名大生ボイス

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受験勉強法

2022.09.08

  • 受験勉強法

学校推薦型選抜のすすめ

こんにちは。理学部物理学科2年の田中です。私は名古屋大学に合格した時、当時の学年主任の先生に「ミラクルだねぇ‼」と言われました。私自身も奇跡なのではないかと思いましたし、そのように言われるのも納得してしまうような共通テストの得点でした。そんな私が利用した入試形態は、推薦入試です。今回は、この推薦入試についてと、私自身の推薦入試のエピソードをお伝えします。受験生の方が出願校や入試方式を決めるときの参考になれば幸いです。

 

名大理学部の推薦入試の実施方法について

名大の推薦入試は、正式には「学校推薦型入試」といいます。大学や学部によっては各高校から受験できる人数が決まっていることがありますが、名大理学部の場合は各高校から推薦できる人数に制限がありません。校長先生からの推薦がいただければ、誰でも挑戦することができます。出願するには、共通テストの点数と共に志願理由書と最大5つまでの検定や賞などを証明するものを提出する必要があります。私が合格した理学部では、推薦入試の定員が50人であり、全体の合格者の約18%を占めています(合格者は270人でした)。(参考元:R3.nyushidata3.pdf (nagoya-u.ac.jp)
選抜は2段階になっており、一次試験では①面接なしで合格する人が25人と、②面接で合否を判断する人が50人ほど選ばれます。そして、二次試験として②の中から面接によって25人の合格者が選ばれます。共通テストの点数と書類の内容を総合的に判断されます。

 

推薦入試に出願することを決めた話

20220907_tanaka2.jpg名大の推薦入試に向けた志望理由書の執筆は、高校3年生の11月に始めていました。そして、共通テストの点数次第で推薦入試に出願できるとなった時に対応できるように、準備を万端に整えていました。そうして共通テストを受けた結果は、名大の推薦入試に出願できるボーダーの得点(予備校などが出しているデータに基づく、合格可能性がある得点の最低ライン)にぎりぎり届きませんでした。大抵の受験生は、共通テストの点数が出願する時の目安得点に届かなかった時点で、その大学への出願は諦めて志望大学を変更することが多いです。私も例外ではなく、名古屋大学の推薦入試に出願しても合格する見込みはほぼ0だとはっきりと言われ、それでも出願したいというなら出願しても良いということでした。最終判断は私に委ねられ、出願締め切りの3日前の夜に家族でたくさん話し合いました。そして出た結論が、「合格しないとわかっているけどせっかく書いた志望理由書がもったいないから、名古屋大学に出してみよう」ということでした。
そして次の日結論を担任の先生に伝え、校内で推薦しても良いかという会議にかけてもらいました。(あとから聞いた話によると、その会議に参加していた先生方も受からないだろうなと思ったそうです。)出願締め切りギリギリに郵便局に持っていって投函した後は、合格していなくてもいいやと思えるほどすっきりした気分でした。

 

「諦めてはいけない」を実感した話

出願後は名大に出願したことを忘れるようにして、名大の次に志望していた大学の一般試験に向けての勉強を始めました。その大学の赤本は出願後に初めて開いたので、計画を立ててひたすら解いていました。名大には一次試験でまず落ちるだろうと思っていたので、面接の対策は全くしていませんでした。しかし、合格発表3日前に一次試験突破の可能性を信じてくださっていた(当時知っていた中では)唯一の先生が、面接の練習はしなくていいのかと声をかけてくれました。合格の見込みはほぼ0だから一次は通らないと思いますと答えたのですが、諦めるんじゃないと怒られてしまいました。そうして面接の対策を始めることになりました。それで面接練習を始めて2日後、合格発表を見たら一次試験を突破していました。その時の先生のドヤ顔は印象深いです。そこからは、一般試験の勉強を休んで面接の練習をたくさんしました。二次試験まで一週間くらいしかなかったと思います。二次試験の面接の練習についてもまたエピソードがあるのですが、これはまた別の機会があったら書くことにします。怒涛の一週間がすぎて受けた面接の感触はよかったです。

 

低い成績で入学してしまった人は劣等生になりうるか?

20220907_tanaka1.jpg共通テストであまり良い成績を残さずに合格したので、入学後に周りについていけるか不安でした。1年生の時はずっと自分が名大の劣等生だと感じ続けていました。なので、単位が取れればそれで充分で、成績は低くてもしょうがないと思っていました。しかし1年生を終えて感じたのは、意外に名大生としてやっていけているということと、入学してしまえば皆同じということです。特に2年生になってしまえば、高校の学力で多少何とかなる授業が少なくなり、皆平等に新しいことを学ぶ授業が増えます。そうなれば、受験時の成績はもはや関係なくなります。ですので、受験時に低い成績で入学したとしても、それすなわち大学で劣等生になるというわけではありません。

 

まとめ

一回の共通テストの点数が出願校選びに影響してしまうのが現状ですが、私の入試のようにその流れにやや逆らった例もあります。周りの意見やデータを参考にするのも大事ですが、一番自分が納得できる受験をするに越したことはありません。この記事が、進路選択や出願で迷っている方の一助になれば幸いです。

Profile

所属:理学部物理学科2年生

出身地:山梨県

出身校:山梨県立甲府第一高等学校