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国際機構国際機構 国際連携企画センター 国際企画部門/ウズベキスタン事務所

No.24 エルムロドフ エルドルジョン 特任講師/副所長

 

My Best Word:心の調和は成功と幸福の鍵です

 

Q:この言葉を選ばれた理由は?

「調和」という言葉を7歳のときに初めて耳にしました。その時は、「調和」という哲学的な用語の意味が理解出来ませんでした。「心の調和」とは自分に自信を持つということです。そして、感情のバランスを取ることや自尊感を保つことだと説明してもらいました。私の祖母は教育を受けていませんが、そのように丁寧に説明してくれたのを覚えています。個人的な見解ですが、「心の調和」とは、実現したいことを実現できる能力や自分自身に満足感を持つことだと思います。

 

Q:先生はどのような業務を担当されていらっしゃいますか?

現在、名古屋大学ウズベキスタン事務所副所長として、名古屋大学とウズベキスタンの大学間の「架け橋」になれるよう、両国の大学間交流強化に努めております。幸いなことに、困難ですが、責任を必要とされる、非常にやりがいのある任務をいただきました。両当事者の利益と能力を考慮に入れた上で、日本とウズベキスタンのさまざまな人々や組織と交渉を行っています。

特に、科学技術、経済学、法律、教育等の分野において名古屋大学とウズベキスタンのパートナー大学との交流を強化し、研究者及び学生の連携と交流を促進しています。

 

Q:この業務に携わるようになったきっかけや日本に興味を持つようになったきっかけは?

私は10年以上の経験を持つキャリア外交官でした。在日本ウズベキスタン大使館に勤めていたときに、名古屋大学ウズベキスタン事務所の設立等に直接に関わる機会がありました。その時は、いつか名古屋大学ウズベキスタン事務所で働くことになるとは、想像もしなかったですね。

18歳のときに、寮で日本から来た留学生と1年間同じ部屋で住む機会がありました。それを機に、日本に対して興味を持ち、日本語を学びながら日本の歴史や文化について理解を深めました。私の人生は美しい伝統を持つ国と密接に関連しています。また、外務省から名古屋大学ウズベキスタン事務所に転職した主な理由は、学術研究を行いたいという強い希望があったからです。

 

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研究及び教育についての国際会議に参加

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日本にて:和食が大好き

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ウズベキスタン・タシケント国立東洋学大学にて:

初めての日本語弁論大会に参加

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 名古屋大学にて:ミルジヨーエフ大統領訪問、お疲れ様です

Q:仕事にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

イベントを無事成功させるたびに、そのような気持ちを抱いています。イベントには、学長会議、科学シンポジウム、留学フェア、ノーベル賞受賞者の野依特別教授の訪問、学生研修などがあります。その他にも、空港でのお見送りとお出迎えや日常の綿密な打ち合わせも大変やりがいのある仕事になっています。

仕事に一番やりがいを感じる瞬間はウズベキスタンの学生が事務所を通して、名古屋大学への留学の機会を得るときです。事務所に大勢の優秀な若者が相談に来ますが、残念ながら全員が合格できるとは限りません。しかし、事務所が一人でも多くの若者の人生を変えることができたら、本当に幸せです。

 

Q:昨年末にミルジヨーエフ ウズベキスタン共和国大統領が本学を訪問されました。先生も対応に奔走されていましたが、印象深かったできごとを教えてください。

私にとって、ミルジヨーエフ大統領訪問のすべてがユニークで忘れられない経験でした。国家元首の訪問は急遽決定したものでしたが、名古屋大学は様々な課題に対して最高レベルで対応することができたと思います。この大統領の来日が名古屋から、特に名古屋大学から始まったことは非常に意義が大きく、印象に残っています。

 

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タシケントにて:ウズベキスタン同窓会のイベント

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名古屋大学ウズベキスタン事務所にて:
次の面会調整の交渉中

 

Q:新型コロナウイルス感染症は、日本だけでなくウズベキスタンでも陽性者が確認され、先生ご自身の業務や生活にも様々な影響があったと思います。どのように過ごされていますか?また、ストレス解消法があれば教えてください。

ウズベキスタンでも多くの分野がコロナ禍で深刻な影響を受けましたが、特に教育分野は影響が大きく、全ての大学が一時閉鎖されました。名古屋大学ウズベキスタン事務所にも遠隔業務が導入されましたが、一日も早く通常勤務に戻りたいと思っています。 私にとって、事務所のスタッフは家族のような存在ですから、一日も早く皆に会いたいのです。

実はストレスはあまり感じたことがないです。もちろん、不眠症、頭痛、疲労感やその他の身体的症状が出るときもありますが、夕方に家に帰って家族全員の顔を見たとたん、全ての心配が無くなります。

 

Q:今だから言える、ここだけの話を聞かせてください。

日本に留学したときに、印鑑文化について何も知りませんでした。どうして日本人は、何をするのにも印鑑が要るのだろう。印鑑を忘れてしまったときに、どうするのだろうと疑問に思っていました。ある日、百円ショップで一番きれいだと思った印鑑を買って、今後きっと使えると思っていました。しかし、名字が読めなかったです…。

 

Q:今後の目標や意気込みを教えてください。

日本人研究者のようにちゃんと成果が出せるように、研究を進めていきたいですね。まだきちんとした研究ができていませんが、一回でも科研費に採択されたいです。

  

氏名(ふりがな) ELMURODOV Eldorjon(エルムロドフ エルドルジョン)

所属 国際機構国際機構 国際連携企画センター 国際企画部門/ウズベキスタン事務所

職名 特任講師/副所長

 

略歴・趣味

ウズベキスタン世界経済外交大学卒業(2003年)。名古屋大学大学院法学研究科修士課程修了(2005年)。韓国ソウル国立大学 外交官専用課程修了(2008年)。ウズベキスタン外務省(2005−2015年)。在日ウズベキスタン大使館領事(2009−2013年)。2015年より現職。

趣味:スキー、BBQクッキング 

 

 

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