名大生ボイス

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大学生活全般

2020.06.01

  • 大学生活全般

名古屋大学から留学

皆さんこんにちは。文学部人文学科言語学専攻2年の猿山綾乃です。今回は名大から留学に行く流れについて紹介します。一口に留学と言ってもたくさんの選択肢があるので、皆さんも留学に行きたい場合は、どのような留学にするのかを考えて選ばなくてはなりません。この記事ではどんな留学があるのかを紹介しながら、実際に名古屋大学から協定校への交換留学に応募した私の例を紹介します。

 

1.大学生と留学

大学生になると留学に行ってみたいと思う人は多いのではないでしょうか。しかし、一口に留学と言っても様々な目的、期間、方法があります。

 

① 目的

大きく分けて2つあります。

1つ目は語学力の向上を目指す語学留学です。語学留学は英語などの語学力向上のため、実際に海外での生活をする留学です。一般的に留学というとこの語学留学を想像する方が多いのではないでしょうか。

2つ目は専門分野の学びを深めたり、研究のために留学したりする専門留学です。日本ではできない、あるいは海外の進んだ研究を実際に行う研究色の強い留学です。

自分が留学に行って何をしたいのか、留学後どのように成長したいのか、を考えると留学の目的がはっきりしてくると思います。

 

② 期間

主に短期と長期に分かれます。

短期留学は夏休みや春休みを使って海外に1か月から2か月程度留学するものです。ご存じの方も多いかもしれませんが、大学生は夏休みが2か月、春休みも2か月あり、宿題もありません。そのため高校生のころと比べると長期休みを使った留学に行きやすいです。初めて留学に行く方はまず長期休みを使って短期で留学に行ってみて、そこでもっと学びたいと思ったら次に紹介する長期留学に挑戦してみる、というのもありだと思います。

長期留学は基本的に1学期以上の留学を指します。(※定義によっては留学先で学位を取るもののみ長期留学という場合があります。しかし名大に入学している以上、現地大学で学位取得はできませんので、ここでは名大に籍を置きながら1学期以上する留学を指します。)1学期間、または1学年間海外の大学で学ぶのが定番でしょうか。1年以上も留学したら、学年を落とさなくてはいけない(留年しなくてはいけない)、と思う方もいるかもしれませんが必ず学年を落とさなくてはいけないというわけではありません。留学する時期や期間をきちんと選べば、4年間で卒業が可能です。また留学先で受講した授業も名古屋大学の単位に変換することが可能です。しかし、大学院入試や就職活動、卒業論文のことを考えると学年を落とす人は少なくないです。名大の協定校に大学のプログラムを使って留学する場合は、名大での所属が「留学」になりますが、それ以外で留学する場合は「休学」になります。休学の場合、留年することはほぼ必須になりますので、よく考えてから留学する必要があります。

 

③ 方法

方法として、名古屋大学が主催しているプログラムに参加する、大学生協が提供しているプログラムに参加する、留学業者の提供するプログラムに参加する、自分で探す、などの方法が挙げられます。

名古屋大学が主催するプログラムに関しては、単位取得が可能であったり、手続きや相談を学内で済ますことができたりすることがメリットです。名古屋大学が主催するプログラムには全学教育科目の1つとして留学に行くものや、名古屋大学が協定を結んでいる大学に留学するもの、学部で提携をしている大学に交換留学に行くものなどがあります。名古屋大学から留学に行く場合、海外留学室に様々な情報があるので確認してみてください。(名古屋大学海外留学室のホームページはこちらhttp://ieec.iee.nagoya-u.ac.jp/ja/abroad/

また生協や業者が提供するものに関しても、自分で探すよりは手間が少ないです。生協のものに関しては、学内で申し込みや相談ができます。自分で探すものに関しては手数料がかからないので、費用が抑えられることがメリットです。自分でいるものやいらないものの精査(保険が選びやすかったり、航空会社を選んだり、留学期間や出発日程を自由に決めることなどが可能です。)ができるので自分に合ったプランで留学可能です。

 

2.留学の流れ

ここでは、私が応募した名古屋大学の全学交換留学プログラム(名古屋大学から協定校に1学期または1学年間留学する長期留学)について紹介します。私は2020年の秋派遣で1年間留学に行く予定だったので、その場合の準備の日程も書いておきます。

