2026年10月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

10月4日②

STSフォーラム、午後もいくつかのセッションに出るとともに、合間には、カナダの15研究大学の連合体の代表の方々やオーストラリア国立大学の学長、プロボスト(筆頭副学長)と会談することができました。

オーストラリア国立大学の学長は、レベッカ・ブラウンさん、プロボストはジョアン・リーチさん、お二人とも女性、長身な方々でした。一緒に並んだ写真を参照ください。

オーストラリア国立大学、大学の規模は名古屋大学とほとんど同じで、すでに学部のNUPACEなどのプログラムで学生交流実績があります。これから、もっと広い分野で、学生や研究者の交流があると良いですね。ちなみに、私の分野の天文学・天体物理学ではオーストラリア国立大学は世界的に有名で、例えば教授でブラウン学長の前の学長だったブライアン・シュミットさんはノーベル賞受賞者です。今回のSTSフォーラムにも参加されていました。

 

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午後には孫正義さんの講演もあったようなのですが、別なセッションに出ていて聞けませんでした。残念。

最後のバンケットまで出席して新幹線で帰ってきました。バンケットの前には、日本が支援して設立されたエジプト日本科学技術大学のアフマッド・ムニーブ・エルサバハ学長とお会いしました。名古屋大学でも学生をぜひ受け入れて欲しい、というお願いをされました。エジプト日本科学技術大学の方と一緒に撮った写真です。

 

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バンケットでは、たまたま隣に座ったイスラエルの研究者、オデット・レチャビさんがとても面白い人でした。専門は線虫なので、本学理学研究科の森郁恵名誉教授のことを知っていました。一方でこの方、死海文書のDNA鑑定をやって、大変話題になった人です。死海文書は、キリストの時代より少し前からキリストの時代にかけての貴重な資料が、20世紀中頃になって洞窟で発見されたものです。羊皮紙などに書かれているのですが、そのDNA鑑定をした結果、どの断片がどこと繋がるのか、またその動物がどこから来たのかのヒントを得ることができた、というとても興味深い研究成果を学術誌で発表しています。また、SNSの発信でも有名な方とのこと。そんな人物とは知らず、隣に座ったので楽しく話をしていたのですが、話が面白いはずです。

 

 

10月4日①

すっかり涼しくなってきました。今日は、京都で行われているSTSフォーラムの初日に参加してきました。

朝早く名古屋を出て、9時過ぎには会場のある地下鉄国際会館駅に到着しました。京都国際会館は、地下鉄烏丸線の北の終点にあり、隣には宝ヶ池がある風光明媚なロケーションです。

2004年からスタートしたSTSフォーラム、元々は政治家の尾身幸次さんが始めたもので、科学技術と人類の未来に関する国際フォーラムが正式名称です。日本のみならず各国の大臣、政治家、役人、企業経営者、ノーベル賞受賞者を含む研究者など世界からトップリーダーたちが集まって行う会議になります。

今の理事長は元東大総長の小宮山宏さん、今回ノーベル賞受賞者だけでも少なくとも5名以上は参加していました。

今日の一番の驚きは、旧友のプリンストン大学教授に思いがけず再会したことでした。現在、有名な財団の理事長になっている関係での参加とのことでした。その他にも、シンガポール国立大学の前の学長のタン・チョー・チュアンさん、トヨタ自動車の幹部、国内外の大学関係者ら、多くの知人にお会いできたのはよかったです。

さて午前中は、プレナリートークがメイン会場であり、ずっと聞いていました。

アメリカからは、大統領補佐官兼ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)局長という方のスピーチ、AIのことをスーパー・インテリジェンスSIと呼んでいるので不思議に思ったのですが、最近トランプ大統領がそう呼ぶことに決めたようです。この場で、SI(AI)を活用して科学研究を劇的に加速させる「科学の黄金時代に向けた京都ビジョン」を発表したのは大きな話題となりました。これは、科学の発見を支える機関を改善し新たな制度を作ること、SIを科学に活用して研究者が使えるようにアクセスを広げること、そして若手人材育成の3点で構成されています。SIは研究を民主化する史上最大の力になるそうです。

昼休み・ランチミーティングは、大学学長ミーティングに出席してきました。

今回は阪大の熊ノ郷総長の仕切りです。東大の藤井総長や次の総長に決まった藤垣さんも来られていました。海外からも多くの学長、副学長が参加されています。

このミーティング、メインはグループに分かれてのワークショップです。テーマは大学と産業界、官庁、そして市民がどのように連携していくのか、というような内容でした。私のグループには、早稲田大学の本間総長、ボン大学のミヒャエル・ホッホ学長らが参加、他にウィーン大学やステルンボッシュ大学(南ア)、オークランド工科大学(ニュージーランド)などの副学長たちも参加して、熱い議論を重ねました。写真をアップします。私の手前がホッホ学長です。

 

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ここでの課題、さらに繰り返し今回のフォーラムで言及されていたのが、四重らせんモデル(クアドルプル・ヘリックスモデル)です。これは、DNAの二重らせんになぞらえたもので、イノベーションを創出するために、従来は産官学という3つの連携、すなわち三重らせんだったのが、市民や社会もステークホルダーとしてそこに入れるモデルです。このことによって、より社会に受け入れやすく、地域が活性化するイノベーションが目指せるとのことです。

