名大生ボイス

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大学生活全般

2022.06.08

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就活生の皆さんへ~グループディスカッション②~

こんにちは。名古屋大学経済学部4年生の伊藤舞です。就活生の皆さんへ、就活と呼べる何か、もう始めていますか。就活生と言われる学年になっても、何をすれば良いのか分からない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、就活についての記事を書いてみようと思います。

 

はじめに

皆さん、「グループディスカッション①」の記事はもう読んでいただけましたでしょうか。①は、グループディスカッションまでの準備などの、事前にやるべきことについて書きました。準備を万全な状態にした上で、今回の②では、実際のグループディスカッション選考中の立ち回りなどのコツについて書きたいと思います。グループディスカッションの中でどのように行動するのが良いのかについて、正解はありませんが、チームメンバーの他の就活生にとっても、評価する企業の人事の方にとっても、好印象な立ち回り方がある程度あります。ぜひ参考までに見ていただけると嬉しいです。

 

グループディスカッションのコツ

さっそく、グループディスカッション選考のコツについてお話します。ここでは大きく4つのコツをご紹介したいと思います。

【1】 自分の能力を最大化できる役割を死守する
【2】 議論に必要なアウトラインを順番通りに網羅する
【3】 他の人の意見に対する反応を大きくする
【4】 論点がずれたときに正しい方向に修正する
上記を1つずつ順番に詳しく説明していきたいと思います。

 

【1】自分の能力を最大化できる役割を死守する

一つ目のコツは、グループメンバーの中で役割分担をする際に、自分がそのチームの中で一番輝ける立ち回りをすることです。具体的には、自分よりもリーダーに向いている就活生がいれば、ファシリテーターはその方に任せて、書記に回る、議事録をとるのがうまい人がいれば、自分はタイムキーパーに徹する、などです。他の人の適性も同時に見極めた上で、自分がどの役割につくのが、自分にとってもチームにとっても良いのかを考えるようにしましょう。これは、数々のグループディスカッションの経験を経て、自分がどういうときにどの役割に徹するのが良いか分かるようになります。私は特に、書記とタイムキーパーをやることが多かったので、それぞれの役割になった際にやると良いことを、個人的な意見にはなりますがお伝えしようと思います。

 

①書記のコツ
最初に書記のコツについてお伝えします。タイピングが早くても遅くても正直関係ありません。
書記に必要な能力は、結論のアウトプットに必要な過程のどのフローに自分たちがいるのかを誰よりも理解し、ゴールに向かう道筋からチームメンバーがずれそうになっているときにきちんと修正できるか、だと思います。
また、書記の最大のメリットは、こうした議論の流れを1から100まできちんと理解出来ることです。現在話し合っている内容を言語化して他の人が見やすいようにまとめるということは、その内容をきちんと自身が理解している必要がありますよね。言語化できないタイミングが来たらそれは、チームの中でも意見が抽象的になってしまっているか、チームメンバー全員の共通認識が取れていないときです。そのタイミングで、ここって結局どういう結論になったんだっけ?と質問することで、メンバー全員の目線を合わせることができます。こうすることで、より議論に参加することが出来、存在意義の大きいチームメンバーの一員になることができます。

 

では、実際に上記メリットを最大化させ、書記に必要な能力を発揮できるようにするために必要な行動フローをご説明します。それは、Googleドキュメントを使用した議事録をとることです。あくまで私の実践していたやり方ですので、議事録のとり方に正解はありませんが、共同編集できるツールとしてはかなり便利です。

 

1. 新規のドキュメントを作成する

Googleドキュメントと検索すればすぐにログインできます。ドキュメントに限らず、企業によってはスプレッドシートなどを用いた方がアウトプットがスムーズな場合もあるので、Googleアカウントはすぐに使えるものを1つ作っておくと便利だと思います。

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2.ドキュメントの題名を編集する

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3.箇条書きできるように「・」をつける

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4.議論に必要なアウトラインを箇条書きに書き出す

★「Tabキー」を押すと、段落をひとつ下げて書くことができます。

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5.他のチームメンバーがドキュメントを編集できるように共有する

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6.共有ボタンを押した後、「リンクを知っている全員に変更」を押す

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7.「閲覧者」を「編集者」に変更する

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8.「リンクをコピー」を押してリンクをコピーした後、zoomなどのチャットでリンクを共有する

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以上のように、ドキュメントを共有してチームメンバーで共同編集できるようになれば、各々の意見をかなり効率的に発散できますし、議事録が追いつかない場合は誰かにタイピングを手伝ってもらうこともできます。グループディスカッションで必要なのは、個々の能力のアピールではなく、チーム全体でどのくらい個々の能力を最大化できるか、だと思います。一人一人の意見や考えを漏れなく文字おこしするために、Googleドキュメントを利用して議事録をとってみてください。上記の作業をサラッとできるようになれば、この人能力値高いな!と他の就活生からも人事の人からも一目置かれるかもしれません。知っていれば当たり前の作業のように思いますが、この時期からこれが当たり前にできる人はなかなかいないと思います。実際に自分のパソコンでGoogleドキュメントを触ってみて、慣れておきましょう。

