2024年2月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

 

  

2月18日 ②

中京大のイベントを中座して地下鉄に飛び乗って一路東京へ。神田の学士会館での全学同窓会関東支部の講演・交流会に出席、講演会に先立って名大の教育についてお話してきました。メインの講演、今年は「世界を変えるリグニン〜脱炭素社会に向けて〜」というタイトルで、生命農学研究科の福島和彦教授がお話しくださいました。リグニンという複雑な化合物が、植物の中でどこに含まれ、それがどのような役割を果たしているのか、リグニンが燃料としてカーボン・ニュートラルに貢献できる可能性など多岐にわたる内容でした。リグニンは、福島先生にとってライフワークですね。

福島先生の人気もあって、今回の同窓会、老若男女80名ほどの方が参加してくださり、大変盛会でした。講演会後には交流会が開かれ、そこでは福島先生の後輩のバイオリンの方を交えた名古屋大学交響楽団OB/OGによる弦楽四重奏の演奏がとても素敵で、和やかで素晴らしい会になりました。会の最後は、恒例となっている「伊吹おろしの会」がリードしての、学生歌「若き我等」と八高寮歌「伊吹おろし」を皆で歌い、来年の再会を誓って散会となりました。今回は、つくづく対面の良さを満喫させてもらいました。

休みにも関わらずお手伝いいただいたDOの職員お二人、どうもありがとうございました。

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2月18日 ①

本日は日曜日ですが、午前中にイベントで中京大学へ伺ったあと東京へ向かい、午後には全学同窓会関東支部の講演・交流に参加してとんぼ返りしてきました。

中京大ですが、愛知学長懇話会の2026年アジア競技大会・アジアパラ競技大会専門委員会が大会を盛り上げるため実施した、学生によるアイデア・企画募集コンテストの表彰式に出席、ご挨拶するためでした。8大学17件の応募から、最優秀賞1件、優秀賞3件、優良賞1件の表彰でした。最優秀は、藤田医科大の学生さんで、AEDを選手だけでなく観客にも迅速に届ける搬送システムの提案で、本当に必要で良く練られている提案と感じました。名古屋大学の学生からの応募がなかったのは残念でした。

 

 

2月16日

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今朝は、教養教育院主催「第5回アカデミック・ライティングとクリティカル・シンキング国際シンポジウム」で開会のご挨拶をしてきました。英語教育におけるアカデミック・ライティングとクリティカル・シンキングをテーマにした英語で実施しているシンポになります。2年に一回開催とのことですが、前回は2019年、コロナ禍のため久しぶりの開催になります。

クリティカル・シンキングとは、現状の課題・問題について、批判的(クリティカル)にとらえ、本質的な問題点をとらえて、その上で論理的な思考で判断することを指します。研究者としては、このような姿勢は必ず必要です。論文やセミナーで聞いた話などを鵜呑みにせず、客観的な視点で本質的な問題点を洗い出し、新たな光を当て、解決していく、というのがまさに研究のやり方だからです。ここで重要になるのが、批判的な精神とは他者だけでなく自分の考えも疑う、ということです。

とは言っても、研究者の習性として、まずは他人の話しを疑う、というところから入るのは致し方ありません。ただし、この態度は家庭では非常にまずい結果を生みますのでくれぐれもご注意を。実感がこもっているわけですが、こんな内容を交えて挨拶をさせていただきました。

なお、今回のテーマは、AIで、最初の講演者はIBMで有名なAIである「ワトソン」の開発に携わっていた武田浩一先生でした。AIに果たして「思考」は生まれるのでしょうか?

 

 

2月14日 ②

本日、夜には名古屋市科学館へ出かけてきました。

音楽家・冨田勲さんの世界を表現したプラネタリウム番組「コズミック・ハーモニー 138億年の響き」の特別上映会を見に行ったのですが、何を隠そう私の監修番組です。

すでに映像の形でデモは見せてもらっていたのですが、プラネタリウムでどのように見えるのか、少しドキドキしながら行きましたが、結論は、とても素晴らしかった!

