2023年9月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

 

 

9月29日 その②

ハワス博士の次は、オランダからのお客様で、デルフト工科大のマルセル・ヴァン・デ・ヴールデ(Marcel Van de Voorde)教授の来訪です。物質科学の研究者で、世界的に有名なベルギーの半導体機関imecの創設者の一人、ヨーロッパの多くの政府関係の委員などを歴任している大物です。名古屋大学のことを説明したのですが、半導体や物質科学の研究には大きな興味を持っていただいたとともに、留学生の少なさ、特にアフリカ諸国にもっと目を向けるべき、という貴重な提言をいただきました。まさにご意見番、という感じの方でした。

その後、夕方からは、名駅そばのホテルに場所を移して、NTT西日本との技術交流会を行いました。名大からは、情報学研究科の浦田真由准教授が、「産学官民連携による地域DXの推進」と題して、飛騨や高山でのデジタル化の社会実験の話しを、NTT側からは、スマートデータサイエンスセンタの社家一平センタ長が「デジタルツインが実現する未来の街づくり」と題して、街づくりに関する盛り沢山な話しをされました。デジタルツインとは、現実の世界から収集したさまざまなデータを元に、サイバー空間にそのデジタルコピーを構築する技術のことを言うのだそうです。時代は着実に変わってきていますが、ヒト誰しもが使いやすい技術が身近になるとありがたいですね。

この交流会では、名古屋大学の卒業生・修了生も参加してくれていて、短い間ですが、話せてとてもよかったです。みなさん、若い方でしたが、高い意識を持って活躍している様子が伺えました。

 

 

9月29日 その①

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本日は目が回る忙しさでした。

午前中は、エジプトの著名な考古学者、ザヒ・ハワス博士に、名古屋大学の名誉博士号(人文学)を授与するとともに、彼の講演会が催され、坂田・平田ホールで楽しい時間を過ごすことができました。ハワス博士は、日本を含め、世界各国のTVなどメディアに引っ張りだこで、一度は顔を見たことがある、という方が多いのではないでしょうか。考古学者を演じる俳優、とでもいう存在だ、と博士が準備されたビデオの中で表現されていましたが、インディ・ジョーンズそっくりの帽子をかぶって、ピラミッドや発掘現場に入っていく様子は、まさにアドベンチャーそのものでした。

名誉博士については、これまで10大学ほどからもらっている、とのことでしたが、日本の大学からは初めてとのことでした。本学としては、2019年にウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領に差し上げて以来になります。

講演会では、最新の発掘の成果、特にクフ王のピラミッドに存在していた新たな空間の話などを中心に講演されました。これは、名古屋大学など国際チーム「スキャンピラミッド」が存在を予想したものですが、それが本当に見つかっただけでなく、その空間の下に何か重要なものが埋まっているかもしれないので発掘を予定している、など、本当にドキドキさせられた一時間ほどの講演でした。講演の後は、質問を受けたのですが、11歳の男の子からの質問に、逆に「君は考古学者になりたいかい」と問いかけ、「イエス」という返事を聞くと、エジプトに招待してピラミッドを案内してあげる、とのサプライズ。男の子が感激して泣き出す一幕もありました。

 

9月27日 その②

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本日夕方には、アジアサテライトキャンパス学院の修了研究発表会とその後の懇親会があり、懇親会に参加してきました。

アジアサテライトキャンパス学院は、アジア各国の修士を持った政府機関中枢で働いている人、大学の研究者、国際機関やNGOなどで働いている人を対象とて、博士号を取るためのコースを提供しています。すでに名古屋大学で修士をとっている人も多く、今回は、モンゴルから環境学と医学、ラオスから医学での3名が博士号を取得し、修了しました。皆さん、政府機関に勤めていらっしゃる方々で、2名が女性でした。医学のお二人は、本学の医学系研究科が提供するYLPという医療行政を対象とした1年の修士コースを終えて修士号を持っている方になります。

