みなさん、こんにちは!名古屋大学工学部3年生の小林です。今回は大学生の私から高校生向けに、文系と理系を選ぶ際のポイントをお伝えしたいと思います。文理選択は高校1年生の秋から冬のタイミングで決定することが多いため、今まさに選択を迫られている時期だと思います。よかったらこの記事を自身の選択の参考にしてください。
⚫︎文系・理系の違いとは?
何となくのイメージはあるかもしれませんが、文系と理系では学ぶ分野が異なります。文系は、人文科学や社会科学、法学などを中心に学び、主に言語、歴史、心理学、経済学、法律や政治などが含まれます。一方、理系は自然科学を中心に扱い、物理、化学、生物学、工学、数学などが主になります。受験科目にも違いがあり、文系は、数学ⅠA・ⅡBと理科の基礎科目を勉強しますが、理系が勉強する数学ⅢCと理科の発展科目は勉強しません。一方で理系は社会科目が1科目で十分な場合が多く、社会が2科目必要な文系よりも少ないという特徴があります。このように受験期から大学まで学ぶ科目が大きく異なっているので、どちらの分野を勉強したいのかよく考えて選ばなければなりません。私もどちらにも興味を持っていたので悩みましたが、その際に考慮したことを以下で述べていきます。
⚫︎自分の興味を見つける
まず初めに自分が何に興味を持っているのかを考えてみましょう。どちらの分野に魅力を感じるか、高校に入学してから今までの授業を思い返してみてください。入学してからあまり時間が経っていないこの時点で考えるのは難しいかもしれませんが、その場合は高校だけでなく小・中学校の頃まで思い出して、理系と文系どちらの方が面白かったか考えてみましょう。他にも日常の中で興味を持ったことがどちらに近いか考えることも、選択を探ることにつながります。
例えば、自分は化学を専門とする理系に進んでいるのですが、最初に化学に興味を持ったのは、ドライアイスを初めて見た時でした。普通の氷は溶けると水になるのに、ドライアイスは溶けた後に何も残らないことを不思議に思って親に質問すると、「氷は水に状態変化するけど、ドライアイスは液体にならず、気体の二酸化炭素に状態変化するんだよ」と教えてもらい、とても面白いと感じました。私はこのような日常の体験から化学の不思議さ、面白さに気づいていったのだと思います。みなさんも、日常の中でのワクワクを思い返し、どんなことを学びたいのかをじっくり考えてみると、文理選択がしやすくなると思います!
⚫︎得意科目を考える
興味を持つ分野だけでなく、自分の得意な科目についても考えてみましょう。その科目が得意であれば将来の学びや仕事に大きく影響しますし、苦労せず高得点が取れます。小・中学校から最近までの成績表をざっと確認して、得意な科目がどちらに多いのかを確認してみてください。
また、苦手科目を考慮することも意外と重要になります。文理選択後は一方の科目を重点的に学習しなければならないので、苦手が多くあると勉強が大変になります。ただ、苦手科目でも好きな科目はあると思いますし、逆に得意だけどあまり好きじゃない科目もあると思います。得手不得手は確かに重要ですが、好みによって勉強が楽しいか苦痛になるか変わってくるので、個人的には好き嫌いを優先して欲しいです。好きな科目なら勉強が楽しくでき、今はそうでなくても得意になっていく可能性があると思っているからです。
⚫︎将来なりたい職業について考える
文系では教育、福祉、メディア、法律など人と接する仕事が多いので、コミュニケーション能力が求められる傾向にあります。一方で、理系ではエンジニア、医療、研究職など、技術的な職業が多く、より専門性が高い職種が多いです。自分の夢に近づくためには、どちらの選択が最適かを考えてみてください。まだ明確でなくても大丈夫です。私もそこまで明確なビジョンを持っていたわけではなかったので、高校生の間にいろいろなことを経験して、徐々に見つけていけば良いですし、文転、理転も不可能ではないので直感的に決めてもいいと思います。
⚫︎周りの意見も参考にする
客観的な意見を聞くと考えを整理しやすくなるので、特に両親、先輩、先生など年上の人に聞くのがオススメです。「どうしてその人が文系・理系を選んだのか?」「実際に文系・理系の道に進んでどんな経験をしたのか?」など、さまざまな実体験を聞くことができます。また、担任の先生はもちろん、進路指導の先生に相談するのも良い方法だと思います。進路指導の先生はいろんな生徒の情報を多く持っており、的確なアドバイスをもらえると思います。それでも悩んだり困ったりしたら、友達がどちらを選ぶかも参考にしてみてください。同じクラスやグループで一緒に学ぶことで、勉強のモチベーションが上がることもありますし、文系・理系どちらにしても周りの環境は大切で、学びたいと思える環境でないと勉強の効率が悪くなります。私も実際、高校1年生の時の友達が多く理系に進んだことが、理系に進むことを後押ししました。ただし、最終的な決定はあくまで自分自身の意志で行うべきなので、色んな意見を参考にしつつ自分で選択してください!
⚫︎高校・大学生活のバランスを考える
文系と理系では、課外活動や部活動との両立のしやすさも異なります。理系科目のうち特に数学は難解な問題が多く時間がかかりますが、文系は比較的自由な時間が多いこともあります。自分の高校〜大学生活を考慮に入れて、どちらがバランスよく過ごせるかを考えるのも大切です。私は、高校時代に文化部だったので、負担の大きい数学や物理、化学の課題や復習に時間を割くことができましたが、運動部の人は勉強時間を作るのが難しいと言っていました。自分の入っている部活と勉強の負担がどの程度大変なのかは、先輩に聞くと分かりやすいです。このような勉強と部活・サークルの比重について考えることも判断材料になると思います。
⚫︎実際に文系・理系を体験してみる
可能であれば大学のオープンキャンパスや体験授業に参加し、自分がどちらの分野に惹かれるのかを実感してみるのもいいと思います。いきなり高校1年生で大学の授業を受けるのは難しすぎると思うかもしれませんが、高校と大学の授業はある意味で違うものなので、高1でも高3でも理解度はそこまで変わらないと思います。勉強にもなるのはもちろん、文系・理系に進んだら大学ではこんなことをやるんだ、と実体験できる貴重な機会なのでぜひ行ってみましょう。オープンキャンパスは11月でも行われている大学もあるので、時間と都合が合えば検討してみてくださいね。
⚫︎まとめ
今回は文理選択について解説してきました。多角的な視点から、文系・理系の選び方についてお伝えできたでしょうか?一度決めてしまうと変えにくい部分もありますが、自分の興味や得意科目、将来の目標を軸にしっかり考えれば、きっと納得のいく選択ができると思います。周りの意見を取り入れながら、最適な選択をしてください。みなさんの可能性は無限大なので、自分に合った道を見つけられることを願っています!拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Profile
所属:工学部化学生命工学科3年生
出身地:愛知県
出身校:愛知県立岡崎高等学校