まず私の留学計画について説明します。私は当初2020年秋学期から2021年の春学期まで(2年生の秋から3年生の夏まで)の留学を考えていました。そのための流れを説明します。

全学交換留学プログラムで留学すると、名古屋大学での身分は「留学」、留学先の大学では"exchange / visiting student"になります。学費に関しては名古屋大学の学費のみを納めていれば留学先では払わなくてよいシステムです。

 

1 申し込みの準備(1年春学期~1年夏休み)

申し込み前の大まかな流れとして、

① 海外留学室が主催する海外入門セミナーに参加する必要があります。そこでは名古屋大学の海外留学支援室にはどのような留学プログラムがあるのかなどの説明を受けます。私は4月と6月に参加しました。またパスポートを持っていない人、有効期限が切れる人はこの段階でパスポートの申請が必要です。

② セミナーに参加した後は、自分で情報収集をする必要があります。各プログラムの特徴を理解し、自分に合ったものを選択する必要があります。具体的には応募条件や費用などを調べなくてはなりません。応募条件には、英語試験のスコアが必要だったり、名古屋大学でのGPA(Grade Point Average)が必要だったりします。大学によって異なるので、自分のスコアやGPA、行きたい大学の情報をきちんと調べておく必要があります。この段階で帰国報告書を読んだり、留学に行ってきた先輩からお話を聞いたりすると自分の留学を見つめなおすことができます。私は協定校について調べたのが4月から5月ごろでした。(英語試験に関しては高校時代に取得したスコアが自分の行きたい大学の出願基準を超えていて有効期限内だったので、英語試験に関しては追加で受験はしていません。しかし、満足のいくスコアではなかったので、受験し直すべきだったと後悔しています。)

 

コラム ~留学と英語試験~

長期の留学に応募する場合、英語試験のスコアが必要です。英語試験についてはこちら(https://cms.adm.nagoya-u.ac.jp/admissions/voice/campusLife/post-187.html)の記事で詳しく説明していますのでぜひ読んでみてください。留学に応募する場合、IELTSやTOEFLが必要になってきます。希望する大学によってスコアは変わりますが、TOEFLだと80前後、IELTSだと6.0くらいはどの大学でも求められます。大学によっては各セクションで最低点数を設けている場合もあります。また現地語の能力を求められることもあるので、言語面での準備はきちんとしていく必要があります。留学先で英語や現地の言葉で授業を受けて単位を取る必要があるので、応募したい方は頑張ってスコアを取れるようにしましょう。

 

③ 次に海外留学室での面談です。私は7回程度面談を重ね、その後出願しました。海外留学室での相談は漠然としたものでも、語学に関することでも大丈夫だそうです。私の場合は、どのタイミングで留学に行くのが良いのか、どの大学に留学に行くべきなのか、留学先でどんな研究がしたいのかについて5月から10月にかけて相談しました。

④ 次に学部や研究科の進級・卒業要件の確認をします。これをしないで留学すると、予定通りに卒業できなくなる可能性があるので、自分の取得単位と進級・卒業要件をきちんと確認しましょう。また指導教員の先生から承諾を得る必要があります。1年生の場合、指導教員の先生が決まっていないことも多いと思いますが、担任の先生や自分が行きたい専攻・研究室・ゼミの先生に相談するとよいと思います。

 

2 申し込み(10月初旬~11月初旬)

申し込みは基本的にオンラインで行われます。名前やパスポート番号などの基本的な情報はもちろん、留学に行きたい大学、名古屋大学でのGPAと成績評価係数、英語試験のスコアなどを書きます。

また皆さんが一番悩むであろう交換留学を志望する動機、交換留学先で学びたいことや派遣先大学で履修したい授業科目や研究計画、留学経験を帰国後どのように生かしていくかなどもこのオンラインのフォーマットに書きます。志望動機や履修科目、帰国後の計画に関しては、留学から帰国した先輩方に話を聞いたり、アドバイスをもらったりして改良を重ねました。私の場合、学部2年生の夏に出発する留学計画をしていたので、留学前に名古屋大学で専門を深く学べないことが分かっていました。そのため、留学先でも履修できる科目が限られていました。自分が履修できる科目、履修したい科目を見極めるのが大切です。希望を出すだけ出してみて、どうなるか流れに任せるという方法もありますが、最低限取らなくてはいけない単位数も決められているので、履修したい科目と履修してもよい科目、履修できる科目を見極めなくてはなりません。

① 面接(11月中旬)

