名大生ボイス

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大学生活全般

2024.03.14

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大学での勉強の制度:①単位・GPA編

はじめに

20240314_k.jpgみなさん、こんにちは。名古屋大学工学部2年生の小林です。春休みをいかがお過ごしでしょうか。4月に迫る新学期に向けて新入生のみなさんは、期待と緊張でドキドキしていると思います。大学では高校より専門的な学びが出来ますが、内容が専門的になっただけではなく、そもそもの制度自体が違いますし、勉強法も変わってきます。大学での勉強ってどういう風に行われているの?どういうやり方でするのが良いの?と心配になっている方向けに今回の記事を書きますので、是非とも参考にしてみてください。春休み中に一読し、春休みが明けて実際に授業を受け始めて戸惑った時に読みに帰ってきてくださいね!

 

大学での授業の仕組み

さて、前述の通り大学の授業の仕組みは高校までとは違った部分がかなりあります。そこに関して見ていきましょう。

 

① 単位制度
大学では一般的に単位制度が採用されています。各科目には一定の単位数が割り当てられ、これらの単位を修得することで学位を取得します。単位制度は学生が自分の進行度を追跡し、学位取得に必要な単位数を確保するためのシステムとして作られているそうです。高校までも単位というものは存在しますが、そこまで意識していなかったと思います。高校での単位は定期試験で赤点を取らなければいい!というだけのものだったのではないでしょうか。大学からはしっかりと単位をベースとした学習になります。大学では高校と違い、授業に出席してテストを受けたら終わりではなく、授業を通して評価されてその結果単位を認められて、初めて授業を修了することになります。毎日授業に出席して、とりあえず赤点を取らない範囲ギリギリで定期試験をすり抜ける、みたいな高校生活を送っていた人はピンチかもしれません。なぜなら単位は、一定の基準(以下で詳しく話します)を満たさないと取得できないため、落単(単位が認められないこと)につながります。落単は留年や退学につながる重大なミスです。高校とは異なり、大学では成績の重みがより大きく、失敗の余地が少ないと言えます。では少し詳しく単位制度における成績評価と落単の基準について見ていきましょう。

 

② 成績評価(GPA)と落単
まず、大学での成績評価はGPAというもので表されます。名古屋大学では、GPAは各科目(各授業)に対して0~4.3までの値で与えられます。GPAが0の科目は落単、つまり単位が認定されていないということです。数値は0、1.0、2.0、3.0、4.0、4.3の6段階なので、1.0以上の値を取れれば単位が認められます。またこの数値に対応する評価記号があり、0から順にF、C-、C、B、A、A+となっています。A、B、Cと来てるのにFはなぜDじゃないのかというと、failure(落第)からきているようです。
このGPAにおいて気をつけるポイントが二つあります。まず、第一に1.0以上を維持すること。すなわち、落単をしないということですね。落単をすると進級ができずに留年につながったり、次に取りたい授業を取れなかったりなどの弊害が生じます。また、一度落単した授業で、それが必修科目(単位認定されないと卒業できない授業のこと)の場合、次の年に後輩に混ざって再履修をしないといけません。再履修となると協力できる友達もいなくなってしまいますし、後輩と混ざって授業を受けるのは居心地が良いものではないので、なるべく一発で単位を取れるように心がけた方がいいでしょう。
そして、伝えたいことその二は出来るだけ良い成績を取ろう!ということです。大学生は落単さえしなければいい、GPAは気にする必要がない、と言う人がいますが、私はGPAはなるべく高い方がいいと思います。なぜなら、GPAによって高学年で配属されるゼミや研究室に優先的に入れたり、奨学金の優遇があったり、留学の際に一部費用を免除してもらえたりと、さまざまなメリットがあるからです。それにGPAというのは学びの結果の表れです。断言はできませんがGPAが高ければ高いほどその授業を理解できたという解釈もできます。大学で多くの知識を得る際に、本当に身になっているのかを確かめる指標としてGPAを利用できるので、自身のGPAを高めるというのも一つの目標にできると思いますよ。決して落単だけはしないように注意しつつ、できることなら高得点、高GPAを狙ってモチベーションを高めて勉強に励みましょう!

 

③ 単位救済が高校ほど無い
大学では、高校と比べて単位についての救済措置が少なく、不振な成績を補うための再試験や、追加の評価機会が制限される場合があります。高校では赤点を取っても補講などで結局は単位をくれるので、留年する人は少なかったのではないでしょうか。一方で大学は留年や退学に対する配慮みたいなものはあまりありません。そもそも大学は学びたい人が来る場なので、やる気がないものは脱落してもお構いなしというスタンスなのかもしれません。そのため、大学生は最初から十分な準備と努力をする必要があります。一応、試験で合格点が取れなかった学生に対して再試験をしてくれる先生や、追加課題やレポートを出してくれる先生もいます。本当にありがたい救済なので絶対に期限までに出すようにしましょう。ただ、このような救済は本当に少数派なので期待するのではなく、試験で合格点を取ることを目指すようにしましょう。
(「大学での勉強の制度:②評価基準・専門化・授業形式編」に続きます。)

Profile

所属:工学部化学生命工学科2年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立岡崎高等学校