 

②タイムキーパーのコツ
次に、タイムキーパーのコツについてお伝えします。タイムキーパーは、ただ時間を計れば良いのではありません。
タイムキーパーに必要な能力は、結論のアウトプットに必要なアウトライン一つ一つにどのくらい時間がかかるのかをある程度予測し、議論の進行状況から残りの時間をどこにどれだけ配分するのが適切かを判断することです。
また、タイムキーパーの最大のメリットは、ファシリテーターのようにあからさまに前に出ることなく、さりげなくチームメンバーの指揮をとれることだと私は思います。進行を中心で行うと、それだけで求められる能力値が高く、それが期待より低いとマイナス評価になりかねませんが、タイムキーパーとして、「残り時間〇〇分ですが、あとこれとこれを議論しなければならないので、そろそろ次に進みますか?」などと時間を理由に進行できます。
基本的にはスマホのアラーム機能で時間を計るだけでいいので、誰にでもできますし、時間ギリギリになるまでは、基本的に議論に参加して意見を言うこともできるので、かなりお得な役回りだと考えています。笑

 

【2】議論に必要なアウトラインを順番通りに網羅する

20220608_伊藤0.jpg二つ目のコツは、議論に必要なアウトラインを理解して、順番に踏むことです。グループディスカッションの議論に必要なアウトラインは主に以下のようになっていると考えています。

 

1.前提確認/定義確認
2.課題設定/課題特定
3.ボトルネック特定
4.課題解決に有効な施策
5.施策を広める方法
6.(必要であれば)マネタイズなど

 

1.の前提確認/定義確認については、どんな議題でも必要なフローです。始めにメンバー間で目線あわせをしておかないと、議論の途中で解釈に齟齬が生じます。「業績を改善するための施策を考えてください」というテーマの場合、「業績を改善する」が指すものが、売り上げを〇〇%上げることなのか、顧客の絶対数を〇〇人増加させることなのか、利益率を〇%から〇%にすることなのか、正解はないですがチーム内で共通認識をとるべきことはきちんと決めておきましょう。

 

2.の課題設定/課題特定については、グループディスカッションの第一ステップとも言えるアウトラインです。課題や問題がなければそれに対する施策も打てません。議題の中に課題が明示されている場合でも、誰のどんな課題なのか、クライアントの真のニーズは何か、ある程度細かく特定する必要があります。これは、正解はないですが、見当違いな課題設定をしてしまうと、クライアントのニーズをくみ取れていないと判断されてしまう可能性があるので、慎重に行いましょう。ここで設定した課題が、これから先の議論の道筋を決めるといっても過言ではありません。これをベースに施策を考案するので、きちんと時間を取って考えましょう。

 

3.のボトルネック特定というのは、2.で設定した課題が起こっている要因を特定するということです。何が原因でこのような問題が起こっているのか、というのを考えるフェーズです。これは、もちろん正解はなく、どこに着目してどこにアプローチした施策を打つかはグループによるのですが、施策を打ったときにより有効になるようにボトルネック特定をすると良いです。また、課題の要因というのは、いくつかの要素が絡み合っていたり、1つに絞ることが難しかったりします。時間があるのならば、顧客側の視点で見た要因や、企業側からみた要因など、要素ごとに分けて考えてみても整理しやすいかもしれません。

 

4.の施策考案は、皆さんがグループディスカッションで一番想像しやすいフェーズだと思います。与えられたテーマにあった、答えとなるものを作っていく部分なので、アイデアベースでブレストのように意見を発散します。私は、割と数打ちゃあたる戦法が好きだったので、思いついたアイデアはどんな些細なものでも書き出して、チームメンバーの意見を改良したり融合したり応用させていました。

 

5.の施策を広める方法については、マストな項目ではありませんが、業界によってはその施策をどのように活用するのか、PRの方法まで言語化することが求められることもあります。その施策が誰のどんな課題にアプローチしたものなのかによって、広め方が異なったりするので、店舗での宣伝方法や広告の出稿時に工夫することなどを少し述べると、現実味が増して、説得力のある提案ができると思います。

 

6.のマネタイズについては、グループディスカッションの開始前の説明で言及されなかった場合は、質疑応答の際に質問してみると良いかもしれません。新規事業提案のテーマの際は特に、誰かの課題を解決する有効な施策だったとしても、クライアントにとっても自社にとっても利益にならなければ意味がありません。どこでお金が発生する仕組みになっているかのマネタイズについても決めて、提案することができたら具体的で説得力が増します。ただ、厳密なマネタイズは企業の人の方が詳しかったりするので、お金の規模感や細かい数値をあえて言わずに、どこでお金が発生していつ利益になるのかくらいを軽く話す、感覚で良いと思います。

 

このように、グループディスカッションには踏むべきアウトラインがあるので、ある程度はこうした基準に則って進めていくのが良いです。もちろん正解はないですが、グループディスカッション対策イベントに参加していく中で、議論に何が必要なのかが分かってきます。はじめは、メンバーの動き方やファシリテーターの進め方に左右されることが多いとは思いますが、このフローを念頭に置いておけば、見当違いな議論を繰り広げてしまうことは回避できると思います。

