2024年7月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

 

 

 

7月17日~20日

本日水曜日以降、土曜日まで、大きなイベントはなかったのですが、細々したものがありましたので、まとめてご紹介したいと思います。

水曜日ですが、東海機構の役員会等がオンラインであり、その後、職員組合、過半数代表者、全学学生会、院生協議会(四者と呼んでいます)との懇談会に臨みました。この懇談会、毎月定例で行っていて、私にとって教職員や学生の生の声が聞ける貴重な機会となっています。今回も教職員や学生の福利厚生に関する案件を中心に、多くの案件について懇談しました。8月はお休みですが、次回は9月になります。

木曜日は、以前「東進タイムズ」という雑誌のインタビューを受けた縁で、東進予備校の関係者と懇談をしました。参考になったのが、大学の入学前教育の話です。最近は入試で年明け前、年内に推薦等で決まる学生が増えていて、学力にいろいろな意味で不安があるということで、たくさんの大学から委託を受けて、入学前教育を実施しているそうです。以前からAO入試など多彩に実施している私立大だけでなく、共通テストを課さない総合型選抜を年内に行っている国公立大も多く取り入れているとのこと、なんと4万人以上の学生の面倒を見ているそうです。本学も総合型選抜が理学部で始まり、その一部は共通テストを課さずに年内に決めるものとなるそうですので、参考になりそうです。

金曜日は、「公研」という、元々は電力会社が中心となって立ち上げた懇談会の会誌からスタートした雑誌のインタビューを受けました。子供の頃の話から、宇宙の話、総長としての話まで取り留めもなく質問に答えていったのですが、どのような記事になるやら、ちょっと心配です。

土曜日には、名古屋大学の全学同窓会と部局同窓会との連絡会「同窓会サミット」に出席してきました。豊田講堂シンポジオンでの実施です。各々の部局に置かれた同窓会、医学部の学友会が最も古く100年以上、経済学部のキタン会がその次でちょうど100年、と伝統があります。今回出席された代表たちですが、同窓生であったり部局長であったりさまざまでした。部局の同窓会でメールで一斉送信が難しいことへの全学からの支援のお願い、アフガニスタンから避難してきている同窓生の支援、同窓会の存在をどのようにアピールするかなど、懇親会を含めてなかなかに濃密な時間を過ごせました。

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7月16日②

本日の夕方からは、恒例となりましたが、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジの短期交換留学生の報告会と引き続いての送別レセプションがありました。

こちら、すでにご紹介したと思いますが、名古屋大学から6名、セント・ジョンズ・カレッジから6名の学生が、互いの大学を二週間程度訪問して交流を深めるというプログラムになります。東海東京証券のご支援をいただき、学生の経済的負担が少ないプログラムであることも特長になります。

 

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名大の学生は3月にすでに訪問済みで、今回はセント・ジョンズ・カレッジから6名が名古屋に訪問というわけです。今回で10年目となる息の長い、そして評判の良い人気のプログラムですが、昨年から、両大学の学生にグループワークをしてもらうという試みをスタートしました。その最終まとめを、名古屋大学の執行部と東海東京ファイナンシャル・ホールディングスからのゲスト、落合執行役員、大西総合企画部長らの前で、今回発表してもらいました。両大学12名、欠けることなく出席です。テーマは「進化する世界における日本と英国」というもので、これに合わせて、政府のポリシーとアクション、環境と建築、量子コンピュータ、ライフスタイルなど多彩なサブテーマについて発表がありました。短い準備時間ですので、自分の専門に寄せての発表だったように思いますが、楽しく聞かせてもらいました。

送別会では、両大学の皆さんがそれぞれの研修で学んだことなどをパワーポイントやムービーを使ってのプレゼンがありました。名古屋大学は学んだことに重点を置いた、セント・ジョンズ・カレッジは文化体験が中心の報告でしたが、どちらもとても充実した時間を過ごせたことがうかがえました。

 

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7月16日①

三連休明けですが、朝から東海国立大学機構の糖鎖生命コア研究所の国際シンポジウムが豊田講堂で行われ、挨拶をしてきました。

このシンポジウム、名古屋大学と岐阜大学ががっぷり組んで進めている糖鎖研究が「ヒューマングライコームプロジェクト」として文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業に昨年度から選定されたことを受けて、国内外の糖鎖研究者を集めて行った、国際シンポジウムです。文部科学省からも、関係する研究振興局大学研究基盤整備課と同ライフサイエンス課からどちらも課長の方に来ていただきました。文科省の力の入りようがわかるかもしれません。

