
総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。
9月11日
現地の9日は、早くも帰国の日になります。午前中は、ワークショップのまとめに参加し、午後にはレンタカーでシカゴのオヘア国際空港まで移動しました。
シカゴを夜8時に出発、サンフランシスコまで飛びました。到着は夜11時前、ここでも時差が効いています。サンフランシスコでは2時間ほどの乗り継ぎ時間で、羽田へ。到着予定時間は朝4時25分、この時間なれば、入国手続きを加味すると京浜急行と新幹線の始発にほぼピッタリと考えていました。ところが、こういう時に限って、予定より「早く」到着、羽田に着いたのは3時半、ちょっと途方に暮れる時間ですね。ちなみに、日付変更線の関係で、この時にはすでに11日になっていました。9月10日はどこに行ってしまったのでしょうか。
さて、なんとか時間を潰して、始発の新幹線で帰ってきて、名大に到着したのは朝8時過ぎ、いつもより早い時間です。一日がフルで使えます。
早速午前中には、駐日フランス大使館のグザヴィエ・ブレソ科学技術担当参事官の表敬訪問を受けました。
フランスとの関係でいえば、本学には、フランスの国立科学研究センター(CNRS)との間に、糖鎖研究に関する国際共同ラボラトリーであるIRL GlycoMIRAI研究所が設置されています。今回は、IRL GlycoMIRAIのヤン・ゲラルデル所長をはじめ、糖鎖生命コア研究所(iGCORE)の方々もご一緒でした。短い時間の懇談でしたが、ブレソ参事官、特に学生や教員の交流について強い関心をお持ちでした。ゲラルデル所長の古巣であるリール大学との交流も含め、具体的なアクションができればと思っています。
午後にはCBCテレビの番組審議会で栄に出向き、夕方には日本学術会議物理学委員会にオンラインで参加と、帰国直後でしたが盛りだくさんの1日でした。

9月8日
本日、ワークショップが開始される前に、パソコンを立ち上げて日本のニュースを見たら、「名古屋に警戒レベル5、緊急安全確保」という見出し、びっくりしました。時差のため、日本の夕方がこちらの朝になります。
名大の被害状況や、帰宅困難者のコモネへの収容などをメールで確認しました。コモネの図書館側の入り口を守っている写真などを頂いたのですが、大きな被害は出ていないとのこと、まずは心を落ち着かせることができました。とはいえ、名大ならびに名古屋のみなさんは大変な思いをされたと思います。特に事務職員の一部の方には被害状況を確認いただいたり、コモネをはじめとする避難場所の確保など、ご自身も大変な中、ご尽力をいただきました。ありがとうございます。
さて、パーデュー大学は、工学系や情報系が強いことで知られる米国トップ私立大学の一つです。今回のワークショップは、パーデュー大学の得意分野と日本側の希望を合わせて、AIが全体テーマ、個別に、半導体、宇宙、材料・ものづくり、量子、テック外交の分野について、講演とパネルディスカッションを行う、という形で進められました。
初日の今日は、AIトランスフォーメーションというセッションがあり、その後、半導体、ランチを挟んで、材料・ものづくり、テック外交、学生によるポスター発表、そしてディナーと休みなくプログラムは続きました。
ワークショップについて、一番印象に残ったのは、AIの凄まじいまでの発展と、日本と米国が共同で進めるジェネシス・ミッションへの期待でした。
AIの発展については、例えば、新しい世代では、コンピュータゲームなどのルールを自分で見つけることが可能となるなど、汎用人工知能(AGI)の時代が始まっているという話が強烈でした。あらゆる知的作業を理解、学習、そして実行できるAGI、人間は必要なくなってしまうのではないか、不安です。最近では、AIが勝手にサイバー攻撃を始めたりして、AIに人類が滅ぼされる未来を真剣に語る専門家が増えてきました。AIに倫理を教えることはできるのでしょうか。
また、フェルマーの最終定理をたった11日で形式化して、その証明を検証することにAI(Claude)が成功した、という話も出ていました。本当に圧倒的です。
ジェネシス・ミッションですが、AIを活用して科学研究や技術開発を劇的に加速させるための大型国家プロジェクトで、日米が双方5億ドル、今のレートで800億円弱を出し合って、11の重点領域を定めて進めることになっています。すでに研究の現場にも研究費が降りてきていて、ロボティックスなどの分野での日本の貢献が期待されていました。一方で、アメリカで研究している私の元学生は、AIに紐づかない研究には研究費がつかない、と嘆いていました。特に基礎研究には難しい時代かもしれません。
なお、材料・ものづくりのセッションは、本学の小橋副総長がセッションチェアーを務め、見事に取り回していました。
セッションが全て終わってからは、学生のポスターセッションとディナーです。私の出番は、ディナーでのスピーチでした。あまり堅いスピーチもと思い、ちょっとネタを仕込んで話をまとめました。なお、ディナーの前にはパーデュー大学のマスコット、パーデュー・ピートも登場して、賑やかな会となりました。マスコットとの写真をアップしておきます。一緒に写っているのは小橋副総長とNU Techの神山所長です。