さすが名古屋市科学館の誇るプラネタリウムです。広々とした空間に宇宙が描き出され、そこに響き渡る冨田勲さんのシンセサイザーの音楽と、宇宙が紡ぎ出す音のコラボレーション、最高でした。私の専門であるビッグバンの時代の「音」もすごく上手く表現されていました。この番組、今回は特別上映、ということですが、コニカミノルタプラネタリウム株式会社が全国のプラネタリウムに提供するとのことですので、もしチャンスがあれば是非ご覧ください。

ちなみに冨田勲さんは、私の世代では大変有名なシンセサイザー奏者で、子供の頃擦り切れるまで聞いたジャングル大帝レオのレコードの音楽を担当していたことを懐かしく思い出しました。冨田家は柴田勝家に仕えた代官の子孫だそうで、明治維新以後は岡崎でお医者さんをやっているとのことでした。本来長男の勲さんが医院を継ぐはずだったのが、音楽に行ってしまったので次男が継いだと、上映会にいらしていた次男の息子さん(勲さんの甥)がおっしゃっていました。彼が今は医院を継いでいるとのことでした。勲さんの娘さんも来られていて、ようやく父のやりたかったことがこうして形になった、と大層喜んでおられました。

 

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2月14日 ①

本日は、フランスのランス大学、正確にはランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学のギヨーム・ジェレ学長ら訪問団と面談をいたしました。大学の名称から分かるように、シャンパンを生産している地域、パリの北東TGVで1時間程度のところにある大学です。ランス市は名古屋市と姉妹都市で、大聖堂が有名ですが、今現在では日本代表のサッカー選手がいることで知っている人も多いかもしれません。

今回の学長らの訪問は、ランス市長の名古屋市表敬訪問に合わせてのことのようで、夕方には、河村市長とランス市長を交えた交流会があるとのことでした。昨日には、名古屋市大を訪ねて、医学関係の協定を結んだようです。

名古屋大学とは、これまで特に数学の分野での交流が活発で、研究者のみならず学生もコロナ前は行き来していたとのことです。また、本学のフランス語研修も引き受けていただいていて、ランス市とランス大学が創立した滋野清武奨学金を利用して、学生の負担が少ない形での留学が実現しています。

なお、この滋野清武さんですが、昔のことではっきりはしないのですが、長州藩出身で男爵となった父が陸軍少将として名古屋に着任していた時に、当地に生まれたとされています。彼は、最初の奥さんを亡くしてからフランスに渡り、飛行機乗りとして第一次世界大戦中にフランス陸軍航空隊のエース部隊で活躍し、日本人として最初にエース・パイロットの称号を得た方です。男爵であったことから、バロン滋野と呼ばれていました。なんだかジブリの某映画みたいですね。フランスで出会った奥さんを日本に連れて帰り、息子二人は、ミュージシャンとして活躍、ドラマーになった次男はドリフターズの高木ブーや仲本工事と一緒にバンドを組んでいたこともあったとか。ご本人も、若い頃には山田耕筰が家庭教師で、上野の音楽学校で学びフランスへ行く前は音楽家として活動していたとのこと、波乱万丈です。

ランス大学とは、多元数理科学研究科が協定を結び、引き続き数学を中心に連携をしていくこととなりましたが、物理や医学でも連携できそうなので、今後が楽しみです。

 

 

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2月10日

本日は土曜日ですが、名古屋市公会堂であったイベントに出席してきました。午前中5kmほどランをしてストレス発散した後、イベントに出発です。

今回のイベントは、NPO法人「人間の安全保障」フォーラムによるSDGsシンポジウム「「誰も取り残されない愛知」を実現するために何をすべきか」です。愛知県ユニセフ協会が共催していることから、会長として挨拶を会の最初に差し上げました。

会に合わせて人間の安全保障フォーラムは「愛知県の人間の安全保障指標」という冊子を作成、今回配布をいただきました。こちら、愛知県54の市町村全てについて、SDGsの17のゴールを意識しながら、独自の指数(命、生活、尊厳とそれをまとめた総合)、またその各々に対応した多くの指標により評価をするという画期的なものです。例えば私の居住する名古屋市は、総合指数45位と下位に甘んじ、特にそのうちでも失業率、女性就業者割合、生活保護受給率、要介護認定者割合、介護サービス従事者数、自然災害の住居被害、選挙投票率、日本語指導が必要な生徒数などの指標が軒並み最下位、4つの指数の中でも生活指数が極端に低いという結果になっています。河村市長、頑張ってちょー。

この冊子の電子版が置いてある場所のリンク貼っておきます。

https://www.hsf.jp/projects/japan-human-security-index-project-phase-3/

 