シンポジウムの開会では、松尾東海国立大学機構長、吉田岐阜大学学長と私がホスト側としてご挨拶をし、文科省からもご挨拶いただきました。続いてプロジェクトリーダーの門松健治iGCORE所長がプロジェクト全体の総括を話され、少し休憩が入って、個別のテーマについてのトークやポスターセッションへと移りました。ここにアップした集合写真は、開会に先立って撮ったものになります。

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門松所長の話の後に、文科省の方々には東山キャンパスにある糖鎖研究拠点(iGCORE)の視察を行なってもらいました。現在は昨年竣工したEI創発工学館の最上階に置かれている糖鎖拠点ですが、将来は北部生協の跡地にできる新しい建物に移る予定になっています。フロンティア事業では、これまで、すばる望遠鏡やスーパーカミオカンデなど大型の施設を建設してきましたが、ヒューマングライコームプロジェクトではデータを集めて解析することが主になります。大規模施設がない分、10年という期間の節目節目で、どう成果をアピールするかが課題になると思っています。糖鎖チームの皆さん、期待しています!

 

 

7月13日

土曜日ですが、名古屋駅近にあるダイドー・ロボット館にお邪魔しました。これまでリーディング大学院「PhDプロフェッショナル登龍門」で実施していたトップリーダー・トークを、新しい形で継続することとなり、株式会社ダイドーの山田貞夫社長に登壇いただきました。

山田社長は戦後早い時期に、お父様の経営していた従業員が4名ほどの小さな機械問屋を70年近くかけて年商1000億円、従業員数1000名の産業用ロボット専門商社まで発展させた立志伝中の人物です。

今回は、最初に10分程度、日本のものづくりの優秀さについての社長の思いのたけを喋ってもらって、そのあとは1時間ほど私がファシリテーター役となって対談させていただきました。対談の中では、株式上場をしない理由など大変興味深いお話が聞けました。参加者は、「世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業」、通称T-GExに参加している若手教員を中心に大学院生など多彩なメンバーでした。トークの最初には、参加者に対して社長からご本人の年齢当クイズが出され、実際の年齢より15歳も若く言った人が(ニアミスの人と共に)商品をもらいました。年齢は内緒ですが、年齢関係なくリーダーシップを発揮してチャレンジしている姿は、参加者の心に響いたのではないでしょうか。

 

 

7月10日

今日は、午前中、まずフライブルク大学内で現在留学中の学生2名とお話させてもらいました。生命農学研究科のM2の学生は、すでに1年近く留学していてもうすぐ帰国、創薬科学研究科のD3の学生は1ヶ月の予定で到着してまだ間もない、というお二人でした。

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二人とも非常に意欲的な学生で、M2の学生は森林学が専門でフライブルク郊外に広がっている有名なシュバルツ・バルト(黒い森)でフィールドワークなどもしているとのことでした。D3の学生は、本学の卓越大学院CIBoGに所属していて、医療系のデータを分析しているとのこと、今年度配分したフライブルク大学と本学のシードファンドを活用して来ているそうです。フライブルクの生活・勉強の環境などで大変なことを尋ねたのですが、住宅事情がやはり厳しく、M2の学生は学生寮に入れたので良かったようですが、さもないとなかなか探すのも大変そうです。

世界をターゲットに活躍する意欲的な学生と触れ合えて、元気をもらいました。

ランチではフライブルク大学のカースティン・クリーゲルシュタイン学長にご招待いただき、先方の新しい国際担当副学長と戦略担当官らと街一番のホテルで会食をしました。クリーゲルシュタイン学長とは旧交を温めるとともに、ますますの連携について意見が一致しました。フライブルク大学もドイツの卓越大学に申請中とのこと、お互いにうまくいくことを祈っています。来年の2月には本学を訪問いただけるとのこと、楽しみにしています。

 