9月7日
本日から米国出張です。10回目となる日米デジタルイノベーションハブワークショップ、今回は米国インディアナ州にあるパーデュー大学での開催になります。
早朝に羽田まで新幹線と京浜急行で移動、シカゴまでの直行便で12時間ほどかかって、米国に到着です。シカゴに到着すると、出発したのと同じ7日の朝に到着、時間が戻るという時差の不思議を感じます。
パーデューはシカゴから南に車で3時間ぐらい、本学を始め、東北大や広島大、経産省、外務省、さらに企業からNTTデータなど、同じ時間に到着した会議の出席者の皆さんとバスで大学に向かいました。そこでまたびっくりしたのが、シカゴとパーデューの間に1時間の時差があることです。シカゴは中部時間、パーデューは東部時間、パーデューの方が1時間進んでいるので、空港からかかった時間は3時間なのですが、時刻にすると4時間かかった計算です。帰りは2時間になります。
午後3時頃にはパーデュー大学に到着しました。宿泊とワークショップはキャンパスの中にあるパーデュー・メモリアルユニオンという建物で、移動がなくて楽です。普段は学生がたくさんいるとのことですが、本日はレイバー・デーという休日なので静かでした。夏の終わりを示す休日です。今晩はレセプションに出席して、そのまま休みました。時差がきついので、寝てもすぐに起きてしまいましたが。
9月4日
本日は夕方から、名古屋市とリトアニアの首都、ビリニュス市との姉妹都市締結の記念祝賀会に行ってきました。場所は名古屋観光ホテルです。その前に、昼過ぎには東急ホテルで第24回キャンパスベンチャーグランプリ中部の実行委員会と審査委員会の合同会議があったので、今日は名大と名古屋の中心部を行ったり来たりです。
リトアニアはバルト3国の一角、人口はわずか300万人弱、首都のビリニュスの人口は59万人とのこと。歴史的なロシアとの関係もあり、EUには加盟しているとはいうものの、政治的に難しい立ち位置の国です。杉原千畝さんの命のビザで、名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。
本学では、理学研究科の物理の研究室がビリニュス大学のグループと研究交流を進めており、また附属高校が現地の高校と交流を行い、コロナ禍以前は現地で研修も行っていました。
今回はビリニュス市からは市長さんや副市長さんらがいらっしゃり、名古屋市の側も、広沢市長はじめ3名の副市長の皆さんもご出席され、東京からはリトアニア大使も駆けつけて、賑やかな会となりました。市長さん御一行は、この後、中部国際空港に直行してそのまま帰国の途につくとのこと、慌ただしい訪問でした。
市長とのツーショット、また、大使と名古屋市の吹上副市長(同窓生)との写真をアップします。


9月3日
本日は悲しいニュースが飛び込んできました。ノーベル化学賞を、電気を通すプラスチックの開発で受賞された白川英樹先生の訃報です。昨年の8月、中津川の岐阜サマー・サイエンス・スクールでご一緒したのが最初で最後の出会いとなりました。非常に謙虚で、学問に打ち込んでこられた研究者らしいお人柄、すっかり魅了されたのですが、もう一度お会いすることがかなわず、残念です。ご冥福をお祈りします。
9月1日
あっという間に9月になってしまいました。今日から小中高生も新学期ですね。小学校時代、夏休み帳の提出が地獄でした。毎日の日記、最後の日に辻褄を合わせようにも、天気がわからないのがどうしようもありませんでした。その点、今は楽です。インターネット様様です。自由闊達通信も、少し後になって書くことも多いのですが(ちょっと言い訳をさせてもらうと書くことが多い日は書く時間がなくなります)、例えば今日の最高気温は32.2度とすぐにわかります。気温はともかく湿度が高い日が続きます。
本日は昼から大阪大学のグローバル連携担当理事・副学長の林美加子先生が訪問され、10月に予定されている日本・ベトナム学長会議について打ち合わせをしました。去年は日本・ウズベキスタンと日本・インドの学長会議に行ってきたのですが、今回のベトナムとのものは大阪大学で行われます。今のところベトナム側は40校以上参加の予定とのこと、新しい連携が生まれることを期待しています。そのため、できるだけ多くの大学と一対一で会える時間を設けてもらいたい、と要望させていただきました。