていくというのがあります。自分が集中できる時間帯(朝か夜か)、勉強環境(家か学校か塾か)、集中に入るまでの長さ、集中力の深さ、集中力の持続時間など、自分の集中力について徹底的に分析して、それに合わせて計画を立てたり、遊び(空白・休み)の時間をいれたりします。

例えば、私は一旦集中すると深く長く集中する一方で、集中するまでが長いタイプでした。そのため、1日にやる教科を絞って、集中力が途中で途切れないように気をつけていました。また、やることに合わせて勉強環境を家・外と変えることで気持ちをリセットして、再び集中に入れるようにしていました。このように、自分で自分の集中力をコントロールする方法を手探りで見つけていくことで、スケジュールも難なくこなせるようになりました。

 

最後に

ここまで読んでくださってありがとうございます。夏休みが終わって、心境もさまざまだと思いますが、ここからの過ごし方次第で模試や試験の結果は本当に大きく変わります。私の体験が、皆さんがこれからの秋の時間をうまく使うのに役立ったら嬉しいです。こんな状況ではありますが、皆さんもまだまだあきらめずに、最後まで頑張ってください。陰ながら応援しています。

Profile

所属:工学部機械・航空宇宙工学科3年生

出身地:岐阜県

出身校:岐阜県立斐太高等学校