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昼過ぎからはドイツの新幹線ICEに乗車して一路フランクフルト空港を目指しました。しかしこのICE、日本の新幹線と違って遅れるのが当たり前、予想通り遅れて途中での乗り継ぎがうまくいかなくなり、最後は在来線に乗り換えてなんとか空港まで辿り着きました。ドイツだから電車が時間通り、ということはありません。ご注意ください。

フランクフルト空港からは、羽田空港で乗り継ぎ、最後は中部国際空港に到着です。待ち時間などを考えると、羽田からは空路よりは絶対に新幹線が早くて楽、ということがわかりました。結局家に着いたのは、木曜日の夜9時をまわっていました。

3泊5日のヨーロッパ2カ国訪問、3泊のうち2泊はホテルへの到着が深夜を過ぎて翌日になり、結局一度もレストランで夕食を食べられませんでした。じつにハードな旅でした。

 

 

 

7月9日②

EFIから少し歩いて移動して、エディンバラ大学最後の訪問先は、国際担当のジェームズ・スミス副学長です。天気が少し怪しくなって来ました。

スミス副学長、これまで名古屋大学との連携を非常に熱心に進めてくださってきた方です。今回の訪問についてご報告した上で、学生交流協定や名大オフィスの設置などについて、具体的にこれからどうやっていくのかについてお話をさせていただきました。オフィスについては、シェアオフィスもあるが、この近くには部屋もあるので、他の海外大学の動向も見ながら決めていきたいというようなお話しもあって、前進している印象です。

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スミス副学長と別れてから昼食に向かったのですが、いよいよ雨が降り出しました。記念にエディンバラ大学の折り畳み傘を購入しましたが、雨は降ったり止んだりで活躍の機会はあまりありませんでした。残念。大学のすぐ近くのカフェでの昼食は値段も(英国にしては)リーズナブルで美味しかったです。イギリスは食べ物があまり美味しくないので知られていますが、スコットランドは違う、と来るたびに思います。

昼食の後は、ホテルに一旦帰って荷物を受け取って空港に向かい、ヒースロー経由でバーゼルまで飛びました。ヒースローでは、搭乗は時間通りだったのですが、荒天で遅れが出ていて駐機場で1時間ほど待たされました。チェックインは時間通り、というのですが、最初から駐機場で待たされることがわかっていたのに「時間通り」って詐欺みたいでした。

バーゼル空港はスイスとフランスの国境上にあり、フランス側から出て予約してあったタクシーに乗ってフライブルクまで1時間弱ドライブ、遅れがあったこともありホテルに到着したら日を跨いで1時近くになっていました。

 

 

7月9日①

本日、午前中はエディンバラ大学の新しい組織であるエディンバラ・フューチャーズ・インスティテュート(未来研究所、通称EFI)へ向かいました。

EFIはかつて街一番の病院だった場所を、英国政府とスコットランド政府のお金で大規模に改修して、外は歴史的建造物、中身は最新の施設となったものです。EFIを含めたデータドリブン・イノベーション・ハブ(DDI)へのその政府からの資金たるや2億ポンド、今のレートだと400億円、総床面積は55,000平米、今本学に建設中のコモン・ネクサスの8倍にもなる広大なスペースです。

最初に、オーエン・ケリーEFI国際コーディネーターに、中をご案内いただきました。まだ完全に中身が入っていない印象でしたが、ちょうど本学のNIC館にあるイデア・ストアを広くしたような3Dプリンタ等が置いてある工作室からスタートして、スクリーンと椅子、またグループワークが一緒にできるような講義室、企業などの人たちが入る予定の広いシェアオフィス、ちょっとしたパーティーができるスペースなど、今の時代に必要なあらゆるコンセプトが詰まった建物です。本学で言えば、NIC館とEI創発館、さらに最近竣工したTOIC館を足したようなイメージでしょうか。閉じたオフィスというよりは、とにかくオープンスペースであることを大事にしていました。

ちなみに、案内をいただいている最中には、オープンスペースなだけに、ケリーさんの声が通り過ぎてうるさい、と部屋にいる人に怒られるという一幕もありました。ただこの時にケリーさん「ごめんなさい」と言わず、「参考になる」とおっしゃっていたのは、日本人として大変参考になりました。

なお、この建物、工作室など一部を除いて、誰でも自由に出入りできるそうです。有名なエディンバラフェスティバルに併設して行われるブックフェスティバルなどの会場にも使われるとのことでした。