 

【3】他の人の意見に対する反応を大きくする

20220608_伊藤9.jpg三つ目のコツは、オーバーリアクションであることです。私は、コロナ禍での就活だったので、zoomでのグループディスカッションでした。画面上からだけでは伝わりにくい自分の雰囲気や伝えたい意見のニュアンスなどを伝えるために、かなり反応を大きくとっていました。自分の意見を伝えるときは、他の参加者の人の顔を交互に見たり、パソコンの画面だけではなくきちんとカメラに目線を合わせてみたり、動きをつけていました。また、話すトーンも単調にならないように、大きな声でハキハキと抑揚をつけて話すようにしていました。私は普段からデフォルトで声が大きい方なのですが、家で一人でzoomをしている時も、普段友達と楽しく話すくらいのテンション感をこころがけました。また、他の人が話しているときは、うなずいて相手の話を聞いていることを画面上で伝えたり、「確かに!」や「なるほど!」と相づちを入れていました。zoom上でグループディスカッションしてみると分かると思いますが、自分の意見に対して無反応だとかなり不安になります。その分、自分の意見に対して少しでも賛同してくれるととても嬉しいです。同じように自分がそれをグループディスカッションのチームメンバーにしてあげると、議論後のフィードバックの際にかなり感謝されます。笑 グループディスカッションでは、個々の意見や議論の活発さ、チーム全体のアウトプットの質に加えて、メンバー間でのコミュニケーションや仲の良さも見られていると個人的には思います。テンションを高くして、メンバーと友達になるメンタルで挑むと良いです。

 

【4】論点がずれたときに正しい方向に修正する

四つ目のコツは、議論の方向性を修正することです。これは少し上級のテクニックにはなりますが、議論の方向性がいい方向に変わったときの分岐点に自分がいることが、かなり加点になると感じます。大事な局面で自分が中心にいることが、そのグループディスカッションのチームに必要不可欠な存在であることをアピールできます。すこしやらしい話にはなりますが、グループディスカッションで個人の能力をアピールするには、これが一番さりげなくできる有効な手段だと思います。ファシリテーターでリーダーシップを発揮するのが効果的だと考える人もいますが、個人的にはファシリテーターになってしまった時点でハードルが上がり、同じ能力を発揮しても実力以上に高い評価はされにくいです。一度立ち止まってみんなの足取りを揃えてみましょう。
目線あわせの具体的な方法としては、「すみません、今って〇〇について話していますか。これは議論のアウトラインのどのフェーズにいるのか混乱してしまったので、今までの話し合いをまとめてくれる人いませんか...?」と質問することです。自ら議論をまとめようとすると、”頑張っている感”がでてしまいますが、「まとめる」という作業は他の得意な人に任せて、自分は「まとめる必要性」をチームメンバーに示唆できる、ということをやんわり伝えると、謙虚さも出しつつ、優秀さもアピールできます。
また、この方法は、ただのアピールではなく、本当に議論について行けなくなったときや、論点を聞き逃してしまった場合にも使えます。周りが優秀な人ばかりの時は特に、議論の進むスピードが高く、ついていくのも難しいことがあります。少しでも分からなくなった時点で分からないと伝えないと、どんどん先に進んでしまって、地蔵になってしまうこともあります。そうならないためにも、すぐに手を上げて、何が分からなくなってしまったのかを伝えるようにしましょう。
私自身、この四つ目のコツをよく意識してグループディスカッションしていたのですが、これはかなり有効なコツの一つだと思います。理由としては、一旦みんなの目線合わせに貢献することで、他のメンバーからも感謝されるからです。自分が疑問に思ったりもやもやしたりする瞬間というのは、他のメンバーの子もちょうど分からなくなっていたり、引っかかっていたりします。自分だけが分からない、自分が質問することで議論を止めてしまうではないか、という不安は一旦置いておいて、素直に自分が分からないということを伝えてみましょう。そうすることで、周りにプラスの影響を与えられることもあるのです。ディスカッション後のフィードバックでかなり感謝された経験があるので、ぜひ実践してみてください。

 

まとめ

以上が、グループディスカッションのコツです。私自身、かなりグループディスカッション対策イベントや実際の選考に参加しました。ここで記載した内容は、私が個人的に、様々な失敗や試行錯誤を重ねて、徐々に編み出したコツです。ただ、これは万人受けするやり方でもなければ、誰もが真似をしてプラスに働くものではありません。人には個性というものがあり、強みがあり、それを初めて会う人事の方や他の就活生に、最大限知ってもらうために工夫する必要があります。明るさが売りで、楽しく議論したい、場を盛り上げることでみんなが意見を言いやすい雰囲気を作りたい、という人は、上記のコツが合っていると思います。ただ、普段からおとなしく、冷静な突っ込みやクリティカルシンキングを得意とする人は、また違ったアプローチの仕方があると思います。アピールの方法は様々ですし、自分をよりよく見せようというよりは、自分の良さをしっかり伝えることを意識してみるとよいです。

Profile

所属:経済学部経営学科4年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立半田高等学校