名大生ボイス

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受験勉強法

2022.04.08

  • 受験勉強法

春から受験生の皆さんへ~古文の勉強法~

こんにちは。名古屋大学経済学部新4年生の伊藤舞です。春から受験生の皆さんへ、今回は、古文の勉強法についての記事を書いてみようと思います。あくまで私の実践していたやり方ですので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。

 

はじめに

古文1.jpg古文って、単語も文法も読解もしなきゃいけなくて古文常識も身につけないといけなくて、さらには文脈判断なんてものもあって……何からやればいいのか分からないなんてことありませんか?古文の勉強法は、いまいち確立しにくいので、ふわふわした状態でなんとなく問題集を解いてテストに臨むこともあるのではないでしょうか。私が高校生活3年間で試行錯誤を重ねた古文の勉強法をここで紹介できたらなと思います。

 

単語

まずは、古文の基礎を作る単語の勉強からです。学校で配布された単語帳を機械的に何周もしていては、なかなか実践で使えるレベルに持っていくことが難しいです。そこで、おすすめなのが、最初にイメージで覚える、です。
まず、その単語がプラスイメージなのかマイナスイメージなのかを確認します。趣深い、可愛らしいという意味ならプラスイメージ、鬱陶しい、不快だなどの意味ならマイナスイメージ、と言う感覚で大丈夫です。
次に、その単語が具体的にどういう動作・状態を表すのか、現代語訳した時にマルがもらえる現代語は何が当てはまるのか、と言う順で解像度をあげて覚えていくことをお勧めします。
そもそも古文は昔の日本語、いわば言語なので、完璧にすることは不可能です。現代の日本語でも全ての単語を網羅している日本人は存在しないと思います。このような考え方で、古文に完璧さを求めることは、私はしませんでした。
全くのゼロの状態から機械的に何百何千もの単語の意味を覚えるより、最初はプラスかマイナスかどちらのイメージだったのかを覚えておくだけで、かなり読解の助けになることがあります。そもそも単語の訳を模範解答にすることが目的というよりは、古文の内容理解がほとんどの設問を占めるため、読解に必要な程度で単語を理解する方が、より実践的なのです。
このように、目的意識を見失うことなく単語を勉強しようとすると、単語帳を1から完璧に覚える勉強法ではなく、大体でもいいので単語帳をリズム良くめくってなるべく多くの単語に触れて、それぞれのイメージをつかむような勉強法になるはずです。

 

文法

古文2.jpg次に、文法の勉強法についてご紹介します。結論から言うと古文の文法は、文法書の表紙をめくったところにある助動詞の表を丸暗記してください。これが一番の勉強法です。私は、高校1年生の1期考査の時に古文の先生に、この表を右からも上からも丸暗記しましょうと言われたのを忠実に守って覚えました。先生曰く、古文の助動詞を完璧にしておけば、古文の文法において必要な知識の8割は網羅したことになる、とのことでした。あくまで肌感ではありますが、古文は助動詞自体が訳に必要な意味をもつものなので、これがわかるようになるとかなり古文の文章を読めるようになります。私の場合、先生のおかげで早い段階で助動詞を完璧にしておいたので、後々かなり助けになりました。◯◯の助動詞「◯」の◯◯形、のような品詞分解もスラスラ言えるようになり、読解問題の文法部分は高確率で点数が取れるようになりました。

 