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建物の見学の後は、ケリーさんに加えて金融工学担当のトビ・シュナイダーさん、イノベーション担当のアレサンドロ・ロジエロさんにお話を伺いました。この研究所は、気候変動、金融工学、データ駆動イノベーションなどいくつかのテーマを設けて、その分野のデータを英国中から集め、イノベーションに繋げていくとのことでした。大学のデータではなく、学部のデータをとにかく大規模に集めるというところ、本当に凄い試みです。教育の機能も持って、学部学生から大学院生まで所属しているそうです。学部は、ちょうど最初の1年生が2年生に上がるところで40名ほどの定員ですが、4年後に得られる学位が「インターディシプレナリー・フューチャーズ」という全く新しいものになるそうです。教員は様々な学部から併任して来ているそうで、日本の学位プログラムに似ていますね。まだ海のものとも山のものともつかない教育プログラムに飛び込むのですから、最初の学生である1年生は本当に勇気がある、とケリーさんは言っていました。大学院生などは企業と連携して、問題解決のために企業へ行ってその成果で学位をとるということもあるそうです。

EFI、本学がこれまでやってきたこと、やりたいことが集められている印象でした。連携していけたら本当に素晴らしい影響がありそうです。なお、こちら、秋から企業に対して机を提供していくそうで、そこに本学のスペースもいただけないか、という話もさせていただきました。

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7月8日③

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さて、昼食会の後は同じフロアで場所を移して、いよいよ協定書の調印式です。とは言っても名大などでやるような仰々しい式典という感じではなく、プロボストのグラハムさんと並んでサインをして記念写真と記念品を送っておしまい、というものでした。

この協定書に、「戦略的パートナー」という言葉を入れてもらったのがキモです。これを入れてもらえたこと、関係者の皆さんの尽力の賜物だと感謝しています。

調印式の後は、プロボスト以外の部局代表の皆さんと、先ほどの昼食会で話した内容などについて、さらに突っ込んで議論をしました。皆さんかなり乗り気で、是非連携したいという気持ちがヒシヒシと伝わってきました。名大の部局長と連絡を取ってもらうように帰国後、私の方から手配するという約束もしてきました。是非ボトムアップで連携を強めていってもらえればと願っています。

この後、ホテルで休んだ後、同行した皆さんは街に食事に出ましたが、時差ぼけもあって疲れていたので夕食はパスしてゆっくり休みました。 

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7月8日②

イノベーションの後は、プロボストや部局代表の方々との打ち合わせを兼ねた昼食会に臨みました。部屋がすぐ隣だったのはびっくりです。大きなテーブルのある立派な部屋でした。ちなみに廊下には、エディンバラ大学で名誉学位を受けた有名人などの写真が飾られていました。サッカーのペレや、アメリカのクリントン元大統領、ビル・ゲイツなど錚々たるメンバーです。エディンバラ大学はちょうど卒業式のシーズンで、アカデミックガウンを着た学生が街中を闊歩しています。歴史的な建物で卒業のセレモニーができる学生たち、羨ましいですね。プロボストのキム・グラハムさんによると、卒業式はさまざまな学科ごとにやるようで、全部で二週間もかかるようです。学長のピーター・マティソンさんとグラハムさんが手分けしてできるだけ出るようにしているとのことでした。ただ先週は二人とも出張で、学部長に出席をお願いしたそうです。

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さて昼食会ですが、相手側は、プロボストのグラハムさん、医学・獣医学部の国際担当学部長のレベッカ・レイノルズさん、人文社会学部の研究担当副学部長のスディーパ・アベイシンハさん、理工学部の学生担当国際学部長のトム・ブルースさん、そして旧知の理工学部国際担当学部長のニール・ロバートソンさんになります。グラハムさんは認知神経科学者で、元々はエディンバラ大学の卒業生ですが、前職はウェールズにあるカーディフ大学で副学長をされていたとのことです。また、グラハムさん、レイノルズさん、アベイシンハさんは女性です。エディンバラ大学は大きく分けて、医学・獣医学部、理工学部、人文社会学部の3つで構成されていますので、部局代表に勢揃いしていただいたことになります。

 

