2026年6月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

6月3日②

考古学コレクションのあとは、ランチ、フライブルク大学の国際関係の方々とご一緒させていただき、その後、式典会場に移動しました。全てが徒歩圏内にあるのですが、考古学のコレクションだけが少し遠方だったので、トラムとバスを乗り継いでの移動でした。

名古屋大学グローバルキャンパス開所式とジョイント・ディグリー更新調印式を兼ねた式典には、両大学の関係者以外にも、ベルリンの日本大使館から遠路はるばる北浦康弘公使、渡辺洋平一等書記官、さらにミュンヘン総領事館山形実可副領事に来ていただき、また学術振興会のボン事務所からは旧知の林正彦所長、そして伊藤奨太副センター長、さらに筑波大学のボーフムオフィスから西島悠策さんにもご参加いただきました。

式典では、まず最初にクリーグルシュタイン学長、次に私、続いて来賓の北浦公使、ジョイント・ディグリー関係で、ルーツ・ヘイン医学部長、勝野医学研究科長の挨拶が続きました。次に、このジョイント・ディグリープログラムの唯一の修了生である伊吉祥平YLC助教が、自身の苦労話を交えながら、プログラムの成果を報告したのは皆さん、とても興味深く聞いていました。

挨拶が終わると、ジョイント・ディグリーの更新の協定書へのサインです。総勢6名、両学長、両学部長(研究科長)、そして、今回新たに協定に加わった生物学部のソーニャ・ヴェレーナ・アルバース学部長、これまでこの協定のためにフライブルク大学側でずっとご尽力いただいてきたクリストフ・ペータース分子医学部教授が、2名ずつサインをしました。

続いて、グローバルキャンパスの開所式ですが、看板の除幕を私とクリーグルシュタイン学長で行い、その後、プレゼントの交換、先方からは建物の新築などで定番のパンと塩、こちらは、ミニ樽による鏡開き、中身は本学の不老です。

その後は、簡単な懇親会を同じ場所で行い、お開き、本当に良い会になったと思います。学術振興会の林所長に乾杯のご挨拶をお願いしました。その中であった、ドイツ側が交流プログラムに申し込むと、初めてこちらからも応募が可能となる、という限定的な交流プログラムの紹介は初耳でした。

少し時間を空けて、カテドラル前のレストランで、フライブルク大学の学長、副学長らとの会食、最後の最後まで、忙しい日程の中、先方の皆さんにはお付き合いいただき、本当に感謝です。会食での話題の中で、ちょっとびっくりしたのは、教員採用に際して、採用しなかったものから訴えを起こされているということです。4件ほどもあって、今の所、全て勝訴だそうですが、例えばこれからの業績に期待して若手を採用したところ、業績の多いベテランが訴えを起こしたというような事例だそうで、本当に大変です。

明日は祝日とのこと、クリーグルシュタイン学長、本当にこの数日、お疲れ様でした。

会食の後は、明日の朝の飛行機に乗るために、そのままフランクフルトまで車で移動です。アウトバーンを最高時速190キロ強ですっ飛ばして、1時間50分ほどで空港まで到着、ICEよりも速かったです。後は飛行機に乗るだけ、3泊6日のドイツ出張もこれでお終いです。大変良い出張になったと思います。お付き合いいただいた皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございます。

 

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6月3日①

 本日午前中は、大学の博物学・考古学教室を訪問、考古学コレクションの見学と周藤副総長による考古学の研究発表にお付き合いしました。

現在改装中の建物の中ではありますが、イェンス=アルネ・デイックマン先生に展示品についてしっかりと解説いただきました。デイックマン先生は、日本通で、最初の挨拶は見事な日本語で通されたのはびっくりです。周藤副総長とは旧知で、数年前に本学を訪問したときには犬山などにご一緒されたそうです。

さて、コレクションですが、レバノン地域のレリーフや陶器の破片などの実物があるとのことで一部見せていただきました。ただここは何といっても、ギリシャ時代を中心とした彫像のコピーで有名とのこと、とりわけアテネのパルテノン神殿の上部に飾られていて19世紀、オスマントルコの時代にイギリスに持って行き、現在は大英博物館の目玉ともなっているエルギン・マーブルと呼ばれる彫像群の白眉である馬の頭部の彫像のコピーが大量にあり、その意義や由来などの説明をいただきました。オリジナルが英国に持ち込まれてから大評判になり、ヨーロッパ中に石膏で型を取って作られたコピーが広がったそうです。例えばゲーテなども欲しくて知り合いの貴族にねだったのだそうですが、個人の所蔵は認められず、チュービンゲン大学のそれも解剖学教室の所蔵となった話などはとても興味深く効かせてもらいました。あまりに精巧に馬を模しているので、解剖学教室が求めたというのですから驚きです。

