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国際機構国際教育交流センター国際プログラム部門

No.23 リンリ― マシュー 特任教授/部門長

My best word:A ship in harbor is safe, but that is not what ships are built for.

 

Q:この言葉を選んだ理由は?

アメリカの作家ジョン シェッドの言葉で、“湾の中にいれば船は安全だが、船はそのために造られたのではない”という意味です。居心地の良い日常も大切ですが、敢えて冒険に出ることで、たくさんの学びを得ることができます。船を外海に出さなければ、今より成長することは不可能です。これまでと異なる環境に身を置けばストレスになるしリスクもあるけれど、強くなれます。

 

Q:先生はどのような業務を担当されていらっしゃいますか?

英語で学位が取得できるG30国際プログラム(以下、G30)のリクルート活動と入試が主な業務です。入試課国際入試係と一緒に世界各地から留学生を迎えます。留学生の確保は、国内外で既に競争が激しくなっています。どの国の大学も優秀な留学生を求めて積極的にアピールしますので、名古屋大学も負けられません。受験生に関するデータ分析も重要な仕事です。また、G30の円滑な運営のために、教職員や学生のコーディネートも行っています。

 

Q:国際プログラム部門長としてやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

三つあります。一つ目は、留学生とのかかわり。世界各地の優秀な学生との出会いは良い刺激になります。海外出張で、さまざまな国の高校生に名古屋大学の魅力を説明するのは楽しいものです。二つ目は、G30の教員との仕事。様々な背景を持つ教員がいますので、学術内容も指導スタイルも、とても勉強になります。三つ目は、留学や英語力向上に関心を持つ日本人学生たちとのかかわり。G30の科目は日本人学生にも開かれていて、英語で専門知識を学ぶ意欲のある学生が増えています。このような学生の世界を広げ、言語能力向上をサポートできることもやりがいを感じます。

 

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G30新入生が不安なく日本で大学生活を送れるよう開催しているG30情報交換会
G30学生や教員らとの一枚(2019年9月)

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入試課国際入試係のメンバー

 

Q:G30プログラムの魅力をPRしてください!

G30入試では、高校のGPAや世界標準試験の成績や課外活動などを考慮した書類審査に加えて面接試験を行います。その結果、学力的に優秀なだけでなく、コミュニケーション能力が高く、学びへのモチベーションの高い学生が多く入学します。名古屋大学で4年間の教育を受け、高度な研究に触れることで、学生たちの能力は大きく伸びます。G30卒業生の多くが、名古屋大学大学院や海外の世界トップ50の大学院に多数合格し活躍していることがその証拠です。また、先述のとおり、G30科目は日本人学生も履修できますので、名古屋大学にいながら海外の大学で勉強しているかのようなプチ留学を楽しむことができます。

 

Q:新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、愛知県に緊急事態宣言が出ていた間は、業務はもちろん、先生ご自身の生活にも様々な影響があったと思います。どのように過ごされていましたか?また、ストレス解消法があれば教えてください。

G30の学生募集では海外出張が重要ですが、今年は出張に行くことができません。その代わりICTを活用し海外の高校との連絡や会議参加を行っています。また、日本人学生も留学できなくなってしまいましたが、G30の授業はオンラインに適応していますので、自宅にいながら英語で授業を受ける良い機会になっています。

私個人としては、“ステイホーム”で、自宅からオンラインで会議や授業を行いました。小学生の子どもがいるのですが、いつも以上に一緒に遊んだり話したりする機会が増えました。でも、ちょっと太ってしまったので、人の少ない時間帯に家族で散歩したり、公園で走ったりしていました。

 

Q:今だから言える、ここだけの話を聞かせてください。

カナダの幼馴染み5人でテクノロックバンドをつくっていました。私はギターとドラムマシン担当。高校と大学の時です。マンチェスターのニュー・オーダーというバンドのコピーが得意で、わざとらしいイギリスなまりで歌っていました。でもあまり人気がなくて。初めてのライブでブーイングされ、トイレットペーパーを投げつけられました。自尊心を傷つけられても負けない経験が、今の私を強くしています(笑)。他人が何と思おうと、好きなものは好きでいるのが大切です。

 

Q:今後の目標や意気込みを教えてください。

私はかつて留学生として名古屋大学で勉強しました。楽しくて有意義な学生生活を送ることができ、人生の大きな転換点になりました。一方で、留学生と日本人学生の間には壁のようなものがあるといつも感じていました。私の夢は、日本人学生と留学生が教室の中で一体化し、「国際化」が特別なものではなくて、大学のごく当たり前の日常になることです。そしてG30 が今以上に活発になり、世界的に知名度が上がり、名古屋大学により貢献できるよう努力したいです。

 

氏名 リンリー マシュー

所属 国際機構国際教育交流センター国際プログラム部門

職名 特任教授/部門長

 

略歴・趣味

トリニダード・トバゴに生まれ、3歳でカナダへ移民。ビクトリア大学政治学修士課程修了後、国費留学生として名古屋大学大学院法学研究科にて修士号取得。名古屋大学法政国際教育協力研究センター研究員、オーストラリア国立大学クロフォードスクール博士課程、国際交流基金日本研究フェローシップを得て早稲田大学政治経済学部に在籍。テンプル大学ジャパンキャンパスを経て、2014年より現職。趣味はエアロビクス。

 

 

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