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この機会にグラハムさんと多くのことを話させていただきました。まず、年間2件だけなのですがシード・ファンド(研究費)を両大学から提供して研究連携を促進する試みを行うことの合意をいただきました。エディンバラ大学からも研究費を提供してもらうところがキモになります。次に、今回の戦略的パートナーとしての協定締結を記念して両大学で共同で何らかの宣言を出して盛り上げていくことについて同意をいただきました。また、学生交流のための大学間協定締結の可能性について(授業料をお互いに免除する取り決めになります)もお願いしたのですが、3つの学部それぞれで連携が進んでいることを認めてもらい、前向きに対応する旨の発言をいただきました。これがあると、現在は理学部の化学や医学の臨床実習などに限定されている授業料を免除した学生交流が、もっと広い範囲で可能になります。例えば、本学で毎年100名以上の学生を受け入れているNUPACEプログラムにも、エディンバラ大学の学生が来てくれるようになることが期待できます。

最後に、戦略的パートナー大学として名大のオフィスを置かせてもらえないか、というお願いもしっかりとさせていただきました。

プロボストのグラハムさんはまだ名古屋大学のことをほとんど知らないご様子だったので、最後にいつも使っているファイルを使って簡単な大学紹介をさせてもらいました。

 

 

7月8日①

本日は、エディンバラ大学のさまざまな方とお会いし、連携についてお話させてもらいました。

素晴らしい天気に恵まれて、朝食の後、街の中心にあるオールド・カレッジに向かいました。このカレッジ、18世紀の建物ですが、現在ではプロボストのオフィスを含め大学の管理部門が置かれている場所になります。カレッジの前での写真、アップしておきます。なお、この時期、エディンバラは基本的に涼しいのですが、雨がよく降るようでした。

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初っ端は、大学の産学連携の子会社であるエディンバラ・イノベーションです。所長のジム・アッシュさんは、情報系でAIなどの専門家とのことでした。国内外の企業や大学等との戦略的パートナーシップを担当しているキャロライン・ウードサイドさん、シャルロッテ・ウォーさんは起業の担当です。イアン・ハッチさんはイノベーションの所属であるとともに、理工学部のビジネス担当のヘッドとのことでした。

産学連携にAIやロボティックスを絡めるという内容をされたアッシュさんは、今年1月に名大を訪問されています。量子コンピュータなども企業と連携して進めているとのことですが、大学はソフトを担当しているそうです。エディンバラ大学のスタートアップ(起業)は昨年1年だけで120件を超えるとのこと、ただ大半が学生によるものになります。本学ではまだまだ件数は少ないのですが、教員によるものと学生のものがバランスしている点については評価していただきました。

 

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7月7日

七大戦開会式のすぐ翌日ですが、早朝から羽田に移動、フランクフルト経由でエディンバラまで行ってきました。

ロシアの上空が飛べないので、以前より少し長くフライト時間がかかります。14時間ほどでフランクフルトに到着です。今回利用したのは欧州系の航空会社だったのですが、日本の航空会社に比べると少しサービスが冷たい感じがしました。乗り込むときに預けたジャケットを着陸の前に持ってきてくれず、頼んで探してもらったのですが、持ってきてくれたときにあやまるでもなく人ごとのように「見つかってよかったね〜」だったのは、(持っていったのはお前らだろう)と心の中でつぶやきながら長旅の疲れもあって少しムッとしました。

エディンバラに着いたのはほぼ真夜中、市内のバスも止まっている時間ですので、空港からウーバーで大学の宿舎に向かいました。ウーバー、以前は運転手と話しをするのも楽しみだったのですが、今回はプロ化していて、皆さんなんだか無愛想でした。

無事に宿舎に着いたのですが、大学が持っているホテルで、お値段は驚くほど高かったです。英ポンドが非常に高くなっていて、物価も上昇しているため、大学の規定の旅費では全然まかなえません。実費払いにしてもらいました。保守党が選挙で負けるはずです。 

 

 

7月6日③

開会式の後は、場所を北部食堂に移して学生と総長また関係者が集まっての懇親会です。生協さんが頑張ってくれて、地元の食材を使った豪華な料理が並びました。ビールなども用意されていましたが、未成年の学生は厳禁です。東北大、九大、名大など各大学のお酒も並んでいました。

懇親会では、手品やアカペラなど様々なパフォーマンスもあったのですが、中でも出色は各総長のスピーチです。皆さん煽る煽る。最多優勝はうちだ、いや間違っているなど言い争いもあり、優勝は必ずうちだ、と皆さんおっしゃっていました。昨年以前は東北大が4連覇していて、昨年は主管校の東大が優勝です。名大、過去20年間優勝がありません。今回は地の利を生かして頑張ってもらいたいものです。ただ途中経過では6位、厳しい戦いが続きますが、熱中症には気をつけて、選手の皆さん期待してます!

