名大生ボイス

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大学生活全般

2016.09.01

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河合くんから見た授業-工学部の講義 1年生編

「工学部の講義ってどんな感じなの?」と疑問に思う人向けに、僕の3年前期までの大学生活をまとめてみました。工学部の講義は学科やコースによってかなり異なるため、あくまでも一例として読んでいただけると幸いです。(この記事は「化学・生物工学科 分子化学工学コース 3年生(2016年度)」に属する学生が書いています。)

 

まずは1年生編です!

 

1年前期(大学の講義の概要)

 

 

1年前期の時間割は学科に関わらずほとんど同じです。微分積分学や線形代数(行列)などの数学の基礎科目や、力学、化学基礎など、専門科目を履修する上で必要不可欠な理系科目が多くを占めています。また、英語や第二言語などの言語系の科目や、法学や教育学などの文系科目も履修することとなっており、「僕は本当に工学部に来たのだろうか?」と疑うようなバラエティあふれる時間割となっているのが特徴です。

 

大学の講義を受けて最初にビックリするのは進度の速さでしょう。特に理系科目は内容の難しさと進度の速さが全くマッチしていないので、「1年前期からこんな調子でこの先やっていけるのかな...」と多くの人が不安になります。それもそのはず、高校までは週に何度も同じ科目の授業がありましたが、大学の講義は基本的に週に1コマしかありません。そのうえに大学の講義の内容は高校までのものと比較してはるかに難しいので、「講義の内容を整理する時間もないまま必死に板書を写していたら講義が終わってしまった...」ということもよくあります。さらに、時間が無い中で難しい内容の講義をしなければならないので、講義中に問題演習をやってくれることは少なく、「ここは簡単だから自分で教科書を読んで勉強しておいてね」と講義からカットされることも少なくありません(なのにテストには出ます...)

 

そのため、講義についていくには予習復習が不可欠であり、多くの講義で演習問題を解く宿題が出ます。「宿題なんかやらなくてもテスト前にまとめて勉強すればいいじゃん♪」と思ったそこの君!残念でした。宿題が出る講義は宿題の提出状況とその出来が成績判定のそれなりに大きな割合を占めているので、(講義にもよりますが大体20-30%を占める講義が多いです)宿題を提出しないとテストでほぼ満点を取らないと単位が出ない!ということにもなりかねません。この時期の科目は専門科目の土台となっている科目が多く、それらはほとんど必修科目であるため、単位が取れなかった場合は来年もう一度受講して単位を取らなければならないどころか、多くの単位を落とすと留年することになりかねないため注意が必要です。

 

1年前期の授業内容は大学の中ではまだまだ簡単な方なので、このタームで大学での勉強の仕方に慣れると良いでしょう。受験が終わった直後で勉強する習慣が残っている上に回りの多くの学生がまじめに勉強するため、普通にしていれば単位をいくつも落とすことはまずありませんが、1年前期からサボってしまうと2年以降で再履修する科目が増え、単位を落とす悪循環に繋がるので気を引き締めましょう。

 

ここまでなんだか大学に行きたくなくなるような話をしましたが、大学の講義は内容が高度な分非常に面白いものです!受けていて興味深かった講義はいくつもありますが、その中でも特に大学の講義らしいものをいくつか紹介します。

 

学問の面白さを知る

医学や工学、文学、教育学などの様々な分野の先生方が毎週日替わりで自分の専門分野の面白さを分かりやすく教えてくださる講義です。僕が受けていた年はなんとノーベル物理学賞受賞者の益川先生が講義をされた回もありました!毎週自分の知らなかった分野の最先端の研究のお話が聞けるので楽しみにしていました。毎回の講義が終わる度に少し物知りになれた気分になれます。

 

第二言語

大学と言えばコレ!とも言える講義です。名大ではスペイン語、中国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語の5つが開講されています。入学時に希望の言語を選びますが、人気の言語は抽選から漏れることも...。工学部の第二言語は1年後期までの1年間なので、基本的な会話や作文を学ぶにとどまりますが、知らない言語を学ぶことで見えてくるその国の人の人柄みたいなものが見えてきて結構面白いです。また、講義では言語だけではなくその国の文化も学ぶので、1年後にはその国に親近感が沸いてくることでしょう。

 

 

1年後期

 

 

1年後期も前期と同じくどの学科も同じような科目が多くありますが、この頃から徐々に専門的な科目が増えてきます。1年後期で最も気を付けなければいけないのは、前期に比べて講義の内容が格段に難しくなることです。さらに、大学に慣れ始めた上に人生で初めて2か月もの長期休暇を過ごすことで怠けきってしまい、宿題を出さなかったり、講義に来なくなってしまう人が出てきます。そのため、ここで踏ん張れるかが今後の大学生活の明暗を分けると言っても過言ではありません。コマ数が多いこの時期に気を抜くと大量落単に繋がるので頑張りましょう。

 

では1年後期の講義をいくつか紹介します。

 

基礎セミナー

名大独自の講義で、1人の教員と12名の学生によって行われる少人数のセミナーです。担当の教員が研究されている分野に関連したテーマについて議論したりプレゼンテーションをしたりすることで、今後必要となるリサーチ力や発表力を磨きます。少人数制のため学生と教員とのの距離が近く、講義では中々できない教員の方との熱い議論や質問、雑談などが非常にやりやすくなっています。また、学生同士の距離も近いため、セミナーのメンバーとごはんを食べに行ったり遊びに行ったりすることも多いようです。

 

専門基礎科目

1年後期になると本格的に専門科目が始まります。いよいよ専門的な内容が学べる!とモチベーションが上がる一方、今まで聞いたことも無いような分野を勉強するため、少しとっかかりが悪くなるのもまた事実です。この専門基礎科目を通じて自分がどの分野に興味があるのかを分析し、次年次以降のコース配属の参考にする学生も多数います。

 

開放科目

講義によっては他学部の学生でも「開放科目」というカテゴリで卒業単位に含むことのできる講義もあります。僕は経済学部の専門科目を開放科目として履修しましたが、工学部の科目とは全く違う分野の勉強ができ、また他の学部の学生の雰囲気も楽しむことができました。

 

2年&3年生編に続きます!

Profile

所属:工学部化学・生物工学科分子化学工学コース3年生

出身地:愛知県