このコースは母国で働きながら博士号が取れる、というところを売りにしているのですが、3名の方は、本日の秋季卒業式・修了式に合わせて来日され、式に出席するとともに、学位記を受け取られました。

これから、是非とも修了生の皆さんには政府で重要な地位に登って行っていただき、国を良くしていくとともに、名古屋大学との架け橋の役割を果たしていただけたらと思っています。

 

9月27日 その①

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本日、午前中は、秋季卒業式でした。特に学部ではG30という全ての授業が英語で行われるコースの学生が対象で、ほとんどが留学生ということになります。学部卒業生が48名、修士が136名、博士が57名、総計241名という小ぶりな卒業式です。

会場は、豊田講堂ですが、家族や友達も入っていたので、一階席はほとんど満席でした。民族衣装に身を包んだ卒業生も多く、華やかで、対面での式典の良さを再認識しました。

式は、すべて英語で執り行われ、各学部、研究科の総代に対する学位記授与、その後の私の挨拶、卒業生・修了生総代の辞と、例年通り、また春の卒業式とも同様に進行しましたが、今回は少しサプライズを入れました。式の最後に、工学部の同窓生で、日本アイ・ビー・エムの元会長・社長の橋本孝之日本アイ・ビー・エム名誉相談役に来賓祝辞をお願いしたことです。橋本さんからは、素晴らしい祝辞をいただくことができました。その内容は、YouTubeで見ることができます。リーダーの資質について述べた後、夢を持つことの大切さについて力強く語っていただいた内容は、卒業生に深く響いたのではないかと思っています。私の話しもチャレンジし続けてください、という内容だったので、ちょうど期せずして似たようなメッセージとなりました。

卒業生の皆さん、これから人生の次の旅路が始まります。活躍、期待しています!

 

 

9月21日 その③

シンガポール国立大学の皆さんが、藤田医科大学に向かわれた後、豊田講堂はじめ、学内の施設を利用して行われている日本天文学会の年会で挨拶をいたしました。

日本天文学会は、言わずと知れた日本の天文学者が集まって作っている学会です。会員数は3000人強、そのうち、1000人ほどはアマチュアの天文学者など準会員です。アマチュアといえど、侮るなかれ。自宅にドームを設置して、大型の反射望遠鏡を設置して、CCDで撮影する、というプロ顔負けの人たちもいます。さて、アマチュアを除くと、大学院生を含むプロの天文学者は、2000人強ということになります。1.2億人のうちの2000人ですから、日本人の6万人に1人が天文学者、こう考えると、とても希少な人間の集団のような気がしてきました。

私自身は、名古屋大学に来る前は、日本の天文学の総本山とも言える東京都三鷹市にある国立天文台にいましたので、右を見ても左を見ても天文学者、という状態が普通でした。6万人に1人だと、なかなか石を投げても当たらないですね。今回は、珍しい天文学者たちが名古屋に大集結ということです。オンライン参加もいるようですが、およそ1000名ほどの参加者と聞いています。プロの会員の半数が集まっているわけですね。

私が挨拶をしたのは、会員全体集会の場所、今回は豊田講堂でした。そこには、昔馴染みの顔もちらほら見えましたが、若い知らない人が多くて、今昔の感にたえませんでした。

 

 

9月21日 その②

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大幸キャンパスから昼前に帰ってすぐに、シンガポール国立大学のタン(Tan Eng Chye)学長、チェン(Chen Tsuhan)副学長、チー(Chee Yeow Meng)副学長、ティー(Benjamin Tee Chee Keong)准副学長らをお出迎えして、昼食会を持ちました。みなさん、名大には来たことがあって、特に最後のお二人は、この数ヶ月の間に訪問いただいています。

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シンガポール国立大学のグループ、午前中は、愛知県との打ち合わせ、協定締結、ということで先方も大忙しでした。愛知県からは大村知事、文部科学省からは、山下科学技術・学術総括官、と多くの来賓にもご参加いただき、豊田講堂のユニバーサルクラブを貸切にして、総長主催昼食会、大々的に執り行いました。

 

