名大生ボイス

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受験勉強法

2025.12.25

  • 受験勉強法

受験本番前の総まとめ!

はじめに

皆さんこんにちは!名古屋大学文学部2年の石橋です。
12月も半分が終わり年の瀬を意識することが増えてきました。寒さも厳しさを増し朝を迎えるたびに塞ぎ込みがちな季節ですが体調の方はいかがでしょうか。
私は毎年体調を崩してしまう体質なので特に受験生の皆さんは効果的な勉強のためにもぜひご自愛いただきたいと思います。
さて今回は入試の第一ラウンドである共通テストまで残り1ヶ月ということで様々な視点から確認しておきたいポイントを総括したいと思います。
おそらく各々の模試も結果待ちでアウトプット中心の実戦形式の勉強に取り組んでいると思われますが僅か1ヶ月、されど1ヶ月でありまだまだやれることもたくさんあるので今からでも挽回してやるぞという心構えで読んでいただけると嬉しいです。

 

共通テスト各教科のポイント

【英語】
文理問わず重要な位置を占める英語はとにかく時間との勝負ということが近年ますます重視されています。年々分量が増えいわゆるスキミングの能力が試されている感を受けます。名大を受験される皆さんは2次試験の対策ももちろん行なっているので共通テストレベルの文章は時間があればそつなく読めると思います。
しかし私は実はそこが却って支障をきたしていると考えていて、つまり精読を無意識にしてしまっているのです。確かに曖昧にせず抜かりなく訳していくことは大事なのですが人間の集中力はそう長く続かないもので最後の問題まで辿り着けない、焦って注意力散漫によるミスなどが多発しています。
共通テストの英語は全文を正しく訳すことが目的ではなく“情報の整理が求められている”ということを理解しましょう。
そのため“メモを取る”ことをお勧めします。そして何度も読み戻って情報を探すのではなく少し読む速度が遅くなっても一回で読み取れるようにすると落ち着いて問題に集中でき、脳の情報過多にも対応できます。
また小説のような時間軸のある文章はただ読むだけでは前後関係が混濁しやすいのでやはり出来事を矢印で結ぶようメモするのが良いと思います。

 

【国語】
「現代文」に関しては本文と選択肢を如何に分かりやすい言葉に置き換えるかということが主眼であってつまりは“語彙を正確に理解していること”が必要です。例えば形而上、洞察、所与、通念、、、こうした語彙を正しく理解できていますか?
本文や選択肢の内容が理解できなくて答えられない場合はまず基本的な語彙を復習しましょう。
論理構造は抽象から具体、対比といった実はそこまで複雑ではない場合が多いので言葉の意味を掴むことでかなり読みやすくなると思います。
次に本文は分かるけど選択肢で迷ってしまうという場合はより簡単な言葉に変換する、つまり要約してみましょう。本文が読み取れていれば間違った指摘はすぐに除外できるので残りの中で設問と合致するものを選べば良いということです。
「古典」に関しては基本的な語彙や文法を突き詰めればある程度は安定しますが訳すという作業がある以上時間はかかってしまうので普段からすらすら訳せるか文章使って試してみることが重要だと思います。

 

【数学】
年によって難易度が大きく変わりがちで時間もますます厳しくなっている科目ですが私の場合は完答するのではなくそれぞれの大問の3分の4を確実に解いて最後の問は時間が余ったらやるというスタンスを取っていました。
というのも問題の性質上前に解いた問の答えを次の問で使うという流れになっており最後の問は集大成であるので計算ミスをしていた場合どこが間違っているのか気付きづらくそれまでの問を一つずつ計算し直さなければならず大きく時間ロスをしてしまうからです。
なのでまずは落ち着いて大問の半分を確実に解き、時間をかけて残りを解くという気持ちで臨むと焦らずに取り組めると思います。焦りの原因の多くが計算ミスである科目なので一回で解こうとせずに3周ぐらいする前提で解き進めるという方法をおすすめします。

