名大生ボイス

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大学生活全般

2024.03.15

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大学での勉強の制度:②評価基準・専門化・授業形式編

この記事は「大学での勉強の制度:①単位・GPA編」の続きです。まだの方はぜひ①からお読みください。

 

大学での授業の仕組み

④ 評価の方法の変化
高校では成績の評価は授業態度と課題の提出、そして定期試験の点数によって定められていたと思います。そうはいっても、とりわけ評価されていたのは定期試験ではないでしょうか。少なくとも私の高校では定期試験で100点を取れば5の評価が取れる、みたいにかなり定期試験に比重の寄ったものだった気がします。しかし大学では、試験や論文などさまざまな形式で評価されます。高校までと比べて評価基準が厳しくなり、深い理解と分析能力が求められます。そして授業によっては出席自体にも点数があるものもあります。わかりやすくまとめると、❶出席点(授業点、平常点とも呼ばれる)❷課題点❸試験点の三つに分けられます。
❶出席点が出席するだけでもらえる点数です。ただ、出席点といいつつ出席だけでは点数をくれず、出席時にリアクションペーパーという感想用紙を書いたり、授業中に出題される小テストを解答することで点数がもらえたりするものもあります。三つの点数のなかでは一番取りやすい部類なので、確実に獲得するようにしましょう。
❷課題点は、課題を提出するともらえる点数です。次の授業までにやってくる課題や、期末試験の代わりに期末課題としてレポートが出されることもあります。課題を提出したら良いというわけではなく、内容、質が問われるのでしっかりと時間をかけて取り組むようにしましょう。
❸試験点はその名の通り試験によってもらえる点数です。授業によって、学期の最後の期末試験の一回しか行わないものと、中間・期末の二回に分けて行われるものがあります。試高得点を取るのが非常に難しいので、他の点数で稼ぎながら試験点も取りにいくのを目指しましょう。
この三つの点数を先生が独自に判断して合計が100点になるように決めるので、それに従って60点以上(単位認定は60点からです)を目指すことになります。先生によっては試験点が100点で試験一発で全てが決まったり、レポート100点で課題点だけで決まったりとさまざまなので、しっかり授業の点数に着目して評価基準を忘れないように取り組みましょう。

 

⑤ 学問の深化と自己専門化
また、内容の面でも大学は高校までと一線を画します。大学教育は一般的な知識やスキルだけでなく、専門的なそれの獲得を目指します。この過程で、学問の領域はより深く詳細に掘り下げられ、専門化されていきます。
一般教養科目では、大学での専門的な教育への準備をするための基礎的な知識を提供します。これによって、学生は大学のカリキュラムに順応し、専門的な学問に取り組む準備ができます。入学後しばらくは一般的な知識を扱う科目があるので安心しましょう。しっかりと大学のカリキュラムに沿って学習していけば、置いていかれることはないはずです。
一般教養科目を終え専門科目に入っていくと、私たち自身が専門的な分野についてのエキスパートになっていきます。将来的には勉学というよりもキャリアや研究活動に活かすことができます。受動的な学びから能動的な生産活動というところまで発展させるのです。自己専門化の過程は個々の学生によって異なりますが、社会や産業界での活躍にまでつなげて意味が出ると私は考えているので、受動する側から発信する側への転換まで達成するという気持ちを少しだけ脳の片隅に入れつつ、大学の授業に挑んでみてください。

 

⑥ 授業の構造とスタイル

20240315_k.jpg大学の授業は一般的に大規模であり、様々な形式が採用されています。その中でも主流なのは、講義形式やセミナー形式です。
講義形式では、先生が大規模な教室で学生に向かって講義を行う、一方向の情報伝達が主な形式となります。学科の全人数(例えば化学生命工学科の約100人)が一斉に同じ教室で同じ授業を受けることが多いです。これは、個別の注意やサポートが高校よりも少ないことを意味します。このような状況での授業になると、学生は自己学習や質問への積極的な参加が求められます。サボろうと思えばサボれてしまう空間なので、自身のやる気と向き合って、真摯に授業に受ける気持ちで座りましょう。
一方、セミナー形式では、より小規模なグループが先生と議論を交わして、対話的な学びが行われます。一般教養科目ではこのようなセミナー形式も結構あり、基礎セミナーという授業はこの形式だったはずです。これらの形式は、授業の内容や学科によって異なりますが、それぞれの特性を活かして学生の学びを促進しています。
さらに、オンライン授業やフリップ教育など、新しい技術や手法が導入されていることもあります。新型コロナウイルス感染症が流行した際に一気に広がった流れですが、この名残でオンラインで開催されるものや、対面とオンラインどちらも選べるハイブリッド型の授業もあります。これらのアプローチは、参加が対面よりも容易であるので学生の参加度や受講率を向上させ、黒板より見やすいパワーポイントやスライドで見ることができるので、学習の効果や効率を高めることが期待されています。オンライン授業では、学生は自宅内外から授業に参加できるので、柔軟性やアクセス性が向上します。東山キャンパスにはスターバックスカフェがありますが、ここでは複数の学生がオンライン授業に参加している様子が見受けられます。
フリップ教育では、授業前に動画や教材で自己学習し、授業時間をディスカッションや実践的な活動に充てることができます。高度な専門科目の授業では予習必須で、予習で解いてきたものを解説するといった演習型の授業も見られます。
さらにオンライン授業の派生にオンデマンド授業というものもあります。オンラインとオンデマンドの区別が一年生の最初に分からなくて困った記憶があるのですが、オンライン授業はZOOMなどのネットを介した配信ツールを使ってリアルタイムで配信するもので、オンデマンドは先生が動画をアップロードして、期限内ならいつでもどこでもその動画を再生できるというものです。ライブ形式か動画形式かという違いなのですが、この説明がなく、先生が「来週はオンデマンドでやります」と伝えてきて混乱したので覚えておくと便利です。
これらの新しい手法は、大学の授業の構造とスタイルに革新をもたらし、より効果的な学びの環境を提供することが期待されているものなので、是非とも有効活用して自らの学びに役に立てましょう。

 

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。授業形式や高校との差異について、どんな風に大学の授業が提供されているのかという根本の部分を理解してもらったので、次回は学習する際に気をつけるポイント7つをお伝えする予定です。楽しみにしていてください。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

Profile

所属:工学部化学生命工学科2年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立岡崎高等学校