現在はデジタルで精密にできるのでは、と質問したのですが、表面の精度などが型を取るのにはまだ敵わないそうです。一方、型の取り方はプラスティックを使うなど進化しているとのこと、今回はお土産に3Dプリンタによるミニチュアをみなさんいただきました。

写真などの2次元データに比べて、3次元のコピーには豊富な情報があり、例えば、パルテノン神殿で最初に置いてあった場所から、修理で端に追いやられた結果、スペースがなくなって不安定となったために、金具で止めることになり、一部が削られていることがわかっているそうです。

同じ場所で行われた周藤副総長の講演では、ずっと手がけているエジプトのアコリスでの発掘の成果について話され、学生らが詰めかけて終了後にはたくさんの質問を受けていました。

 

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6月2日②

午後が私の出番です。学長オフィスのある建物の最上階の部屋で、我々、協力関係にある大学や団体の代表と、審査員の面談がありました。大学関係者は立ち会わず、会場にも入れませんでした。

20名ほどの審査員に対してこちらは10名ほどでしょうか、エンハスド・パートナーの名大とガーナ大、そしてヨーロッパの大学連携からダブリン大学トリニティカレッジ、南デンマーク大学、バーゼル大学の学長、フライブルク市内にあるフラウンホーファー研究所(日本の産総研のような組織)、マックプランク研究所、さらに地域の企業連合(中部経済連合会のようなもの)の代表、そしてフライブルク市長も参加しての面談でした。

最初に各々、フライブルク大学とどのように連携しているか、という質問があり、全員が答えていきました。これは準備してきていた質問だったので、戦略的パートナー大学としての包括的な連携、グローバルキャンパス設置、ジョイント・ディグリー、さらに研究では、生命・医学系、サステナビリティというフライブルク大学が卓越生を認められている分野での連携について、シードファンドにも言及し、全体に力強く説明できたと思います。

質問の中には、連携する上で何が一番難しいか、というものがあり、口々に「ドイツの官僚主義」という答えを皆さんが行っていたのが印象的です。ドイツはやはりシステムが保守的でガチガチ、スイスの大学の方が自分達の方がずっとプラグマチック、つまり現実的で柔軟だと行っていたのは面白かったです。一方で、大学のトップマネジメントについても議論がありました。案外トップダウンでないところが、指摘された形です。

1時間の活発なやり取りでしたが、なかなかエキサイティングで疲れました。一方で、とても友好的な雰囲気でもありました。終了後、審査員が次の調査に出て行った後、大学側から、我々の面談についてどうだったか詳しく質問されました。それぞれの調査について、しっかり把握して、明日に活かすということでした。

少し時間を空けて、夕方には図書館の一室で大学関係者だけで本日のラップアップを行なっていました。少しだけ覗いたのですが、朝の学長の発表と質疑からスタートして何がうまく行って、何がさらに説明が必要だったかなどを、バックオフィスのメンバーが綿密に分析、2時間ほどもやっていたようです。

卓越大学の現地調査は明日も続くのですが、私の役目は終わり、少し気持ちを楽にして、医学部のメンバーも加わっての名大メンバーでの夕食会に向かいました。自家製ビールのある有名なバーということでしたが、ビールを飲まない私には残念でした。料理もザワークラウト、どうにも好きになれません。ただ、ほんの一週間ほど前まで私の秘書を務めてくれた早津さんが、パートナーに帯同してフライブルクに来年3月までいる、ということでここで会えたのは大きな驚きでした。

 

 

6月2日①

本日はフライブルク大学にとって、非常に大事な日になります。今日と明日、二日間をかけて卓越大学の審査員(レビューアーとパネル)による現地調査があるからです。

そのための準備を1年以上かけて行ってきたとのこと、スパークリング、というコンセプトを表す水色のグラディエーションを使ったポスター等が街中にあふれ、トラムの一台もそれで飾り付けているとのこと、さすが大学街、街を挙げての応援です。

本日は昨日に比べ涼しくなりましたが、朝から少し雨模様で変わりやすい天気でした。

さて、午前中は、学長のプレゼンと審査員との質疑がありました。場所は昨日訪問したFRIASの目の前、解剖学教室の講義室です。名古屋大学からは私だけが参加しました。行ってみてびっくり、学長、副学長ら執行部は壇上なのですが、その前が、審査員の席、その後ろが我々のような外部の応援団、そしてその背後には学部長、研究所長、教員、さらに学生まで、総勢300人、大イベントです。外部からは、フライブルク市長も参加、急遽休暇から戻ってきたとのことです。