ところで、ホッホ学長からは、フライブルク大学が卓越大学に選ばれたという嬉しいニュースを教えてもらいました。早速、クリーグルシュタイン学長にお祝いのメールを送りました。

 

 

10月2日

本日は引き続き午前中は日本学術会議総会にオンラインで出席です。副会長が会長の指名で決まったということで、女性1名、男性2名の陣容となりました。会長が男性ですから、ダイバーシティ的には少しバランスを欠く印象です。

その後は、部会、つまり人文社会系の第一部、生命系の第二部、理工系の第三部に分かれて、部長を決めるなどを行いました。第三部、会員の自己紹介に時間を使いすぎて、肝心の部長の投票の時には所用で参加できなかったのは残念でした。後で聞いた結果は、前期と同じ方の留任だそうです。

午後は、CBCテレビの番組審議委員会委員長としてのお仕事、キー局のTBSとローカル局を結んで、それぞれのローカル局の審議委員会から出された番組に対する意見をTBSの幹部が聞く、という会への出席です。CBCテレビまで行って出席してきました。CBCの委員からは番組に対して厳しい意見が多かったです。

 

さて、CBCテレビから帰ってきて、夕方からはNU3MT、名古屋大学の学術奨励賞を受賞した本学の誇る大学院生9名による3分間のプレゼン大会、いよいよ本番です。今年が6回目、かなり定着してきた感触です。今回も200名以上の聴衆にご参加いただきました。

各々のプレゼンの前には、まず研究室や指導教員による短い応援動画が流れ、それからスタート、3分は本当にあっという間です。今年も司会の私が一番楽しんだかもしれません。

全員の発表が終わった後は、視聴者からの投票、今回の投票総数は200名を超えました。一人3票を持っての投票ですが、私の手元ではリアルタイムで票が伸びていくのがわかるので、ドキドキです。

視聴者からの最多得票を集めグランプリに輝いたのは、環境学研究科の七原宇紀さん、建物の中で目的地を探すのに、迷う人と迷わない人がいる、その不思議を解き明かした研究ですが、ムービーをたくみに使ったプレゼンが支持を集めた印象です。本当にわかりやすかったです。

そして私が選ぶ総長賞は、生命農学研究科の倉満健人さん、腸にいる善玉菌がビタミンBを栄養素としていることを突き止め、その働きを強めることに成功しました。こちらもとてもわかりやすい発表でした。七原さん、倉満さん、おめでとうございました!

他の皆さんも、それぞれ工夫をこらしたとても良い発表でした。研究レベルの高さもしっかりとアピールできていたと思います。専門用語を使う、自分が感じている面白さを十分に伝えきれていない、そのようなわずかな差が結果につながったと思います。ぜひ、これからも専門以外の方々にわかってもらえる発表にチャレンジしてください。

発表者の皆さん、そして聴衆として参加いただいた皆さん、本日はありがとうございました。また、準備と当日の段取りを担当いただいたDevelopment Office、本当にありがとうございました。

当日の様子は、後ほど期間限定で公開される予定です。また、ホームカミングデイ当日には、受賞された七原さんと倉満さんお二人のプレゼンを豊田講堂にて生で楽しめますので、ご期待ください!

 

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帰り道、いつの間にか金木犀の香りが漂っているのに気がつきました。秋も深まっていきます。

 

 

10月1日

あっという間に10月、急に涼しくなってきました。

本日は、午前中に秋季入学式がありました。学部、大学院合わせて40カ国から292名の入学者です。そのうち留学生が229名、当然式は英語で行いました。

入場した後、すぐに私からの歓迎の辞、壇上に列席している学部長ら役職者の紹介、そのあとは入学生の総代宣誓を受けました。宣誓は通常は短いのですが、今回の経済学部の学生さん、結構しっかりと話しました。ありがとうございます。母国から遠く離れての学生生活になりますが頑張ってください。

その後は、先輩からの挨拶ということで、かつて大学院博士後期課程を本学で過ごした教育発達科学研究科の高井次郎教授に祝辞をお願いしました。なかなかユーモアたっぷりの挨拶、楽しめました。ありがとうございます。

その後、私たちの退場をもって30分ほどで式は終了です。お疲れ様でした。新入生の皆さん、これからの活躍を大いに期待しています。本日は入学、おめでとう!

 

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さて、今日から三日間、日本学術会議の総会が開催されます。今回は外せない用事が多かったので、オンラインでの参加となりました。

午前中は新しい会長を決める投票があったのですが、入学式のため欠席せざるを得ませんでした。結局、新会長は大阪大学の加藤和人名誉教授に決まりました。医学研究の倫理などが専門の生物系研究者で、学術会議では第二部所属になります。これまでの光石会長、その前の梶田会長が理工系の第三部からだったので、バランス的には良かったのかもしれません。

午後は、新しい規則などを投票で確定させるなど淡々と進みました。加藤新会長、これから3年間、どうかよろしくお願いします。

 

 

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