20230921_002.jpgその後、場所を本部1号館5階に移して、協定延長の調印式、こちらは、タン学長と私が署名をし、大村知事が見届け人、という形で執り行いました。それぞれの場面で、何か挨拶をしなければいけなかったので、結構、大変なイベントでした。大村知事も、明日からアジア大会で中国に行くというのに、長時間お付き合いいただき、感謝です。

調印式の後は、名大関連スタートアップの人や、新たに設置したディープテック・シリアルイノベーションセンターの方などにも参加をいただき、シンガポール国立大学オーバーシー・カレッジの名古屋版オープニングセッションを、一時間ほどですが持ちました。最初の先方の学生を受け入れる予定のMAP IV(マップ・フォー)社員からの紹介もあり、お互いの理解がより深まったかと思います。

シンガポール国立大学の皆さんとは、最後は、夜に名古屋駅のそばで会食を共にして、お別れでした。とても充実した、密度の濃い訪問だったと思います。

 

9月21日 その①

本日は、シンガポール国立大学のタン学長が本学にこられ、協定書の延長の調印式を行いました。ただ、それ以外にもいくつもイベントがあったので、本当にバタバタと疲れた1日でした。

午前中は、大幸キャンパスへ行って、医学部保健学科の視察です。久しぶりに大幸キャンパスに出向いたのですが、留学生会館が建ったり、すっかりきれいになってびっくりしました。このキャンパスは、ナゴヤドーム(バンテリンドーム)、イオンのすぐ横にあり、ドラゴンズの試合のある日はとても賑やかな界隈になります。

保健学科では、情報系の人材を入れて新しい教育・研究を実践していくことを目指す、ということで、厚生会館の2階に卓越大学院CIBoGの資金を投入して、新たに設置した拠点を見せてもらいました。情報系の最新の教室ということで素晴らしいものでしたが、一方、従来の教室は、大きく手を入れてから10年が過ぎて、老朽化、陳腐化が激しく、新しい設備をどのように更新していくかが、課題と感じました。 

 

 

9月20日

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本日は、VIPの来客が多く、日本天文学会の年会が名大で始まったこともあり、バタバタした一日でした。午前中はいつもの如く、分刻みの打ち合わせ、午後イチは東海国立大学機構の定例の役員会にオンラインで出席しました。

役員会の終了直後ですが、ベトナム司法省からダン・ホアン・オアイン副大臣、またハノイ法科大学からブ・ティ・ラン・アイン副学長、ファン・ティ・ラン・フォン国際次長の訪問に対応するために、アジア法交流館へと移動しました。訪問いただいた3名の方、みなさん名古屋大学の同窓生ですが全員女性で、また、本学に留学中のベトナム人学生も同席したのですがこちらも20名近くが全員女性、少しびっくりしました。留学生のうち、半分ぐらいは、司法省から派遣され、英語のプログラムをとっている修士の院生です。

今回の副大臣の訪問目的は、これまでの名古屋大学法政国際教育協力研究センター(CALE)の活動に対するベトナム司法省からの感謝状贈呈とのことでした。先日は、CALE30周年に合わせて、日本の法務省からも感謝状をいただきましたし、もっともっとCALE、そして法学部/法学研究科の国際貢献、宣伝していきたいと思っています。

ベトナムからのお客さんとの懇談が終わってすぐに、今度は、本部にとって返して、インド工科大学グワハティ校のパラメスワール・アイヤール学長をお出迎えしました。インド工科大学は20以上の分校を持っているのですが、グワハティ校は岐阜大学とジョイント・デグリープログラムなどを一緒にやっているなど結びつきの深い大学です。縁あって学長に来ていただいたので、今後、名古屋大学とも是非連携して行けたら、と希望しています。アイヤール学長は、一月にあった日印大学等フォーラムでお会いしていたので、話しもスムーズでした。

夜は、久々に天文学者の皆さんと、打ち合わせ・会食でした。世界的規模で進められている電波天文学のプロジェクトにどのように参入するのか、進め方を話し合ったのですが、名古屋大学がリードする形で、国立天文台に諸々お願いすることになりました。昔からの仲間とのひとときは楽しいものでした。

