名大生ボイス

名大生ボイス

受験勉強法

2016.08.23

  • 受験勉強法

志望する大学の選択

こんにちは。今回の記事では、志望大学の選択について書かせて頂きます。

 

(1)   総合

大学と分野のそれぞれを選ぶ前に、まずその両方について考えてみたいと思います。とりあえず以下通じて、大学進学を目指すことを前提として考えます。まず一つに「そりゃそうだ」という了解を得られるであろうことは、一方の選択が他方の選択を制限するということです。例えば、理科系専門の大学を選んだ時点で、正規のカリキュラム上のメイン分野としては法学は選べないでしょう。これは当たり前のようで、実際の選択にあたって結構めんどうな縛りなのではないかと思います。あるいは例えば、自分が受験生だったときに情報サイトで「関東地方で商/経済/経営系の学部がある国公立大学」を検索したところ随分結果が少なかったということを覚えています。(※今検索してみたらちゃんと16件もヒットしましたから、そういった名称の学部が無いというだけであって、学科やコースといったレベルで商/経済/経営系を選択できる所は多いのだと思われます。)それでは、実際上どちらから選んでいくのかということですが、「学びたい分野があってこそ大学に行く」といったおそらく立派な学生像を考えるなら、まず分野ありきで選ぶということになるでしょう。このあたりの問題については、あまり手軽にとられる手段ではないですが、転学部とかいった制度も関係するかもしれません。もっとも、入学前から転学部について考えているというのも、どこか策に溺れている感じが否めませんが。

 

(2)   分野を選ぶ

僕は当初、経済学部という分野を選ぶにあたって、「お金に関わる分野ならなんとなくお金持ちになれそう」ぐらいの考えしか持っていませんでした。実際現在のところ学部2年生で勉強していてお金持ちになれそうな気配はしませんが、内容自体は面白いです。こうして「本来考えていたこととは違ったけど何となく収まりがついた」というまぐれ当たりは、事前的な方針としては当然良くないと思います。自分自身の長期的な目標にどれだけ貢献してくれそうか等といった情報をじっくり調べて比較するというのが、やはり普通の方針でしょう。そういったベストを尽くしてもなお「思っていたのと違った」感じの分野に入ってしまったら上記のようなまぐれ当たりに頼るのも良いと考えます。

 

(3)   大学を選ぶ

実際僕が大学を選ぶにあたって考えた要素と、実際当時には考えなかった要素に大別してご紹介したいと思います。

 

(3.1)実際に考えたこと

僕には、4年間を過ごすのにあたり、北の方は寒いので行きたくないという考えがあり、地方の旧帝国大学の中でも、実家のある東京より南にある名古屋大学を目指しました。(言うまでもなく、ただのマイナーな理由の一つです。)ところが実際に名古屋について見てみると、緯度はさほど東京と変わらず、冬の平均気温は基本的に東京より低いということだったので、思い込みに基づいて大事な選択をするのは良くないなと実感しました。

 

東京都名古屋の各月の平均的な気温

  出典:http://weather.time-j.net/Climate/Chart/nagoya、http://weather.time-j.net/Climate/Chart/tokyo

 

また、名古屋でときどき「東京に大学たくさんあるのにどうしてわざわざ?」といったようなことを訊かれます。これについては、学費の関係で国公立大学への志望が大変強かったことがまず挙げられますし、東京で進学しても一人暮らしはする(これは両親の教育方針です。たぶん。)ので学費の差分が下宿費でキャンセルされるわけではない、という事情も有りました。さらには、前述した情報サイトの検索結果で商/経済/経営系の学部(を持った関東地方の国公立大学)があまり無いということを見て、学科やコースといったレベルでその分野を選択できるというところまで考えずに切ってしまった選択肢も多々あったと思われます。ポータルサイトの検索結果は嘘は全く言っていないわけですので、やはり、いわゆる情報リテラシーみたいなものは大切だなと再確認する次第です。

 

(3.2)実際には考えなかったこと

大学入学試験の過去問をいくつか解くと、当たり前かもしれませんが、それぞれの大学ごとに問題のパターンがあります。そして、自分にとって比較的解きやすいパターンと解きにくいパターンというものもあるのではないでしょうか。これは、志望大学の選択に影響していいと考えます。というのも、それぞれの大学の試験問題を作成されている先生方もむやみに他所と違うパターンを出そうと思っているわけではなく「こういう考え方や知識に強い学生がほしい」とかいった合理的な事情があると思われますから、試験問題のパターンにはその意味で教育の特色などが反映されているといって差支えないでしょう。であれば、「行きたい大学の求める考え方や知識の分布を持った学生になる」だけの一辺倒ではなく、自分の既に持っている特質が最大限活かされるような場を求めるのも良い選択だと思います。

次に、卒業後の進路という観点は、分野選択のところで触れた「自分自身の長期的な目標にどれだけ貢献してくれそうか」等といった考え方にも馴染みますし、本来記事の最初の方に書いてもいいくらい重要な点であると思います。院進学と就職の比率といった一般的な数字ももちろん志望の選択に影響すると思いますが、就職に限って言えば就職先の特徴に関する数字にも注目する価値があると考えます。たとえば業種やセクターごとの比率、また、中部圏の大学について特に言えそうですが、関東/関西/地元/etcのいずれで就職するのか、等です。もっとも、そういった情報を集めて整理するのは面倒ですから、それこそ情報サイトなどに頼りたいところです。

 

以上、自分自身の志望大学選択について書かせて頂きました。自分の選択のやり方のあまり賢明でない点などを反面教師として頂けたら幸いです。(そういった各点がほとんど見知った内容で何も新しくなければ、反面教師としてすら参考にならないわけですが。)何にせよあまり実用的でない情報が多いようで恐縮ですが、自分自身の経験からは、志望大学等の選択に迫られているという方には、忙しくても時間を割いて考えることをお勧めします。

Profile

所属:経済学部2年生

出身地:東京都