最後に、所用のあった阪大総長を除いた6名で名古屋駅まで移動、うなぎ・日本料理の店で懇親会を行い、あらためて親睦を深めました。皆さんテンションが開会式のままで、例えばとある総長には、散々名古屋飯の悪口を言われました。途中経過で名大の下だったのが悔しかったのかもしれません。九州や北海道には食べ物自慢をされるし、B級グルメの地としてはなかなか立つ瀬がなかったのですが、ただ、今回のミニひつまぶし付きのセット、お酒とともに皆さん満足されたようで、少し溜飲が下がりました。

2時間ほど、9時前には会を閉め、東大、京大のお二人は新幹線(午後停電で止まっていましたがこの時間には完全復旧)で帰られ、遠方の北大、東北大、九大の皆さんは一泊されて行かれました。私は明日からの海外出張の準備もあり急ぎ帰宅です。

 

7月6日②

懇談の後は、いよいよ七大戦の開会式です。控え室に大会実行委員長の名大学生が呼びにきて、豊田講堂ホールの壇上へ向かって七人揃っての入場です。我々総長は各大学の実行委員長たちと向かい合わせというような配置でした。名大が主管校(ホスト)ですので、開会の宣言など全て名大主導で行い、優勝旗・優勝杯も私が受け取りました。優勝旗が思ったよりも重かったことが印象に残り、また優勝杯については落としたらえらいことになる心配で手が少し震えました。5分ほどの挨拶もさせてもらいました。

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開会式の後半は、恒例であれば主管校の応援団・チアーなどによる演舞があるのですが、名古屋大学はあいにく応援団が10年ほど前になくなってしまっています。どうなるかすごく心配したのですが、知恵を絞ってもらって、名大生を含む大学連合の男子チアーグループ「名古屋SPIDERS」と七大学出身者だけのアイドルグループ「学歴の暴力」のコラボで元気の良いパフォーマンスをお見せすることができました。ちなみに学歴の暴力、今回は東大、京大、名大の卒業生3名での登場でした。

 

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7月6日①

今日は土曜日ですが、第63回全国七大学総合体育大会(通称七大戦)開会式が本学で行われ、主管校として皆さんを名古屋にお迎えしました。ここで「皆さん」とは、体育会の学生さんたちだけでなく、名大以外の七大学の総長全員です。北大、東北大、東大、京大、阪大、九大の総長の皆さん、お忙しい中、暑い名古屋まで駆けつけてくださいました。

この開会式、せっかく総長が全員揃う貴重な機会ということで、式に先立って文部科学省の幹部の方々をお招きして懇談会を開催することが恒例となっています。今回も、2名の局長と1名の部長、また現場を仕切っている課長の方々と、大学にとって最も重要なメンバーに大挙して来ていただけました。懇談会ではまず文科省の幹部から、最近の施策について概要をご説明いただきました。その中で最も重要だと思ったのは、政府の通称「骨太の方針」の中に初めて、運営費交付金を十分に確保する、という文言が入ったことだと思います。ただし、骨太に書かれたというのは、次年度の予算編成においてまだ予選を通ったという段階、これから決勝ラウンドで勝ち抜かなければならない、とのことです。大学を支える最も基盤的な経費である運営費交付金、是非とも概算要求の段階でしっかりとその増額を予算化してもらいたいと思います。

文科省からの説明の後の懇談では、企業の力を借りた学生の経済支援、人事院勧告対応、授業料のあり方、などホットな話題について意見交換しましたが、文科省に本音をぶつける大変良い機会となりました。

 

 

7月4日

ベトナムから帰って以来、非常に忙しくしていますが、本日も大変な1日でした。

お昼時には、本学のある研究拠点について、1時間弱、文科省によるオンライン審査を受けました。

この審査が終了するとすぐに豊田講堂まで駆けつけて、盛山正仁文部科学大臣をお出迎えです。名古屋に来る日程の中で是非とも名大にも寄りたい、という大臣のご希望で視察が実現しました。