  

9月14日

本日は、YLCプログラムの面接審査のため一日、オンラインで缶詰状態でした。

YLC(Young Leader’s Cultivation)プログラムは、若手研究者を5年任期の特任助教として採用し、その間思う存分研究に打ち込んでもらい、次のステップに上がるのを手助けする、というプログラムです。2010年のスタート時には、名古屋大学で博士号を取得したもののみを対象としていましたが、今は、その制限はなくなり、女性枠、外国人枠も設けて、ダイバーシティにも配慮して採用を行なっています。

分野を限らずに、募集していますので、今年も多くの応募があり、面接には20名が進みました。朝9時から夕方6時までみっちりと面接が続き大変ではありましたが、若い人の研究の話しが次々と聞けるのは楽しくもありました。一名、辞退があったのでその時間が空いたのですが、早速、抜け目のない事務が打ち合わせを入れてくれたため、本当に休む時間がなかったです。

まだ最終確定はしていませんが、今年は10名ほどを採択することとなりそうです。この方々が、本学で活躍して、次のステージに飛翔してくれることを願っています。

 

9月12日

本日は、朝イチに鶴舞キャンパスに出かけました。医学系研究科を中心に展開している卓越大学院CIBoG(情報・生命医科学コンボリューションonグローカルアライアンス卓越大学院)の現地調査に立ち会うためです。

卓越大学院は、大学院改革のための国の大きな補助金で、本学は4つ採択されています。CIBoGでは、近年急速に進歩した情報科学と生命医科学を一体化し、病気の治療を行う医療から、個々人の病気の発症を予防できるような個別予防の新しい領域の構築とこれを推進できる人材の育成を図り、急速な高齢化に伴う社会問題の解決を目指すことを目的としています。本プログラム、中間評価で最高のSをいただくなど、大変評判がよく、現地調査も基本的には、和やかな雰囲気で行われました。岐阜大とも連携して行なっていることもあり、東海国立大学機構についての質問が多かったのは、少し予想外ではありましたが。

夜には、本学で開催中の電子情報通信学会ソサエティ大会の懇親会でご挨拶をさせていただく機会がありました。場所は、伏見にあるザ・コンダーハウスでしたが、こちら、旧名古屋銀行本店を利用したレストラン・ブライダル・宴会などを行えるところで、さすがの重厚な造りでした。4年ぶりに行われた懇親会、200人が参加して大変賑やかでした。そうそう、その場で、昼間に名大キャンパスを探索した学生さんから、「スズメバチがたくさんいた」という情報をいただきました。皆さん、気をつけてください。

 

9月11日

本日は、ディープテック・シリアルイノベーションセンターの開所式が行われました。

このセンターは、ベンチャービジネスラボラトリーを改組し、この4月に新たに発足した組織になります。新たな組織の目的は、学士課程から博士後期課程まで階層的に、大規模かつ学際的にアントレプレナーシップ教育を実施することにあります。それによって、名古屋大学の持つ高度技術シーズの社会実装を加速する土壌を醸成して、イノベーションの創出を加速するための基盤となる新しい価値観を生み出すことのできる人材を輩出していくことを期待しています。つまり、学生発のスタートアップを名古屋大学からどんどんと生み出すための、アントレプレナーシップ教育を行うわけです。最初のセンター長は、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーにも長年かかわってこられた宇治原教授が務めることとなりました。

開所式には、文部科学省から科学技術学術・政策局産業連携・地域振興課の池田一郎課長にはご祝辞を、また、東京大学・慶應大学の教授であり、元文科副大臣の鈴木寛(通称、すずかんさん)先生には、ご本人が主催している「すずかんゼミ」についての非常に刺激的なお話をいただきました。ありがとうございます。

ディープテック・シリアルイノベーションセンターには、名古屋大学の学生に、一年生からアントレプレナーシップ教育を施し、マインドセットを変えることで、多くのスタートアップを生み出す原動力になってもらうことを期待しています。