今回のイベント、一番盛り上がったのが、名古屋大学教育学部附属高等学校の生徒4名の発表でした。誰も取り残されない愛知の実現、特に外国人の子供が地域社会に溶け込めるようにということで、名古屋友禅など愛知の文化体験ができる「伝統工芸体験移動車」を提案しました。今回は一年生、二年生が混じった女子チームで、元気で大変説得力あるプレゼンでした。附属の高校生、本当に意欲的な生徒さんが多くて頼もしいかぎりです。できれば、このアイデアを実現してもらいたいものだと思います。コープあいちの森理事長が閉会の挨拶で、コープにはキッチンカーがある、などとおっしゃってくださいましたので、うまくコラボできれば良いですね。

マスコミも来ていて、生徒さんたち、東海テレビの夕方のNEWS ONEに取り上げられていたみたいです。

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2月9日

本日は、いつにも増して大忙しの1日でした。

午前中は、文科省から審議官ご一行が訪問されてランチを含めて応対をしました。

午後イチには、国立大学協会の東海・北陸地区支部会議にオンラインで出席です。今回は、本学が当番校だったので、私が司会をすることになり、少しばかり疲れました。

支部会議では文科省からの情報提供に続いて、今回は中経連からの報告がありました。それに引き続いて協議・討論を行ったのですが、何より北陸の大学からの能登半島地震についての切迫感を持った報告が印象に残っています。金沢大学では、建物や装置に相当の被害が出たとのことですが、元旦にも関わらず災害対策本部をすぐさま設置して対応できたことなど、学ぶところが多いと感じました。安否確認については専用システムを多くの大学で導入していたようですが、今一つスムーズに行かなかったとの報告でした。本学も確認のメールの多くがやっと数日後になって届くという有様でした。訓練では良くても、メールの数が爆発的に増える緊急時にまともに働かないなら、何のための安否確認システムかわかりません。

さて、支部会議ですが、次回は4月に福井大で対面での開催になります。

オンラインの会議が終了したら、すぐさまNIC館まで行って、名古屋大学とフライブルグ大学の若手研究者間で2日間の日程で行われているイベントの閉会挨拶です。これは、11月にフライブルグ大学に行った時に予告されていたもので、YASというフライブルグ大学の若手研究者育成プログラムのメンバーが名大を訪れて、こちらのT-GExという若手研究者育成プログラムのメンバーと交流するというものになります。今回は直前に一名キャンセルがあったとのことですが、とても元気の良い3名の研究者が来てくれました。本学の若手に刺激になれば幸いです。

それにしてもほとんど参加していない会議の閉会の挨拶って、かなり気が引けました。

 

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2月8日

昨日に続いてのスタートアップ関連のイベントへの出席です。

今日は、名大発ベンチャー等を支援するために名駅のJRゲートタワー27階に設置しているOICXの7周年記念ということで行ってきました。場所は名駅に隣接している2つのビルで、第一部の講演会と第二部の情報交換会、別の場所での実施です。

今回の会の主目的は、最初の6年間を財政的に支援していただいた岡谷鋼機株式会社に対して感謝状を差し上げることだったのですが、合わせてスタートアップを実際に現在進行形で行なっている若手起業家を招いて、スタートアップの今後の展望について語ってもらいました。

岡谷鋼機株式会社からは、6年間、多額の寄付をいただき本当に感謝です。岡谷健広社長においでいただき、感謝状をOICXがスタートした時からの責任者の松尾機構長から渡していただきました。岡谷社長、非常に立派なご挨拶をいただいたのですが、特にチャップリンの言葉「人生は恐れなければとても素晴らしい。人生に必要なもの、それは勇気と想像力、そして少しのお金だ」、を引用して、それに加えてスタートアップに必要なのは「情熱」ですね、とおっしゃっていたのは心に残りました。ちなみに大変達者な英語で引用されていました。子供の頃とMBAでアメリカにおられたとのこと、納得でした。

それにしても、今回の何よりもの収穫は名大発ベンチャーの創業者の方々と知り合えたことです。特に、最大の成長株であるTIER IV(ティアフォー)の加藤真平CEO、英語でいうところの”quite a character”、日本語ではピンとこないのですが、面白くて変わっている人、というところでしょうか、楽しませていただきました。ちょうど彼の誕生日だったとのこと、おめでとうございます。

 

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2月7日 ②

名駅のミッドランドスクエアで行われた今回が7回目となる東海スタートアップカンファレンスに出席してきました。Tongali、東海東京証券が運営する中部オープンイノベーションカレッジ、名古屋商工会議所が主催するイベントで、今年のテーマはディープテック・ベンチャーでした。

