名大生ボイス

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受験勉強法

2022.03.23

  • 受験勉強法

春から受験生の皆さんへ~予習復習編~

こんにちは。名古屋大学経済学部新4年生の伊藤舞です。春から受験生になる皆さんへ、受験勉強の第一歩として、普段の授業の予習復習のやり方についての記事を書いてみようと思います。あくまで私の実践していたやり方ですので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。

 

予習

予習についてですが、ここでは主に古典と英語に絞ってお話しようと思います。

 

古典については、
①本文をノートに書き写す
②新しく習う語句の意味を辞書で調べて書き留める
③助動詞を品詞分解する(〇〇の助動詞「〇」の〇〇形のように)
④自分なりの訳を書いてみる
以上の4ステップを、新しい単元に進む際に、授業で扱う前に、事前に家で済ませていました。
こうすることで、自分なりに語句の訳や助動詞の意味を考え、分からないところは文法書などを使用して調べるという能動的な行為が生まれるので、授業で習う際に深い理解ができます。予習の段階では分からなかった部分が授業で明らかになる快感がエピソード記憶として残るので、効率的に暗記もできて一石二鳥です。
ただし、この予習は、少しめんどうです。習慣化して続けることが難しいので、スキマ時間を利用することをおすすめします。例えば、①の本文をノートに書き写すのはほとんど作業になるので、授業の合間の10分放課などに済ませます。これにより、帰宅してからすぐに予習に移ることができ、とっかかりやすいです。
また、新しい単元に進む際に行う予習と記述しましたが、一気に全部やる必要は無く、次回の授業で進むであろうと予想されるところまで行い、少しずつ進めるやり方でも十分です。部活動などの忙しさと相談しながらできる範囲で行えるといいですね。

 

英語については、ステップはほとんど古典と同じです。
①本文をノートに書き写す
②new wordsの意味を調べる
③新たな文法を含むkey sentenceの確認
④自分なりの訳を書いてみる
以上の4ステップを行いましょう。
英語に関しては、ある程度未習の文法について先に理解しておくことで、授業の中で先生が与えてくれる情報を効率的に吸収することができます。例えば、高校英語の教科書内の本文は、新しく習う文法事項以外にも、new wordsや熟語、今までに無い前置詞の訳し方など、頭に入れなければならない知識が膨大です。そこで、あらかじめメインの文法についての知識を自分で吸収しておけば、それにプラスαした重要事項について授業で深く理解することができます。時間が無いときは、ノートに書き写したりまとめたりすることができなくても、教科書の解説ページをパラパラと読みながら理解して授業に臨めば十分です。次の日の授業でどんなことをやるのか、自分がどこの理解につまずきそうなのか、ある程度把握しておくだけで、かなり授業で吸収できる情報に差ができると思います。

 

復習

mai01_1.jpg復習についてですが、復習は予習より遙かに重要な勉強だと考えています。”忘却曲線”って知っていますか。私が高校生の時に先輩が研究課題で発表していました。ドイツの心理学者である、ヘルマン・エビングハウスが考案した、時間経過による記憶の定着率をグラフにしたもののことだそうです。忘却は経過時間に正比例して減少していくのではなく、大きく減少するタイミングがあります。
分かりやすく忘却曲線の形のイメージを書きました。右のグラフを見ると分かるとおり、1日後も1週間後も忘れる割合にそこまで変わりはありません。つまり、1日以内の復習が大切だということです。その日の授業で学んだことはその日のうちに復習するようにしましょう。

 

復習といっても、具体的に何をすればよいか分からない人のために私が実践していた復習法をご紹介します。ここでは、特に歴史科目の復習法について書いていきます。

 

私は世界史選択だったので、世界史の勉強をしていました。世界史の復習は、
①授業で習った範囲の問題集を何も見ずに解く
※問題集とは、定期テストで提出が課せられる、学校で取り扱っているもので結構です。新しく購入する必要は無いと思います。
②答えが分からなかった問題を教科書やノートを見ながら青ペンで解く
③赤ペンで答え合わせをする
④間違えた問題、自力で解けなかった問題については教科書やノートを見ながら理解しなおす
⑤もう一度何も見ずに問題集を解く
以上のように行っていました。暗記系の科目は特に、毎日コツコツ復習を重ね、定期テストに向けて知識を蓄えておく必要があります。忘却曲線から分かるように、24時間経つと74%の知識は記憶から抜けてしまうので、定期テスト直前になってテスト範囲の語句をもう一度たたき込むのは時間の限られた受験生には至難の業です。復習はその都度その都度行うようにしましょう。

 

毎日コツコツと当たり前のように書きましたが、忙しい受験生が時間を捻出して復習するにはどうすれば良いか、これについても簡単に体験談を残しておこうと思います。私は、次の2つのことを実践していました。
①帰宅前に学校や塾の自習室で行う
②帰りの電車の中でその日にとったノートを眺める
1つ目について、帰宅してしまうとどうしてもくつろいでしまい、疲れからか特にやる気が起きません。制服を着たままの帰宅前の数時間を使って、その日のうちにやらなければならない分の復習をこなすようにしていました。
2つ目について、時間が無くて机に向かってまとまった時間復習に勤しむことができない日は、帰りの電車の中でその日に板書したノートを眺め、既習範囲の復習をしていました。ここで意識して欲しいのは、大切なのは復習にかける時間ではなく、習ってからどれだけ短い時間で復習するか、です。ノートを眺める時間が通学時間の30分だけだったとしても、24時間以内にきちんと学んだ範囲の復習ができていれば、忘れにくくなり、定期テスト前の勉強の際に記憶が引き出しやすくなります。

 

最後に

以上が、私が実践していた予習・復習法です。その日の授業から24時間以内に復習をすること、これが、時間の無い受験生に最も有効な方法であることが分かっていただけたら嬉しいです。ぜひ、参考にしてみてください。 

Profile

所属:経済学部経営学科3年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校