 

【社会】
私は日本史と世界史を解いたので歴史中心になってしまいますが、近年は資料読解をかなり重視していることが傾向からわかります。2025年度入試から「歴史総合」が新たに加わったことからも分離されてきた日本史と世界史を融合してより大きな枠組みで歴史を捉えようとする意図が文部科学省にはあるのでしょう。
それに伴って用語中心の問から資料を用いて「探究」させることを求めています。つまりこれまでのように一問一答によって対応させるだけでは足りず、これらの事実の根拠となる文書や美術品、建築物などとの関連にも触れておかなければなりません。
例えば複数の文献を時系列順に並び替えさせたり、絵画や工芸品と文化を結びつけたり文書を対比させて相違点を指摘させたりなど多様な問題が出題されることが予想されます。
こうした問題に対処するためには字面だけを追って暗記するのではなく資料集や実物を見て知った上で「因果関係」を意識して理解することが必要です。
ある出来事が起こるには基本的に“それまでの経緯が原因となっていて、その後にある結果が生み出され、それがまた次の出来事の原因となる、歴史はこの積み重ね”でありこの点は学習する上で必須だと思います。
ただこれまで通り暗記の重要性は変わっていないので、なぜこの人物はこんなことをしたのか、どうして民衆の不満が溜まっていたのかなど“疑問も持ち能動的に暗記する”ことを心掛けましょう。

 

【理科】
私は文系なので理科基礎に絞ってお話しします。理科基礎は配点が低く軽視されがちですが実は短期間で詰められる上他の教科より安定しやすい科目なので今の時期特に勉強が重要であると言えます。どうしても英語や数学を固めることが優先され多くの人は11・12月から理科基礎に取り掛かるため受験生全体であまり差はついていないことから今から取り組んでも点数の底上げは十分狙えます。
ただ化学基礎は計算が複雑で理解に時間がかかる分野も多いので早めに進めることが大事です。

 

【メンタル・体調管理】
ここまで一通り教科のポイントを述べてきましたがそれ以上に重要なのがやはりメンタル面でしょう。どうしても成績が伸び悩んだり焦ったりしてしまう時は無意識にストレスを溜め込んでいてそれがアウトプットに間接的に影響していることが実は多いです。
常に体調万全でできるだけ脳のリソースを不安や憤りに支配されない状態で勉強に取り組めれば効率的なのですがなかなか難しい所です。そこで少しでもそうした状態に持っていくために2点挙げておきたいと思います。
一つは“脳を休める時間を確保する”ことです。入浴や睡眠が当てはまりますが日中数分でも良いので目を閉じてぼーっとするというのも効果的です。
私は受験生の時この時間だけは大切にしようと決めて実践していましたが確実に頭のすっきり度合いが違って学習内容が定着していったことを実感しました。
常に脳を動かしているよりメリハリつけて動かす方が情報も吸収しやすいので勉強しても頭に入らないと感じたら遠慮せず休息を取ることを選択しましょう。
もう一つは“物事の優先順位をつける”ことです。
何もかも仕上げようとすると中途半端になるだけなので1つの目標に集中することで余計なことを視野に入れず焦りも抑えることができます。
少しでも意識するところを変えると案外見え方がかなり違って感じるので是非取り入れてみてください。

 

終わりに

今回は共通テスト直前のポイントと心構えについて話してきましたが勿論緊張しない人はいないです。しかしこの機会を人生好転のターニングポイントと捉えてその後の自分の姿を信じるだけでもモチベーション向上に繋がると思うので適度に楽観視することを心掛けてみてください。
また直前期は無理して勉強時間を確保しようとして体調を崩しがちですが勉強の成果を発揮できないことほど悔しいものはないので、体調管理も勉強の一部だと考えて残りの時間を過ごすようしましょう。それではご精読ありがとうございました。

Profile

所属:文学部 2年

出身地:静岡県

出身校:飛鳥未来きずな高等学校