経済的な視野からのグループフィールドワーク
今回のプログラムでは、シンガポールと日本を比較し、経済的な視点から新たな発見をするグループフィールドワークを行いました。このグループフィールドワークは、事前研究、現地調査、研究発表という構成になっており、私のグループはテーマを「現地の物価調査」に決めました。このグループフィールドワークを通して、私が面白いと思ったことをいくつかご紹介します。
① 現地調査1:シンガポールのアイスクリームは高級品!?
スーパーマーケットに行った私たちは、アイスクリームが日本の約5倍の値段で売られていることに気がつきました。もしシンガポールに行く機会があったら、是非注目してみてください。
② 現地調査2:シンガポールは日本よりもテイクアウトが盛ん!?
みなさんは、日本でスーパーマーケットに行くとまず何が目に入ってきますか?果物または野菜ではないでしょうか? ところが、シンガポールでは青果ではなくまずテイクアウト商品が目に入ってきました。ここから、私たちはシンガポールでは日本よりもテイクアウト商品が多く販売されていると考えました。シンガポールでは日本食も食べられていて、テイクアウト商品の中にはおにぎりやお寿司、天ぷらなどもありました。
③ 現地調査3:シンガポールの家には台所がない!?
現地の学生と話していた時、テイクアウト商品で毎日の食事を済ませているので、電子レンジとケトルしか調理器具が家にはなく、キッチンがないと言っている方がいました。また、シンガポールでは、日本で言うフードコートのようなホーカーという場所で食事をするのが、文化の一つになっていることを知りました。
このことから私たちのグループでは、シンガポールの家にはキッチンがないのではという仮説を立て、インタビューを行いました。結果は、ほとんどの方がキッチンを持っていましたが、自分たちが驚いたことを調査するのはとても楽しかったし、インタビューで現地の方々と直接お話しできたことがとても良い経験になりました。緊張することも多いですが、現地の方と英語でコミュニケーションをとるのはとても楽しかったので、この姿勢を大切にし続けたいです。
④ 研究発表
グループフィールドワークの成果を、現地の経済学部同窓会の方々の前で発表しました。この研究をする中で、興味をもった内容を詳しく調査するために疑問点や発見をグループで共有し、また新たに仮説を立てて研究を進めるという経験をしました。意見を共有して、その中で一番軸になっているものを探すことが大変楽しかったです。また、グループで研究しているので、物価だけではなく売り場面積の調査もすることができました。大学での学びはもちろん、社会人になったときにも周囲と協力することがこれから必要になると思います。今回のフィールドワークで、自分の意見をわかりやすい言葉にしてから伝えることの大切さを感じたので、実践していきたいと思います。
また、豊富な海外経験がある引率の経済学部の先生から、移動時にいろんなことを教えていただけたことも印象的でした。また先生は、毎回発表の時に進捗状況に合わせて丁寧に優しくアドバイスをくださいました。経済学の専門家である先生から研究過程でアドバイスをいただけたことで、色々なことを質問でき、深い学びができたと思います。そして、経済学ではフィールドワークをする中で正解を探すのではなく、新しい発見をすることで深みが増すという学びの面白さを教えていただき、高校生の頃に憧れていた「正解のない大学学問」に触れられたことがとても楽しかったです。試行錯誤しながら先生や先輩と話し合って、新たな課題に挑戦し続けられたことも、貴重な経験になりました。
シンガポールでの楽しい時間
上記の経済学部独自のプログラムに加え、シンガポールの観光地を訪れる機会もありました。海外派遣プログラムに参加する楽しみとして、現地を味わうこともあるということもお伝えしたいので、私がどのような時間を過ごしていたのか少し紹介します。
私にはもともと、シンガポールは日本よりも近代的だというイメージがありました。そのイメージ通り日本よりもオンライン化が進んでいて、キャッシュレス決済ができるお店ばかりでした。そして、エスカレーターは日本よりも長く、速いスピードで動いていて驚きました。また、チャンギ空港内にはライトアップされた人口の滝があり、ザ・ワンダーフォールやレイン・ボルテックスなどがあり、テクノロジーと自然の融合も感じられました。本当にきれいでした。
日本との時差は1時間だったので、体調を崩すようなことはなかったです。日本よりも赤道に近いのでとても暑いのかなと思っていましたが、湿度が低めでしたので快適でした。しかし、天気が急に変わってスコールになり、傘を差しているにもかかわらずぬれてしまう、なんてこともありました。このようなハプニングもシンガポールの風土が感じられて、私にとってどれもとても楽しかった素敵な思い出です。
日中はグループフィールドワークや経済学部プログラムの勉強があるので、朝や夕方の自由時間に先生や先輩とシンガポール観光をしました。朝はマーライオン像やマリーナベイサンズまで散歩をしました。6時30分頃だったため、水が出ていない珍しいマーライオン像を見ることができました。昼間よりも涼しく、人通りも少なかったので散歩に最適でした。その後は、シンガポール国立博物館に行き、歴史や経済発展を続けるシンガポールを体感しました。移動する途中にはダンスの練習をしている学生や、音楽を演奏している人が多くいて、洋楽を楽しむことができました。
夕食にはホーカーやリトルインディアン、アラブストリートへ出かけ、きれいなライトアップを見ながら、カヤトーストやチキンライス、ナンでカレーを食べるなど、シンガポールの多民族文化を体験しました。シンガポールでは日本食も人気で、私も天丼を注文し、予想よりもとても大きな天丼を食べたこともありました。なかなか注文が伝わらない時に、現地の方々が優しく助けてくださったことも多くありました。私も日本を訪れて困っている海外の方を見かけたら、声をかけられる勇気を持ちたいと強く思いました。
最終日にはガーデンズバイザベイに行き、空中散歩をしてシンガポールの素敵な景色を見ました。楽しかった思い出が詰まった景色を空中から見ることができて、本当に感動しました。
このようにシンガポールの歴史や文化、風土を感じることで、私はこれまで知らなかった世界を体験しました。国際交流を糧に、今後、予想外の状況におかれても対応ができるような、広い視野を持てるようになりたいと思いました。今後も機会があれば、海外研修プログラムに参加して、もっと視野を広げていきたいと思っています。
最後に
このシンガポール派遣プログラムは経済学部全体から募集されているので、同学年だけではなく様々な学年の先輩方と参加することができます。色々な経験をしてきた先輩とお話をすることで、自分がこれまで知らなかった選択肢を知ることができました。普段話している日本語ではなく英語を使って先輩と協力して生活し、失敗したり助けてもらったりしながら成長できたことは、貴重な経験となりました。このプログラムで私に関わってくださったすべての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。
Profile
所属:経済学部1年生
出身地:愛知県
出身校:南山高等学校女子部