審査員が入場する前から、学長が登場すると大きな拍手と歓声、さらに準備を担当した女性が登場すると、その大変な作業と素晴らしい出来栄えを皆さん知っているからでしょう、全員が立ち上がって拍手が鳴り止まず、本人が涙ぐむ一幕もありました。

会場が完全に温まったところで、審査員の入場です。総勢20人ぐらい、ヨーロッパを中心に世界中の大学の関係者がほとんどでした。その入場も大きな拍手と歓声で迎えられ、すっかり審査員を味方につけた形です。

クリーグルシュタイン学長の発表ですが、後で聞いたところによると、相当ダメ出しをされながらリハーサルをしたとのこと、素晴らしい出来栄えでした。最初に、最近ドイツ国内で話題となっているフライブルク大学のハラスメント問題について言及したのは、よかったと思います。これは大学の職員が学外で、しかも学生を相手に盗撮をした、という事件とのことですが、しっかりとガバナンスを効かせて対応しているという印象を与えられたのではないでしょうか。

30分ほどの発表の後は、審査員からの質問が1時間半続きました。和やかな雰囲気でしたが、バジェットの半分が大学の運営の方に使われるという計画についての質問や、社会課題を解決するためのプロジェクト研究と専門に基づく研究の関係など、答えるのが難しい質問もいくつかあった印象です。

その後はFRIASの建物に移動して、審査員と大学執行部を交えてのコーヒータイムです。私も参加しましたが、敵味方という感じではなく交流をしていました。その後は、ポスターセッションに移行しましたが、私の役割はとりあえずはここまで、ホテルに帰って、名大の皆さんが帰ってくるのを待ってから皆で街へ繰り出し、ランチです。季節なので、再び白アスパラを楽しみました。

 

 

6月1日②

午後ですが、同行した周藤副総長らはフライブルク大学の国際担当副学長らと面談、私は少し休憩をした後、夕方に大学の博物館ユニゼウムでの歓迎会に参加しました。これは名古屋大学の訪問団と、明日からの卓越大学の現地調査に出席する協力機関(名大も含まれます)の代表をクリーゲルシュタイン学長自らが招いての会になります。軽食とおしゃべり、ということでアペロというフラン語の名前のイベントでした。

場所は、地下にあるかつてのワインセラー、趣があって、しかも涼しい快適な場所でした。夕方でも本日はまだまだ暑かったです。

 

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学長からのご挨拶の後は歓談、名大と同様にフライブルク大学にとっての戦略的パートナー大学(エンハンスド・パートナーと呼びます)のガーナ大学の学長らも来られていました。フライブルク大学はガーナ大学、アデレード大学、ペンシルバニア州立大学、そして本学の4つをエンハンスド・パートナーと定めています。食事は軽食、といっても季節の白アスパラガスのスープは絶品でした。

歓迎会の後はホテルまで歩いて帰ったのですが、夜8時でもまだまだ明るく、また昼間の暑さも残っていたのには少しびっくりです。緯度が北海道の北部と同じ、その上、ドイツの中でも最も西にあり、さらにサマータイムであることも手伝って、夏至を迎えるこの時期は日の入りが9時半近く、10時頃まで明るいとのことです。

 

 

6月1日①

本日からドイツ、フライブルクに来ています。戦略的パートナー大学であるフライブルク大学のドイツの卓越大学申請をサポートするためと、本学のグローバルキャンパス設置、そして医学部間のジョイント・ディグリー協定更新調印のためになります。

昨晩羽田をたって、本日の朝5時過ぎにフランクフルト空港に到着しました。空港が開くのが5時以降ということで、羽田で少し時間を調整しての到着です。

さすがに到着便もまだ少なく、イミグレーションはすんなりと通れました。ただこの空港、荷物の受け取りが一旦外に出てから入る形になるので注意が必要です。

先発隊と合流して、ドイツ鉄道のICEでフライブルクに移動です。このICEが曲者で、遅れることで悪名が高く、今回も予想に違わず、50分遅れでした。7時50分の予定が、結局8時半ぐらいに出発、それでもなんとか11時前には到着、駅近くのホテルに荷物を置いてそのまま大学の高等研究院FRIASに移動です。FRIASでは旧知のラルフ・ファン・デン・ホッフ所長が、若手育成プログラムなど研究所の活動について説明をして下さった後、2階に開設される本学のグローバルキャンパスオフィスを見学しました。実はここは長年、本学のヨーロッパセンターだったところで、今回、機能をフライブルク大学との交流に絞っての再スタートということになります。アップした写真、グローバルキャンパスオフィスの中で、ファン・デン・ホッフ所長らと話しているところです。

その後は、街の中心にある大聖堂(カテドラル)の前のマーケットでソーセージをパンに挟んだ軽食をいただき、ようやくホテルにチェックインとなりました。

 

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