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Researchers'

VOICE

大学院工学研究科

No.34 上野 藍 講師

My Best Word:

人生、全て自分にとって最善の方向に進んでいる!

 

Q:この言葉を選ばれた理由は?

小学生の頃から宇宙に憧れ、漠然と将来は宇宙関係の仕事に就きたいな、と思い描いていました。現在はご縁に恵まれて宇宙工学の研究に従事していますが、まだまだ夢半ばです。そして、ここまで来るには試行錯誤の連続で、遠回り?と思えるような失敗もたくさんしました。自分の想いや適切な努力で道が開けてきた学生時代に対し、現在は仕事として、教育・研究以外の業務もこなしながら、いかに自分の成長に繋げるかを模索する日々です。

さらに、育児をしているとアクシデントは日常茶飯事ですが、何か制約がある時こそ「だったらどうするの?」を自問自答し、志がぶれずにより良い方へ少しずつでも行動し続けたら、「人生、全て自分にとっての最善に進んでいる!ベストなタイミングで物事が起きている!!」と思えるようになってきました。

 

Q:先生はどのような研究をされているのですか?

熱制御工学をベースとして、宇宙工学やナノ・マイクロのデバイス工学を軸に研究をしています。この研究は、研究室のミッションである「熱を究め、地球そして宇宙の未来を拓く」の通り、宇宙、住居、車から小型電子機器まで幅広く応用されています。例えば、人工衛星の置かれている環境は地球上とは異なり、-270℃の極低温環境下が基本ですが、太陽光の熱入力や人工衛星内部に搭載した機器からの発熱などを利用して、上手くバランスを取る(熱を制御する)ことで、その人工衛星がミッションを遂行できるような、新たなデバイスやシステムを創出しています。

また、最近注目しているのは、ウェアラブル機器などへの熱マネージメントとして、フレキシブルかつ無電力で駆動する徐熱デバイスの研究です。

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熱輸送デバイスのウェアラブル機器搭載イメージ

 

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デバイスの評価実験

Q:研究の道に進んだきっかけは?

小学生の頃に、宇宙飛行士の毛利衛さんの「宇宙から見た地球に国境線は無かった!」という言葉に感動し、こんな素敵なコメントを言える“宇宙の仕事ってカッコイイな”という憧れが全てのはじまりでした。また、学部時代には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で研究する機会を得ました。その時の尊敬する人々との出会いが工学系進学へのきっかけとなりました。

 

 

Q:研究が面白いと思った瞬間はどんな時ですか?

難しい研究課題であればあるほど、自分の立てた仮説通りにいくことはほとんどなく、何かしらのアクシデントはつきものです。だからこそ、当初、自分が想定していなかった面白い現象が明らかになったときには本当に感動します。ちょうど、山登りをしてふと振り返ると、“結構、高くまで登ってきたな~”という、あの達成感に似ているかもしれません。

 

Q:先生はこれまでJAXAなど宇宙開発の現場、大学、さらには世界を牽引する企業との共同研究など異なる環境の中で研究をされてきましたが、思い出に残っているエピソードを教えてください。

異なる環境の中で“シーズ”と“ニーズ”の双方を意識して、先端的な研究に取り組んできました。これまで国内外問わず、また研究・教育・官公庁機関だけでなく、世界を牽引する企業を訪問する機会が多くありました。海外の方と接するとき、所属・学歴よりもまず、「あなたは何をやっているの?」と必ず聞かれ、皆、自分を人生の主人公として主体的かつ積極的にキャリアを形成している印象を受けました。その経験から、これまで以上に、自分の好奇心に素直に、物事を選択するようになりました。

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ケニアにある国連機関UNEPへの訪問

Q:休日はどのように過ごされていますか。リフレッシュ方法などがあれば教えてください。

週末は、子どもと一緒に公園や大自然の中で体を動かすして遊ぶことが多いです。リフレッシュ方法は、裸足で芝生、川、海などを歩くことで地球の大地と直接つながる「アーシング」をすることです。これにより普段の生活では使わない五感がフルに刺激され、脳自体もリフレッシュします。特に岩場の川などは、不健康な大人には足つぼマッサージ並みに痛く、それを尻目に子どもがスイスイと歩くのを見て、反省しています。

 

Q:今だから言える、ここだけの話を聞かせてください。

コロナ禍での在宅勤務の際、まだ生後間もない子どもに授乳しながらオンライン会議に参加していました。どうしても子どもの世話が難しい時には、旦那さんに子どもを託し、子どもを抱っこした旦那さんと一緒に、オンライン会議に出席していました。これが意外にもウケが良かったようで、「会議も円滑かつ効率的に短時間で進む」と言われました。

 

Q:今後の目標や意気込みを教えてください。

今後は私の研究の軸である「LINK HEAT TRANSFER TO ∞ (infinity:無限大) 」(※伝熱工学を通じて様々なモノ・ヒト・システムとつながり無限の可能性を創出すること)を加速するため、医療や予防医学分野への展開も行っていきたいです。スタンフォード大学発の「バイオデザイン」(医療機器開発のための実践的な人材育成プログラム)を学ぶ機会がありました。この経験から、将来的には「バイオデザイン発展途上国支援」というキーワードで何か面白いことができないかと、現在お医者さんの研究者も一緒に、どう切り込むか画策中です!

 

 

 

氏名(ふりがな) 上野 藍 (うえの あい)

所属 名古屋大学大学院工学研究科

職名 講師

 

略歴・趣味

2012年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。

東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻特任研究員を経て、2016年名古屋大学大学院工学研究科助教、2022年より現職。

趣味:身体を動かすこと(アーシング)、音楽鑑賞、美味しいお店を見つけること。