古典の文学史は私大で頻繁に出題されますが、国公立で出題されないとは限りません。実際に名古屋大学でも2012年に文学史関連の問題が出題されていますので、国公立志望の人もある程度押さえておかなければいけない分野です。文学史はただ単に作品ができた順番を丸暗記したり、作者-作品名の一対一対応の関係で覚えるよりも、その作品の内容や作品名の由来も知っておくと記憶に残りやすいです。
例:金槐和歌集→金槐和歌集の「金」という字は「鎌倉」の「鎌」の字の金偏を表し、「槐」の字は「大臣」を表している。→「鎌倉幕府の大臣が作った和歌集」→「金槐和歌集の作者=源実朝」
更級日記→作者である菅原孝標女は「源氏物語」に対して並みならぬ関心を抱いていた。→更級日記が書かれたのは源氏物語よりも後の時代でなければこの設定は成り立たない。→作品の順番は「源氏物語→更級日記」である。
蜻蛉日記→作者である藤原道綱母は浮気をしている夫に困惑している→和歌「なげきつつ ひとりぬる夜のあくるまは いかに久しきものとかは知る」と関連付ける。
自分は古文の場合、文章読解では文章の途中に和歌が出てくる文章、漢文は漢詩が出てくる文章を苦手としていました。和歌についてはある程度有名な歌や掛詞、枕詞、それから縁語のパターンは覚えておきました。掛詞についていうと、和歌の中で本来漢字で表記されるべき文字がさりげなく平仮名で表記してある場合、「これは掛詞ではないか?」と疑う癖をつけておくといいです。また、和歌に限らず、普段の文章読解でも係り結びを見つけたら「この『こそ』はどの語にかかっているのだろうか、係り結びに呼応している語は文末にあるのか、文中にあるのか」といったことに注意して文章を読んでいました。
例:みをつくし→「身を尽くす」と「澪標」
まつ→「松」と「待つ」
かりね→「仮寝」と「刈り根」
かる→「離る」と「枯る」
こと→「琴」と「言」
漢詩については入試で出題される確率は低いですが、押韻と対句など最低限のルール、それから教科書で出てくる有名な漢詩の作者やその生い立ちについて知っておくと詩の内容が推定できる場合があります。
例:杜甫の詩→杜甫は戦乱の世の中を生きていたこともあり、その詩は社会に対する嘆きなど悲痛な調子の詩が多い。
センター試験については現代文と同様、予備校が作成するセンター試験対策問題と並行して本試験を解いていました。また、時間があったので追試験の過去問も解いたりしていました。センター試験の文章は内容が難しくても選択肢が簡単なケースもあるので最後まであきらめないでください。問題に取り組む際は文章の読解を終えた直後、つまり文章の内容が1番記憶に残っているタイミングで文章の内容一致問題を解くようにしていました。
単語帳ですが、自分が気に入った1冊の単語帳の隅から隅までを覚えればいいです。非常に多くの単語数(600語程度)が載っている単語集もありますが、余力のある人だけが取り組めばいいです。受験で役立つのは確実な知識なので、参考書に手を広げすぎていくつもの曖昧な知識を覚えるよりは、少ない量でも正確な知識を覚えているほうがよっぽどいいです。
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所属:経済学部2年生
出身地:埼玉県