2026.08.24
- サークル活動
サークル創設のすすめ① 「入る」のではなく「作る」という選択
みなさんは大学に入ったら、どんなサークルに入りたいと考えていますか。
スポーツ、音楽、ゲーム、ボランティアなど、大学には本当にさまざまなサークルがあります。高校までと比べると選択肢は格段に多くなり、新しい友人との出会いや、自分の興味を広げるきっかけにもなります。
その一方で、「自分の入りたいサークルが見つからない」「こんな団体があったら面白そうなのに」と思うこともあるかもしれません。私自身、大学に入学したばかりの頃にそんな経験をしました。そして、その時に初めて知ったことがあります。
それは、「大学ではサークルは入るだけでなく、自分で作ることもできる」ということです。
私は、名古屋大学でボーカロイドサークルを創設した経験があります。しかし、最初からサークルを作ろうと思っていたわけではありません。
今回は、私がサークルを創設することになった経緯と、その過程で感じたことについてお話ししたいと思います。
好きなことを共有できる場所がほしかった
私は中学生の頃からボーカロイド文化が好きでした。
ボーカロイドというと楽曲を思い浮かべる人も多いと思いますが、その魅力は音楽だけではありません。イラストや動画、イベント、創作活動など、多くの人がそれぞれの形で関わりながら文化を作り上げているところに大きな魅力を感じていました。
高校時代もボーカロイドの曲をよく聴いていましたが、周囲に同じ趣味を持つ人はそれほど多くありませんでした。
もちろんインターネット上では多くの人と交流できます。しかし、「好きな曲について語りたい」「おすすめの作品を紹介し合いたい」「同じ趣味を持つ仲間と何か企画をしてみたい」と思うこともありました。そのため大学に入ったら、同じ趣味を持つ人が集まるコミュニティに参加してみたいと考えていました。
大学には、全国各地から学生が集まります。学生数も多く、多様な価値観を持った人がいます。だからきっと、同じ趣味を持つ人とも出会えるだろうと思っていました。
名古屋大学で感じた自由さ
実際に名古屋大学へ入学して最初に驚いたのは、学生の活動の自由度の高さでした。
地獄の細道では数え切れないほどの団体が活動を紹介しており、そのジャンルも本当に幅広いものでした。スポーツや音楽のような定番のサークルはもちろん、特定の趣味に特化した団体や、学生が自主的に立ち上げたコミュニティも少なくありません。
高校までの私は、「活動は与えられるもの」という感覚を持っていました。しかし大学では、「活動は自分で作ることもできる」という文化が根付いています。これは入学するまであまり想像していなかったことでした。
一方で、私が思い描いていたようなボーカロイド好き同士が交流できる団体は見つかりませんでした。もちろんボーカロイドが好きな学生はいたと思います。しかし、気軽に集まったり、企画をしたりできるような場所は見つけられませんでした。
そこでふと思ったのです。
「ないなら作ればいいのではないか」と。
今振り返るとかなり大胆な発想だったように思います。しかし大学の雰囲気は、不思議とその挑戦を後押ししてくれるものでした。
本当に人は集まるのだろうか
サークルを作ろうと思ったものの、不安はたくさんありました。そもそもサークルを作った経験などありません。何を準備すればよいのかも分かりません。
そして何より気になったのは、「本当に人が集まるのだろうか」ということでした。
仮に自分がボーカロイド好きだったとしても、名前も知らない新しいサークルに参加するのは少し勇気がいることです。
誰も来なかったらどうしよう。思ったより興味を持ってもらえなかったらどうしよう。
そんなことばかり考えていました。
実際、今この記事を読んでいる方の中にも、「何か新しいことをやってみたい」と思いながら、一歩を踏み出せずにいる人がいるかもしれません。私もまったく同じでした。
完璧な計画があったわけでも、自信に満ちていたわけでもありません。
それでも挑戦できたのは、「失敗してもいいから、一度やってみたい」という気持ちがあったからだと思います。大学生活は長いようで短いものです。だからこそ、少しでも興味があることなら挑戦してみたいと思いました。
最初の仲間集め
サークル創設を決めた後は、仲間集めを始めました。新歓活動を行ったり、SNSで情報を発信したり、友人に声をかけたりと、とにかくできることを少しずつ進めていきました。
しかし、最初から順調だったわけではありません。知名度はゼロです。活動実績もありません。今のように実際の活動写真を見せることもできません。新歓で説明をしていても、「どんな活動をするんですか」という質問に対し、「これからみんなで作っていきたいと思っています」と答えるしかない場面もありました。
それでも少しずつ興味を持ってくれる人が現れました。そして実際に話してみると、「こういう場所を探していました」「実はボーカロイドが好きなんです」と言ってくれる学生もいました。
その時に気付いたのは、自分が感じていた「こんなコミュニティが欲しい」という思いは、自分だけのものではなかったということです。同じように感じている人がいて、その人たちをつなげる場には意味があるのだと実感しました。
初めて感じた「作る楽しさ」
少しずつメンバーが集まり、交流会を開くようになると、私はサークルを作ることの面白さを感じるようになりました。特に印象に残っているのは、初対面だった学生同士が、共通の趣味をきっかけに楽しそうに話している姿を見たときです。
もしサークルがなければ、その人たちは出会わなかったかもしれません。そう考えると、とても不思議な気持ちになりました。
私は元々、人と人をつなぐことが好きです。サークル創設を通して、その楽しさをこれまで以上に実感することができました。
また、コミュニティはただ人が集まればできるものではなく、誰かが最初の一歩を踏み出すことで生まれるものだということも学びました。
サークル創設で気付いたこと
サークルを創設した経験を通して、私は一つの大切なことを学びました。
それは、「大学は与えられた環境の中で過ごす場所であると同時に、自分で環境を作ることができる場所でもある」ということです。もちろん、既存のサークルに入ることも素晴らしい選択です。
しかし、もし「こんな場所があったらいいのに」と思ったのなら、自分で作ってみるという選択肢もあります。
大学には、その挑戦を受け入れてくれる土壌があると私は感じています。
おわりに
今回の記事では、私がサークルを創設することになった経緯についてお話ししました。
当時は、ただ同じ趣味を持つ仲間と交流できる場所が欲しいという思いから始まった挑戦でした。しかし振り返ってみると、この経験は大学生活そのものに対する考え方を大きく変えてくれたように思います。
次回は、「サークルを作って本当に良かったのか?」という視点から、実際に感じたメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
Profile
所属:情報学研究科 心理認知科学専攻 修士1年
出身地:岐阜県
出身校:岐阜県立関高等学校