前半は株式会社ユーザーベースの千葉信明上級執行役員とTongaliの河野廉教授のトークとセッション、後半はパネルディスカッションという内容でした。千葉さんのお話、これまで右肩あがりだったスタートアップが昨年度は少し減少した、というのはショッキングでした。

途中でアポがあったため退席しなければならなかったのは、大変残念でした。ただせっかく名大に戻ったのに、アポがあった人がこのイベントに出席していたことがわかり、向こうで話せばよかったと思ったのは後の祭りでした。

 

2月7日 ①

今朝は、山手線浜松町駅に近接している建物で、THE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)の学長円卓会議というイベントがありました。そのため、昨晩は文科省との会議・会食の後、東京に宿泊しました。

雪が積もった中、地下鉄で会議の場所まで移動、朝9時には16名ほどの参加者が二テーブルに分かれて、円卓会議の開始です。コーヒーや軽食の提供とともに、まずはTHEの方から、最新の大学ランキングの詳細、特に日本の大学の弱み・強みについての説明がありました。途中質疑応答をはさみ、説明の終了後は、日本の大学の課題について我々が発言し、それをネタに議論を行いました。

かなり自由な、つまり好き放題しゃべることのできる会議でしたが、やはり日本の大学にとって、国際化が大きな課題だということを再認識しました。国際共著論文の少なさ、外国人教員の少なさ、レピュテーションの低さ(海外に知られていない)などが、THEが指摘する具体的な指標としての弱みです。OIST(沖縄科学技術大学)のカリン・マルキデス学長がいらっしゃっていて、東北大学の山口副総長と私の3人を中心に、盛り上がって議論させてもらいました。ICUや東工大、東京医科歯科大、日大、上智大などの学長、副学長も参加されていて、同様の会をこの後、大阪で行うとのことでした。

なお、今回知り合うことができたマルキデス学長には、是非とも名古屋大学にお越しいただきたいと考えています。

 

 

2月6日

本日は、文科省の人材委員会に出席しました。大学がどのように人材を育成していくのかの課題について話し合う委員会になります。昨日は、愛媛県松山市と京都市の二つの高校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みについて、当事者からの報告を中心に質疑・討論を行いました。その後、文科省の方から人材育成に関する来年度予算の取り組みについて説明があり、その中では、博士後期課程次世代AI人材の育成について年間390万円というこれまでに比べ破格のサポートを行うプログラムの新設が興味を引きました。本学もこの予算、取りに行くことになると思いますので、取れたあかつきには関連する部局の院生には是非とも奮って応募いただきたいと思っています。

会議に出ている間に、霞ヶ関、雪が降り始め、終了時にはそこそこ積もっていました。委員会のメンバーと文科省の幹部で食事に行ったのですが、途中、文科省の人がきれいに転ぶ一幕もありました。怪我がなくて何よりでした。皆さん、雪には不慣れです。

  

 

2月2日

あっという間に1月が終わり、2月に入りました。2月は特に短いので、すぐに3月になりそうです。4日は立春、その前日の3日は節分ですので、本当に春はもうすぐですね。

本日は、全学同窓会と学士会が主催の講演会と夕食会が行われました。講演会の方は、講演者が愛知県医療療育総合センターの石黒直樹総長でした。石黒先生、先代の附属病院長として辣腕を振るわれたのをご存知の方も多いかと思います。愛知県医療療育総合センターの歴史として、昭和40年代に春日井に心身障害者の一大コロニー、病院だけでなく学校や寮なども備えた街とも言えるものが建設運用されたことを取り上げ、当時の日本は世界が脱施設化に向かう中、障害者を隔離する方向に向かった政策であり、彼ら・彼女らにノーマルな生活条件を提供するノーマライゼーションの考えだったのが、現在では、社会に受け入れるインクルージョンに変わってきている、というお話でした。非常に考えさせられた講演で、聴衆からも多くの質問が終了後寄せられていました。

名古屋大学も東海国立大学機構としてDEIB宣言、すなわちダイバーシティ・イクイティ・インクルージョン・ビロンギングスを進めていくという宣言を行なっています。石黒先生のお話、これと強い関連があるものと感じました。

夕食会の方では、同窓生の方々と交流できました。やはり対面は良いですね。

 

 

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