名大生ボイス

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受験勉強法

2022.04.11

  • 受験勉強法

春から受験生の皆さんへ~歴史の勉強法~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。春から受験生の皆さんへ、今回は、歴史の勉強法についての記事を書いてみようと思います。あくまで私の実践していたやり方ですので、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。

 

はじめに

歴史1.jpg世界史や日本史などの暗記科目に苦しんでいませんか。英語や数学と違って、社会系の科目は受験生真っ只中でも、容赦なく新しく覚えなければならない知識が降ってきます。問題集を解くだけでは、なかなか漏れなく暗記することができないという人のために、私の実践していた歴史の勉強法を紹介します。私は世界史選択だったので世界史を例に説明させていただきます。

 

エピソード記憶

はじめに、エピソード記憶による勉強法をご紹介します。これは、受験生時代に私が通っていた塾の先生が教えてくれたもので、その日から実践してかなり効果があったなと実感した方法です。世界史の授業で、焚書坑儒という単語を習った時の出来事を例として紹介します。世界史選択ではない人のために、この焚書坑儒という単語の意味について先に解説しておきます。焚書坑儒とは、儒家思想が取り締まられた時に、儒教に関連する書物を片っ端から燃やして、儒家思想たちを生き埋めにするといった取り組みです。この単語について学ぶときに、先生が、急に教室中を巡回し始めて、みんなの机の上をじろじろチェックしていました。何をしているのか、みんなわからず、困惑していたのですが、一通りみんなの机の上をチェックし終わると、「この教室の中に焚書坑儒に値する人が◯◯人いる」と言いました。どういうことかというと、先生は儒家思想者の取り締まりのように、みんなの机の上に置いてある消しゴムのケースを確認していたのです。その塾の銘柄の消しゴムではなく、競合である他塾の消しゴムを使用している人たちの数を数えて、「◯◯人生き埋め〜!」とふざけていたのです。笑
このおかげで、私は焚書坑儒を忘れることはありませんでしたし、受験生から何年か経った今でも明確に覚えています。1つの単語や出来事を覚えるときには、その単語と意味を機械的にセットで暗記するよりも、その単語に関連するエピソードを思い出のように記憶として暗記する方が、定着しやすいです。私は、些細なことでもエピソードとしてその単語に関連づけるために、先生の面白い例えや、生徒の珍解答を逐一ノートにメモとして残していました。ノートを見返したときに、あの時の先生のあの面白い例えの単語だ!や、あの時あの子がこう答えて面白かった時の授業で習った出来事だ!のようにアウトプットできます。また、台風のような荒れた天気の日や、先生のファッションが特徴的だった日、学校で文化祭などの印象的な出来事があった日などは、日付と一緒にノートの左上に記録していました。あの日の授業か、と、授業ごと思い出すことができると、かなりエピソード記憶を生かして暗記できます。

 

頭文字暗記法

次に、頭文字暗記法についてご紹介します。これは、上記の塾の先生の授業の時のチューターさんが教えてくれた勉強法です。世界史のアテネの時代の出来事で、起こった順番が重要な単元があります。ただでさえこの時代の単元は特に、見慣れないカタカナの羅列ばかりで暗号のように感じます。それに加えて出来事の起こった順番も同時に暗記しないといけなかったのでかなり個人的に苦手意識があったのですが、このチューターさんが紹介してくれた頭文字暗記法を実践してからは、苦しむことがなくなりました。ここでも世界史の例を取り上げるのですが、「ドソペクぺぺぺ」です。
これは本来だと、

 

ドラコン
ソロン
ペイシストラロス
クレイステネス
ペルシア戦争
ペリクレス
ペロポネソス戦争

 

という、重要人物とその時代に起きた戦争を年代順に並べたものになります。これをこの順で正確に暗記できるには時間がかかるのですが、頭文字だけ「ドソペクぺぺぺ」と先に覚えてしまえばかなり楽です。この暗記方法がこの単元で特に役に立った理由としては、ここでは、出来事の起こった順番の方が問題で問われることが多く、特に、センター試験(現在の共通テスト)で課されたからです。カタカナを1字1句覚えることができていない状態でも、選択肢のある4択の問題なら「ドソペクぺぺぺ」で十分ですよね。

 

ノートの取り方

歴史2.jpg最後に、こういった歴史の科目で適したノートの取り方で、私が実践していたものをご紹介します。みなさんがどうかはわからないですが、社会系の科目は先生が独自プリントを配布することが多かったです。私の場合は公民も世界史もプリントの授業でした。プリントだと、自分で記述する量が減って負担が軽くなりますが、暗記科目は特に授業中に手を動かさないと眠くなりますよね。笑
そこで、私はプリントをノートに貼って普段ノートを取る要領でかなり書くということをしていました。両面印刷のプリントは、片面に自分で印刷し直して貼っていました。ノートに貼る利点は、プリントがかさばらないという理由以外に、余白が増えてメモがたくさんできることにあります。プリントをめくった下のノート部分に、先生が口頭で言った重要事項をメモしていました。「◯◯と△△の対比に注意」、「比較で出ることが多いからセットで覚える」、などです。加えて、私は、世界史の登場人物の自分なりのイメージの似顔絵を描いていました。吹き出しを作って会話や名言をメモしておくと、ストーリー仕立てで覚えることもできて楽しいです。

 

まとめ

以上が、私の実践していた歴史の勉強法です。エピソード記憶を利用して、単語にエピソードを関連づけて思い出として記憶する。順番が重要な単元は頭文字暗記法を利用する。プリント配布の授業ではノートに貼って積極的にメモをとる。以上の3点を抑えてください。あくまで私の実践していたやり方ではありますが、みなさんの受験勉強のヒントになれば嬉しいです。

 

おまけ

歴史の勉強法について、もう1つ私が実践していたものがあるのでここで紹介します。特に模試の見直しなどをする時に行っていたものなのですが、それは、資料集を辞書代わりに活用する、です。基本的に教科書などで、文章でインプットする知識よりも、資料集や図表などで写真や図で視覚的にインプットする知識の方が、定着もしやすいですしアウトプットもしやすいです。歴史的な事象に関連する絵画や風刺がなどをその出来事と関連づけて覚えていました。資料集のあのページの右上に載っているあの絵の出来事だから、これは◯◯の戦いだな、のようにアウトプットできます。資料集にまとめられている図も、その図の形・位置のまま暗記すれば、時代ごと・国ごとの比較も同時に暗記することが出来て、効率がいいのでおすすめです。模試の見直しの際は、模試の問題集や解説の隣に資料集を置いて、間違えた問題の該当の単元を辞書のように検索しながら関連知識を視覚的にインプットしていました。ぜひ真似してみてください。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校