この書類審査を通過した場合、今度は面接試験を受験する必要があります。私の場合、書類審査の合格発表が11月初旬、面接が11月中旬でした。書類審査通過後、1週間程度で面接試験があるので、出願、あるいは出願の前のタイミングから準備をしておく必要があります。ここでは面接官の先生3人と留学を希望する学生1人で15分程度の面接をします。なぜ留学に行きたいのか、英語力は足りているのかなど基本的なことが聞かれます。(質問は1人1人違うそうなので今あげたものはあくまで一例です。)面接なので緊張しましたが、事前に留学から帰ってきた先輩と面接練習をしたので落ち着いて受験できました。

② オリエンテーション(12月初旬~7月)

晴れて名古屋大学から交換留学生として派遣されることが決まったら、オリエンテーションに参加します。オリエンテーションは計4回あります。これは全学交換留学プログラムに参加する場合必須です。第1回目では今後の流れについて、第2回では出願書類、第3回では保険や航空券について、第4回では危機管理についての説明を受けます。このオリエンテーションでは同じ時期に留学に行く学生ほぼ全員が集まるので知り合いが増えます。またオリエンテーション後には留学から帰ってきた先輩とのご飯会が計画されていることも多いので、留学について不安を解消できる機会です。

③ 出願(3月中旬~4月中旬)

また出願?と思う人がいるかもしれません。しかし、実は名古屋大学から留学を申し込めばそれで留学に行けるわけではないのです。留学先の大学にも出願をする必要があります。国や大学によって提出しなくてはいけない書類は異なりますが、私の出願した大学の場合、大学のサイトにて(名大でいうところの名大ポータル)のアカウントを作成し、そこからサイトの指示に従って出願書類を作成しました。名前や所属大学などの基本情報、なぜこの大学で学びたいかのエッセイ、どんな授業を取りたいのか、英語試験のスコア、寮生活をする場合の寮の選択などをしました。間違えたら困るので、期限よりも2週間前くらいに海外留学室の教授に確認してもらい、出願しました。

④ VISAなど(5月ごろ)

出願が受理されたら、今度はVISAの申請が始まります。大使館に行って申請しなくてはいけない場合もあるので、きちんと確認してVISAの申請をしましょう。また航空券や保険などの手配もこのタイミングで行いましょう。

⑤ 番外編

留学に行く前に英語で行われる授業の体験ということでG30(グローバル30国際プログラム)生向けの講義、NUPACE(交換留学受入プログラム)生向けの講義、Studium Generale、その他英語で開講されている講義のいずれかを受講する必要があります。英語で授業を受けることの難しさを実感し、英語力を高めていく必要があるからです。私は、文学部のG30生向けの講義を受講しました。私の受けたG30生向け講義についてはhttps://cms.adm.nagoya-u.ac.jp/admissions/voice/campusLife/post-177.htmlで詳しく説明しているので興味のある方は読んでみてください。

 

以上が名古屋大学から全学交換留学プログラムに参加する場合の大きな流れです。春派遣の場合、また出願等の日程が変わってきますので注意してください。私の応募した秋派遣は11月が名古屋大学内の出願締め切りでしたが、春派遣の出願締め切りは6月です。派遣先の大学によっては1年生でも応募可能です。全学の交換留学は期間も長い分、準備にも1年以上かかります。英語試験の受験から含めるともっと長い期間で準備をしなくてはいけません。しかし、留学に行くと日本ではできないような貴重な体験ができると思います。もちろんこれは少しハードルが高いな、と思ってしまった方はまず、(全学交換留学プログラムなどの1年間留学に行くプログラムよりは)簡単に応募でき、準備や費用、留学期間も抑えることができる短期留学のプログラムに応募してみてください。大学が提供しているもの、生協の留学などと言ったたくさんの方法があるので自分に合った留学に挑戦してみてください。名大で留学に行きたい方はぜひ一度海外留学室で相談してみてください。きっとあなたに合った留学が見つけられますよ。

 

P.S.

こんな風に留学の流れを説明している私ですが、実は先日留学が中止になってしまいました。というのもコロナウイルスの関係で2020年度秋学期の出発を見送ることになったためです。もちろん今年行けなくなってしまったことは残念ですが、留学準備の期間が長くなったので、万全の準備をしてから留学に行こうと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Profile

所属:文学部2年生

出身地:栃木県

出身校:栃木県立佐野高等学校