名大生ボイス

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受験勉強法

2023.12.15

  • 受験勉強法

SNSとの向き合い方

はじめに

皆さん、こんにちは。文学部2年の矢部です。共通テストまで残り約1ヶ月となりました。受験生にとってかなり苦しい時期に入ったと思います。秋に受けた模試の多くも返却され、不安や焦りを感じている方もいるでしょう。また毎度話していることですが、今年は特に、気温の変化が激しいように感じます。体調にはお気をつけて。次回扱おうと思いますが、この1ヶ月は無理なく、最後の追い込みだと意気込みすぎるよりは、これまでのペースを維持する意識で頑張ってください。
さて、今回のテーマはタイトルにあるように、受験においてSNSをどのように活用し、向き合っていくかについて、お話ししていこうと思います。

 

受験におけるSNSの使用

20231215yabe.jpg近年SNSの発展により、動画配信サービス等で受験情報を得たり、チャット型のアプリでお互いの勉強の目標や進捗などを共有し合ったりすることが、一般的になってきています。特に後者については、前者と違い動画を作成、編集する必要がなく、勉強垢(垢はアカウントの略)を持つだけで一言二言から発信できるため、活用している人は非常に多いです。皆さんの中にもすでに活用している人がいるのではないでしょうか。今回の記事では、こうしたチャット型アプリでの勉強垢の活用に絞ってお話ししていきます。というのも、その発信のハードルの低さから、SNSのなかでも使用に注意が必要な媒体であるからです。
※アカウントはあるが発信はせず、他の人の投稿を閲覧するROM(Read Only Member)という選択肢もあります。

 

勉強垢を持つことで得られるメリット

1.最新の受験情報を得られる
塾講師や大手予備校、受験系のインフルエンサーのアカウントをフォローすることで、勉強法や入試の情報を得ることができます。

 

2.トップ層がどれだけ勉強しているのか知ることができる
勉強垢の中には模試で1位をとっていたり、数学オリンピックなどでメダルを取っていたりと、日常生活では出会うことの少ないトップ中のトップ層が、どれほど努力しているのかを知ることができます。またそこまででなくとも、自分と同じ大学を目指している人たちが毎日どれくらい勉強しているかを把握できます。自分の位置を確かめることができて、かつ自分の理想とする環境を作り切磋琢磨できます。個人的に、勉強垢を持つ一番のメリットだと思います。

 

3.モチベーションを維持しやすい
なんとなくやる気が出なかったり、成績が振るわずモチベを失ってしまうタイミングは、受験勉強をしていれば誰しも経験することです。そういう時に、1人でモチベを取り戻すのは、なかなか難しいものですが、勉強垢があれば互いに励ましあい、勉強しているフォロワーを見て刺激を受け、うまく調子を戻すことができます。

 

使用に際しての注意点

上記のように、勉強垢を持つメリットはたくさんあり、とても魅力的に感じると思います。しかし一方で注意が必要な側面もあります。ここでは以下の3つに焦点を当てます。

 

1.SNSに時間を費やし過ぎて勉強時間が減る
いわゆる本末転倒というやつです。勉強を効率化するために勉強垢を作ったのに、勉強垢の運用に気を取られ過ぎて勉強時間が減ったら意味がありません。また成績が上がったり、フォロワーが増えていったりすると、自分の投稿に対する反応も増えます。人間ですから多少なり承認欲求があると思いますし、それ自体悪いことではありませんが、SNSによって得られるそれはかなり大きく、のめり込まないよう注意が必要です。

 

2.考えが偏りかねない
先ほどメリットとして自分の好きなように周囲の環境を作れると言いましたが、その注意点がこちらです。受験にのめり込みすぎると、そのストレスなどから特定の大学や学部を見下したり、頭がいい人が偉いというような、偏った考えを持つ人も一定数存在します。ここではそうした考えが良いか悪いかということについては議論しませんが、受験はあくまで人生における通過点なので、考えが偏り過ぎないように、関わる人は慎重に選ぶべきです。

 

3.炎上や身バレのリスク
これはSNS全般に言えることですが、責任を持って発信しましょう。特にこの頃SNSでは私刑や誹謗中傷が加速気味にあり、一度炎上すれば最悪は個人情報等を晒されることもあり得ます。そうなれば自分だけでなく周囲の人たちにも迷惑がかかります。仮に炎上しなくても普段の投稿内容から個人を特定されないよう、くれぐれも気をつけてください。特に写真の投稿をする際には、個人や場所を特定するものが写っていないか確認するように。また性別を明かしたことで、DM等で言い寄られた、というケースも存在します。SNSとは適切な距離を保ちましょう。

 

どう関わっていくか

さて、ここまでお話しした内容を念頭に置いて、どうSNSを活用していくかを受験生と、高1や高2生にそれぞれ分けて提案させていただきたいと思います。

 

・受験生の場合
受験生の場合、すでになんらかの形でSNSを活用している人が多いでしょうから、ある程度自分の中で使い方を確立できている人が多いと思います。本番に向けてSNSの使用を控えるかどうかは、人によるとしか言いようがありませんので、僕がとやかく言うことではありませんが、迷ったら控えることをお勧めします。自己採点や手応えについて発信する人がたくさん出てくると思いますが、あくまでそれらは氷山の一角であること、そして一喜一憂をする時間はこれまで以上にないということはお伝えしておきます。

 

・高1、高2生の場合
もうすでに活用している人たちは、注意点を今一度確認して、勉強に励んでください。まだ勉強垢等を活用するかどうか迷っている人は、とりあえずROM専から始めてみることをお勧めします。注意点はあるものの、SNSを活用することで得られる恩恵は大きいです。現代の受験は情報戦ですから、SNSは使い方を誤らなければ強力な味方になってくれるでしょう。

 

おわりに

とにかく重要なのは、手段と目的を履き違えないことです。SNSに関わらず、受験勉強において見失いがちなことですので、今一度胸に刻んでください。それでは今回はここまで。
皆さんの健闘を祈っています。

Profile

所属:文学部2年生

出身地:神奈川県

出身校:攻玉社高等学校