豊田講堂脇の車寄せでお待ちしていたのですが、名古屋駅から順調に高速を来られ、ほぼ時間通り、1時を少しだけ回ったところでの到着でした。SPの警護がもちろんついています。

到着後まず30分ほど、豊田講堂の中の会議室で、私から名古屋大学の概要、博士人材育成について、研究のフラッグシップであるトランスフォーマティブ分子生命科学研究所の活動について、そして国際展開についての4点を駆け足でご説明差し上げました。現在盛山大臣肝入りで、博士人材を3倍にするという施策「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」が展開されているのを知っている方もいるかもしれません。「とろう」は、博士号を取ることと、企業が博士人材を採用する、という両方の意味を兼ねています。本学の博士人材育成の取り組みをご紹介したのですが、それだけでなく、文系と理工系の大学院への内部進学率の違いや博士取得後の行き先など、本学の生データもご紹介しました。これについては、「こういうデータは見たことがない」と喜んでくださっていました。

私からの説明の後は、6名ほどの学生と車座になっての対話をしていただきました。3名が本学に来ている留学生、3名が本学から留学を経験した日本人学生です。留学生の一名はシンガポール国立大学から名大発スタートアップ企業のインターンシップを現在体験している学生さんで、「名大でインターンシップを受けて、自分でもスタートアップをやってみたいと思うようになった」という、まるでヤラセみたいな素晴らしい発言をしてくれてびっくりでした。何も仕込んでません。

学生との面談の後は、車でCIRFEまで移動、建物の中の吹き抜けの階段スペースで天野さんからの窒化ガリウム研究についての説明を受けました。最後はクリーンルームを外から見学し、記念写真をとって、大臣は次の訪問先に向かわれました。

全部で2時間にも満たない慌ただしいご訪問でしたが、満足していただけたのではないかと思っています。準備や当日対応でご協力いただいた教職員の皆様、本当にありがとうございました。

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7月3日

本日は、IB電子情報館1階のプレゼンテーションスペース、わかりやすく言えば廊下のスペースのネーミングライツの開設記念式典を行いました。

日鉄ソリューションズ株式会社によるネーミングライツで、今後この場所はNS Solutions Streetと呼ばれることとなります。開設記念式典には、日鉄ソリューションズ株式会社の玉置和彦代表取締役社長、松本泉採用・人材開発センター所長、さらに中部地域の事業会社である日鉄ソリューションズ中部株式会社岡崎巧代表取締役社長の皆様にご出席いただき、テープカット等、盛大に執り行いました。

日鉄ソリューションズ株式会社と日鉄ソリューションズ中部株式会社、両社合わせて毎年10名前後の本学学生が就職しているとのこと、今回の命名によってますます両社の名前が学生に身近なものになることと思います。

このスペース、廊下と書きましたが、広い通路には椅子やテーブルも所々に置かれ、教室に向かう学生やそこを通り抜けて地下鉄の駅に向かう学生、さらには附属高校の生徒の姿がいつも数多く見られる場所です。研究会などで、ポスターを掲示するのにも使われることもあります。「ストリート」とはまさにピッタリの命名です。今回、教室や建物といった従来とは異なった新たなタイプのスペースの命名権ですが、名前を周知するには格好の場所ではないでしょうか。

ところで玉置社長、じつは名古屋のご出身で、このネーミングライツ担当の木村副総長と同じ市内の高校出身とのこと、奇遇ですがこれも縁、さらなる連携を期待します。

 

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7月2日

本日は朝から東京出張で、帰ってきてから教育研究評議会などいくつかの会議をこなしました。夕方からは、ホシザキ奨学生授与式で、奨学生に採用された学生さんたちに祝辞を述べるとともに交流をさせていただきました。授与式の前には、消防や救急のサイレンが学内から聞こえてきて何事かと思いました。皆さんすでに報道等で知っているかもしれませんが、教員1名が体調不良になって、その原因としてガス漏れの恐れあり、ということでの対応でしたが、結局ガス漏れは認められませんでした。だいぶ心配しました。皆様にも心配をおかけしました。