 

 

9月8日

本日は、イスラエルのヘブライ大学からNissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)人文学部長が表敬訪問されました。ここのところ、海外からのお客さんが続いています。学生を連れて愛知県で研修をしている最中に立ち寄ってくださったのですが、まず日本語が達者なのにびっくりさせられました。若い頃に東京で日本語を学び、また後になって、京都大学で6年を過ごし、博士の学位を取られたとのこと、納得の日本語力でした。結局、全ての会話は日本語で行いました。

ヘブライ大学はイスラエルで一番古い大学で、建国前にはすでに大学として成立していたとのこと、アインシュタインも創立には関係していて、遺言で彼の遺産と書物全てが大学に寄贈されているそうです。膨大なアインシュタインのアーカイブが今はオンライン化されていますが、アインシュタインの写真などを使う際にはコミッションが発生し、大学に大きな収入をもたらしているとおっしゃっていました。

ヘブライ大学は、すでに東京大学をはじめ、日本の大学の幾つかと連携をされているとのことでしたが、この機会に是非、名古屋大学とも、ということで立ち寄ってくださいました。中でも、農業の分野に特に興味があるようでした。ちなみにヘブライ大学は、宇宙の研究でもトップレベルで、友人の何人かはこの大学で博士号を取っていることもあり、私としても是非、連携が進むことを希望しています。

ちなみに、ギル・シャハムという有名なバイオリン奏者がいるのですが、彼の父は著名な天体物理学者で、ヘブライ大学の卒業生であり、また一時期、ヘブライ大学の教員をつとめていました。私の友人がお父さんの学生だったのですが、息子の教育(ニューヨークのジュリアード音楽院に留学)のためにアメリカに行ってばかりで、あまり面倒を見てもらえなかった、とぼやいていたのを思い出します。最終的にはお父さんはアメリカの大学に落ち着いて、コロンビア大学の教授だった時に52歳で亡くなっています。

 

9月7日 その2

最近、学内のネットワークの調子が少しおかしく、ネットに接続できない事態が時々生じています。日曜日あたりから起きているのですが、学内の皆さん、ネットに接続できないと、あらためてどれだけ自分がネットに依存して生活しているか、感じているのではないでしょうか。かくいう私も、オンライン会議が急に切れて参加できなくなったり、メールの送受信がおかしくなったり、クラウドにうまくアクセスできなくなったりと、一度ネット接続が切れると仕事になりません。こんな時こそ、じっくり総長自由闊達通信を書けば良いのでしょうね。

 

9月7日

本日は、中日新聞の青柳社会部長が訪問され、10月から、月2回程度で短い文章を書く約束をしました。締め切りに追い立てられる未来が見えますが、自由闊達に書いていきたいと思っています。

また、午後には、リール大学のNil ÖZÇAGLAR-TOULOUSE(ニル・オザグラー・トゥルーズ)国際担当副学長らの訪問団を迎えました。大学関係者だけでなくフランス大使館からも帯同され、総勢8名という大規模な訪問団でした。今回は、東海国立大学機構の統合糖鎖研究拠点iGCOREのメンバーで、リール大学と岐阜大学のクロスアポイントメントのヤン・ゲラルデル先生の関係で来られたのですが、糖鎖研究だけでなく、もっと幅広く、また深い連携をというご希望を述べられていました。

リール大学は、学生数なんと8万、巨大な総合大学です。リールはフランスの中でもベルギー国境に近く、パリからはTGVで一時間程度と便もよく、ご本人たちの言葉によると「ヨーロッパの中心」とのことでした。フランスでも日本の国際卓越研究大学と似たような施策が取られ、15大学ほどが選ばれて資金が投入されているとのこと、そのために多くの大学が、合併などをしました。リール大学も、数年前に3大学を一つにまとめた結果、ここまで大きくなったとのことです。政府に翻弄されるのは、何処も同じですね。

