名大生ボイス

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大学生活全般

2026.09.27

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サークル創設のすすめ③ 作ることと、続けることは違う

前回の記事では、『サークルを作って得られたもの』についてお話ししました。自分たちの「やってみたい」を活動として形にできること、共通の「好き」をきっかけに人とのつながりが広がることは、サークルを作る大きな魅力です。

 

その一方で、実際に活動を続ける中では、創設前には想像していなかった難しさにも直面しました。サークルは、メンバーを集めて最初の活動を行えば完成するものではありません。

活動内容を考え、参加者に情報を伝え、さまざまな意見と向き合いながら、継続して運営していく必要があります。

 

「自分たちで自由に決められる」ということは、見方を変えれば、「自分たちで決めなければならない」ということでもあります。

 

今回は、サークルを創設し、活動を続ける中で感じた難しさについてお話しします。

 

 

難しさ① 自由だからこそ、決める責任がある

サークルを創設する魅力の一つは、自分たちで活動内容を考えられることです。しかし、その自由には難しさもありました。決まった活動の形がないということは、必要なことを自分たちで決めなければならないということでもあります。

 

いつ、どこで活動するのか。どのような企画を行うのか。参加者にどう情報を伝えるのか。意見が分かれたときには、どのように方向性を決めるのか。サークルを運営するためには、楽しい企画を考えるだけでなく、多くの判断が必要になります。

 

自分がよいと思う活動でも、すべての参加者が同じように感じるとは限りません。また、何か問題が起きた場合には、運営する側が対応しなければならないこともあります。創設前は、「自分で作れば、やりたいことを自由にできる」と考えていた部分もありました。

 

しかし実際には、参加する人の声を聞き、さまざまな立場を考えたうえで判断する必要がありました。

 

自由とは、何でも好きに決められることではありません。自分たちで選択できるからこそ、その判断に責任を持つことでもあると気付きました。                           

                                                               サークル1.jpgのサムネイル画像

難しさ② 人が増えると、新しい難しさが生まれる

創設したばかりの頃は、人が集まってくれるだけでうれしく感じていました。しかし、参加者が増えると、それまでとは異なる難しさも生まれました。

 

同じサークルに参加していても、求めているものは人によって違います。積極的に企画へ参加したい人もいれば、ときどき交流できればよいという人もいます。多くの人と話したい人もいれば、少人数の方が参加しやすいと感じる人もいます。すべての人が、同じ活動を同じように楽しめるわけではありません。

 

また、活動を続けるほど、以前から参加している人同士の交流は深まります。それ自体はうれしいことですが、既にできている人間関係の中に、初めて参加する人が入ることには難しさがあります。

 

人数が増えることは、サークルが成長しているように感じられる出来事です。しかし、人数が増えれば、それだけでよいサークルになったと言えるのでしょうか。

 

活動を通して気付いたのは、サークルを作ることと、参加し続けたいと思える場所を作ることは同じではないということです。

 

所属する人数だけでなく、初めて来た人が参加しやすいか、それぞれが自分なりの関わり方を選べるかを考える必要がありました。全員の希望を実現することはできなくても、参加する人が何を求めているのかを知ろうとする姿勢は大切だと思います。

 

人が集まる前にも不安はありましたが、人が集まった後には、また別の難しさがあったのです。

                                                           サークル2.jpgのサムネイル画像

デメリット③ 活動の裏側には多くの作業がある

サークル活動というと、交流会やイベントなど、実際にメンバーが集まっている場面を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、その裏側には多くの準備があります。

 

活動の日程を調整し、場所を確保し、内容を考え、参加者に告知する必要があります。質問があれば対応し、活動が終われば次回に向けた改善点も考えます。参加者から見える活動時間より、準備に長い時間を使います。ひとつひとつは小さな作業でも、複数の企画や連絡が重なると、運営に使う時間は増えていきます。

 

もちろん、好きで始めた活動なので、準備にも楽しさはあります。一方で、授業や研究、私生活と並行して続けるためには、時間の使い方を考えなければなりません。

 

好きなことだからこそ、多少大変でも引き受けたり、必要以上に時間を使ったりすることもありました。しかし、運営する人が無理を続けてしまえば、サークルの継続も難しくなります。

 

「何をしてみたいか」と同じくらい、「どこまでなら無理なく続けられるか」を考えることも大切だと思います。

                                                          サークル3.png

デメリット④ 一人ですべてを担うことはできない

創設したばかりの頃は、「自分が作ったサークルなのだから、自分が責任を持たなければならない」と考えていました。活動内容を考えることも、参加者への連絡も、できる限り自分で担当しようとしていました。ほかの人に頼むより、自分で対応した方が早く、安心できると感じることもありました。

 

しかし、活動が増え、関わる人が多くなるにつれて、一人ですべてを担当することは難しくなりました。一人で多くの仕事を抱えると、活動を続けること自体が負担になってしまいます。また、一人で決めて動かすだけでは、参加する人たちが本当にやりたい活動にはならないかもしれません。周囲に相談し、意見を聞き、ときには得意な人に任せることも必要でした。

 

ほかの人を頼ることには、最初はためらいもありました。しかし、役割を分けることは、単に自分の負担を減らすためだけではありません。さまざまな人が運営に関わることで、自分一人では思いつかなかったアイデアが生まれ、活動の幅も広がりました。

 

サークルは、一人が作り始めることはできても、一人だけで育て続けることはできません。活動を続ける中で、「自分が作ったサークル」という意識は、少しずつ「参加する人たちと一緒に作るサークル」という意識に変わっていきました。

 

 

メリットとデメリットは表裏一体

振り返ると、サークル創設のメリットとデメリットは、別々に存在していたわけではありませんでした。自由に活動を考えられるからこそ、自分たちで判断する責任があります。多くの人と出会えるからこそ、考え方や求めるものの違いにも向き合う必要があります。自分のアイデアを形にできるからこそ、準備や調整にも時間がかかります。

 

自由と責任、つながりと調整、達成感と準備は、同じ経験の表と裏にあるものでした。

 

大変だったからといって、それがそのまま悪い経験になるわけではありません。むしろ、思い通りに進まない場面があったからこそ、周囲の意見を聞きながら活動の形を変えていくことの大切さを学びました。

 

 

おわりに 作った場所を、みんなで育てていく

サークルを創設してから、すべてが思い通りに進んだわけではありません。自由に活動できる楽しさがある一方で、判断する責任や、活動を続けるための負担もありました。人が増えることをうれしく感じる一方で、それぞれが参加しやすい環境を作る難しさもありました。

 

それでも、自分がほしいと思っていた場所が、ほかの誰かにとっても新しい出会いや楽しさにつながったことは、サークルを作ってよかったと感じる大きな理由です。

 

サークル創設は、団体を立ち上げた瞬間に終わるものではありません。そこからどのように活動を続け、関わる人たちと場所を作っていくかが重要なのだと思います。

 

大学では、自分がほしいと思った環境を作ることができます。ただし、その環境は創設者一人が完成させるものではありません。参加する人の声を聞きながら、みんなで少しずつ作り続けていくものなのだと思います。

 

次回は、サークルを運営する中で感じた人間関係の難しさや、さまざまな人をつなぐために大切だと気付いたことについてお話ししたいと思います。

 

                                                                                    ▷前編はこちらから

Profile

所属:情報学研究科 心理認知科学専攻 修士1年

出身地:岐阜県

出身校:岐阜県立関高等学校