名大生ボイス

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イベント

2018.06.08

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名大祭は盛りだくさん!

受験生の皆さん、こんにちは。小川高広です。先日、名古屋大学東山キャンパスで「名大祭」が開催されました。今日は名大祭のイベントについてお伝えします。私は今回、名大祭で開催されていた様々なイベントのうち、研究紹介の展示や同窓会行事などを見学・参加してきました。受験生の皆さんは名大祭に来たことがありますか?毎年6月に開催されている名古屋大学を代表する伝統的な行事の一つです。名大祭は高校でいう文化祭がもっと大きくなった感じの「お祭り」のことです。一般的には「大学祭」や「学園祭」とも呼ばれています。私は毎年、名大祭を楽しみにしています。毎年見てきた経験から、名大祭の特徴をまずは3つ紹介したいと思います。

 

1つ目は開催時期です。大学祭と言えば、多くの大学では秋に開催されるものが多いと思います。芸術の秋、文化の秋などと言われていますので、それも影響しているかもしれません。祝日もありますね。しかし、名古屋大学では6月の今の時期に毎年開催されています。なぜこの時期になったのか、以前大学の広報誌で読んだことがあります。そこでは、「大きな台風が秋に多いから、それを避けるために6月にした」という説明が書かれていました。一方で、名古屋大学に勤める知人によると「他大学の大学祭との競合を避けるために、あえてこの季節にしたと聞いたことがある」とのこと。その他にも、いろいろな「説」を耳にしました。6月開催の理由については、どうやらいくつかの説があるようです。本当の理由はどれなのか、毎年名大祭の季節には、いろいろと考えていますが、どの説が本当か、あれこれ考えることが意外と楽しいです。

 

2つ目の特徴は規模の大きさです。名古屋大学は大きな敷地を有しています。しかし、ただ敷地が広いと言う意味だけではありません。演奏やダンスの披露といった様々なパフォーマンスが見られるステージ、焼きそばやかき氷など、どれも安くておいしい模擬店、日ごろの研究成果や学生の活動などが紹介される展示、そして、地域の方々も参加しているフリーマーケットなどなど、出店数やテントの数は非常に多く、他の大学に比べると規模が大きいのが特徴です。日本赤十字社による献血、大道芸、古本市もあります。バリアフリー対策も万全です。段差があるところには車いすやベビーカーでの来場者のために、スロープが設けられています。

 

3つ目の特徴は、学生が主体となって運営されていることです。

他の大学でも、同じかもしれませんが、名大祭では学生主体の実行委員会が企画・管理、そして実際の運営をしています。他大学よりも規模が大きいので、実行委員会の学生たちはかなり大変だと思います。しかし、大変な分、やりがいもあると経験した友人は言っていました。また、実行委員会は主に1年生や2年生など若い学年で構成されています。あれほどの大規模の名大祭を開催している名大生のパワーは、本当にすごいなぁと思います。

 

さて、私が見学してきた研究紹介の展示について、お伝えします。この展示は豊田講堂内で行われていました。名古屋大学には学生や教職員を合わせて2万人以上が在籍しています。大学内では、学生や教職員が協力しながら様々な研究が日々行われています。今回の名大祭では名古屋大学を代表する研究のほんの一部が紹介されていました。どれも興味深く、紹介したいのですが、すべてを紹介することはできませんので、気になった2つを紹介します。

 

1つ目は宇宙地球環境研究所(ISEE)の研究紹介です。この研究所は名古屋大学の強みでもある自然科学分野、その中でも宇宙や地球、環境などに関する研究を行っている機関です。研究対象としているフィールドや分野は幅広いことが特徴です。南極をはじめとする極地や気象、地質などの地球環境全般、太陽・宇宙に関係するメカニズムなどのエキスパートが集っています。私は南極の研究に興味を持ちました。

ところで、皆さんは南極に行ったことがありますか?南極へ行くことはそう簡単ではないので、いないと思います。南極に興味を持った理由、それは私の人生の中で、今までに一人だけ、南極に行った人を知っているからです(それがあり、興味を持ちました)。なんと、その方は名古屋大学の先生で、南極で採取した土壌などを分析し、南極の様々な謎を解明しようと研究されていました。その先生は女性なのですが、先生が南極に初めて行かれたのは1980年代だったそうです。当時は南極に行った日本人女性はほとんどおらず、様々な苦労をされたそうです。

受験生の皆さんは南極について、どのような印象を持っていますか?今回の展示では南極での生活や活動に関する説明などもありました。ちょっと紹介します。

南極での現地の生活は、やはり過酷だそうです。夏でもゼロ度ほどで、冬は極寒です。非常に厳しい環境で、猛吹雪が続き、外では全く活動ができない日もあるそうです。しかし、美しい自然の姿を見ることもできるため、南極は魅力的な場所と感じることもあるそうです。もちろん、科学技術が進んだ今も、厳しい環境であることには変わりありませんが、今では施設も充実し、インターネットなども整備されています。日本とのやり取りも簡単にできるそうですし、女性研究者も活躍しています。活動のしやすさは昔とは比較できないほど、良くなっているそうです。ただ、移動手段は昔も今も基本的には「しらせ」という南極の海を覆う厚い氷を砕いて進む特殊な能力を持つ船、砕氷船(さいひょうせん)での移動となります(一般的には南極観測船と呼ばれています)。