あのルイ・パスツールも教員をしていた大学です。これから良い連携ができることを望んでいます。

 

9月6日

 本日は、中京テレビの伊豫田祐司(いよだゆうじ)社長らが名大を訪問されました。6月20日付けで就任した伊豫田社長は、本学の教育学部卒業で、キー局である日テレからの社長が続いていた中京テレビにとって7年ぶりの生え抜き社長とのことです。

中京テレビさんとは、私にとっては、以前、ノーベル賞企画として、天野先生や益川先生にご出演いただき、この地区の最先端研究を紹介する番組を作成したときからのお付き合いです。この時は、林修(東海高校出身)さんと一緒に神岡まで行って、重力波やニュートリノの観測施設を見学したことを思い出します。番組を見返してみると、重力波の初検出でノーベル賞がほぼ確実に出ることや、ニュートリノで梶田さんがノーベル賞の有力候補であることを発言していて、数年後に見事、どちらもバッチリ当たったことは自慢です。

地元のテレビ局などマスコミとの連携は大学にとってこれからますます重要になっていくと思っています。今回は大学を取り巻く環境など雑多な話しをさせていただきましたが、名大卒社長の下での今後の強力な連携を楽しみにしています。

 

 

9月5日

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本日は、附属図書館中央図書館2階多目的ラーニングエリアを対象としたネーミングライツ事業がスタートしたということで、開設記念式典を行いました。

ここは、学生さんが集まって書籍はもとよりマルチメディアなどを活用して、個人やグループで学ぶことのできるスペースです。ネーミングライツを募集して、そこでの収益を図書館資料や図書館施設の充実を図るため活用する、という計画になります。

公募で選ばれたのが、Sky株式会社です。これを受けて、この9月1日から令和10年8月31日までの5年間、2階多目的ラーニングエリアは「Sky Learning Studio」という名称となりました。この間、名古屋大学として、サインの設置や印刷物等で積極的にSky Learning Studioの愛称を使用していく予定です。

記念式典では、Sky株式会社からは、寺下和典執⾏役員、安⽥圭吾ICTソリューション事業部営業部課⻑代理、潟岡雅⼠⼈財事業部リクルーティング部専任課⻑代理のお三方に出席いただき、こちらは私と図書館長である佐久間副総長、浅川晋副図書館長の3名が出席、私と寺下役員のスピーチの後、6人によるテープカットを行いました。

Sky株式会社はIT関係、特に情報セキュリティやPC教育、名刺管理サービスなどを提供していて、積極的なCM戦略もあり、名前を聞く機会も多いのではないでしょうか。本学でも医学部附属病院での電子カルテの運用管理ソフトや附属中・高等学校でのコンピュータ教室などで利用させていただいています。今回のネーミングライツで、様々な点で連携が深まれば良いと思っています。

 

9月4日

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本日は、エジンバラ大学の理学・工学カレッジ、国際担当副学部長のニール・ロバートソン教授とエジンバラ大学の東アジア連携担当のグレース・グアンさんが、本学とのさらなる連携について打ち合わせるため訪問されたので、この機会に30分程度ですがお話しする機会を得ました。ロバートソン教授は化学の教授ということもあり、本学の化学の教授でもある阿波賀高等研究院長と以前からの知り合い、ということで阿波賀先生にも同席いただきました。

これまでエジンバラ大学とは、理学研究科とのジョイントデグリープログラムややはり理学を中心とした研究交流などが盛んに進められてきましたが、戦略的パートナー大学となることで、さらなる連携を深めることを検討しています。今回、お二人は私との面談の前に、スタートアップなどについて、すでに武田副総長らと話をされ、この後、午後には産学連携関係で佐宗副総長とも話をする予定となっています。これを機会に、これまで以上に、学生や研究者の交流が盛んになることを期待しています。

ところで、このような面談では、よくプレゼントの交換をします。今回はこちらからは七宝焼のペン皿を、向こうからはスコットランド特製のクッキーをいただきました。飾っておくものよりも、食べられるものの方が正直嬉しいですね。

 

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