名大生ボイス

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受験勉強法

2022.03.29

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春から受験生の皆さんへ~模試活用法~

こんにちは。名古屋大学経済学部新4年生の伊藤舞です。春から受験生になる皆さんへ、受験勉強の中で必要不可欠な模試の見直し方法についての記事を書いてみようと思います。あくまで私の実践していたやり方ですので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。

 

はじめに

皆さん、模試の復習ってどんなことをしていますか? 模試の復習をしましょう、と至る所で言われる割には具体的にどんなことをしたら良いか分からず、返却された模試が部屋の床に放置されている状態の人も少なくないはずです。私もその1人でした。笑
解説にマーカーを引きながらサッと読んで終わりの人もいれば、模試ノートを作成して、間違えた問題を丁寧に復習し、まとめている人もいます。何が正解か、というのはもちろんないですが、私が受験生時代に実践していた模試活用法をここではご紹介できればなと思います。

 

模試活用法

私が実践していた模試活用法は、教科ごとに復習の仕方を変えることです。ここでは、英単語や歴史、国語の漢字など、暗記系の科目と、国語と英語の長文や数学などの読解力や思考力が必要になる系の科目に分けてご紹介したいと思います。

 

まずは、暗記系の科目です。これらの科目は、模試ノートやルーズリーフに間違えた問題をまとめるなど、物質的なアウトプットを作成する方法が向いていると考えます。
模試.jpg例えば、英単語の場合、模試ノートやルーズリーフに、以下のように間違えた単語や意味が分からなかった単語を書き出します。右側には日本語訳を書いて、自分が間違えた単語集を作ります。単語帳を2周3周することももちろん受験勉強としては大事なのですが、やはり自分のできない部分を補う苦手克服に注力する方が効率的なので、間違えた単語だけを一気に見直すことができるノートがあると非常に便利です。特に私は、第1回目の模試で間違えた単語集を第2回目の模試の直前に見直して、次の模試の勉強用としても活用していました。
模試2.jpg世界史の場合、間違えた問題の該当の時代や単元の資料集を辞書代わりに隣に置いて、関連する図表と一緒に説明を書いてまとめていました。視覚情報の方が記憶に残りやすいと個人的に思っていたので、意識的に図や表と一緒に関連付けて覚えるようにしていました。模試の解答集は、国ごとの比較や時代ごとの比較が分かりやすく表にまとめられていたりしたのでコピーを切り貼りして、次の模試の勉強用に表ごと暗記する方法で勉強していました。

 

次に、国語や英語の長文などの読解系の科目です。これらの科目は、1度解いてしまうと内容やテーマを覚えてしまうため、解き直したりまとめるというよりは、解説にある思考法を読んで理解することに専念していました。間違えた設問の解答根拠を本文から探し、マーカーを引いて、設問番号と紐付けたり、どこを読み落としたせいで誤答してしまったのかを解説に書き込んでいました。キーワードとなる接続詞や文に印をつけ、それが本文の中でどういう役割をしているのかまで考えることもありました。そうすることで、論説文の特徴や、筆者の主張の持って行き方などのパターンが段々と分かってきます。

 

模試の復習頻度

模試の復習はどのタイミングでやるのか、1回分の模試の見直しは何回程度やるのが適切なのか、実際のところ分からないという人が多いと思います。私の持論ですが、何度も試行錯誤した結果ベストだと感じたものをご紹介します。
模試の復習は、最低でも2回。可能なら3回がベストです。どのタイミングで行うのかについてですが、
①模試当日または次の日
②模試の結果返却の日
③次の模試の1週間前
以上のタイミングで行ってください。優先度としては①と③が高いです。②はできたら、といった感じです。

 

まず、①についてです。読解系の科目について特に言えることなのですが、時間が経てば立つほど自分の解いた模試の問題の内容は忘れていきます。せっかく模試受験のタイミングで集中して読んだ英語の長文を見直しのためにまた1から読み直して理解するというのは、非効率的だと考えます。読解問題の内容やテーマを忘れる前に見直す、というのが1回目の模試復習のタイミングです。基本的に模試は夜遅くまで行われることが多いので、当日中にすべての科目の見直しをすることは難しくても、読解問題を優先的に早め早めに復習することをおすすめします。

 

次に、②についてです。模試の結果返却のタイミングは、自分の苦手を自覚して、これからの勉強に生かすチャンスです。通常、模試返却では、単なる点数や順位だけではなく、細かな設問ごとの問題作成者の意図や、受験者の出来などを分析した冊子も一緒に配布されます。自分の間違えた問題がどういう意図で出題され、それに対してどのくらいの人がどの程度回答できたのかを知ることで、自分の苦手を自覚できます。設問ごとの正答率なども分析してくれる模試が多いので、特に苦手な単元や問題形式を知ることもできます。具体的に自分の苦手を自覚することができれば、問題集の目次に載っている該当範囲の単元に印をつけ、まとまった時間が取れるときに、そこの範囲を重点的に勉強できます。

 

そして、③についてです。模試の見直しを次の模試の勉強に使うというやり方です。模試というのは、基本的に学校で開催される定期テストとは違い、テスト期間が設けられているわけではないので、授業も部活も通常通り行われている日常の中で開催されます。ですので、模試を控えていても、なかなか模試のための勉強というのを実行できる人はいないです。そこで、前回の模試の復習もできて、模試の勉強もできるという、この一石二鳥な勉強法を強くおすすめします。1回目の復習の際に作成した模試ノートを見直したり、解説を書き込んだ問題用紙を眺めたりするだけでも構いません。自分が過去に間違えた問題に少しでも触れることで記憶が呼び起こされ、定着しやすくなります。また、模試というのは、受験に出題されやすい重要な範囲がまとまっている、優れた問題集とも呼べる貴重な機会です。前回の模試で出題された箇所を異なる角度から問う問題が出ることも少なくないです。

 

まとめ

模試の復習方法と、その頻度について私自身の体験談を交えながら紹介させていただきました。暗記系の科目と読解系の科目によって、ルーズリーフや模試ノートにまとめる復習方法をとったり、解説の理解に集中する方法をとったりと、復習方法を使い分けることを意識してみてください。また、模試の適正な見直しタイミングは、3回であること。1回目は模試当日または次の日、2回目は模試の結果返却日、3回目は次の模試の1週間前に模試の勉強として、です。以上のことを覚えて、次の模試で実践していただけると嬉しいです。受験勉強の妨げになるイベントではなく、きちんと活用して効果的な勉強に役立つイベントになるように工夫して復習できるといいですね。 

Profile

所属:経済学部経営学科3年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校