No.59 鵜飼 真貴子 准教授
Researchers'
遺伝子実験施設
No.10 野元 美佳 助教
大学を卒業し、教員になってまだ2年目と日が浅いため、研究者としても教員としても、まだまだ学ぶべきこと、学びたいことがたくさんあります。もっと成長できるように、この言葉を胸に何事にも真摯に取り組んで行きたいと思っています。
モデル生物のシロイヌナズナを材料に、病原菌や昆虫などの環境ストレスに対して、植物がどのように防御応答を活性化しているのかを研究しています。特に、その制御に関与するタンパク質を同定し、分子機能の解明を進めています。また、それらタンパク質分子を人為的に操作するための低分子化合物の同定も行っています。将来的には、病原菌や虫害を防御できる強い植物の創出につながると考えています。
在学時に、試験管内で人工的にタンパク質を合成するシステムを開発し、会社を設立しました。この技術により、これまで実験に使いたくても合成できなかったタンパク質を簡単に、しかも網羅的に手に入れることが可能になりました。まずは、大学や企業などの基礎研究に貢献できれば嬉しいなと思っています。
パリのユネスコ本部での授賞式の様子。中央が野元先生。
生物現象は非常に高度で複雑なので、実験をすればするほど、まだ明らかになっていないことがどんどん見えてきてしまいます。これを、世界に先駆けて自分たちの力で少しずつ解明していくことが研究の醍醐味だと思います。
特に、苦労した実験がうまくいった時の達成感はすごいです。研究仲間と議論しながら切磋琢磨することも面白さの一つです。
モデル植物であるシロイヌナズナにおける病原性細菌に対する病徴。
防御応答に重要なNPR1タンパク質をコードする遺伝子を欠損させると、
細菌が増殖し、葉が黄化する。
ユネスコ本部のホールで授賞式があり、想像以上に華やかな式典でした。大変名誉なことに世界中の女性若手研究者15 名のうちの一人に選ばれ、式典では母の振袖を着ました。受賞式前後には、今後の研究活動に役立ててほしいということで、タイムマネジメントのコツや、研究成果(知的財産)を活用するための勉強会が開かれました。人種・年齢バラバラの15 名で約2 週間共に過ごしたことは、大変貴重な経験になりました。良い研究仲間に出会えて、本当に良かったです。
高校時代、生物が大好きで、資料集や教本を勉強するのが楽しくて仕方がありませんでした。生物系の研究者になるためには、きっと化学や物理はそんなに必要ないだろう!と思い込んでいて、高校の時に苦手なまま過ごしてしまったせいで、大学生時代に苦労する時が多々ありました…。
色々なことに挑戦していきたいです。長期の留学や、英語力の向上、まだ身につけていない新しい実験技術の習得など、やりたいことがたくさんあります。一つずつ達成していきたいです。
氏名(ふりがな) 野元 美佳(のもと みか)
所属 遺伝子実験施設
職名 助教
略歴・趣味
2011年香川大学農学部応用生物科学科卒業、2013年香川大学大学院農学研究科生物資源利用学専攻修士課程修了、2018年名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻博士後期課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て、2018年より現職。2016年名古屋大学発のベンチャー企業NUProtein株式会社を設立し、取締役に就任(〜2018年)。現在は社外アドバイザーとして関与。趣味は、旅行とスポーツカー観戦。