さて、授与式に戻ります。「名古屋大学ホシザキ奨学金」は、業務用冷蔵庫などで知られるホシザキ株式会社の取締役会長であり、坂本ドネイション・ファウンデイション株式会社取締役会長の坂本精志様と奥さまの坂本春代様のお二人の、「ものづくり」に関わる学生を支援されたいという強いご意志に基づいた本学へのご寄付により、平成28年度に本学が創設した給付型奨学金制度です。ものづくり、ということで、対象を工学部と情報学部の関連する学科の3 年次に在学する者、大学院工学研究科と情報学研究科及び環境学研究科の関連する専攻の博士前期課程 1 年次に在学する者に絞り、例年募集をしています。

今回は、学部学生9名、大学院生18名、合計27名への授与となりました。学部学生、大学院学生を代表してそれぞれ一人が感謝と抱負の辞を語りましたが、ものづくりにかける思いの深さが伝わってくる大変立派な挨拶で感銘しました。会の後には、今回出席いただいた坂本精志会長、また坂本ドネイション・ファウンデイション株式会社の加藤令社長、高橋正人事務局長や我々大学執行部と採用学生との間の意見交換会を持ったのですが、私としても学生さんとお話しができて元気をもらいました。話した限りでは、意欲的な学生さんたちばかりで、頼もしい限りです。

 

7月1日②

本日の夕方には、学術奨励賞の授与式を行いました。

学術奨励賞は、大学院博士後期課程の学生の中から特に優秀な方を部局から推薦してもらい、人文社会系、理工系、生物系に分けて審査を行なって、最大10名を表彰するものです。副賞として学術奨励金50万円を進呈しています。また受賞者の中から日本学術振興会の育志賞にも推薦させてもらっています。一言でいえば、名古屋大学の最も優秀な博士後期課程学生10名の表彰、ということになります。

本年度は、人文社会系2名、理工系4名、生物系4名に対して学術奨励賞を授与いたしました。過去2年、人文社会系の受賞者が出なかったので今回は2名受賞、というのは本当に良かったと思っています。受賞した皆さん、本当におめでとうございます。また今年から篤志家からの寄付によって、この中でも特に優秀な者について特別奨励金10万円を贈呈することになりました。3名の方に授与させていただきました。合わせておめでとうございます。

さて、こちら10名の方には、10月のホームカミングデイに合わせて、NU3MTにエントリーしてもらいます。今回の受賞内容を3分間で誰にでもわかるように報告してもらうというコンテスト、大変好評をいただいております。聴衆の投票によって決まるグランプリ、また私が選ぶ総長賞を目指し、今回の受賞者には頑張ってもらいたいと思っています。楽しみにしています。

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7月1日①

今週はいつにも増して忙しい週になりそうです。

週の始めですが、恒例の運営会議などの後、昼からはヨーロッパ最古の大学、また現存する最古の大学と言われるイタリア・ボローニャ大学のジョバンニ・モラーリ学長と、ラファエラ・カンパネール国際担当副学長のお二人の表敬訪問を受けました。ボローニャ大学、何しろダンテやガリレオ・ガリレイがいたことのある大学です。本学のノーベル賞6人も霞んでしまいます。

本学とは、医学分野の大学間連携GAMEという枠組みなどですでに連携しているのですが、学生交流などをもっと加速したい、また航空宇宙工学などを中心に連携をしたい、というご希望をお持ちで来られました。NUPACEなど、学部生の名古屋大学での中短期滞在プログラムはすでに利用いただいているとのこと、こちらさらに受け入れるとともに、名大の学生にも是非ともボローニャ大学を留学先に選んでもらいたいと思います。そのためにも、宿舎など受け入れ体制の充実をお願いしました。ただ、ボローニャ大学、学生総数10万人で、ボローニャ市内のキャンパスだけで7万人もいて、学生の宿舎の確保が悩みの種とのことでしたので、留学生までなかなか手が回らないとのことでした。

さて、お二人、短い日程の中、東京では明治大学を皮切りに早稲田、東大、東工大、東洋大、慶應大などを精力的に訪問、昨晩は名古屋に宿泊だったそうなのですが、我々の後には藤田医科大を訪問、この後は、関西で京都、大阪、神戸と巡るとのことでした。お疲れ様です!

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