この船は文部科学省の予算で作られ、運用は海上自衛隊が担っているそうです。南極で活動するための研究機材、現地で生活するための食料や燃料、日用品などを積み、2か月から3か月かけて南極に行くそうです。途中、オーストラリアの港で現地で活動する研究者を乗せます。南極までの海域は海流の影響で非常に揺れるそうで、船酔いに悩まされるそうです。その海域を抜けると次は氷が襲ってきます。氷を砕いて進むため、氷が厚い年では1キロ進むのに1日かかることも。ある年には先に進むことができなくなり、港への着岸をあきらめ、ヘリコプターで研究者や物資を輸送したそうです。ところで、以前使われていた南極観測船「ふじ」が、名古屋港に展示されています。もしかすると、受験生の皆さんは、学校の社会見学などで見たことがあるかもしれません。南極と名古屋、縁がありますね。

 

南極の話から、次に皆さんに紹介するもう一つの研究展示は森林の面積などの情報を人工衛星やドローンなどで計測する技術に関する研究です。私が所属する農学部で行われています。昔は森林の面積などの情報を得るために、人の手で木々を計測していました。しかし、今は人工衛星やドローンなどを使って、森林の写真を撮影し、それをコンピューターが分析することで、あらゆる情報を得ることができるようになりました。日本は森林が多い国ですので、このような技術は非常に役立つと考えられています。名古屋大学の研究が社会を変える原動力になるかもしれません。

 

研究展示の話ばかりになりましたが、最後は、同窓会の話をします。名大祭に合わせて、それぞれの学部や研究科では同窓会が開催されていました。例えば、経済学部では同窓会「キタン会」が懇親会を開催し、多くの方々が参加したと友人から聞きました。キタン会は経済学部の卒業生の同窓会組織で、その歴史は長く、伝統を有しています。キタン会は名古屋大学経済学部の前身である名古屋高等商業学校の同窓会組織として、大正13年(1924年)に設立されました。当時は「其湛会」、名称として漢字を使っていたようです。余談ですが、名古屋大学の前身である名古屋帝国大学ができたのは、昭和14年(1939年)なので、それよりも歴史があります。私の勝手な意見ですが、名古屋大学の同窓会の中でも、活発に活動している同窓会組織の一つだと思います。

名古屋大学には大学全体の同窓会もありますが、それぞれの学部や研究科にも同窓会があります。私が入っている「セコイア会」、これは農学部・生命農学研究科の同窓会です。今回は懇親会などの行事に参加してきました。毎年、卒業生が集えるように名大祭に合わせて開催されています。農学部に所属する、あるいは過去に所属されていた先生方による講演会や同窓生同士の懇親会などが開催され、参加者みんなで交流を楽しみました。私は昨年に引き続き参加しましたが、有意義な時間を過ごすことが出来ました。私がお世話になった定年退職された先生もおられ、久しぶりの再会で嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

ところで、「セコイア」会の名前の由来ですが、同窓会のホームページによると1955年(昭和30年)に農学部第1期生が卒業記念として、当時の安城キャンパスにメタセコイアを植樹したそうです。それにちなんでいるそうです。もう一つ余談ですが、セコイアとメタセコイアは別種だそうで、セコイアは常緑で、一年中緑の葉を持っていますが、メタセコイアは秋になると落葉、葉っぱが落ちてしまうことでだそうです。いぜれにせよ、メタセコイアは生きた化石、セコイアは長い樹齢を有しています。名古屋大学も末永く発展して欲しいと思います。

 

今日は名大祭について紹介しました。来場者は名大生や近隣大学の学生はもちろん、受験生だと思われる高校生の姿も多く見られました。また、学生の家族や家族連れも多くいました。名大祭は世代を超えて楽しめる素晴らしいイベント、「お祭り」だと思いました。名古屋大学にはエネルギーがいっぱいあり、名大祭がそのエネルギーの表れだと思います。

受験生の皆さんが、もし名古屋大学に入学したら、名大祭の実行委員会などに入って、名大祭で活躍してみてはどうでしょうか。貴重な経験になることは間違いありません。この経験は自分の自信や思い出になります。せっかくの学生生活なので、いろいろ経験して欲しいと思います。今年はこの記事を読むだけだったかもしれませんが、受験生の皆さんには、来年、名大生として、ぜひ名大祭を盛り上げていく立場になって欲しいと思います。そうなれるよう、高校での生活、頑張って下さい。応援しています。

 (写真の説明 名大祭の看板、テント、フリーマーケットの看板、大道芸、フリーマーケット、献血、模擬店、古本市、バリアフリー、豊田講堂前のステージ、研究紹介・豊田講堂内、はっぴ姿の実行委員、看板、手作り地図、中央図書館があるグリーンベルトでのステージ、名大祭の看板、模擬店終了後の様子、同窓会会場、夜のステージ・豊田講堂)

Profile

所属:農学部科目履修生

出身地:兵庫県