覚え方についてですが、これは、ひたすら唱えてください。助動詞の表がまだ頭に入っていない人は手元に文法書を用意して、以下の文章を読んでみてください。表は右から接続が未然形、連用形、終止形…の順番に助動詞が並んでいると思います。グループ化して1つずつ覚えていくと効率がいいです。例えば、未然形接続の助動詞を右から順番に、「る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・まし・じ・まほし」、次に、連用形接続の助動詞を右から順番に、「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」、のような感じです。これを全ての接続で覚えたら、今度は表を縦に覚えます。未然形接続の「る」なら、活用形が未然形、連用形、終止形…の順に、「れ・れ・る・るる・るれ・れよ」です。特に私が好きだったのは連用形接続の「き」です。これは「せ・◯・き・し・しか・◯」となり、唱えると「せ・まる・き・し・しか・まる」→「迫る騎士鹿丸」のように別の言葉になります。笑
このように、声に出して助動詞の表を隅から隅までリズミカルに覚えましょう。
助動詞が右からも上からも唱えられるようになったら、それぞれの助動詞が持つ意味をセットで覚えていき、それが完璧に答えられるようになったら、複数の意味を持つ助動詞について、その意味の見分け方を研究していきます。
推量の助動詞「る」の持つ意味は、「自可受尊(じかじゅそん)」→「自発・可能・受け身・尊敬」の4つです。それぞれ見分け方としては、自発なら「思う・想う」という単語と一緒に使われることが多く、可能なら、打ち消しの助動詞や単語と一緒に使われることが多い、また、受け身なら受け身の対象が明確にあって、尊敬なら敬語と一緒に使われることが多い、などです。
それぞれの単語がもつ意味が複数あるときは、私はよく頭文字を繋げて頭文字暗記法を使っていましたが、リズム良く覚えたり、例文と関連づけて覚えるなど様々な工夫をすると覚えやすいです。

 

古文常識

そして、最後に古文常識の身につけ方についてご紹介します。皆さん。そもそも古文常識って何か分かりますか?実は、私は受験生になってからしばらくするまで分かっていませんでした。古文常識というのは、古文が使われていた時代の日常のルール、生活様式などの知識のことです。彼らが身につけていて服装のパーツの名前や、結婚が通い婚だったこと、出家のルールや方違え、物忌みの意味を知らないと、いくら古文単語・古文文法もの知識があっても何について書かれている文章なのか、読解問題でさっぱりわからない、なんてことも。実際に私も、高貴な人を「見る」ことが昔はかなり貴重で、そこから古文の「見る」は「会う」とも訳すことがあると知り、なるほど!となったのを覚えています。垣間見などの文化についての文章も、この知識があったからこそ理解できて解答できたことがあります。古文常識の大切さ、重要さについて分かっていただけたでしょうか。今この文章を読んだだけでもすぐに意味が答えられない単語があった人は、ぜひこのタイミングで調べてみてください。どれも受験には必須な古文常識の言葉です。笑
どうやって古文常識を身につけるかについてですが、私がやっていたのは古文単語帳を活用することです。古文単語帳の隅の隅まで読んだことはありますか。基本的に古文単語とその意味についての参考書ではあるのですが、よく見ると、コラムのようなコーナーがあったり、豆知識や言葉の成り立ちの欄に、エピソードが混じっていたりしませんか。最後の方のページに古文常識のまとめのようなものが掲載されている単語帳もあります。時間のある時にそういったコラムの部分だけを読むと、それこそエピソード記憶にもなるし、古文常識のインプットにも役立つので、かなりおすすめです。古文常識のような予備知識があることで、読解問題でかなり設問の解答の助けになることが実際にありました。

 

まとめ

以上が、私が実践していた古文の勉強法です。単語の暗記は、最初はイメージで覚えて、その後に段々と具体化していく。文法については助動詞の表をまずは完璧に覚える。古文常識にインプットについては、古文単語帳のコラムのページを活用する。この3点を意識して明日から真似してみると、自分なりの古文の勉強法確立のヒントになるかもしれません。少しでも参考になれば幸いです。

 

おまけ

単語の暗記で私が実践していたものがあるので、ここで紹介します。単語帳で単語を勉強しているときに、その単語から自分がイメージする絵を単語帳の隅に描いたり、古文単語と現代語を交えて普段から友達と冗談を言い合ったりしていました。例えば、数学の授業で問題を解いている時に、「この問題あやなし〜笑」などです。ちなみに「あやなし」は「訳がわからない」という意味です。笑

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校